アノマロカリスの裔

あのまろかりすのえい【登録タグ:2014年 ふなむし 初音ミク

作詞:ふなむし
作曲:ふなむし
編曲:ふなむし
唄:初音ミク
voice:ちゅか

曲紹介

  • はつゆきの彼方

歌詞

(動画より書き起こし)

まだはっきりしない輪郭に
指紋が流れ着き続ける
油のしずくみたいに

覚えたばかりの二足歩行で
胸部X線写真のなかの白い木立を抜けていく

穴を開けたけど楽器にならなかった貝殻を返しに行くのです

待っていたはつゆきなのに声を上げることもなく
血のしみを囲んでこころだけ輪になったまま

刻々
かたちを変えていく
でもなにも象らない燭影の
燭影のかたちに雪夜は歪みながら
ミトンの偶蹄を吸いとる

もういっそ
吸いとられるままにしてみても
それだけしみこまないでいる
耳が
稜稜しく欹だっていて
青いラジオを聴いている

馴鹿を悴ませたまま静まる教区
そのいちばん北にあって
ここからでは想像するしかない灯台のあかりが漠然と兆してくる

おかあさんがわたしのブラウスを縫う
足踏みミシンに飛び乗ってくる猫
わたしにだけなつかない
あのきれいな瞳を転がすように
氷砂糖を小さくしていく

部屋の両脇に
片付けられた椅子の脚みたいに
レントゲンの木立が縞になっていて
ほんとうに一人きりになっていて

ほめてもらいたかった
せっかく覚えた二足歩行だったのに
わすれて

雪夜の青みに釣り込まれてわたしは南溟を想像する
血のしみを囲んで輪になったこころを遠のく螺塔に投げるように

むかし花刑があった
谺吊り礼拝堂にみんないて
白い泥の化粧をして
葉のお皿のお肉を食べた

ささやかなお葬式
うさぎが屠られて
笛の音が高くなった

踊りのなか
わたしのスカートをはいた弟が花絡に編み込まれて
引き裂きあうぬいぐるみぐるみはだかのわたしも花絡に編み込まれて


embrace
冥王代はねむれ
ねむれはつゆきのかなた


ほころびえないよう
ほろびを固定化したまま
廃墟に取り込まれていく
螺塔が戴く花輪のように


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最終更新:2023年12月12日 09:12