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頭がボーっとして、体が動かない。
「目は覚めたかしら?」
その声と共に飛竜はハッと顔を上げた。
「痛っ!」
頭に痛みが走る。
「あれ、俺どうしたんだ?」
「感謝しなさい。あなたが廊下に倒れてたから、わたしがここまで運んであげたのよ。」
声の主は女性であった。
整った顔立ちに、思わず見とれてしまう。
戦隊高校の制服を着ていることから、この学校の生徒であることがわかった。
「どうもありが・・・って、んなわけあるか!これはどういうことだぁ!?」
飛竜は十字に立った状態で、両手両足は頑丈なベルトに縛られていた。
助けられたというより、囚われたと言ったほうが正しい表現であろう。
「たしか変なフロッピーを拾って、その後突然電気みたいなのが走って・・・。」
「変なフロッピーとは失礼ね。あれにはあなたのような凡人には理解できないものが入っているのよ。」
「あれはあんたのものだったのか。ってそんなことはどうでもいい!
これはどういうことなんだって聞いてるんだ!こりゃ犯罪だよ、あんた。」
「世界の全てはいずれ私のものになるのよ。これは仮定ではなく定説。つまり、私のものを私がどうしようと自由でしょ。」
少女は瞳を閉じてフッと微笑んだ。

飛竜は思った。
ああ、確実に頭がやばい人だ。
こいつは関わっちゃいけないと直感が伝える。
「そろそろ午後の授業が始まるぜ。あんただって遅れちゃまずいだろ。」
少女の瞳が飛竜を見つめる。
「計画を知ってしまった以上、あなたをこのまま帰すことは出来ないわ。」
いよいよ、おかしいことになってきた。
「こっちはあんたのおかげで昼飯抜きなんだ!悪いが俺は変人の冗談に付き合うほど暇じゃないんだよ。」
「天才とはいつの時代も理解されないものよ。」
まともに話合いの出来る相手ではないようだ。
気の済むまで付き合って、解放を待つのが得策であろう。
「このまま帰せないって?じゃあ、煮るなり焼くなり好きにしてくれや。」
「・・・そう。じゃあ、そうさせてもらうわ。」
少女は鉄の棒を手に取ると、飛竜のほうを向く。
ボタンらしきものを押すと鉄の棒の先に、見たこともないような青白い火花が散りだした。
「だぁぁぁー!!ちょっと、待った!!」
「何かしら?」
「それはこっちのセリフだ!それをどうするつもりだよ。」
「安心して。灰も残らないから証拠はないわ。未来の支配者とはいえ、今警察に目を付けられるのは面倒だもの。」
「いや、そういうことじゃなくて・・・。」
「あなたが願ったんじゃない。煮たり焼いたりは面倒だから、一瞬で逝かせてあげるわ。
私自ら直接手を下して死ねるんだから、誇っていいわよ。」
少女の瞳には一片の迷いもない。
「あんなの本気にする奴がいるか!そもそも、俺が何したんだよ!?誰が見たって、善良な一般市民だぞ。」
「だから計画を知ってしまったからと言ってるでしょ。」
「計画?」
「私のフロッピーを見たでしょう?」
「ああ、世界征服とかなんとかってやつか。あんな馬鹿げたこと誰も信じないって。」
「さようなら。」
鉄の棒に再び火花が散った。