観察3日目
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今日は水銀燈をある小部屋に招待することにする。
例の鏡を個室に運び、通販で買ったドキドキカムヒアン呪札にスギントウと書きなぐる。
それを鏡に貼り付け、隠しライブカメラをセットした後ドアを固定し、去る。
鏡から現れた水銀燈はドアの開かない謎の小部屋に戸惑い気味だったが、
白を基調とした壁紙と香水のような優雅な香り、小洒落た造花の美しさに飲まれ、
まるで花畑に出た少女の様な純粋な表情で辺りを見回す。
変わった形状のテーブルの様な物の上の温かな紅茶を口にし、恍惚の様子でくつろいでいる。
その姿はまことに美しい。──まるで、絵本に出てくるアリスの様。
良かった、桜田家のトイレを気に入ってくれたようだ。
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今日も今日とて真紅、水銀燈のガチバトル
真紅が押され気味だ。水銀燈の羽攻撃が容赦なく、彼女を襲う。
これはいけない。
真紅は地面に叩き落とされ、気絶してしまった。
水銀燈は高笑いだ。今度は僕に襲い掛かってきた。
どうやら、今日で決着をつけるつもりらしい。
ミーディアムに止めをさして、力の供給を断ってから真紅をいたぶり壊すんだな。
なかなか知的な攻撃法だ。
水銀燈が迫ってくる。
仕方がない、これを使うのはもう少し後になるとおもったんだが、、、、、。
僕は、服を脱いだ。
「着装!」
水銀燈は訝しげな顔をして、立ち止まった。
僕はヤクルトを体に巻きつけてゆく。
変身途中、尻に違和感を感じた。
雛苺が僕の穴にヤクルトを詰め込んでいる。
おいたはダメだぜ?ベイビー、僕は雛苺を下がらせた。
「ヤクルト大明神なり!ヤクルト大明神なり!」
僕は声高々に自己紹介した。ヤクルトを盾にした究極防御法だ。
しかし、水銀燈はヤクルトを侮辱されたことに怒り、その目は血走っていた。
水銀燈が怒り狂い突進してきた。
僕は冷静に尻を彼女に向け、構えた。
「ファイナルフラッシュ!」
ヤクルトが飛び出す。
彼女は避けきれずに直撃し、そのまま吹っ飛んで空に消えた。
闘いには勝利した。僕の胸には寂しさだけが木霊した。
そして、雛苺は執拗に、僕の尻にヤクルトを詰め込んでいた。
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苛烈な言葉を叩きつける水銀燈と強い瞳で睨み返す真紅。
そして完璧にスルーされてる僕。
しかし僕は神々の寵愛を一身に受ける至高のヒキコモリ、桜田ジュンだ。
元より空気など読むつもりは無いのだから、
僕は僕でやりたいようにやらせてもらう。
もはや空気よりも希薄になった存在感をもって水銀燈の背後に忍び寄る。
そして手にしたソレをまさに神をも凌駕する迅速さで頭に被せる!
そう、ソレとは『メリーゴーランド搭載帽子(単三乾電池6本使用)』
無論手作りだ。僕の滾る情熱は最早裁縫だけには留まらない。
相変わらずな水銀燈の頭上でクルクル回るメリーゴーランド(オルゴール付き)。
健気にアリスゲームを続行しようと勤めた水銀燈だが、
曲のテンポが落ちるたびに俯いていき
オルゴールが完全に止まってしまうと何かの糸が切れたのか窓から飛び去っていった。
力作を持ち去られてしまったが、あのシュールな3分間は僕の心を満たしてくれた。
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エロゲーは純愛ものしか嗜まない二次元ジョンブルである僕こと桜田ジュン。
たまには水銀燈をケーキと紅茶で温かく出迎えてやろう。
苺のケーキを1ホール用意した。
ディスプレーから水銀燈が出てくると同時に
「Welcome水銀燈」と書かれたケーキを目の前に差し出そうと思ったら、
勢い余って水銀燈の顔面から上半身にかけて押しつけてしまった。
ケーキを楽しみにしていた雛苺の絶叫が響く。
用心していたとは言え、完全に不意を突かれて目と鼻に入ったようで悶絶している。
勿体無いとばかりに雛苺が水銀燈に飛びつき、水銀燈の顔に付いたケーキを舐め始めた。
何が起きているか理解できていないようだが、雛苺のおかげで視界が確保できるようになると
雛苺を振り払って帰っていった。
帰った後水銀燈の様子を見てみると、すぐさま服を脱いでケーキを振り落とそうとしたが、
一瞬止まった後服についたケーキを食べ始めていた。
紅茶を持たせておけばよかったか。
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僕は桜田ジュン、長いので省略して水銀燈観察のスペシャリストだ。
最近は
『やることが大掛かりになりすぎている』
と釘をさされたため今日は何もしないでおこうと思う
いつも通りの時間に律儀にも水銀燈がやってきた。
まずはモニタから手を少しだけだして何もないか探っているようだ
手を引っ込めて少ししてから今度は顔を少しだして辺りを窺っている。
どうやら完全に信用されていないらしい
出現位置に仕掛けはないと判断したのだろう。
ちょっと警戒した表情ながら黒い羽を撒き散らし僕らの前に降り立った
警戒の色はとかずにこれもお決まりの前口上を述べ始める。
・・・最初は周りを気にしながらだったが、
今日は僕が真紅の後ろで動かないので安心したらしい
だんだんエスカレートしていく。
結局前口上が終わったのは数時間後、夜9時少し前だった。
決めポーズまでビシッと決めて口上を締めくくる水銀燈。
心なしか頬も紅潮し満足そうな笑みを浮かべている。
いつもいつも邪魔されているからよほど嬉しかったのだろうか、時間のせいもあるのだろうか
「今日のところはこの辺にしておいてあげるわぁ」と一言残し彼女は帰っていった
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敬称略僕はJUM、あれはのり
ふと思った。僕は水銀燈の満面の笑みを見たことが無いではないかと。
これでは水銀燈の完璧な観察とはいいがたい。早速実行だ。
シンプルに僕を探していたら一番好きなものに出会ってしまったというシチュエーションで行こうと思う。
モニターから飛び出す水銀燈。当然誰もいない部屋。
家中を探し回って残すところはリビングのみとなった。
開く扉。そこには僕からのプレゼントとして乳酸菌の超拡大写真を置いておいた。
なんといってもヨン様ヨン様のごとく乳酸菌乳酸菌の水銀燈のことだから喜んでくれると思ったが、
ヒァーと変な声を上げて帰ってしまった。
一体どこに不備があったというのだろうか。人形の考えることはわからない。
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僕は桜田ジュン、山岡さんもびっくりな究極のヒキコモリだ。
今日はシンプルに、一つだけに絞った出口のすぐ目の前に待機して脅かしてみようと思う。
ちょっとだけモニターから距離をとり、多少手を伸ばしても届かないようにゴガッ
わざわざ10フィートの棒なんかどこで調達してきたんだ水銀燈。
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立ち去る水銀燈の後姿に常々一抹の寂しさを感じていた僕は
この度彼女に家庭料理を味わわせることにした
今宵も水銀燈真紅の激しくも美しく華やかな戦い
両者の攻撃の合間を縫って接近、右手にフォーク左手にはなまるハンバーグ
己の防御など知った事ではない、捨て身の構えで切り取った肉片を水銀燈の唇めがけ突き出す
「ハンバーグだよ」軽くかわされる、彼女は真紅しか見ていない
「寂しすぎるから」紙一重、流石は薔薇乙女第一ドールだ
「悲しすぎるから」空中に飛んで逃げた、ガッデム
「愛ですから」虫けらを見下すような視線はエクセレント
そこで水銀燈が急に止まった、雛苺の触手だ、射程距離に捕らえた
「グラーツェ!(ありがとよ!)」
薔薇色の柔らかな門をこじ開け、迸る汁を伴う熱い肉の塊が楽園を侵した
彼女が心で許可しないと言っても僕のスタンドは容赦などしない
戦利品 フォーク
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そうか僕には挨拶が足りない!
早速実行だ。モニターの前に構える。そろそろ来るだろう。
モニターから万全の注意を払いながら水銀燈が現れる。そこを一閃。
僕はわずかな隙を逃さないことに定評がある。
左手を腰に右手を顔の横で開き左目を閉じ口元に優しさを浮かべ儚く
しかし確実に僕と君だけにとどく大きさでこう呟く
チャオ♪
水銀燈は一瞬吹いたようにも見えたがその表情を隠そうとすぐさま戻ってしまった。
そんなに僕は、挨拶もまともに聞いてもらえないほど嫌われていたのか凹むな。
裏で笑い転げている翠星石にとうに9時は回ったぞと伝え僕も床についた。
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のり特製花丸ハンバーグは水銀燈に喜んでもらえただろうか。
準備を整え、今回は彼女を夕食の席に招待した。
いつも通り高らかと口上を述べている、今日はジュンの妨害もなく好調だ。
ドールズとのりも食べながら聞き入っている。
ここで演出だ、スポットライトとスモークを焚き雰囲気を盛り上げる。
のりが喝采をあげるが、水銀燈は意にもかいさず謳い続ける。
さすが懲りないだけはある。
終わる頃には彼女のために用意した料理はすっかり冷めてしまったが、
ドールズとジュンはたっぷりと堪能したので問題無い。
まだ述べつづける彼女を置いて、僕らは部屋に戻った。
真紅を呼び止めていた気がするが気にしない。
水銀燈ディナーショー、次回はいつ開こうか。
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僕の名は桜田ジュン、数々の異名を持つが略してプリン・ア・ラ・モードと名乗っている
今日は基本に返り真紅と普通に戦わせて見る
始まる前口上、次第にそわそわと僕のほうに視線をやり始める
ポケットに手を突っ込みぱなしというのは想像以上のプレッシャーになっているようだ
ようやく戦闘がはじまるらしい、ここで素早くDVDの再生ボタンを押す
プロジェクターには人類の希望、
マシーン兵器がBGMと共に巨大な神像へと変化を遂げている、
盛り上がるBGM、星の海に誕生する鋼鉄の巨神
巻き戻す、上半身と下半身に泣き別れする人類の希望
星の海に誕生する鋼鉄の巨神
巻き戻す、上半身と下半身に泣き別れする人類の希望
巻き戻す、巻き戻す、巻き戻す
気がつけば泣きながらリモコンを奪う雛苺が居た、
水銀燈はどのような戦いを繰り広げたのだろう、それだけが気がかりだ
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いつも観察してばかりでは飽きるので、今日は観察される方に回る事にした。
まず僕の幼少時代に始まり、現在に至るまでの写真の数々を部屋に所狭しと飾る。
他にも年賀状や手紙、卒業アルバムなどを配置し
桜田ジュン記念館として申し分ない出来になった。
さて定刻どおりに参上した水銀燈は、
部屋の様子にぎょっとしながらも興味深そうに一点一点を見て回る。
小さい頃の写真を見て「この頃は可愛いわぁ」と言っているのには異議を申し立てたい。
今でも可愛いはずだ。
そうして二時間ほどかけて全ての展示を見回ったところで本番だ。
着替えを終えた僕は部屋のロックを外し華々しく登場する。
「イヤァァァァァァ!」
僕の姿を見た水銀灯は悲鳴を上げてディスプレイから逃げ去ってしまった。
乙女に男の全裸はきつかっただろうか。生物としての僕を全て見て欲しかっただけなのだが。
次からはちゃんとネクタイをしようと心に誓った。
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僕はジュン、メガネ君と呼ばれると呼んだ奴の眉間を叩き割る大器晩成型だ。
今までの水銀燈との触れ合いを振り返ると少し意地悪が過ぎると反省。
反省した僕は聖職者にも劣らない真摯な気持ちで水銀燈にお返しをする事にした。
彼女のために部屋を一室用意してあげるのだ。
もちろん反省の意を込めて、僕らを24時間観察できるし生活用品もそろっている。
定時にドアの下から食事も出されるナイスな部屋だ。欠点は鏡がない事くらい。
さっそく鏡から出てきた彼女を真紅とともに謀って部屋へ招待。
「出してぇー出してぇー」
泣き叫ぶ彼女を尻目に僕たちは悪口雑言罵詈讒謗を聞こえるか聞こえないかの加減で囁く。
「ウ、ウェ……酷いわぁ……エッウェ!」
よかったね水銀燈。
のり姉が飽きて食事窓から手鏡を入れるか、
巴が殴りこんでくるまでは楽しい毎日だよ。
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今日も今日とてnのフィールド。
水銀燈が真紅たちを挑発しようとなんか色々言ってる。
僕は持参した納豆を取り出して、さじですくい水銀燈の口へ運ぶ。
「真紅ぅ、あなたってやっぱりお馬鹿さぁむぐ」
口に入れられた納豆をもぐもぐと咀嚼する水銀燈。だが突然顔をしかめる。
よく見ると、さじからこぼれた納豆が水銀燈のドレスにくっ付いている。
今日は日本の納豆の美味さを教える事が目的だったので、これは悪い事をした。
ドレスをぐいと引っ張ると水銀燈が体制を崩す。
僕は気にせずティッシュを取り出し、納豆をつまみ取り、丹念にねばつきを拭き取る。
水銀燈は真紅を罵倒しながらドレスを引っ張り返し、体勢を立て直す。
当然僕と引っ張り合いの形になるわけで、
”ビリリ”とドレスが破けるのにそう時間はかからなかった。
水銀燈は泣きそうな顔になったが、
僕が裁縫セットを取り出すと安心して、真紅への挑発を再開した。
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どうしても水銀燈に僕の意思は伝わらないようだ。
僕はいい加減イタズラしすぎて悪いと思っているのだが
そのことがうまく伝わってないのは
僕が意思疎通能力の欠落した引篭もりだからと言いたいのかこの野郎。
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僕はジュン、巴に剣道技の実験台にされるのが嫌で学校をサボる健康優良不良少年。
色々な事を水銀灯に施してきたものの、まだ丁重に迎える事はしていない。
折り目正しく振舞ってこそ日本男児たるものだ。
幸い、のり姉が子供のころに仕立ててもらった着物も人数分あるしやってみるか。
いつもどおり棒やら小石やらを使って安全を確認した彼女が鏡から出てくる。
その眼前に着流しを着た僕やのり姉に和装でめかした真紅達。
内装も変わっている。徹底的に畳と襖や障子の和作りだ。
仕込みに気圧されたのか前口上をたどたどしく述べる彼女に真紅が放つ無慈悲な言葉。
「ここは日本よ!舞踏会でもないのに洋装なんかしちゃって!」
「な!あなただってこの間は……」
「この間はこの間!今は今よ!」
「巴に言いつけてやるわぁ!!」
泣きながら帰る彼女。残念だね水銀燈、巴の七五三はレンタルだよ
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いつも楽しく観察している水銀燈
彼女のため、ささやかな贈り物を用意してみた。
僕の名は桜田ジュン、今日も東洋一の引きこもり。
銀「・・・あらぁ、今日は何も仕掛けてないのぉ?」
J『あぁ、今日はやめた。そのかわりこれを・・・』
警戒と期待の表情で包みを解くと、リボンが付いたヤクルトが
出てきた。ただのヤクルトではなく、ブルジョア用の400だ。
銀「これ・・・はぁ・・・ヤクルト?」
J『今日はstバレンタインデー、僕の本当の気持ちだ。』
銀「・・・う、うそおっしゃい!
また何か企んで・・・」
僕は子犬のような目で彼女を見つめ言った。
J『今までのアレは、真紅の指図だったんだ。僕は嫌々協力
してたけど、君に嘘はつきたくないから、本当の事を・・・。』
いきなりの告白に赤面しつつも、真紅の名を出され全てを納得する。
銀『そう、じゃ素直にあなたの気持ちを頂くとするわぁ。』
封を開け、美味しそうに飲み始める水銀燈、
僕『・・・(キラーン)・・・』
水銀燈はトイレに篭ったきり出てこない、というかこれなかった。
あのヤクルトは、高音多湿で保存し大腸菌が育まれた桜田スペシャル。
彼女がどうやってお腹を壊すのか、その神秘のメカニズムについては
今後の研究課題にすると日記は結び、部屋の天井を見上げつぶやく。
J『・・・嘘はつきたくないけど、つかないとは言ってないよ。水銀燈、
これが生きるという事なんだ・・・真紅もウンコするのかなぁ。』
僕の名は桜田ジュン、明日もきっと東洋一の引きこもり。
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冷たい微笑を湛え見据える水銀燈に対し、炎のような意思を瞳に宿し睨みつける真紅。
僕はそんな両者のど真ん中に歩を進めるとその場に正座した。
もちろん僕の視線は彼女のルビーの瞳を捕らえる。そう、ただ真っ直ぐに。
水銀燈は僕の存在を無視して、辛辣な言葉を姉妹達に叩きつける。
僕は強く、ただ強く己の瞳に想いを込める。
『ここは僕の家。いわばヒキコモリのホームグラウンドだ。
控えたまえ水銀燈。君は王の前にいるのだ。』と。
水銀燈は真紅に指を突きつける。
そして最後の一言を放つまさにその瞬間・・・・セリフをトチった。
そう、ついに水銀燈は僕の放つプレッシャーに屈したのだ。
停止する時間。
凍りつく空気。
気の毒そうな視線。
全てが彼女の心を苛み侵食する。
とても寂しげな風を纏って、水銀燈はうな垂れたまま飛び去っていった。
htmlプラグインエラー: このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。ヒキコモリの僕には理解できるよ水銀燈。
他人の視線は必ず動揺を誘う。むしろ君は良く耐えた。
僕の額には冷たい汗。
正直言えば僕も投げ出したいほど辛かった。人の目を見るのは本当に辛い。
小さくなる彼女の背中。僕はそっと健闘を称えた。
そんな桜田家の穏やかなランチタイム。
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たまには水銀燈の欲求を満たしてやろう。
雛苺と真紅に協力を仰ぎ、ジュンは裁縫のジーニアスたる腕を振るう。
今日もやってきた水銀燈、
これまでの経験を生かして口上は短めに、
かつゆっくりとしゃべることで間違うことなく最後まで言い切った、素晴らしい。
さぁ戦闘だ。
久しぶりにまともに戦える喜びに打ちひしがれているのか、その攻撃は激しい。
真紅をお得意の翼で一打ちだ!
だがその身がまっぷたつに分かれると水銀燈は表情を変えた。
横たわる下半身、這いずりながら「ジュン・・・お父様」とうめく上半身。
本来の彼女なら有頂天で罵倒しそうなものだが、
身を震わせ忌まわしいものを見るような目つきで首を振ると逃げ出してしまった。
水銀燈が去った後、下半身から雛苺が這い出てくる。
簡単なトリック、雛苺が真紅を肩車していたわけだ。
衝撃的なシーンを演出する為のアイデアだったのだが、
まさかこんなにきくとは思わなかったジュンであった。
身長で気づけよ、水銀燈。
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前略、僕の名前は桜田ジュン。水銀燈観察とパックマンのスペシャリストだ
今日も今日とて日課の水銀燈観察をすべく準備をしていたのだが
のりの奴が不意にターミネーターのビデオを借りてきたので今日は休止する
見終わったころには時間が時間なので真紅たちはとても眠そうにしていたが非常に有意義な時間だった
とくにラストのT-800が上半身だけで迫ってくるシーンは今後色々と生かせそうだ
部屋に帰ってくると、ディスプレイの前に仕掛けたとりもちに大量の羽とドレスの切れ端が付いていた
机の上には涙の跡らしき小さな水溜りまである
今日はよく眠れそうだ
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いつも水銀燈への扱いが酷いと真紅達に怒られたのでもっと喜ぶ出迎え方をしよう。
「I LOVE 水銀燈」と書かれたピンクのハッピと鉢巻を装着して待つ。
当然裁縫の魔術師である僕お手製だ。
いつものようにディスプレーから現れれる水銀燈。
「水・銀・とぉーーーーーーーーー!!!!」
僕の愛のシャウトと共に紙テープを水銀燈に向けて投げる。
水銀燈は僕のシャウトにビックリしていたが、
体にかかったテープを鬱陶しそうに払うといつものように演説を始めた。
当然喋ってる間に邪魔をするなんて無粋な真似はしない。
演説が一段落したのを見計らって再びテープを投下だ。
「L・O・V・E・すいぎんとぉおおおおおおおおおおお!!!!」
水銀燈は再び降りかかった大量のテープを被ったまま
体をプルプルと震わせるとそのまま帰っていった。
その後、また真紅達に怒られた。何が悪いと言うのだ。
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今晩、かねてよりの計画を実行することにする。
いつもの時間に水銀燈が出現。僕は彼女に悟られないよう、
スプレー缶を後ろ手に構えじりじりと間合いを詰める。
そしていつものように高説を打とうとおもむろに開けたその口を狙い澄まし、
渾身の力を込めて一噴きお見舞いする。
不意をつかれ、咳き込む水銀燈。しかしすぐに立ち直り、こちらのドール達を睥睨するように語り始める…。
実験は大成功だ。
彼女の口から紡ぎ出される一語一語が、
たった今投与したヘリウムガスの作用でとびきり上等のダックボイスへと変貌していた。
例によって両手両足で床を叩きまくっている翠星石。
程なく水銀燈は“異変”に気づいたのかスピーチを中断、
恐る恐る確かめるように声を出す。
一言…二言…次の瞬間には頭を抱え、
劇場の開演ブザーのような悲鳴を上げる。
雛苺はダックボイスがひどく気に入ったらしく水銀燈にアンコールを要求。
これで彼女は完全に頭に血(?)が上ったようだ。
持てる限りの悪態を用いて、こちらを激しく罵る水銀燈。
とは言え、なにぶんにもポップで愉快な調子でまくし立てるので、
場の雰囲気が見る見るうちに和やかになっていくのが分かる。
やがて水銀燈は罵るのを止め、それとなく顔面を袖で拭うと、
捨て台詞を残して(無論ダックボイス)
そそくさと姿を消した。
もう少し観察したかったのに残念。
あの声が聞けるのもせいぜい明日の昼頃までだろう。
彼女の本来の相手だった真紅だが、
敵の第一声を聞いた途端に咽せたらしく、
一連の出来事の間中、部屋の隅で悶絶していたそうな。
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いつも通り水銀燈がやってきた
僕の仕掛けはもう始まっている
広さはいつもの僕の部屋、しかし内装は今や完全に別物だ。
あるもので仕入れた情報を元に水銀燈の望んでいる状況を作ってみた
いつもよりライトアップされゆったりとした音楽の流れる中、
真紅はくんくんと翠星石と蒼星石
雛苺は苺型のクッションと踊っている
僕はあっけにとられ真紅を指差しながら固まっている水銀燈に近づき、その手をとり告げる
『お嬢様、僕と踊っていただけますか』
手の甲に口づけされたところで我に返ったらしい。
水銀燈は『なんであなたと踊らなきゃいけないのよ、お馬鹿さぁん』と言い去っていった。
その去り際の振る舞いは美しく本物の社交界のお嬢様のようだった
その夜、僕は作戦の失敗からか拒絶された悔しさからか布団の中で泣いた
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たまには水銀燈をもてなそう。
たまには。
結露した窓を見て、僕はそう考えた。
外は寒いらしい。水銀燈も寒いのだろう。
最近、彼女がホームレスをしていると、
ネットで親切な人が教えてくれた。
「」とかいってたな。なんて読むんだこのハンドル?
と、いうわけで水銀燈をもてなす為に僕は色々と勉強した。
ヒキコモリなので独学だが、不調法がない様にと、ちゃんと下調べはした。
「」曰く前田慶次は比類無い教養人だったらしいので、
「花の慶次」でも読むといいだろう、と。
早速のりに買いに行かせ、全巻読破する
。なるほどもてなすとはこうするのか。
ああ、今日は寒い、らしい。
水銀燈の定期便が来た。
僕は畏まりそれを出迎えると、まずは茶を点ててみたりした。
水銀燈はとても訝しがったが、まんざら悪くもないようだ。
だが、このヒキコモリ教養人、桜田ジュンの接待はそれで終わらない。
「今日は寒いので、ゆず湯などを用意しておきました」
どうだ、完璧なこの配慮。
あれ? どうして水銀燈、ダッシュで逃げるかなあ?(ニヤニヤ)
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僕の名はジュン。女を泣かせた数ならドールマスター歴代一位だ。
今日も水銀燈が来るはずなのだが
肝心の真紅たちはのりに連れられて買い物にいってしまった。
これではせっかく来た水銀燈が悲しんでしまうであろう。
そこで写真だけでもと真紅の写真を飾っておいた。
白黒写真しかなかったが無いよりマシだろう。
これだけじゃ寂しいのでシックに黒いリボンで飾り付けだ。我ながら素晴らしい装飾デザインだ。
僕もビシっと黒いスーツで身を固めて水銀燈をお出迎えだ。
さっそく現れた水銀燈。
しかし部屋の様子と僕の服装を見るやいなや「嘘・・嘘でしょ!?」
とかつぶやいて泣き出してしまった。
なぜだ。写真じゃダメなのかやっぱ。
「水銀燈、ここで君がいくら泣いても真紅は帰ってこないんだ・・・」
晩御飯までまだ時間あるからな。そういうと水銀燈は
「うわぁ~ん!!」
と叫びつつ大量の涙と黒い羽を残して水銀燈は帰っていった。明日もこいよ。
その後僕は帰ってきた真紅に殴られた。
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僕は桜田ジュン。親がバカなので名前がカタカナだ。
今日も今日とて水銀燈がやってきた。
「真紅ぅ!今日こそあなたのローザミスティカを貰っていくわぁ!」
彼女は真紅へ向かって言った。いつもいつも僕の事は眼中に無いらしい。
「水銀燈、ジャンクのあなたにそんなことが出来ると思っているのかしら?」
真紅が水銀燈へ返す前に僕が言った。迫真の演技だ。
水銀燈は何も言わずに僕をチラッとだけ見て、嗚咽を漏らしながら帰って行った。
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やはりリベンジするしかあるまい…
のりの反対を押し切り、リビングを改装するジュン。
床はビロード、天井からはシャンデリア、流れる曲はクラシック。
完全なダンスホール。
僕はタキシードに身を包み、真紅の手を取り踊る。
2度目ということで水銀燈はたいした反応を示さない。
だが、ジュンの狙いは彼女と踊ることではないのだ。
真紅に声をかけ、さぁ今夜もご高説をぶちまけようとしたところで真紅は告げた
「後にしてちょうだい、私は今ダンスで忙しいの」
そしてジュンと真紅は2人の世界へ。
そんなふたりを水銀燈は必死にこき下ろす、だがジュンの一言が止めを刺した。
「君の想い人を取ってしまってすまないね」
あっけにとられた後、必死に弁解するその姿はまるで好きな子の前でばらされた小学生。
ついにはしどろもどろになって逃げていってしまった。
追記
あんな臭い台詞なのに珍しく翠星石は笑わず、
この後しばらく真紅が上機嫌だったのが不思議だ。
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僕はジュン、純粋にそして純真に女体を愛する純な男。
和装作戦以降あまりいいアイデアが浮かばず、桜田家の雰囲気は水銀燈歓迎の閣議で満たされている。
現実的なのり姉の「デジカメと録音機の余念なき準備」だけが今のところの水銀燈向けの決まりごとだ。
「あ、奴が来るですぅ!」翠の声に鏡を見ると風呂敷に包まれた何かが出てくる。
そして……和装の水銀燈が出てきた。
「おこんばんわぁ……私だってやろうと思えば帯を巻けるのよぉ……」
そして前口上がはじま……
「馬鹿じゃないのあなた、それはもう終わったわよ」
「え?」
「どんな詰め物をしたのか判らないけど残念ですぅ」
「キャハハハ!おかしいのぉ」
「ウ……エェ……トモエェェェェェ!!」
なきながら帰っていく彼女を人形たちは冷ややかに送る。
デジカメにはしっかりと和装で泣く水銀燈が撮られていた。
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撮りだめしておいたアニメを見て気がついた。
普段関わり合いを持たずとも実は根っこでは深い繋がりにあったりすると
いままでの好感度は無視して距離を近づけることができると。
水銀燈が現れる。律義にも同じ時間同じ場所からだ。
いつも通りの台詞を吐こうとした水銀燈は僕を見て固まる。
僕の完璧なゴスロリファッションが眩しすぎたのだろうか。この隙をつかない手はない。
声高らかに僕はこう言い放つ。
「実は僕もローゼンメイデンだったんだ!
ローザミスティカもないし乙女でもないけど
それでも僕はローゼンメイデンだったんだ!」
水銀燈は頭を抱えながら帰っていった。
これは悪い夢よなどと聞こえた気がするがきっと気のせいだろう。
しかしどこがいけなかったというのだ。
ローザミスティカもないし乙女でもないけど
裏で床をバシバシ叩きながら転げまわる翠星石よりずっと高貴なはずなのに。
わからんなぜだ。
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さて、真紅が来てからというもの、あまり自分のための買い物をしていない。
そんなことにふと気づいた。
ヒキコモリの王、そしてツーハンのスペシャリストとしてはこれはまずい。
僕、桜田ジュンはそんなことを考えた。
考え3秒クリック一瞬。でかい買い物は親の金。のりが例え泣き叫ぼうが知ったことではない。
ひさびさに、いい買い物をした。
それに、これは水銀燈にもいい買い物だと思うし。
本日の買い物
「アップルシネマディスプレイ30インチフラットパネルモデル」
34万円也
部屋に持ち込まれる超巨大ディスプレイ、
あまりの箱のでかさと値段にのりが絶叫するが知ったことか。
早速、机に置く。うわでか!
まぁ、これで水銀燈も来やすくなるだろう。
でもエロゲやる。それがヒキコモリの優雅な午後だ。
そしたらいきなり水銀燈が来た!
慌ててチャックを閉めるとちんこ挟みそうになるんだぞなんてことするんだ。
あまりの状況に、水銀燈もディスプレイから顔出したまま凍り付く。
それにしても……さすが馬鹿でかいディスプレイだ。
エロゲの立ちキャラと水銀燈の顔がそのままコラージュできるぞ、こいつはいい。
しばらく僕は、水銀燈と世間話をしながら、
あれこれエロ画像と水銀燈をコラージュして楽しんだ。
今度からエネマグラも使おう。
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神の指を持つ裁縫界のコスメティックルネサンスとでも呼んでもらいたい。
今日も水銀燈が来たので、
真紅たちに向き合って熱弁を振るっている隙をつき、
白衣を着せて牛乳瓶底のグルグルメガネをかけさせてみた。異様に似合う。
科学部部長。運動は苦手だが勉強は得意。
恋愛には奥手だがひとたび惚れるとメロメロになるタイプ。
趣味は天体観測。
この程度の妄想など僕にかかれば一瞬だ。
僕に関わるとろくなことにならないことを知っているのか、
水銀燈は科学部部長コスをさせられても完全に僕を無視して口上をつづけていたが、
度のきついグルグルメガネがやはり仇となって何か身振りをするたびにふらふらとよろめいた。
真紅を指差してはふらふら、
高笑いをしてはふらふら、
一歩足を踏み出してはふらふら。
挙句にはぺたんと座り込んで誰もいない方を向いて
自分の優越性を切々と説くまでに至った。
そのまま小一時間ほど語ったあと、耐え切れなくなったのか
言うだけ言って満足したのかメガネを外して、
ようやく自分があらぬ方向を向いていたことに気付いたようだった。
水銀燈は力なくよろよろと立ち上がると白衣を脱ぎ捨て、
帰るべくふわりと浮き上がるとそのままポテッと落ちた。
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今日も今日とて水銀燈と真紅のガチバトル。
しかし二人とも今日はなんだかソワソワしている。
なぜか?
それは僕が名探偵くんくんの着ぐるみを着ているからだ。
時々僕は彼女たちに手を振り、その反応を逐一チェックしている。
真紅は頬を赤らめ、チラチラとこちらを見ながらも、攻撃の手を緩めない。
水銀燈は上空に逃げながらも、時折、僕のほうを見て手を振っている。
雛苺は僕に抱きついて離れない。
「くんくんなのー」
事実上、雛苺が、くんくん(jum)を独占している状態だ。
水銀燈、真紅は気が気でない。
一刻も早く闘いを終わらそうと、お互い苛烈に責め合っている。
僕は軽い優越感に浸りながら、その眺めを楽しんでいた。
突然、背中に違和感が走る。
なんと、雛苺がファスナーを開けて中に入ってきてしまった。
「あれー?jum?くんくんじゃないのー」
まずい。
水銀燈、真紅の顔が般若になった。
僕は急いで、逃げようとしたが、雛苺がのばしたツタに足もとをすくわれ転んでしまった。
水銀燈、真紅、雛苺が近づいてくる。
僕はもう一回、くんくんの着ぐるみを着た。
「次回もよろし~くんくん☆」
その後、三姉妹にふっとばされ、僕は嘘はつくもんじゃないと固く決意したのでした。
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今日はいつもと違った趣向を凝らしてみようと
とりあえずモニタにクレラップをぴっちり少しの隙間もなく張ってみた。
ほどなく現れる水銀燈。
当然のように顔にクレラップが張り付いた。取れない。
銀行強盗みたいな顔になった彼女を見つめるドールズと僕の視線に17秒程で
耐え切れなくなってラップを剥がそうとするも取れない。やっぱり取れない。
覚悟を決め残った酸素で最後の一撃に賭けようと
お決まりの口上を述べようとするが
喋る度に口の部分が膨らんだりへこんだりするので
可哀想に思った僕がボールペンの軸を差して応急処置を施したら大分楽になったのか
無事帰っていった。僕の想い、伝わるといいな。
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何度苦渋をなめようと彼女は膝を屈しない。
彼女は真紅に敵愾心溢れる視線を向けると、
その存在すら許せぬと侮蔑の言葉を浴びせ掛ける。
そんな水銀燈は、しかし品位は失わない。
淡い月光がその身を照らす。まるで至高の少女を祝福するかのように。
真紅は何も言い返さない。静かに彼女を見つめるだけだ。
その想いに気圧されている?
ただ進むことしか出来ない姉妹を悲しんでいる?
水銀燈は前者と捉えたのか、哀れみすら感じる視線を真紅に投げかける。
真紅は、誇り高きローゼンメイデン第5ドールはただ沈黙するだけ。
だってそれは・・・
真紅と同タイプのドレスを着込んだ翠星石なのだから。
ドレス以外全く同じいつもの翠星石。
水銀燈は姉妹を色で区別しているらしい。
僕はそっと水銀燈に歩み寄ると、真実という果実を彼女に与えた。
その禁断の果実は水銀燈の意思を、存在を黎明の終末へと誘う。
指先まで真っ赤に染めて、窓から逃げ出す水銀燈をただ見送った。
言われっぱなしでストレスの溜まった翠星石が、その背中に罵詈雑言を喚きつづける。
そんな彼女の頬に軽く口付け考える。
htmlプラグインエラー: このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。くんくんでも同じかな、と。そんな桜田家の満月の夜。
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僕がカップ麺のカレーうどんをすすっていると、PCのディスプレイから水銀燈が現れた。
部屋を見回し真紅を探す水銀燈に
「今はいないけど、すぐ帰ってくると思うからそこのベッドに座ってなよ」
と勧める。
真紅らは「クンクンDVDを全巻一気見するのよ」と意気込んでいたので、まず戻っては来ないだろう。
ベッドにちょこんと座って真紅達を待つ水銀燈ににじり寄り、カレーうどんをズルルとすすると
黄色い汁が飛び散り、水銀燈のドレスに付着した。
凄く嫌そうな顔をしている。洗濯してあげよう。
ふと見ると僕の服にも汁が散っていたので、一緒に洗濯しようと全裸になる。
突然の事に驚き顔を背け、僕の裸体を見ぬよう必死に首を捻じる水銀燈に
「脱げ」
と言うと、半狂乱になって羽を撒き散らし逃げ去った。
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僕の名はジュン、ガチャピンのスポーツ暦には拘る男。
色々な場面設定で水銀燈を迎えてきたもののまだやっていない事がある。
そう、気まずい瞬間に登場って奴だ。
なんとかのり姉を説得して女性陣にも因果を含め、舞台設定へ移る。
そしてディスプレイから出てくる彼女。
その目の前には布団の中で抱き合うのり姉と僕。
「今日こそは……ってちょ!あれ!?ええ!!」顔を赤くする彼女。
「水銀燈の声がしたわよ……って何してるのよ!」ドアを開ける真紅達。
次の瞬間、すごい勢いでのり姉を突き飛ばし真紅に殴りかかる水銀燈。
しかし落ち着いて僕のほうを見ると着衣だし、
のり姉は苦笑していて真紅以外は笑っている。
青ざめた顔で涙をこぼし彼女は帰っていった。
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真紅の髪を下ろし、櫛で梳きながらふと思いついた。
水銀燈は美人だ、だが真紅もやはり美人だ。
意志の力を感じさせるその視線が、二人の印象を強くしている。
ああ、そうだ今度はこれでいこう。
僕は早速、裁縫マエストロの腕を振るうことにした。
さあ、定期便の時間だ。
いつもの物置をこれみよがしに豪華に飾り付け、真紅を鏡の前に立たせる。
服は僕が、
ヘアスタイルはのりと蒼星石それぞれ担当した真紅の今日のスタイルはまさに「完璧」だ。
水銀燈が鏡から現れる。いつも通り盛大な登場だ。
しかし鏡から出て目にしたものに……顔をひきつらせて絶句した。
目の前にいたのは、金髪で、白基調の「水銀燈と同じドレス」を着た真紅だ。
正立した十字架の刺繍のところにこだわりがあるぞ。
あんまりにも自分と真紅が似ていること、
そして色の持つ意味を悟ったのか、水銀燈はぼろぼろと泣き出した。
ああ、水銀燈にも良心や常識ってあったんだ、メモメモ。
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二つ名はまあいろいろあるけど、この際置いておく。
とりあえず家中の鏡とディスプレイ、テレビの類を庭に出しておいた。
次に会ったときは鼻声になっていた。
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今日も今日とて銀の字をもてなしてみる。
やはり映像観賞がおもてなしの基本と見て、
真紅に協力を仰ぎ、くんくん探偵屈指のエピソードという、「飛行機乗り、謎の撃墜」を借りた。
いつもどおり家中の反射板をブラインドし、
リビングのテレビだけを開けておいた。
ここだけしかnとかなんとかの入り口にはなるまい。
僕たちはリビングが密室になるように外側から鍵をかけ
、銀が嫌でも映像観賞するように仕向けた。
狙い通りの展開だ。腹無し人形がハラハラしながらくんくんを観ている。
人の家でくつろぎやがって。何様のつもりだ。いや、僕がこうなるように仕向けたのだが。
あぁ、もう少しで惨劇が始まる。飛行機乗りの一人が殺されるのだ。
水銀燈ももうテレビに釘付けだ。周りには気がつかないだろう。
僕は計画を実行に移すことにした。
「殺されるのはジャン・ルイ!トリックは飛行機に細工!撃墜した犯人は大統領!」
ビクっと水銀燈は身を震わせる。
目が「それ以上言わないで」と訴えているが気にしない。
水銀燈の耳元で僕はオチをすべて言ってやった。
水銀燈は耳を押さえイヤイヤと必死に聞かないようにしていたが、
僕の内弁慶ビックヴォイスには意味はない。
僕がすべてのオチが言い終わると、
水銀燈はがっくりとうなだれながらも観賞を続けていた。
・・・失敗した。オチがわかったところで何もない。
古畑任三郎として見ればいいだけなのだ。
・・・これが屈指のエピソードといわれている理由がわかった。
真紅「くんくんは演出も天才よ!」
映像観賞後も水銀燈と真紅はくんくんについて熱く語りだし始めてしまった。
仲いいじゃんお前ら。
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僕は桜田ジュンそれ以外何者でもない。
我思うゆえに我あり。僕は僕の信じる道を行く。
毎日時間だけはたっぷりあるので水銀燈を観察する方法ばかり考えている
雛苺が登ってきても、
翠星石がイタズラしてきても、
真紅がなにやら生意気言い出しても無視!!
今日も仕掛けの準備に余念がない、さぁ完成だ。早く来ないかな、水銀燈。
いつもの時間、黒い羽を持った天使が僕の部屋に降り立った
前口上も始まり仕掛けのタイミングをうかがっていると
突然真紅たちが水銀燈に攻撃を仕掛けた。
顔がマジだ、恐い
突然のことで油断していたらしい。なすすべもなくボロボロになる水銀燈。
少し泣き顔になりながら帰ろうとしている。
せっかくの仕掛けを台無しにされた悲しさが同調したのだろうか
僕はとっさに水銀燈を呼び止めヤクルトを一本差し出した
彼女は少し警戒しながらも『ありがとぉ』と言って飛んでいった
少し心を開いてくれたのだろうか。
去り際の月明かりに照らされた困ったような笑顔は・・・美しかった
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僕の名は桜田ジュン。
アク禁されたサイトの数は50は下らないネットの暴れん坊将軍だ。
真紅達に水銀燈への対応があんまりだと毎日のように言われたので、
ここで楽しく一緒に遊ぶことにした。
リビングに準備をし、水銀燈を待った。
いつも通りに彼女が来る。
戦闘モードに入られては困るので、今日は一緒に遊びたいということを伝える。
ネットで調べた母性本能くすぐる説得法が功を奏したか、意外とあっさり承諾した。
リビングへ通しヤクルトで乾杯した後早速ゲームを開始することにした。
大きな布に隠されていたそれは、
ひょうきん族を思い出すかのような巨大ダルマ落しである。通販は便利だ。
水銀燈が呆気にとられていたので、やり方がわからないのかと思い、
まず手本とばかりに僕が思いっきりダルマの胴を叩く。
芸術的なほど見事に一段胴を叩き飛ばすことに成功した。
さあ、次は水銀燈の番とばかりにハンマーを渡そうとしたが、
水銀燈は胴の辺りを押さえつつ泣いていた。
声をかけようとしたが泣きながら飛び去ってしまった。
何故だろう?それよりクーリングオフの期限もあるのでこれ片付けないと。
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いい加減僕らの相手をするのも疲れただろう。
そう考えたジュンにより、今日は部屋にのりを配置してある。
いつも通り現われる水銀燈、それを和やかに迎え入れるのり。
たじろぐものの、ジュンではないと知ると落ち着いたようだ。
真紅がいないので帰ろうとする水銀燈をのりは引止め、お茶やおやつを与える。
のりの情にほだされたのか、
水銀燈は最近の不満、
僕の行動への愚痴、
病院食が美味しくないだの色々と打ち明けていた。
その晩、ジュンはのりに説教されてしまった。
だが引き換えに水銀燈の内情を入手できたのは幸いだった。
彼は、明日からまた頑張ろうと誓うのだった。
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もはや説明の必要すらないいつもの情景。
妖然と佇む水銀燈とその対面に毅然と立つ真紅。その後ろにはブリーフ一丁の僕。
水銀燈はもはや微塵も揺るがない。フフフ、こやつめ僕のブリーフに慣れおったわ。
ならばと僕はブリーフすら脱ぎ捨てる。
姿を現す新兵器『漆黒のブーメランパンツ(本皮)』
そして身につけるは『漆黒の蝶ネクタイ』
さっきまでの僕はもう死んだ。
今、新たな生を受けた僕こそ『ジュン・ザ・セイントマッスル』だ。
無論、肉体的にはごく平凡なヒキコモリ中学生故に筋肉などあろうはずも無い。
しかし唇を戦慄かせ、もはや往くことも退くこともできない水銀燈にそんな事は関係無い。
「さあっ!水銀燈!!僕をタップリ拝むがいい!!!」
ポージングを極める僕の背後に乱舞する真紅の薔薇。さすがに良い仕事だよ第五ドール。
部屋の隅にしゃがみ込み、目を逸らす事すら出来ない水銀燈。惚れ惚れと僕を見上げる翠星石。
庭の方から聞こえる「フィニッシュァアァァーー!!」の絶叫。
そんな平和な桜田家の午後。ああこの瞬間、僕はこの世の誰よりも生きている・・・。
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僕の名は桜田ジュン。アク禁されたサイトの数は50は下らないネットの暴れん坊将軍だ。
だけど、そんな僕にもメル友がいる。
なんと女の子なんだ。
写真を送ってもらったことがあるけど、少し影のある美人だ。
頭の温かいのりや翠星石ではこういう魅力は出せないだろう。
メーラーを開けると、大量のウィルスメールの中に、彼女のメールがあった。どれどれ……
「前略、JUMさんお元気ですか? 私の方は相変わらず元気ではありません。
いつもの様に白い壁の部屋で、JUMさんの観察日記を見させて貰っています。
JUMさんは、私の様にインドア派なのに
想像力が豊かで行動力がありますね。羨ましいです。
私にも、それだけの行動力があったらいいのですが……。
観察日記、楽しみにしてますね。
あの子のフォローならちゃんとしますから、心おきなく試して下さい。
返信、たのしみにしてます。
めぐ」
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やあ、テレビの前のみんな!水銀燈観察のマエストロ、ジュンだよ!
たまには一切行動を起こさず、ただ水銀燈を観察するのもいいかもしれない。
取り合えずブリーフ姿で横になる。
今日も水銀燈はやってきた。
僕と目が合う。僕は熱い視線を送り続けたが、
水銀燈はぷいっとそっぽを向いてしまった。
ぐるっと部屋を見渡すが、真紅はいない。
一周してまた僕と目が合った。
僕は口を半開きにして、涎を垂らしながら無力に「あ~」と言った。
水銀燈は「お似合いね」と言って帰っていった。
僕のこのスタイルを水銀燈は気に入ったらしい。
変わった人形だ。
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僕の名前は素晴らしきジュン。
HK(ヒキコモリ)団の偉大なる十傑集の一人にして水銀燈観察の第一人者だ
今日はシンプルに家中の鏡に墨を塗っておいた
準備が終わると、いつもどおり水銀燈が現れたので綺麗な手鏡を貸し与えてあげる
美しい顔と銀髪を真黒に塗ったその姿は、
一昔前の若手芸人のようで翠星石など腸捻転になりそうなほど笑っている
目指せM1グランプリ
僕がツッコミ役だ
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今日も水銀燈が泣きながら帰ってくる。
彼女が泣いている理由はわかっている。
嫌がらせマエストロJUMの仕業だ。
彼の観察日記にはいつも腹を抱えて笑わせてもらっている。
・・・私の心の中に、この小さな天使を思う存分観察してやりたいという気持ちが芽生えた。
私だって白い病棟に引きこもり人生だ。彼にだって負けない。
あぁ、
この純真で純情、
そして単細胞で
ちょっとおばかなかわいいこの子を思う存分『観察』したい・・・!!
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指輪を渡してくれない水銀燈に苛立つ少女、めぐ。
ジュンを通じて水銀燈を攻め立て、
自分に指輪を渡させようと今日も画策するのだ。
さぁ、心に深く傷ついた水銀燈が帰ってきた。
個々で彼女がやることといったら一つ。
「うたってぇ・・・」
かかった! めぐはほくそえんだ。
「住み慣れた我が家に~」
「め、めぐ?!」
全く予想だにしなかった展開に水銀燈は恐れおののいている。
あの眼鏡の言うことも、たまには役に立つものだ・・・
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今日も裁縫のマエストロ、ひきこもりの王こと僕、ジュンは水銀燈を観察する。
定時にやってきていつもの口上を述べ始めたところで僕はおもむろに席を立つ。
水銀燈も気になったようだが、そんなことより作業を開始しようと思う。
全て終わったころ、ちょうどいい具合にバトルも終わったようだ。
帰ろうとした水銀燈、しかし今日はこれからがお楽しみだ。
鏡やモニターなどを全て隠し、雨戸という雨戸を全て締めた。
水銀燈はおどおどした後、泣きだしてしまった。
そんなに僕たちと寝るのがイヤなのかな?
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部屋に鏡を一つ置き。それ以外の出入り口を全て塞ぐ。
そして意識の無い真紅を部屋に横たえる。
なんのことはない、ただゼンマイがきれているだけなのだが。
真紅の上からケチャップをぶちまける。悪い、後でのりに洗濯させるからな。
そして定刻。部屋唯一の鏡から水銀燈が登場する。さあ、サスペンスの始まりだ。
ケチャップまみれで倒れている真紅を見て、凍りつく水銀燈。ここで台詞。
「・・・もう、疲れたんだ。こんな生活に・・・僕は平穏に暮らしたかったんだ!!」
僕がケチャップまみれの包丁を持っていることに気づき、
本気でびびっているようだ。へたりこむ水銀燈。
「もううんざりなんだよ!!」叫びながら鏡を思い切り割る。
退路を絶たれた水銀燈は
今にも襲い掛かりそうな僕を見て、後ずさる。腰が抜けて立てないようだ。
「終わらしてやる・・・アリスゲームも何もかも!!!」
包丁を振り上げ、床に思い切り突き刺す。
ここで水銀燈が倒れた。どうやら気絶してしまったようだ。
こんなにも早く終わってしまうとは思わなかった。
さて、水銀燈をどうしようか。
とりあえず真紅の横に寝かせてケチャップをぶちまけておく。
ついでだから僕もケチャップまみれで横に倒れる。
さて、目覚めてからどんな反応をするのだろうか。見ものだ。
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僕の名はジュン、
教科を一年分先にやってテストの時以外は学校に行かない引篭もりというより究極の出不精
相変わらず水銀燈の事を考える僕。
真紅と色々相談してみた結果、お爺さん分が足りないと結果が出た。
お爺さんといえばハイジ。ハイジといえば叔母と爺の取り合い。
ハイジ役はどうしよう、水銀灯だとベタだから……
いつもの通りディスプレイから出てくる彼女。しかし目の前には爺の扮装で頭を割られて死んでいる僕。
「え!えと……起きなさぁい……ってこれホント?嘘でしょぉ」
そこに現れる真紅達ドールズ。「ま……まさか水銀燈!!本当に!?」
「ち、違うわよ!第一あんた達動けるから死んでないでしょぉ?」そこにのり姉が窓から登場!
「事前に契約移行したのよ!私見たわ!!水銀燈が斧でジュンを……ジュンを……」
青ざめた顔で首を振り、耐え切られなかったか泣きながら違うわよぉと叫んで逃げる水銀燈。
泣き顔でとんでもない事になった股間を僕はどうにか落ち着かせるのであった
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ブリーフJUMからメールが来た。
今日は彼にちょっと変わったメールをもらう。
水銀燈に対する観察考案だ。
・・・興味深い。彼はある意味彼女に愛憎を持って接している。
彼女がこういう行動をとったらどうするか?
この行動に対してどういう反応を示すか?
一番精神
最終更新:2005年09月03日 20:25