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指揮官の“許可”が出たからには従わざるを得なかった


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林14号3ラン!猛虎の夏や貯金「6」

 胸のモヤモヤが晴れるような、素晴らしい一撃だった。阪神・林威助外野手(28)が、1点リードの四回、右翼席に14号3ランをたたき込んだ。高めの球をこん身の力で振り切り勝負を決めた。激闘が続いた横浜との3連戦勝ち越し。これで首位巨人とは再び3・5差。14日からは2位中日と京セラドーム大阪で対決。落合竜をたたき、さらに上昇だ。

  ささやきが耳から離れなかった。

  「ホームラン打てへんのか?ホームラン打ってもええんやで」

  指揮官の“許可”が出たからには従わざるを得なかった。 林のバットが試合を決めた。ハマの夜空に打ち上げた白球を見上げながら、久々に一塁へゆっくりと向かった。

 1点リードで迎えた四回。二死二、三塁で秦の2球目、内角高めの速球を迷いないスイングで振り抜いた。打球が右翼席中段へ消える14号3ラン。7月8日中日戦以来、25試合ぶりの林弾は大勢を決める一撃となった。実に35日ぶりの感触を両手に残しながらベースを1周し、赤星、シーツの出迎えに、笑顔がはじけた。

 「見逃せばボール球?(秦の)ボールは見えてたんでね。その前の球も高かったし、それよりは少し低かったので、思い切り振ったら良い結果につながった」

 試合前、フリー打撃の最中に岡田監督からネット越しに声を掛けられた。「どうしてホームラン打たないの?と言われて…」林は苦笑してその場をつくろったが、一発への期待感をひしひしと感じとった。

 右肩の開きの早さを矯正するなど、再度フォームを見直すために打撃練習に変化を持たせた。右足を上げず、ノーステップでセンターから左方向へ打ち返す。シーズン当初から見せていた、フルスイングで右翼席に何発も放り込む豪快なフリー打撃を封印して、修正ポイントを模索していた。岡田監督もそんな“迷える子羊”に“直球”で問いかけた。

 1カ月以上本塁打から遠ざかったことに関して、林は「もともとホームランは狙ってませんし、気にしてませんでしたよ」と涼しい顔。

 「壁をしっかり作って、うまく腰を回転できたんで、それが結果につながった」。日々の練習で積み重ね実践できた証しが最高の結果を生んだ。

 遠征バッグに1本のビデオテープをしのばせている。チームから渡された「ヒット集」。自身の放った安打や本塁打だけを編集した“名場面集”だ。「あまり調子が良くないときは遠征には持参しますね。参考になることはありますからね。ただ、あまり見るとマヒするし、自分の気になるポイントがハッキリと分かる時にだけ見るようにしますね」宿舎へ戻ってから画面と向き合うことで答えを得る日もあった。

 8月3日から出発した10泊11日の長期ロード第1幕を6勝2敗1分けで乗り切り、いい形で一度大阪へ戻る。巨人が中日に敗れ、首位との差を3・5に縮めた。

 ホームラン、打ってもいいんですよね-。試合後も指揮官のささやきが林の耳から離れなかった。“神の声”は、いつでも再生する用意がある。