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Nightmare of Shirley(後編) - (2009/11/24 (火) 18:16:14) のソース
*Nightmare of Shirley(後編)◆7pf62HiyTE 今度はレイの側から見てみよう。だが、こちらに関してはルルーシュよりも解りやすい。 何て事は無い、十代の死で暴走したのだろう。先程も考えた通りその可能性は充分にあり得る。 それに、ルルーシュがレイを警戒し彼女の行動を縛っていたのはこなたから見てもわかる。その状況で気絶しているレイがルルーシュを見て凶行に及ぶ可能性は十分に考えられた。 放送後会った時はそんな事は言わなかったが、レイが発していた不穏な気配はこなたも薄々感じていた。とはいえあの場ではそんな余裕なんて無かったからレイを気にかける事は出来なかった。 だが、実際はそんな事は無かったのだろう。本当は最初からルルーシュを殺すつもりでこなた達が手当てしている隙に彼に銃を向けていて、気が付いたルルーシュがそれを見たという可能性はあった。 「もう少しレイに気を使うべきだったかな……」 「そうです……ちょっと焦っていたかもしれないです……」 今更ながらにレイに充分な注意を払えなかった事を後悔した。もう少し注意していれば凶行を避ける事が出来たかもしれないし、起こったとしても手持ちの道具をある程度持ち運べた可能性はあったのだから。 そしてルルーシュのギアスの発動、それがトドメとなったのだろう。故にレイは暴走したと。 「……ヤンデレを実際に目の当たりにしたけど……二度と会いたくないね」 「残念ですけど、今のリイン達ではどうしようもないですよ」 アニメやゲーム程度の知識しか無いとは言えヤンデレの恐ろしさはよく知っている。故に最早レイを止める事は不可能だとこなたは考えていたし、リインもそれに同意した。 既にギアスを使用した事、そして道具をが殆ど奪われた事を考えるとこなた達では太刀打ち出来ないし、アカデミアに残っているスバルでも無力化は厳しいだろう。 真面目な話明日香達でも説得は通用しないとこなたは考えている為、その可能性も除外する。 正直レイがああなってしまった事に関してはこなたとリインも責任を感じているし本当ならば止めたいとは思う。 だが、止められない可能性が高い以上無茶なんて出来ないし、同時に今は傍に重傷のルルーシュや無力な少女であるヴィヴィオがいる為、彼女の元に戻るのは論外だ。レイに関しては諦めるつもりでいた。 問題は行き違いになったと思われるシャーリーだ。前述の通りレイと遭遇する可能性は高いし、仮に遭遇しなくてもアカデミアには襲撃者がいる。 (なんとかレイと出会わずにスバルと合流出来ていればいいけど……) 残念ながらこなたには祈る事しか出来ない。それに今はすべき事が他にもある。 「リイン、ルルーシュの方は……」 気になるのはルルーシュの容態だ、リインによると少なくても最悪の事態は避ける事が出来た為現状死ぬ事はない。とはいえ目を覚ますにはもう少し時間がかかるだろうし、十分な治療を施した方が良い事に変わりはない。 勿論、リインとしては今後も治療は続けるつもりではある。しかし、制限下での長時間の治療でリインにも疲労が溜まっている。 その様子を見てヴィヴィオは、 「こなたお姉さん……こなたお姉さんはずっとルルお兄さんと一緒にいたの?」 「ん? ま、割と長い間一緒にいたかな」 こなたがルルーシュと出会ったのは明け方、それから後はアカデミアで一旦別行動をしていた約2時間を除くとずっと一緒だった為、割と一緒にいた事に違いは無い。 「じゃあ教えて……ルルお兄さんって良い人なの、それとも悪い人なの?」 ヴィヴィオは知りたかったのだ、彼が本当はシャーリーが楽しそうに語っていた友人であるルルーシュなのか、憎しみを抱いていたテロリストゼロなのかを…… 真面目な話ルルーシュの本心や正体を把握している者は非情に少ない。その殆どを把握しているのは彼にギアスを与えた共犯者であるC.C.ぐらいなものだ。 その例外はルルーシュから直接聞いたスバル(この場にいるスバルではなくルルーシュの世界のスバル)ぐらいである。 だが、実はこの場にはそれを知る者が他に2人いる。1人は彼の足跡を記したサイトにアクセスしてそれを知ったキング。そしてもう1人がアカデミアでルルーシュ本人から直接聞いたこなたなのだ。 そのこなたは考える―――ルルーシュのした事は悪い事だって誰が見ても明らかだし、客観的に見ればそれが決して許されない事はわかっている。だからルルーシュは決して善人では言えなく、悪人である事には違いはない。だが――― (そんな単純な事じゃないよね―――) そう、善人とか悪人とかそんな単純な言葉で片付けられなかったのだ。 確かにルルーシュのした事は許されはしないとは思う。だが何故彼はゼロとなって戦争を起こし多くの犠牲を出さなければならなかったのか? それは妹であるナナリーが望む世界を手に入れる為だったはずだ。その根底にあるのは悪意ではなく願いだったはずだ。 当然どんな理由であってもそれは許される事ではないだろう。それ故に彼は自身の行動で多くのもの―――友達や初恋の人を失い親友とは敵同士になってしまった。それはある意味では因果応報もしくは自業自得とも言える。 だが、ルルーシュ自身も幾度と無くその事で苦しんでいた。彼自身本当は友達や仲間を傷付けたく無かったはずだ。 きっとルルーシュも自分と同じなんだろう。ルルーシュだって家族や友達と何て事はない平和で楽しい日常を過ごしたかった筈なんだ。だけど彼のいた世界と彼に与えられた境遇がそれを許さなかった。 仮にこなたがルルーシュと似た境遇だったらどうしていただろうか? 真面目な話、実際にそんな状況になってみなければわからない。だが…… 少なくとも家族や友達を幸せにする、最悪不幸にはさせたくないと思う。こなただってそれぐらいの事は考えるのだ。 結局の所、ルルーシュの場合はその規模が大きくなって結果として多くの悲劇を生んでしまったに過ぎないのだ。 何度も書くがその行動は自体は許されはしない。だが、その根底にあるものまで否定する事は誰にも出来ないはずだ。 家族、友人、仲間の身近な幸せを願う―――それは決して誰にも否定出来やしない。 思えばルルーシュはこの場に来てからもスバルや自分の事を気にかけていた。自分にかけたギアスも一人称の変更と解けなくてもこなた自身全く問題のない物だ。間違いなく自分達が無事である事を望んでいた。 それに最初に出会ったディエチを犠牲にした事に関してもずっと苦しんでいたのを知っている。 更にレイを警戒し彼女にギアスをかけようとしたのもきっと自分達の身を案じての事だったんだ、焦りすぎだったとは思うけどそれを頭ごなしに否定する事なんて出来はしない。 何よりシャーリーに自分がゼロだと知られた時に彼が取った行動は何だったのか? それはシャーリーに自分を殺させる事だった。やり方は不器用だとは思うがシャーリーを傷付けた事を悔やんでの行動ではなかったのか? そんなルルーシュを只の悪人と断ずる事などこなたに出来るわけがない。だから――― 「良い人か悪い人かはお姉さんには言えないけど……友達や仲間想いなのは確かだと思うよ。シャーリーって人を傷付けちゃったかも知れないけど……ルルーシュだって本当は苦しんでいたと思う……これじゃダメかな?」 ヴィヴィオにわかってもらえるかはわからない。けれどこれがこなたに出来る精一杯の答えではある。 「うん……」 ヴィヴィオ自身、シャーリーを傷付けてしまった事に関しては納得出来てはいない。だけど友達想いだって事に関しては信じたいと思った。ルルーシュはシャーリーが好きな人なのだから…… その一方、こなたは何故自分がここまでルルーシュを助けたかったのかに気付いた。自分の身を守る為ならばこのまま置き去りにして逃げても良かったはずだ。ルルーシュを助けなければ自分に及ぶ危険を回避出来た可能性はあった。 誰であっても人が苦しんだり死ぬのは嫌だった、確かにそれはある。だが、それならばもう少しレイやスバルを気にかけたって良かった筈だ。何故ルルーシュだったのか? その答えはきっと、こなた自身もルルーシュの願いが叶う事を望んでいるのだろう。 考えてもみて欲しい、ルルーシュはナナリーの幸せという誰の中にもある願いを望んだだけなのだ。にも関わらずその代償として彼は多くのものを失いすぎた。それでも、ナナリーが何者かによって浚われるという悲劇が起こっているのだ。 この場に来てからもルルーシュは仲間を守る為に行動していた。にも関わらずルルーシュは右腕や仲間を失い、死にそうになって仕舞いには命まで狙われる始末だ。 当然、ルルーシュにも責任はある。だが、それにしたってあまりにも報われなさすぎではなかろうか? 何故彼がここまで苦しまなければならないのだろうか?だから――― 「死なせないよ」 こなたはルルーシュの助けになりたいと思った。勿論、自分の無力さなど痛いほど判っている。それでもルルーシュも元の世界に返したいと思ったのだ。 何が出来るのかはわからないし何も出来ないかも知れない、それでも何か出来るはずだと……こなたはそう考えたのだ。 そうすると何をすべきだろうか、ルルーシュの手当をしたい所だがリインも最早限界……と、こなたはクラールヴィントを見て、 「そういえばこれってシャマルって人のデバイスだよね……」 クラールヴィントがシャマルのデバイスであるのを思い出す。シャマルが治療を得意としている事は聞いている。そして、その彼女のデバイスがあるならば…… 「これ……使えないかな?」 【1日目 日中】 【現在地 G-6 アニメイト店内】 【泉こなた@なの☆すた】 【状態】疲労(小)、スカーフ無し 【装備】クラールヴィント@魔法少女リリカルなのはStrikerS、 【道具】ジェットエッジ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、救急箱 【思考】 基本:かがみん達と共に家族の元に帰る為、自分の出来る事をする。 1.ルルーシュの治療を行う、クラールヴィントが使えれば良いけど…… 2.落ち着いたらこれまでの事を話し合い、その後アニメイトから離れる。 3.ルルーシュを何とか助けたい。 4.リイン、スバル、シャーリーが心配。 5.アーカード(名前は知らない)、浅倉、エネル(名前は知らない)、キング、レイを警戒。特にレイとアーカードにはもう会いたくない。 6.後でフェイトとプレシアの関係を確認してみる。 7.かがみん達……大丈夫だよね? 8.おばさん(プレシア)……現実とゲームを一緒にしないで。 【備考】 ※参加者に関するこなたのオタク知識が消されています。ただし何らかのきっかけで思い出すかもしれません。 ※いくつかオタク知識が消されているという事実に気が付きました(スバル達に話すつもりはありません)。 ※かがみ達が自分を知らない可能性に気が付きましたが、彼女達も変わらない友達だと考える事にしました。 ※ルルーシュの世界に関する情報を知りました。 ※この場所には様々なアニメやマンガ等に出てくる様な世界の人物や物が集まっていると考えています。 ※地図に載っていない施設が存在しているのを確信しました。 ※PT事件の概要(フェイトとプレシアの関係は除く)をリインから聞きました。 ※自分に割り振られた調査エリアを調べ終えました。何かを見つけたか否かは後続の書き手さんにお任せします。 ※ヴィヴィオ及びクラールヴィントからこれまでのいきさつを聞きました。浅倉、エネル(名前は知らない)、キングを警戒しており、矢車(名前は知らない)と天道についての評価は保留にしています。 ※クラールヴィントは浅倉を警戒しています。 ※救急箱はアニメイト店内で調達したものです。 【ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】疲労(中)、シャーリーへの心配、悲しみ、決意、浅倉に対する複雑な感情 【装備】ヴィヴィオのぬいぐるみ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、レークイヴェムゼンゼ@なのは×終わクロ 【道具】支給品一式 【思考】 基本:六課の皆と一緒に脱出する。 1.シャーリーお姉さんを助けたい、ルルお兄さんも助けたい。 2.ママ達がいなくなってもヴィヴィオがんばる! 3.天道お兄さんを助けたい、浅倉お兄さんともお話したい。 【備考】 ※浅倉の事は、襲い掛かって来た矢車(名前は知らない)から自分を救ってくれたヒーローだと思っています。 ※浅倉をまだ信頼しており、殴りかかったのは何か理由があるのだと思っています。矢車とエネル(名前は知らない)を危険視しています。 ※キングのことは天道を助けてくれるいい人だと思っています。 ※この場にもう1人なのはやフェイトがいる事に気付いていません。 【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反目のスバル】 【状態】左腕裂傷、右腕欠損(傷口化膿)、疲労大、発熱による若干の錯綜、強い決意、深い悲しみ、気絶中 【装備】ブリタニア軍特派のインカム@コードギアス 反目のスバル、リインフォースⅡ@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS(疲労(大))、こなたの制服のスカーフ 【道具】なし 【思考】 基本:守りたい者、守るべき者を全力で守り抜く。 1.レイは危険だ。 2.チンクが目覚めたら彼女と話をする。 3.スバルを守るために、たとえ汚れ役を買って出てでも、スバルにとって最善と判断した行動を取る(もしもの時は殺害も辞さない)。 4.ディエチやカレンの犠牲は絶対に無駄してはならない。 5.ギアスの制限を確かめたい。 6.戦力の確保及びプレシアの関係者の捜索、首輪の解析を行う。 7.C.C.、クアットロと合流したい。 8.ゲーム終了時にはプレシアに報復する。またその後でシャーリーに自らの命の決断を仰ぎ、それに従う。 9.左腕が刃の男(=ナイブズ)、赤いコートの男(=アーカード)、殺し合いに乗った頭の切れる参加者を警戒。 【備考】 ※ギアスに何らかの制限がかかっている可能性に気付きました。また、ギアスのオンオフは可能になっています。 ※ギアスの発動には左目の強烈な痛みと脱力感が伴います。 ※プラント自立種にはギアスが効かない事が確認されました。 ※ギアスを使った際の疲労は命令の強さに比例すると考えています、同時にギアスが効かない参加者が他にも考えています。 ※こなたの世界に関する情報を知りました。もっとも、この殺し合いにおいて有益と思われる情報はありません。 ※「左腕が刃の男」が既に死亡したナイブズである事に気付いていません。 ※ここにいるスバルを“本物のスバル・ナカジマ”であると認めました。 ※レッド・デーモンズ・ドラゴンは現状では使えない可能性が高いと考えています。 ※「月村すずかの友人」からのメールを読みました。ご褒美の話をどう捉えているかは後続の書き手さんにお任せします。 ※シャーリーが父の死を聞いた直後から来ている事に気付きました。また一緒にはいられないと思っています。 【リインフォースⅡ:思考】 基本:スバル達と協力し、この殺し合いから脱出する。 1.ルルーシュの治療を続ける。 2.はやて(StS)や他の世界の守護騎士達と合流したい。殺し合いに乗っているならそれを止める。 3.落ち着いたらこれまでの事を話し合う。 【備考】 ※リインフォースⅡの参戦時期は第四話ではやてと会話する前(つまり眠っている間)です。 ※自分の力が制限されている事に気付きました。 ※ヴィヴィオ及びクラールヴィントからこれまでのいきさつを聞きました。 【チーム:黒の騎士団】 【共通思考】 基本:このゲームから脱出する。 1.これまでの情報を纏める。 2.首輪解除の手段とハイパーゼクターを使用するためのベルトを探す。 3.首輪を見つけた時には機動六課か地上本部で解析する。 4.それぞれの仲間と合流する。 【備考】 ※それぞれが違う世界の出身であると気付きました。 ※デュエルモンスターズのカードが武器として扱える事に気付きました。 ※デュエルアカデミアにて情報交換を行いました。内容は[[守りたいもの]]本文参照。 ※「月村すずかの友人」からのメールを読みました。送り主はフェイトかはやてのどちらかだと思っています。 ※チーム内で、以下の共通見解が生まれました。 要救助者:シャーリー、ヴィヴィオ、万丈目(注意の必要あり)、明日香、かがみ、つかさ、ルーテシア 合流すべき戦力:なのは、フェイト、はやて、キャロ、ヴィータ、シャマル、ユーノ、クアットロ、チンク、C.C.、(フェイト及びクアットロには注意の必要あり) 危険人物:赤いコートとサングラスの男(=アーカード)、金髪で右腕が腐った男(=ナイブズ) 以上の見解がそれぞれの名簿(ルルーシュ、スバル、こなた、レイ)に、各々が分かるような形で書き込まれています。 レイには何が起こったのかを理解する事は出来なかった――― 「邪魔しないで、ボクはすぐにでもルルーシュを殺さなきゃならないんだ、そして十だ……い……」 『……代様を殺した奴を殺すんだ』―――そう続くはずだった言葉は声にならなかったのだ。 気が付いた時には身体から力が抜け、手から銃とカードが落ち、そして倒れていくのを感じていた。その時に漸く自分が撃たれているのに気付いたのだ。背後から左胸の辺りを何発も――― 何故自分は撃たれているのだろうか? それがレイには理解出来なかったのだ。完全に不意打ちだとレイは感じていた。 そして倒れた後、浴衣の少女はデイパックと拳銃、カードといった彼女の持ち物を全て持ち去っていったのだ。 (待って……それを持っていかないで……それがないと……ボクは……十代様の仇を討てなくなる……) 薄れ行く意識の中、そう叫ぼうとしたが、叫びは声にならず、少女に届く事は無く、口からは只血を流すだけだった。 そして、考えるのは――― 『何故ボクは撃たれたのだろう?』 レイにはそれがどうしても理解出来なかった。見たところ彼女は殺し合いに乗っていない様に見えたからいきなり襲う事はないはずだし、今回は銃すら向けていないのだから襲われる理由は全く無いはずだ。 だが、此方から言わせればその理由などすぐにわかる。そもそもレイにはある物が欠如していたのだ。 それ『自分が撃たれる覚悟』だ。 『撃っていいのは、撃たれる覚悟のある者だけだ』という言葉がある。これはゼロことルルーシュの言葉ではあるが、実際の所この言葉は真理と言えよう。武器を取って戦う者は次の瞬間には自分が撃たれる可能性を考えなければならないのだ。 『自分は好きなだけ人を殺す事が許されていますが貴方達が自分を殺す事は許されません』なんていう自分勝手な理屈がまかり通るわけがないだろう? 少なくても、ルルーシュやスバルはその覚悟を持ち合わせていた。ルルーシュに関しては言っている張本人なので当然だが、スバルに関しても(殺すつもり自体は無いが)任務の中で凶悪な犯罪者との戦いによって命を落とす可能性を想定していないわけがない。 だが、レイの頭の中ではそれが著しく欠如していたのだ。 殺し合いに乗った参加者やデュエルゾンビになった万丈目、危険人物であるルルーシュは警戒していたではないか? 確かにそうだが、危険人物の警戒だけなら極端な話撃たれる覚悟の持たないこなたにだって出来る。 ここでいう話は自分の行動によって自分を撃たれるという可能性の話だ。レイにはそれが欠如していたのである。 当たり前の話だが襲撃した場合相手は当然迎撃に出るだろう。それにより返り討ちに遭う可能性はあって然るべきだ。 更に言えばレイの行動目的は『十代の命を脅かす者の抹殺』だった。これと同じ事を考える参加者がいたって不思議ではないだろう。 つまり、レイが襲おうとした参加者の命を脅かす者を抹殺する事を考える参加者がいてもおかしくないという事だ。 レイがルルーシュを殺すつもりでいるのをルルーシュの命を守りたい参加者が知ったとしたら……その結果がこれなのだ(実際の所はそんな単純なものではないが)。 レイがその可能性を想定出来なかったのはこれまでの行動を見てもわかる。 最初に出会ったフェイトにしてもアカデミアで遭遇したスバルにしても拘束もしくは束縛される可能性は考えても殺される可能性は全く考えていなかった。 また、フェイトに攻撃をした時も殺したかも知れない罪悪感は感じても無事だったと知るやいなやすぐにその事は忘却の彼方へと消えたのだ。当然、逆に殺される可能性なんて考えていない。 とはいえ出会った人物が基本的に安全な人である以上そう考えても仕方がないだろう。 そして、ルルーシュに出会うわけである。ルルーシュは危険人物であったし、ギアスをかけられる可能性もあった為警戒をしていた。だが、やはり撃たれる可能性が欠如していたと言わざるを得ない。 ここでレイがギアスをかけられそうになった時の状況とレイの思考を思い出して欲しい、 レイはその瞬間ルルーシュに銃を向けていた。それを見たルルーシュは『俺に従え』というギアスをかけようとしていた。 その際にレイが思ったのは『銃を向けただけでギアスというのは如何なものか』、『『銃を捨てろ』とか『撃つな』ならまだわかるが『俺に従え』はないだろう』といったものだ。 結論を言おう―――レイの思考はあまりにも自分勝手で甘すぎる。 勿論、その時のルルーシュの精神状態を省みれば暴走に近いものではあった為、レイの側にも同情の余地はあるだろう。だが、この場ではその事は抜きにして彼女が把握していた情報だけで考えてみよう。 冷静に考えてみて欲しい、十代の死を知ったレイが暴走する可能性は充分にあったしそれでなくても危険人物として警戒されていたのはレイ自身がわかっているはずだ。 そんな彼女に銃を向けられてみろ、次の瞬間には撃たれて殺されてしまうと考えるのが普通だ。撃たなかったから良いだろうなんて理屈は通用しない、自分の身を守る為であるならば当然の判断だ。 命令内容にしても1度しか使えないギアスを有効利用するのであれば先々まで有効な『俺に従え』というのは有用だ。銃を捨てさせるだけで済ませるなど無駄でしかない。 それ以前に命の懸かった状況であるわけなので『死ね』と命令されてもおかしくはない、故に『俺に従え』という命令はむしろ甘過ぎるぐらいだ。にもかかわらずレイはそれを解っていなかった。 つまり、レイには『撃たれる覚悟』が決定的に欠如していたのだ。しかも出会った人物がルルーシュ以外自分を撃つ事が無い者達だ。そんな覚悟を得られる機会など訪れない。 そんな彼女がまさかいきなり撃たれるなんて事を想像出来るわけがなかったのだ。 前にも触れた事だが、彼女の行動次第では十代を死なせる結果を回避する事が出来た可能性はあった――― だがそれだけではなく、先程の彼女の行動でプレシアを打倒する集団を危機に追い込んでしまい――― そして今度は自身の命すらも失おうとしているのだ――― 言うなれば自業自得―――彼女の行動の殆どはマイナスの方向に働こうとしている――― ―――『失おうとしている』? 『失った』ではないのか?――― その通り、今現在レイの命は未だ消えてはいない。 不幸中の幸いか銃弾は急所を僅かに逸れている。出血は激しいがすぐにでも手当をすれば生きていられる可能性は0ではない。 だが、限りなく低いという状況に変わりはない。何故なら彼女の近くには助けてくれそうな参加者などいないからだ。 こなた達は危険人物であるレイとは最早関わり合いになりたくはない為来るわけがない。 万丈目や明日香のいる位置からは距離が離れすぎている。 その他の参加者で助けてくれそうな良い人などまずいない。 唯一の例外がスバルだったが彼女はアカデミアで襲撃者と対峙している。結末次第だが過度な期待は出来ない。 仮にやって来たとしても手遅れに終わる可能性が高く、運良く生きていられたとしてもマトモに動けるかどうかは微妙だ。 全て彼女自身の行動が招いた結果である――― 【1日目 日中】 【現在地 G-7】 【早乙女レイ@リリカル遊戯王GX】 【状態】吐血、左背部に4つの銃痕(出血中)、気絶、自暴自棄 【装備】無し 【道具】無し 【思考】 基本:目的(ルルーシュと十代を殺した者を殺す)を果たしてから死ぬ。 1.どうして撃たれたんだろう? 2.武器とカードを返して…… 3.ルルーシュ、十代を殺した者を殺す。邪魔したこなたも殺すし邪魔するなら他の者も…… 4.フェイト(StS)、万丈目を強く警戒。 【備考】 ※フェイト(A's)が過去から来たフェイトだと思っています ※フェイト(StS)、万丈目がデュエルゾンビになっていると思っています(スバル達には「自分の世界のフェイトは敵に洗脳されているかもしれない」と説明しました)。 ※ここではカードはデュエルディスクなしで効果が発動すると知り、またデュエルデュスクを使えばカードの効果をより引き出せると思っています。 ※カードとデュエルディスクは支給品以外にも各施設に置かれていて、それを巡って殺し合いが起こると考えています。 ※レッド・デーモンズ・ドラゴンが未来の世界のカードだと考えています(シンクロ召喚の方法がわかっていません、チューナーとチューナー以外のモンスターが必要という事は把握済みですがレベルの事はわかっていません)。 ※正しい召喚手順を踏まなければレッド・デーモンズ・ドラゴンを召喚出来ないかどうかは不明です。 ※レイの調べた範囲でデュエルアカデミアに目ぼしいものはありませんでした。 ※死んだ十代は自分と同じ世界の十代で間違いないと思っています。 ※かなり破滅的になっているので周りの話をあまり聞かない可能性が高いです。 ※シャーリー(名前は知らない)に撃たれた事は理解しましたが、その理由を理解していません。自分には撃たれる理由は無かったと思っています。 ※撃たれた傷は急所を僅かに外しているものの、すぐにでも手当をしないと命に関わります。 シャーリーは1人逃げる様に走っていた――― その手に持つデイパックの数は5つ、1つは彼女自身が元々持っていた物、後の4つはレイが持っていたものだ。 何故レイのデイパックをシャーリーが持っているのだろうか? そのシャーリーが口を開く、 「殺しちゃった……」 レイの言葉を聞いた瞬間、シャーリーの頭は真っ白になり―――気が付いた時にはレイが倒れていたのである。 シャーリーは持っていた銃を先へ行こうとするレイに向けて背後から発砲したのである。あまりにも突然の出来事にレイは気付く事は出来なかったのだ。 銃弾は左背部に命中―――だがそれで止まることなく、シャーリーは再び発砲―――やはり左背部に命中―――そして再び―――再び――― レイが倒れた音を聞き、シャーリーは漸く自分がレイを撃っていた事に気が付いた。そして見たのだ、背中から血を流して倒れているレイの姿を――― 手元には銃―――考えるまでもない、自分が少女を撃ってしまったのだ。だが何故? そうだ、彼女はルルーシュを殺すと言っていたんだ。そして、気が付いたら――― 我に返った瞬間、シャーリーは恐ろしくなってその場から逃げ出したのだ。彼女の持っていたデイパックや拳銃、カード全てを持ち去って――― どうしてこんな事をしてしまったのだろうか? シャーリーにはそれがわからなくなっていた。 レイがルルーシュを殺すと言ったから? だが、シャーリー自身もルルーシュを殺すつもりでいた。止める理由は無かったはずだった。 だが、それをレイから聞いた瞬間、頭の中が真っ白になってしまったのだ。そして気が付いたら――― シャーリーの心情を紐解いてみよう、前述の通りシャーリーはルルーシュを殺すつもりでアカデミアに向かっていた。 だが、これまた前述の通りシャーリーは迷っていたのだ。極端な話ルルーシュを許す可能性は充分にあったのだ。 その限りなく不安定な状態でルルーシュを殺そうとする人物と遭遇したのである。 殺すと決めているならばレイに同行すれば良く、許すと決めているならばレイを止めれば良かった。 だが渦巻く殺意と想いは増大しその末に―――暴走した。 そして気が付いたらレイを撃っていたという結末だ。 だが、自分の精神状態など今のシャーリーに理解出来るわけがない、シャーリーは訳もわからず、人殺しとなった事実を抱えて走っていたのだ。 レイの持ち物を全て持ち去った理由も彼女自身よくわかっていない。もしかしたらルルーシュをレイから守る為というのもあったのかも知れないし、自分と出会ったという痕跡を全て持ち去りたかったからというのもあったかも知れない。 シャーリーは未だ混乱の真っ直中にいる。だがたった1つ確かな事実がある。 『シャーリーは少女を射殺した』という事実だ。 この出来事によって、シャーリーの立ち位置は大きく変わってしまった。今の彼女には最早ルルーシュを裁く資格など無い。 何故なら、彼女は既に被害者ではなくルルーシュと同じ加害者になってしまったからだ。裁く者ではなく裁かれる者となってしまったのだから。 如何なる理由があってしてもレイを殺す事など決して許されはしない。それはシャーリー自身もわかっていることだ。 考えてもみて欲しい、レイにだってシャーリーと同じように家族や友達がいたはずなのだ。彼等がレイの死を知ったらどう思う? 殺した相手、つまりシャーリーに強い憎悪を抱いて当然なのだ。 確かにレイにも殺されるべき理由はあったかもしれない、だがそんな事など理屈でしかない。最早自分はゼロと同じ最悪のテロリストになってしまったのだ。 そんな自分がルルーシュを裁く事なんて許されるわけがないだろう。だからこそシャーリーは振り返りヴィヴィオの所へ戻る為走ったのである。 走っている内にスバル達といった友達の姿が浮かんでくる―――だが、最早彼女達と共にいる事なんて出来はしない―――だって自分は人殺しなんだから――― 今は只ヴィヴィオの所に戻りたかった―――夢中で走り続け―――故にその途中で何かが落ちても気付かない――― その行動は明らかな逃避だ。だが、彼女の存在がシャーリーにとっての最後の希望だったのだ。 しかし――― 「ヴィヴィオちゃん……どこ……?」 ヴィヴィオの待つ場所に戻ってもそこには誰にもいなかった。 いや、本当は数十メートル離れた建物であるアニメイトに彼女もいたしルルーシュもいた為、上手く探せば合流出来たかも知れない。、だが今の彼女にそんな事の出来る余裕など無い――― 「あはははは……そっか……そうだよね……ヴィヴィオちゃんだって私を見捨てるに決まっているものね……」 ヴィヴィオは本当はルルーシュと仲良くして欲しい事はシャーリーにだってわかっていた。だが、シャーリーはそれに目を背けたのだ。 そういえば放送ではフェイトの名前も呼ばれていた―――それを聞いたヴィヴィオがどれだけ悲しむかなんて分かり切った話だ。なのに自分は彼女の事を忘れて自分の都合だけで行動したのだ。 こんな自分などヴィヴィオにも見捨てられて当然の話だ。 「無かった事に出来ればいいのに……そうだ、確かプレシアって人が言っていたっけ……全員を殺したら……」 全てを無かった事にするのを一瞬考えた。しかし、 「ダメだよ……今度はスバルやヴィヴィオちゃんも殺すっていうの……これじゃ私……どんどん嫌な女になってしまう……」 自分の都合で何の罪もないスバル達を殺す事など決して許されない。故にシャーリーは踏みとどまった、だが同時にそれは絶望を意味していた。何をしても自分が許される事は無いのだと――― 「……どうしたらいいのかな……」 そんな中、頭に浮かぶのはある1人の男性――― 「あの人にも悪い事しちゃったな……」 その人物は天道……シャーリーがゼロだと決めつけた人物だ。ルルーシュがゼロだと知るまではずっと彼がゼロだと思っていた為、ずっと憎悪を向けており苦しんで死ぬべきだと思っていた。本人が否定していたにも拘わらずだ。 更に言えばルルーシュがゼロだと知った後は彼の存在など完全に失念していた。何で忘れていたのだろうか? 考えれば考えるほど自分が恐ろしいほどに醜悪な人間に思えてくる―――いやそれは間違っている。思えてではない、実際にそうだったのだ。 「あの人に謝ろう……」 もはや自分が許されるとは思えない―――だが、それでも彼には謝りたいと思った。まだ彼は生きているのだから――― 確か温泉に向かったはず―――その方向へ向けて彼女は歩き出した。ルルーシュやヴィヴィオ達がいるアニメイトに背を向けて――― 【1日目 日中】 【現在地 G-6】 【シャーリー・フェネット@コードギアス 反目のスバル】 【状態】健康、強い自己嫌悪と罪悪感、絶望 【装備】浴衣、ゼロの銃(6/10)@コードギアス 反目のスバル 【道具】支給品一式×5、デュエルアカデミア売店の鍵@リリカル遊戯王GX、SIG P220(8/9)@リリカル・パニック、 フリーズベント@仮面ライダーリリカル龍騎、光の護封剣@リリカル遊戯王GX、レッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D's ―LYRICAL KING―、 リインフォースⅡのお出かけバッグ@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS、情報交換のまとめメモ(内容は[[守りたいもの]]参照)、投げナイフ(9/10)@リリカル・パニック、 バスターブレイダー@リリカル遊戯王GX、レギオンのアサルトライフル(100/100)@アンリミテッド・エンドライン、洞爺湖@なの魂、 小タル爆弾×2@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、インテグラのライター@NANOSING、医薬品一式、メス×3、医療用鋏、 ガムテープ、紐、おにぎり×3、ペットボトルの水、火炎瓶×4、ラウズカード(クラブのK)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、シーツ数枚 【思考】 基本:天道に謝りたい。 1.天道がいるであろう温泉に向かう。 2.もうルルをどうこうなんて出来ないし、スバルやヴィヴィオの側にもいられない。 【備考】 ※六課がブリタニア軍の特殊部隊で、スバルはその一員だと考えています。ザフィーラを大型犬だと思っています。 ※プレシアはブリタニアの偉い人で、この殺し合いを開いたのは六課や日本人及びその関係者を抹殺する為だと考えています。 ※ヴィヴィオの境遇を自分と重ねています。 ※ここには同姓同名の別人がいると思っており、放送で呼ばれたなのはが別人の可能性があると考えています。 ※デュエルアカデミアを決闘の学校で物騒な所だと思っています。 ※ザフィーラが殺し合いに乗っているかもしれないと思っています。 ※駅を調べ終えました。 ガソリンスタンド、ホテル、映画館、デュエルアカデミア、病院をどのような道のりで調べるかは、まだ考えていません(今のところそれを考える余裕がありません。)。 ※ルルーシュ=ゼロだと気付きました。 ※第2回放送に関して少なくてもヴィヴィオ、スバル、ルルーシュ、天道、フェイトの生死は把握しています。それ以外の内容がどれぐらい頭に入っているかは次の書き手にお任せします。 ※レイ(名前は知らない)を黒の騎士団団員だと思っており、彼女を殺したと思っています。 ※進行方向は煙の立ち上っている方向とは多少ずれています。 彼女が去っていった後、そこには彼女の持つデイパックから零れ落ちた1匹のカブトムシが飛んでいた―――それが何を思い、そして何処へ向かうのか―――それは誰にもわからない――― 【アニメイト@なの☆すた】 第一話にてこなたがなのは達と行く事になった店で本ロワではG-6に配置されている。 フェイトにどんな店か聞かれた際、こなたは「ん~……まぁそういうお店だよ」と答えていた。 中身はほぼ現実のものと同様の可能性が高いが、クロス作品に直接関わる商品(『コードギアス』、『遊戯王』、『TRIGUN』等)は取り除かれている。 【備考】 ※ハイパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレードがG-6アニメイト近くに滞空しています。何処に向かうのかは次の書き手にお任せします。 |Back:[[Nightmare of Shirley(前編)]]|時系列順で読む|Next:[[想いだけでも/力だけでも]]| |~|投下順で読む|Next:[[想いだけでも/力だけでも]]| |~|ルルーシュ・ランペルージ|Next:[[崩落 の ステージ(前編)]]| |~|泉こなた|Next:[[崩落 の ステージ(前編)]]| |~|ヴィヴィオ|Next:[[崩落 の ステージ(前編)]]| |~|シャーリー・フェネット|Next:[[崩落 の ステージ(前編)]]| |~|早乙女レイ|Next:[[崩落 の ステージ(前編)]]| ----