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Last update 2007年10月27日

寝言 著者:亜季


「調子はどうですか?」
「うーん・・・あんまり変わらないです。」
「病気ではないのは確かなんですがね・・・。」

ここ最近、通院している病院で繰り返される会話を
今日もまた繰り返している。

事のきっかけは、美紀が上司に叱られた時だった。

 * * *

「今日は仕事が少なくて楽だなー」なんて思っていた時、
上司が出張から帰ってきた。
帰ってくるなり上司は美紀のそばに来て、一言たずねた。

「頼んでた仕事、できた?」
「・・・はい?何か頼まれてましたっけ?」
「何言ってるんだ。昨日の帰り際に新築物件の資料作り頼んでいただろ。」
「・・・そんな仕事、聞きましたっけ?」
「おいおい・・・あれだけ『はい!』ってきちんと返事しておきながら、後から『聞いてません』はないだろ!」

 * * *

上司が言うには、
美紀が目を開いてしっかり「はい!」と返事をしたと言うのだ。

けれど、どうしても思い出せない。

よくよく考えると、以前から家族や友人に
「美紀ってすぐ忘れるよねー。」と言われていたのを思い出した。
今までは周りも笑って許してくれていたけれど
仕事となるとそうはいかないわけで、今、こうして病院に通っている。

どうも病院の検査結果では、
目は開いて言葉も交わすことができるのに、
いきなり頭だけが眠った状態になってしまい
記憶に残らないようになってしまっているようだった。

先生が言うには
『寝ている人が起きている人と寝言で会話をしている状態』らしい。

「以前、僕とここでした事、覚えてますか?」
「え・・・はい。えっと、朝に心理テストして、昼から脳検査しましたよね。」
「そうそう。」
「あ、先生。前々回の時に、脳検査するのは聞いてたけど、心理テストするの聞いてなくてビックリしたんですよー!」
「うーん・・・ちゃんと言って、君も返事していたんですが・・・忘れました?」
「え?・・・言いました?」

どうも
また眠ってしまったらしい。




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