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Last update 2007年10月07日

タイトルなし 著者:ろくでなしブルース


『その泥棒というのはね、ビール専門の泥棒なんですね、これが』
『奴はビールジャンキーでねー。ビールがないと体中がプルプル震えるのさ。
そしてその時どんな格好だろうが一直線にビール工場に突撃するのさ。
奴は工場で働いているからドリルなんかを持って突撃するわけだよ。
ドアに穴を開けてそしてビールタンクに顔から突っ込む。
まったく目とかしみないのかねー?
ゴーグルも付けやしないんだよ。
そしてタンクの中を泳ぎながら飲む。
その不気味な姿を見ると工場の連中もブルッちまって手出しできないのさ。
真っ赤なトドみたいな奴が泳いでるんだからなー。
目も焼けどで真っ赤かだしな。
ビールに長時間浸かって肌もボロボロでかなりグロテスクな質感になってる。
飲み終わると体中真っ赤になった状態で走って逃げるんだけどすぐにつかまっちまう。
しかも全裸で。
なんせタンクに入る時に服を脱いじまうからね。
泥棒と言ってもキザな怪盗なんかと違って品性のかけらもない。
それにあの名前じゃー捕まっちまうのも無理は無いね。
まったく面白い泥棒だよ。
今は仕留められて剥製になってるって話しだ。
何でも怪物勘違いした漁師が銛で刺しちまったって話だが。
それにしても人間の剥製なんて珍しいだろ?
物見せ小屋に飾ってあるって話だよ。』
どこまで本当なのやら。
酔っ払いオヤジの妄想は凄まじい。
ビールで肌がボロボロになるなんて話自体かなり怪しいものだ。
しかし、俺が物見せ小屋で人間とはいえないおぞましい生物の剥製を見たのは事実である。
一体あれはなんだのだろうか?
とにかく俺は探索を続けてみたいと思う。
それにしてもこの街はどこか不思議だ。
通りにはインチキ臭い店が並び、
ド派手な配色とネオンがより一層そのインチキ臭さを際立たせる。
そこら中からドラックやタバコの臭いと強烈な異臭がする。
地面いは苔が生えていてヌルヌルする。
透明な生ごみ袋の中には見たこと無い奇妙な虫がうごめいている。
刹那的な欲望がドロドロとこの街を覆っている。
でも何故か懐かしいような感じがする。
この街には何かがある。
そして、このオヤジは何か知っていると感じる。
『なんて名前なんだい?』
『ノローマだよ。』
『英語的発音をすれば、トローマね』





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