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大食漢走る 巨人の鼓動 ◆yZGDumU3WM




腹が減った。
如何なる環境であれ、人は腹が減っては動けぬ生き物だ。
武蔵坊弁慶——全身を筋肉で覆った縦横共に幅の広いこの男、馬鹿ではない。
その昔、寺の和尚に拾われ更生するまでは自動車やバイクの鍵をこじ開けて盗み、盗賊家業の足として使っていたし、
偶然墜落してきた戦闘機、ゲットマシンの修理をできなかった流竜馬を見かねて修理をしてやったこともある。
つまり、手先は器用、物覚えも悪くないのであるが、弁慶という男は単純な人間と見られがちだ。
まあ、実際問題、喋る蜥蜴を食料にしようとしたりと、本能に忠実でもあるが。
ゲッターロボという乗り手を殺す殺人マシンに適応する人間と言うのは「馬鹿か狂人」だとは盟友、神隼人の言葉だったか。
あれの基準で考えた場合、弁慶という人間はその中間。同じく盟友、流竜馬は馬鹿。神隼人は狂人だ。
決定的に世界に反抗する馬鹿でもなければ、ゲッターというモノに魅せられた狂人でもない。
あえていうなら、この二人の間でバランサーとして働く存在が弁慶だった。
かつてゲッターロボの危険性に誰よりも敏感に反応したのはこの男だったし、度々衝突する荒くれ者の竜馬と冷徹な隼人の間を取り持ったのも弁慶だ。
本人は気づいていないが、ゲッターチームと呼ばれた男達の中で一番常識人だったのは弁慶だった。

「腹が減ったぜ……あの銀色の奴、新手の<鬼>か? 馬鹿みてえにすばしっこかったな」

鬼——ゲッターロボに未来宇宙で滅ぼされた種族の末裔であり、人類の敵である生命。
御伽噺に出てくるような角の生えた、噛み付くことでゾンビのように仲間を増やす怪物ども。
弁慶の恩人である
寺の師匠を怪物に変えた仇であり、弁慶にとっては怨敵に等しい存在だった。
手に持った抜き身の日本刀を鞘に戻し、軽く宙を睨んだ。丸い顔が憎悪に歪む——普段はとぼけた悪人面が凶悪になる。

「もしも鬼だったら……ぶっ倒してやる。……ん?」

己が腰の鞘に収めた日本刀が、目に見えるようなただならぬ妖気を放っていることに気づいた。
青い妖気を放つ日本刀に煌きに、意識を吸い込まれそうになる。この刀、閻魔刀は悪魔に反逆した悪魔スパーダが息子に残した武具——所謂魔剣妖刀の類である。
並みの精神力の人間が持てば、その妖しく光る刀身に心奪われ、人を斬る悪鬼と化すであろう魔性の刀だ。
が、しかし。
弁慶はかつて妖刀の持ち主だった男である。
童子切丸。次元の彼方——異世界<黒平安京>で失われた筈の、ゲッター線を放ちあらゆる防御を切り裂く日本刀。
殺生丸という大妖怪と共に砕け、このフィールドの何処かに突き刺さっているであろうそれの存在を、弁慶は知らない。
なにはともあれ、その魔性は長い間、弁慶という人間の精神力を鍛えてきた。
ましてや、ミッドチルダに転移する前、異世界での最終決戦でゲッター線という総ての生命を取り込む<進化の意志>の支配に打ち勝った今の武蔵坊弁慶にとって、
閻魔刀の魔性は魅入られるほどのものではなかった。溜息をつきながら鞘に閻魔刀を押し込み、腰のベルトに差し込んだ。
今の弁慶は、ネオゲッターロボに乗っていたときの黄色いパイロットスーツを着た格好だ。耐圧服に似たそれは、並みの刃物や銃弾を通さぬ頑強さがあった。
とてつもなく重いが、常人離れした筋肉達磨の弁慶にはちょうどいいくらいだ。すばしっこい蜥蜴を追い回せたのだから、その異常な身体能力が窺える。
それにしても……この日本刀、超人的膂力で弄られてもびくともしない鋼の感触。まさしく妖刀の名に恥じぬ剛健さだった。

「こいつぁ……当たりの支給品なのかどうか、ってとこか。俺以外が持ったら危ねえかもしれねぇな……」

精神力の強い人間ならともかく、女子供が抜き身の刀身を持ったら危ういかもしれない。刀に心を喰われるかもしれぬのだ。
うんと太い見た目に反して運動神経のある弁慶は、背中のバッグから地図を取り出すと、それを読みながら小走りで走った。
周囲の警戒も怠らぬあたりに、この男がしぶとい事情があった。
と、地図の中心地を眺め、その動きが止まる。
声に出して呟く。

「地上本部だぁ?! やれやれ、ここはなんでも——」

弁慶の動きがさらにぴたりと止まり、地図のある一点に釘付けになった。
そこは、スーパーマーケット。あの、何でも揃う場所だ。弁慶は地上本部に向かっていた足を反対方向に返し、走り始めた。
じゅるり、とつばを啜りながら。

「なんだ、気が利いてるじゃねえか。食い物を見つけるなら、スーパーが一番だよなぁ……へへっ」

こうして、弁慶の足はスーパーマーケットに向かった。
目的——食い物を見つける為に。

(スバルたちと合流するのは、その後でもいいよな……)

男は歩むが——ふとある可能性に気づいた。
ネオゲッターロボ——その巨躯は、何処にあるのだろうかと。
四十メートルもの巨体が隠せる場所などない……いや、あるにはある。

「軍事基地か地上本部、だなぁ。後で確かめてみるとすっか」

【1日目 黎明】
【現在地 D-2 市街地西部】
【武蔵坊弁慶@ゲッターロボ昴】
【状態】健康
【装備】閻魔刀@魔法少女リリカルなのはStirkers May Cry
【道具】基本支給品一式、ランダム支給品0〜2
【思考】
 基本:殺し合いを止め、プレシアを打倒する(どうやって戦うかは考えていない)
 1.まずは食い物を確保するか。
 2.スバル、ティアナと合流。
 3.軍事基地か地上本部に行き、ネオゲッターロボの所在を確かめる。
【備考】
  • 5話終了後からの参戦です。
 ・自分とスバル、ティアナ、隼人の4人は、ネオゲッターロボごとここに送り込まれたのだと思い込んでいます。
 また、隼人がどうして参加者の中に居ないのかという疑問を持っています。
 ・隼人がこのゲームに関わっていないことを知りませんし、スバルの来た世界が自分とは違うことも知りません。
  • ミライが鬼ではないかと疑っています。



装備と今後の方針——都市部に近づきそれぞれの探し人を探す、ということを決め、下山するべく神社の階段を下りると、
驚くほど澄んだ空気が鼻腔に入り込み、男は久しく感じていなかった爽やかさを得られた。その体躯は筋肉で絞り込まれていて、贅肉が無い。
それから歩くこと半刻。
ふと、遠方に鳴り響く爆音に気づき、ゼストは足を止めた。
皺の刻まれた顔を歪め、都市を白夜の如く染め上げる閃光に気づいた。背後を歩く少女が怪訝な顔でそれを見て、呟く。

「なんだ、あれは……?」

「魔法の行使、か。なんと大規模な……」

銀髪の美麗な大妖怪、殺生丸が死の間際に放った、ゲッター線と共鳴せし命の輝きたる必殺。
絶大な<力>を持つプラント種、ナイブズに命の危機を感じさせるほどのそれは、都市の中心部を廃墟に変え、遠方からでも視認できる眩い光を放出していた。
続いて大規模な破壊がもたらす破砕音が二人の鼓膜を叩き、その強大な力を誇示するように鳴り響き——沈黙。
魔法、という聞きなれぬ言葉に、緑髪に金色の眼を持った美しい少女——CCが顔を顰めた。

「魔法?」

「……市街地では戦闘が始まっているようだな。生憎俺の使い慣れた武器は今ここに無い」

「危険だと?」

ぬ、と唸り、ゼストはそれを肯定。
今この男が所持している武器は、魔法を使える人間の為の端末——デバイスであるブリッツキャリバーだ。
最終リミッターが外され、ACSと呼ばれる強力かつ多大な負荷を使用者に強いるシステムの解放された武具の形状は、具足。
かつてゼストが率いていた部下も用いていた、車輪による加速を目的とした地上走破用の装備だ。
ローラーブーツとでも呼称すべき鋼鉄のそれは、陸上移動をする分には爆発的加速力を使用者に与えることだろう。
ゼストは空戦魔導師——飛行を長時間行える人間だったが、この広いフィールドを飛行で捜索するのは目立ち、得策で無いと判断。
また、CCに会う前に行った実験で、魔法の行使自体にかかる負荷も増大していることも確認済み。
ブリッツキャリバーの加速性能に頼ることは、戦闘行動を意味した——それゆえ今は装備せずに待機状態にしてある。
管理局屈指の実力者だったゼストは、体術でも後れを取るつもりはない——戦闘時に疲労を蓄積しない為の措置。
そして、この首輪。
プレシアへの服従を強いるこの首輪こそが、全ての元凶に違いなかった。

「さて、どうしたものか……CC、お前はどうするつもりだ?」

「ルルーシュを探す……と言いたいところだが、都市部の中心区は危険か。
人が集まる分、殺戮に乗った大馬鹿者もいるというわけだな」

「そういうことだ。咄嗟にお前を守りきれる保証も無い。それに……」

ゼストは、CCが無造作に拘束服のベルトに挟んでいるナイフ『スティンガー』の刃を見て呟いた。
黒光りするナイフは、かつてゼストが傷を与えた戦闘機人の武器だ。ナンバーズの五番目たるチンク——この戦いにも参加させられている少女。
スカリエッティの手下であり、この殺し合いに乗ることが容易に想像できる敵でもある。

「……お前では使いこなせんだろう、その武器も」

「文句があるのか?」

CCは艶やかな笑みを浮かべて言い返したが、ゼストは知らん顔をして先を急いだ。
この女と話すのは——どうも疲れる。あまり長い間相手をしたくは無いな、と思う。

「さあな……とりあえず、仲間を増やすのが先決か。我々だけではいかんともし難い」

「自分ではどうにも出来ない、か。役に立たない男だな」

「……」

無言。
男は、この少女の傲岸不遜ぶりに呆れ果てていた。
二人の足は、南西へ——己が復讐の為に刃を振るう悪鬼がその先に存在すると信じ、孤高の槍騎士は道を行く。
待ち受ける、己の知るそれと異なる“高町なのは”の存在に気づかずに。


【1日目 黎明】

【現在地B−3 平地】
【ゼスト・グランガイツ@魔法少女リリカルなのは 闇の王女】
【状況】健康
【装備】ブリッツキャリバー(待機状態)@魔法妖怪リリカル殺生丸
【道具】オリーブ抜きのピザ(11/12サイズ)@魔法少女リリカルなのはStylish、支給品一式
【思考】
 基本:高町なのはを捜索、抹殺する。
 1.プレシアの抹殺 。
 2.ルーテシアの保護 を行う。
 3.ひとまず行動を共にする仲間を増やす。
 4.なのはと戦うことになれば、ギア・エクセリオンの発動も辞さない——己の命を削ってでも。

【備考】
 ・なのはとルーテシアが『健全な』歴史(StS)から来たのを知りません。
  • 市街地は危険だという認識を持ちました。
 ・CCとの協力関係は、ギブアンドテイクという暗黙の了解の上に成り立っています。
 ・ブリッツキャリバーは、十話での殺生丸戦後からの出典です。
  原作とは異なり、ファイナルリミッターが解除され、ギア・エクセリオンが使用可能となっています。
 ・ギア・エクセリオンがゼストにかける負担の程度は、未だ明らかになっていません。
  ゼスト自身は、自分のデバイスのフルドライブ同様、自身の命を削る可能性もあると推測しています。

【C.C.@コードギアス 反目のスバル】
【状況】健康
【装備】スティンガー×10@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式、ランダム支給品0〜2個(確認済み)
【思考】
 基本:ルルーシュたちと合流する。
 1.ひとまずゼストに身を守ってもらう。
 2.向かってくる者は基本的には殺す。
 3.ピザの対価を払う方法を考える。
【備考】
 ・スバルが『StS』から来たのを知りません。
 ・ゼストとの協力関係は、ギブアンドテイクという暗黙の了解の上に成り立っています。
 ・「ギアス提供」「精神干渉」「Cの世界との交信」が不可能となっていることに気付きました。
 ・再生能力も制限されている可能性があると考えました。



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