※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

パンドラの箱、もしくは始まりの唄 ◆jiPkKgmerY




その空間にある唯一の光源は、女の前の宙に浮かぶ半透明のディスプレイだけであった。
照らされる範囲はほんの僅か。女性の顔と上半身のみ。部屋の様子は分からない。
まるで能面のように無表情な女は、淡々とディスプレイに浮かぶキーボードへと指を走らせる。
同時に現れる何行にも及ぶリスト。

――高町なのは(19)
――高町なのは(9)
――フェイト・T・ハラオウン(19)
――フェイト・T・ハラオウン(9)
――八神はやて(19)
――八神はやて(9)
    ・
    ・
    ・
    ・
    ・


長々と続いていくそれらを眺め、女の表情に漸く変化が表れる。
と、いってもそれは一瞬。直ぐさま元の能面に戻り再度ディスプレイを見始める。
そして数分後スクロールが一番下まで到達。画面に浮かぶリスト、その全てを見終えた。

「現段階での死亡者は十一……予想以上に……」

――その表情が歪に変化する。
先程と同じ、いや先程よりも歪んだ微笑み。
何が嬉しいのか、女は悪魔のような形相で笑っていた。

「そして…………案外呆気ないものね」

女の呟きと同時にカーソルが移動、ある人物の位置で止まる。
そこには赤文字で書かれた一人の少女の名前――高町なのは。
かつて女の夢を、野望を阻害し、最終的には女を打ち破った幼い魔導師。
十年後の未来にはエース・オブ・エースという肩書きを得ることになっている、歴史上稀に見る、屈指の天才魔導師。
だが前途あるその少女は――死んだ。
この殺し合いの中たった六時間と生き抜く事すら出来ずに、アッサリとその首を跳ね飛ばされ死んだ。
正直に言えば拍子抜け――――だがある種の満足感もある。
最後に少女が上げた絶望の叫び。
自分のミスにより仲間を死なせた――その自責の念から飛び出した絶叫。
最高だった。
ある種の絶頂感が身体を包み、鳥肌すらたった。
何処までも自分を阻害したあの純粋な瞳。何処までも他人を信じ、そして最期に裏切られ、命を落とした。
――いい気味だ。
あの甘ちゃんにはあの様な無様な死に方が一番似合っている。


「残り四十九…………あら、丁度誰か死んだみたいね」

女の目の前で、ディスプレイに映った名前の内一つが、白色から赤色に変わる。
その現象が示す意味は明快。その名前の主のゲームオーバー、即ち死だ。

「開始六時間で全体の五分の一が死亡……」

ポツリと呟くと共に、女が画面に指を伸ばす。
そしてその指が触れると同時に、それまでのリストから別の画面へて移り変わった。
現れるは、背景が白一色に染められた画面。
画面の上部には赤色の文字。中部には一定の間隔を置き青色の文字が並んでいる。

「彼も『これ』の存在に気付いたみたいだし……まだまだ楽しませてくれそうね」

それはプレシア自身が造ったものであった。
その名も『CROSS-NANOHA』――全ての始まりとも言えるサイト。
女は思い出す。
このゲームを開催するきっかけとなった世界の事を。
あの不思議な世界。女が見た様々な世界の中でも、群を抜いて異質だったその世界の事を。
バトルロワイアルという名の狂気の宴。
その始まりの唄はその世界が有していた――。






世界は広い。
アルハザードの力を手に入れ、尚一層この思いは強固になっていった。
不可能と言われた時間軸の移動も、管理局の技術力では到底辿り着く事ができない次元世界への移動も、楽々と実行できるアルハザードの力。
不可能を可能とする、まさにその言い伝え通りの、いや言い伝え以上の働きをこなしてくれる。
地道な研究を通して未開の世界を開拓している管理局の魔導師達が馬鹿らしく思える。
辿り着いてしまえば何の事はない。此処こそが、アルハザードこそが理想の終焉。
全てを超越し全てを叶える力が、此処にはある。
努力や才能などは、その力に追随する事すら許されない。何物すらも圧倒する究極の力――――それを私は手にした。
そして、力を手に入れ自分は知った。
自分が知っていた世界の矮小さを。
あまりに広い世界のことを。
――世界は広い。
傍観しているだけで心が踊る世界が、次元の海を越えたそこには星の数程も存在した。



――例えば、この世界。
数多の海賊達が世に蔓延り、皆が皆それぞれ夢・理想・野望を叶えるために旅を続ける不思議な世界。
地球であり地球でないその世界に存在する『偉大なる航路』。
海賊王を夢見て、あらゆる荒くれ者達が集結する航路。
自分が知る地球とはまた違う、夢見る者が溢れる夢のような世界。
そんな世界も、あった。

――例えば、この世界。
地理的に見れば、自身が知る地球と殆ど変わらない世界。ただ大きく違うのはある化け物の存在。
吸血鬼。
呆れるくらいの剛力。呆れるくらいに頑強。
そんな死を知らぬ不死の化け物が夜を割拠する世界。
そんな世界も、あった。

――例えば、この世界。
その世界自体は何の変哲もない極々平穏な世界。
違うのはその時代から二百年程過去に跳んだ時代――戦国時代と呼称される時代、この世界は妖怪が繁殖していた。
魔導生物とはまた一線を画す、異様な面貌を持った妖怪達が世界を包む。
そんな世界も、あった。



次元を越え、時を越え、何十何百という世界を観測した。
だが、その何十何百でさえも氷山の一角の中の、それまた一欠片でしかない。
それ程に世界は広かった。
そして何時しか、世界を観察することは息抜きと化していた。
全ての存在を超越する自分にこそ相応しい唯一の娯楽――それが世界の観測。

研究、観察。
研究、観察。
研究、観察。
研究、観察。
研究、観察。
研究、観察。
研究、観察。
研究、観察。
研究、観察。
研究、観察。
研究、観察。

繰り返される同じ日々。しかし退屈と感じた事はない。
一日、また一日と壊れてしまった日々に近付いていくのが理解できたし、観察の方も飽きる事はなかった。
全く同じ世界は一つもなく、似通った世界も微細だが何処か違う箇所が必ず存在する。
気に入った世界の変化を見る事も楽しかった。
あの日々を取り戻す為の研究、何処までも広がる無限の世界達――――それらは、今まで感じた事のない充実感に満たされていた。
あの時とは違った意味で楽しいと思える日々が続いていく。

そんなある日のこと、私はその世界に出会った。
それは、今まで見た膨大な世界の中でも群を抜いて異質な世界。
その世界を理解する事は、未だに叶わない。
ただこの世界は後々自分が開催するバトルロワイアルに大きく影響する事となった。
今ではこの世界に感謝すら覚える。
――世界は広い。
――心の底から、そう思う。






「…………この世界はあまり面白くないわね……」

――最初は何の変哲もない退屈な世界だと思った。
舞台は地球。
その世界に妖怪や吸血鬼のような化け物は存在しない。普通の人間達が事件を起こすでもなく、平穏に生活する世界。
国によれば紛争や戦争などが行われてる所もあるが、その戦いに使用されている兵器も大した物ではない。
人型兵器の高速戦や、人外達の人知を越えた戦闘にはずっと見劣りした。
観察してても欠伸が出る程に退屈な世界。
強いて言うならば、高町なのはが居た世界から管理局や魔法という概念を取り除いた世界に酷似していた。
直ぐさま他の世界を観測しようとし――――気付いた。

「ん……? この映像は……」

――最初その事実に気付いた時、純粋に驚愕した。そして数瞬後、内から這い出るように薄気味悪さが噴出した。
薄気味悪い――それは今までの人生で味わった事のない感情だった。
その感情は瞬く間に心を包み、身体を震え上がらせる。

訳が分からない。
異常だ。
有り得ない。
何故こんなことが起きている。
この世界は一体――?

頭の中を疑問符が埋め尽くした。
常に冷静であり続けた思考回路もこの瞬間に於いては全く機能せず、ただ押し寄せる混乱にオーバーヒートを続けた。






壁一面に張られた、研究室随一の大きさを誇るディスプレイ。
研究時には様々なデータをその画面に映し出し、世界の観察時にはその世界の情勢を現す様々な映像を映し出す。
巨大なディスプレイを数十に細かく区切り、それぞれ一つ一つにありとあらゆる情報が映像となり流れ込むその光景は、まさに圧巻の一言。
その映像とは、平和な日常の風景であったり、人外共が戦闘を行っている光景であったりとまちまち。
この映像を眺めている時、まるでこの世の全てを掌握したような気持ちになる。
全てを超越した『観測者』。アルハザードは、自分にその権利をくれた。










――そう、思っていた。この世界を見るまで。

その世界の異質さに気付いたきっかけは、何十に及ぶ映像の中のある一つの光景であった。
その映像とは、眼鏡を掛けた男がテレビを鑑賞している瞬間を捉えた物。
何の事はない何処にでもある光景。普通ならば視線を向けようともしない平凡な光景だ。
だが、その映像が自分の未来を大きく変化させることとなる。
その異質さの正体はその男が見ている番組にあった。
画面の中のそれまたテレビの中、一人の少年が叫んでいた。

『世界はいつだって……こんなはずじゃないことばっかりだよ!!』

聞いた事のある声。
聞いた事のある言葉。
我が目を疑った。我が耳を疑った。
画面の中の画面では確かにあの少年が――『クロノ・ハラオウン』が、叫んでいた。
何時の日か自分に投げかけた言葉を、全く同じ姿形で、全く同じ表情で、そっくりそのまま画面の中の画面にて叫んでいた。

「何なの、これは……」

無意識の内に手が動き、その映像を拡大していた。
巨大な画面一杯に広がる、テレビを鑑賞する男の姿。
眼鏡の男は無表情にそのテレビを見つめ、画面の中の画面の『クロノ』は怒気を含めた表情で叫んでいる。
映像をさらに拡大。
眼鏡の男は画面の外に消え、男が見ているテレビがディスプレイを埋め尽くす。
それと同時にテレビに映る『クロノ』から場面が転換される。次に映ったものは栗色の髪を触角のように纏めた少女。
こちらもまた見覚えのある少女であった。

――『高町なのは』

あと十年後、その馬鹿げた潜在魔力を開花させ管理局のエースとなる天才魔導師。
その『高町なのは』が、まるで物語の登場人物のように画面の中に映っている。
それきり自分はその映像に釘付けとなった。
画面の中でいきいきと動く『高町なのは』、『クロノ・ハラオウン』、『フェイト・テスタロッサ』、『ユーノ・スクライア』、そして――『プレシア・テスタロッサ』。
まるであの時と同じように物語は展開されていき、あの時と同じように自分――『プレシア・テスタロッサ』が虚数空間に身を投じる。
まるであの時の事を丸々記録していたかのような映像。
この映像は一体――?
疑問が混乱と入り混じり頭が沸騰する。そして、それと同時にこの世界への興味が急速的に高まっていく。
――何時しか世界の観察は、この謎の世界を中心に行われる事になっていった。






本来の研究の片手間ではあったが、観察を続けることにより更に驚くべき事実が判明されていった。
何とこの世界では、自分が見てきた様々な世界が様々な媒体を通して記されているのだ。
アニメ、漫画、ドラマ、映画、書籍――媒体はそれぞれ違う。
だが確かに、次元を越えた世界の殆どがフィクションという形でこの世界に記録されていた。

例えば『魔法少女リリカルなのは』。
この物語は自分が経験した過去と一切違い無く、物語が進んでいく。
その後に制作されたらしい『魔法少女リリカルなのはA's』、『魔法少女リリカルなのはStrikerS』も同様。
自分が観測した世界とまるきり同じように物語が展開されていく。
そう、まさにこの世界こそが『観測者』。
ありとあらゆる世界を様々な媒体で記録していっている『観測の世界』。
それも制作者本人達は、自分が世界の記録している事を自覚していない。
無意識の内に物語を考え、それを作品として世に産み落とす。そしてその作品こそが、世界の記録となっている。
偶然なのか、それとも何かしらの力が影響しているのか?
それは幾ら観測しても分からない。ただ、日に日にこの世界への興味が高まっていく。

気付けば研究に行き詰まった時、気分転換の意味を込めその世界を調査することが日課となり始めていた。
そしてそんな日々が続くこと数週間。再び大きな出会いがあった。
それは『観測者の世界』のネット上にあったあるサイト。
何処か明るい印象を受ける壁紙に、黄緑色の文字で大きな文字で名が記されている。
その名も『リリカルなのはクロスSS倉庫』――――これまた興味深い存在であった。



『リリカルなのはクロスSS倉庫』は、ある大型掲示板にて様々な書き手が書いた物語をまとめたサイトの名称である。
『リリカルなのはクロスSS倉庫』に収録されている何十にも及ぶ作品。
その内容は『クロス』という名の通り、色々な世界と『リリカルなのは』の世界がクロスオーバーした物が殆どであった。
一話で完結する短編もあれば、何十話と続く長編もあったりと種類は様々。作者が別ということもあり文章もそれぞれ違う。

作品によっては、高町なのはだけでなく自分さえも登場してくる物さえもある。
素知らぬ所で赤の他人により自分が文章化されている――――何とも不思議な感覚である。
それに加えこの膨大な作品量。
一日の全てを費やしたとしてもこの膨大な量は読み切れる物ではないだろう。
流石は『観測者の世界』と言ったところか。最早、思考の許容量を遥かに越えている。
この世界に何があろうともう驚く事はないだろう。
観察すれば観察するほど興味が湧いてくる世界。所詮は娯楽でしかないとはいえ
、その異質さは研究者としての探求心を多いにくすぐる物であった。







――結果から言えば『リリカルなのはクロスSS倉庫』は自分に大きく貢献してくれた。
とある事情で開催を決心したバトルロワイアル。
その参加者を『リリカルなのはクロスSS倉庫』内の作品とリンクした世界から選出したのだ。
正直に言えば『リリカルなのはクロスSS倉庫』の作品達と適合する世界は流石に存在しないと思っていたが、やはり世界は広い。
大して労せずにそれぞれの世界は発掘できた。

様々な世界から集結した『高町なのは』達と関係する人々。
結果、戦闘機人や吸血鬼、妖怪、仮面ライダー、デジモン、ウルトラマン、プラント…………ありとあらゆる人外達を集められた。
だが、まだ足りない。
折角の遊戯なのだ。
盛り上がるだけ盛り上がった方が見てる側としても楽しめる。
まだまだエッセンスを付け足す必要があった。

まず考え付いたのが並行世界からの人物選出。
例えば『ゴジラという生物により家族を失った八神はやて』や『仮面ライダーなどの存在を知るフェイト・T・ハラオウン』などがそうだ。
次に考え付いた物がバラバラの時間軸からの参加。
これには『9歳の高町なのは』や『19歳の高町なのは』、『闇の書事件当時のシグナムやヴィータ』などが挙げられる。
アルハザードの力を得た自分だからこそ可能な神の所行。
これら二つのアクセントにより参加者は混乱し、その混乱は殺し合いを経て疑心へと変化する――――絶望犇めくゲームは一層面白みを増す筈だ。

そして最後に付け加える取って置きのエッセンス。
それは『リリカルなのはクロスSS倉庫』の情報を参加者に与える事。
名は『CROSS-NANOHA』――――このバトルロワイアルに参加させる『リリカルなのはクロスSS倉庫』内の作品群をタイトルだけ変え、丸々写したサイトだ。

――だが例外もある。
『魔法少女リリカルなのはFINAL WARS』、『リリカルなのは 闇の王女』この二作は『CROSS-NANOHA』に収録していない。
これら二つの作品からは『八神はやて』、『ゼスト・グランガイツ』の二名が参戦している。
『八神はやて』と『ゼスト・グランガイツ』の二人は、『リリカルなのはクロスSS倉庫』に収録されている数々の作品でも、滅多に性格が変わる事のない存在だ。
『八神はやて』は機動六課の司令塔として、『ゼスト・グランガイツ』は悩める復讐者として物語に関わってくる。
しかし『魔法少女リリカルなのはFINAL WARS』、『リリカルなのは 闇の王女』内の二人は違う。
『魔法少女リリカルなのはFINAL WARS』の『八神はやて』は他と比べて精神的にも非常に危うい女。
『リリカルなのは 闇の王女』の『ゼスト・グランガイツ』は高町なのはに病的なまでの殺意を持つ男。
本来の性格とは大きくズレているのだ。
その性格のズレは殺し合いという異常な世界では必ず火種となる。その火種は何時しか大火となり惨劇を生む筈だ。
だが、もし『CROSS-NANOHA』に『魔法少女リリカルなのはFINAL WARS』や『リリカルなのは 闇の王女』が収録されていたら、その大火が消火される可能性が出れくる。
それではつまらない。
火種は消えるべきではない。より激しい大火に変貌しなくてはいけない。
ならばどうする?
――簡単な事だ。
『八神はやて』と『ゼスト・グランガイツ』の情報を与えなければ良い。
幸いな事に、『魔法少女リリカルなのはFINAL WARS』と『リリカルなのは 闇の王女』の二つの世界からはこの二人しか参戦させていない。
情報を渡すより隠蔽した方がよりメリットが高い――――そう判断し『魔法少女リリカルなのはFINAL WARS』と『リリカルなのは 闇の王女』、この二作を『CROSS-NANOHA』に収録する事は取り止めた。

だがこの二人の情報が収録されていないとはいえ『CROSS-NANOHA』の情報力は絶大。
それぞれの物語を読めば、参加者の能力、実力、性格が把握可能になり、明確に有利な立場を得ることとなる――この殺し合いの場に於いては最強の武器となる筈だ。
そして何より自分が味わった混乱を彼等自身も体験する。
自身の行動が文章として存在されている――――その事に気が付いた時、彼等はどのような反応をするのか?
次元や時を越えた世界を知っている自分でさえ底知れぬ薄気味悪さを感じたのだ。
無知な彼等には相当な衝撃が走るだろう。
そして、その事は殺し合いに何かしらの影響を与えるのか?
興味は尽きない。

――とはいえ、簡単に情報を与えるのは面白みに欠ける。
それにLやルルーシュという、自分以上の頭脳を持つだろう参加者も居る。
そんな参加者にみすみす情報を与える事は、バトルロワイアルの進行に大きく影響する可能性も出てくる。
情報を上手く活用するだけの頭脳を持ち、尚且つ殺し合いに乗りそう参加者――――最適な人物は程なくして見付かった。
その名はキング。
残忍であり無邪気という危険な性格、仮面ライダーと同等以上に戦える実力、何より人を陥れる策を考え出す悪魔のような頭脳。
その三つを兼ね備えた、情報を与えるにはこれ以上ない好条件を持った参加者である。
幸運な事にキングには携帯を持ち歩く癖があるらしい。
その携帯を『CROSS-NANOHA』に繋がるよう細工すれば情報の受け渡しも簡単。
これだけ有能な情報をキングが易々と手放す事もないだろう。
キングなら『CROSS-NANOHA』を有効に使ってくれる筈。
精々楽しませて欲しいものだ――。









斯くして準備は整い、遊戯は開催された。
今尚、参加者達は狭い箱庭の中で戦い続けている。
死者は十二人。これだけの人数が死んだにも関わらず、ゲームはまだ序章の段階を抜けない。
参加者にとってはこれ以上ない密度の六時間だっただろう。
まだまだ希望に満ち溢れた参加者もいれば、絶望に押し潰され掛けている参加者もいる。
さてこの箱庭に自分の放送を加えた時、この遊戯はどう変化するのか。


「精々頑張ってちょうだい」


――――女は最後にそう呟き部屋を後にする。
強大な力を得た全てを超越する魔導師。
次元を超越し、全ての世界を見透かす観測者の世界。
二つの超越が交錯した時、悲劇の舞台の幕があがった。
哀れな出演者達は、超越者を観客に終わらぬ演劇を演じ続ける――。



【1日目 早朝】
【現在地 ???】
【プレシア・テスタロッサ@魔法少女リリカルなのは】
【状態】健康
【装備】???
【道具】???
【思考】
基本:バトルロワイアルを見届ける。
1.放送を行う。



Back:それは最悪の始まりなの プレシア・テスタロッサ Next:第一回放送




| 新しいページ | 編集 | 差分 | 編集履歴 | ページ名変更 | アップロード | 検索 | ページ一覧 | タグ | RSS | ご利用ガイド | 管理者に問合せ |
@wiki - 無料レンタルウィキサービス | プライバシーポリシー