AL4型AT(オートマティックトランスミッション)について

プジョー307に搭載されているAT(オートマティックトランスミッション)はシトロエンとルノー(メガーヌII用)と共同開発されたものです。プジョー307のAT に関する記事をMEGANISTE JAPONでsadaさんという方が翻訳してくださいました。

原文は,こちら(12 April 2003.)
翻訳文章は,こちら

以下,引用を307向けに,原文を参考に編集しています。

オートマティックトランスミッション(AT)は世界的な支持を集めつつあり,全世界の自動車の44%が装着している。欧州では,ルノーの調査によれば,8%であるが増加傾向にあり,北米では90%,日本では80%の装着率である。

307は最新のAL4型ATを装着する。このATはN5 306,206,406,806等の多くのプジョー車にも装着されている。
AL4型はPSAパートナーであるシトロエン,シーメンス,ルノー(DP0型)との共同開発である。PSAとルノーは1997年に27億5千万フランの開発費を分担した。 重量は70kgで,許容トルクは330Nm(初期型は210Nm)。 ロックアップは2,3,4速で可能,トランスミッションオイルは熱交換器で冷却される。制御ユニットは40チャンネル、エンジン制御ユニットとCAN通信している。MTに対する燃費のロスは小さく,307 1.6の場合,市街地モードで0.2L /100kmしかロスしない(AS2877)。

Dポジションは学習機能付きで,ドライビングパターンによってシフトする。この時,負荷,道路の傾斜,路面状況,アクセルの踏み込み速度,ギヤボックス,オイル温度,エンジン水温等が考慮される。コンピューターは,車速,アクセルの踏み込み速度や回数,踏み込み量を考慮して,1分間でドライバーをエコノミー運転者か,スポーツ走行者か,その中間かをタイプ分けする。各々のタイプは,エコノミー走行,パワー走行,その中間の3つのシフトスケジュールに対応しており,そのシフトスケジュールはそれまでの数分間の状態の平均から決定される。アクセルを急に踏んだ時は,一時的にその時のモードより1段階スポーティーなモード(例えばエコ⇒中間,中間⇒スポーツ)が選択され,アクセルを戻せば元のモードに戻る。

  • ノーマルモードのパターンの種類

ドライビングコンディション
ドライビング
コンディション
ダウンヒル 平地 登坂 きつい登坂
エコパターン 降坂パターン エコパターン ブレーキング
パターン1
ブレーキング
パターン
中間パターン 降坂パターン 中間パターン ブレーキング
パターン1
ブレーキング
パターン
スポーツ
パターン
スポーツ
パターン
スポーツ
パターン
スポーツ
パターン
ブレーキング
パターン

オートアダプティブモードでは6パターンが選択でき,エコパターンとブレーキングパターン1がもっとも普通に使用される・

更に二つのモードがマニュアルに選択できる。
  • スポーツモードでは最もダイナミックでスポーティー,アグレッシブな2つのモードが選択される。ギヤはより長時間ホールドされ,例えば100km/h以上の高速になるまで4速にはシフトアップされず,エンジンブレーキを積極的に利かせるようなシフトダウンが行われる。
又ロックアップの頻度は若干減少する。
スポーツモードはスポーティーな走行に有効であり,ブレーキング時にはロックアップが作動し有効なエンジンブレーク力が得られる。
ブレーキング時のダウンシフト頻度は傾斜やブレーキ頻度によって決定される。
  • スノーモードではホイールスピンを抑えるために2速発進を行う。
シフト頻度は抑えられ,15km/h以下の速度でもキックダウンせず,ブレーキングによってシフトダウンが行われる。 このモードは自動的には選択されない。

前述のオートアダプティブモードに加えて307のAL4はポルシェティプトロニクスシステム(マニュアルモード)を備えている。ドライバーはマニュアルにギヤシフトを行うことができる。 このシステムは,例えば,オーバーレヴを起こすようなダウンシフトを防止したり,エンジン回転が異常に高まった時の自働アップシフト,高いギヤをホールドしたまま車速が低下した時のエンスト防止のためのダウンシフト又はロックアップ解除等のフェールセーフ機能を有している。 この結果AL4は計10のモードを持っている。

安全のために,アクセルペダルから突然足を放した場合にはアップシフトはしない。プジョーはフリュードの交換を要求しておらず,一生物だが,オイル劣化カウンターを装備しており,95℃以下の使用条件であれば6000時間の運転を許容する。Diag2000を使用して,サービスマンがフリュード交換要否を判断できる。

トランスミッションが15℃以下の冷間時にはロックアッププレートが異常な高温になり又は故障する可能性があるため,これ以上の温度になるまではロックアップは行われない。15℃に達した後はギヤボックスの発熱はエンジンや触媒の暖機を助け,排気ガス低減やキャビンヒーターのウォームアップを助ける。オーバーヒート防止のため,120℃に達すると冷却を開始し,110℃で安定する。

AL4型は非常にクレバーなユニットであり,MTと比較してもそれほど悪化しない素晴らしい燃費をもたらす。そうは言っても,MTよりは加速は緩慢にならざるをえず,時たま思わぬ作動を行うことも事実である。