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王の財宝 ~天地鳴動の力~ ◆7pf62HiyTE




Chapter.01 天地鳴動の力

デュエルアカデミア売店に爆音が轟いた。

売店のシャッターが爆破された、その様子をデュエルアカデミアの生徒である早乙女レイは唖然と見ていた。
何故こんな事になっていたのか?順を追って振り返ってみよう。

そもそもレイは想い人である遊城十代を守る為に武器として使えるデュエルモンスターズのカード及びデュエルディスクを確保する為にデュエルアカデミアに来ていた。
だが、目的の物は見つからずあると思われる売店もシャッターが施錠されていた。その後、玄関に血痕を発見し負傷者がいると思われる保健室を見張っていた。
その際にスバルに発見され手持ちの銃は没収されてしまい、更に負傷者であるルルーシュ・ランペルージはレイに対して警戒をしていた。
だが、レイはルルーシュの様子を見て彼がスバル達を守る為ならば殺人を厭わない事に気が付いたのだ……ルルーシュは自身と近い思考をしていると。
故にルルーシュを信用させる為、ルルーシュという人間をもう少し知る為、売店内部を確かめる為にカードと売店の情報を持ち出したのだ。
そしてレイ達は売店へ向かったわけだが……

ルルーシュはシャッターが施錠されている事を確認すると……

「スバル、ちょっと手伝ってくれないか?」
「ルルーシュ、何をするつもり?」

と、スバルと共になにやら準備をし始めた。2人は火炎瓶をシャッターに取り付けシャッターから距離を取り……シャッターを爆破した。

「ちょ……どうして爆破したんですか!?」

レイとしては売店のシャッターを破る事自体は別に良い、だが幾らなんでも爆破は無いだろうと思っていた。
実際問題、デュエルアカデミアはレイの学校だ。出来うるならばあまり破壊はしたくは無いに決まっている。その為思わず口に出してしまったのだ。

「んー……でも、折角爆弾あったんだし、てっとり早く済んだんだから別にいいんじゃないのかな?」
「安心しろ、威力はちゃんと調整した」
「うん、あたしもずっと見ていたし」

だがこなた、ルルーシュ、スバルは別段気にしてはいなかった。

(あれ……何で私がツッコんでいるんだろう……?)

そんな3人の反応にレイは1人唖然としていた。

なお、ルルーシュがシャッターを爆破したのは別に爆破したかったからというわけではない。銃があったことからそれを使って鍵を破壊する事も出来るだろうということはわかっていた。
だが、ルルーシュは罠の可能性を想定したのだ。そう、内部に誰かが潜んでいる可能性や、内部に入った事で作動する仕掛け、もしくは正式な方法で開けなければ作動する罠等……
故に、爆破という手段を使い売店から距離を取る事でそれ等に備えたのである。
ちなみに売店内部の物を極力荒らさない為、使ったのは支給品の小タル爆弾ではなく、ルルーシュ自身が作り威力調整の利く火炎瓶である。
作業の方は片腕を失っていたという事もありスバルに手伝ってもらった。

さて、爆発後しばし中の様子を探った4人であったが罠らしき物はなかった。なお、火炎瓶の威力調節に問題は無かった為、中は殆ど荒れていない。
4人は恐る恐る売店に入る。勿論、罠への警戒は怠らない。

そして売店の内部を探るが日用品以外の物は何もない。レイ達が異世界にいた時点で食料問題があった事もあり、食料が無い事については不思議は無かったし、レイもその事は3人に説明をしていた。

「ねえレイ、本当にカードも売られていたの?」
「はい、確かに売られていたはずなんですが……」
「カードが売られていたのは間違いないね、だってこの棚カードが入りそうだし。」

そう、よく見ると売店にはカードが入っていたと思われる棚がある。つまり、本来であればここにカードが入っていたという事になる。

「プレシアが意図的に抜いたという事だろう。だが、これでデュエルモンスターズのカードが武器として使えるのは間違いないな」
「あ、そっか、もし殺し合いに乗っていない人が大量のカードを手に入れたら……」
「それをプレシアが望むはず無いだろう」

もし仮に売店内部のカードがそのままになっていたらどうなるだろうか?カードの使い方を知る十代達がデュエルアガデミアに来た時点ですぐに大量のカードを確保されてしまう。
勿論売店は施錠されているし、この場でもカードが使えるかどうかはわからないので、必ずしもそれが起こるとは限らない。
しかしレイの様にカードの使い方に気付いて、シャッターを破るという考えに至る可能性は十分にある。
その為必要以上の戦力を与えない様にプレシアがカードを回収しておくというのは十分にあり得るだろう。

「だが、鍵がかかっていた以上、全く無駄足とは限らないな。もう少し中を調べてみるか」

「ん?これは……?」

こなたが1枚の白いカードを見つけ、それを手に取る。

「ねえねえ、これの事?」

と、他の3人を呼びそのカードを見せる。

「『レッド・デーモンズ・ドラゴン』……確かにレイの言っていたカードに間違いないな」

その白いカードには赤き龍が描かれていた。

「ATK3000、DEF2000、ドラゴン族、シンクロ、チューナー……強いカードだとは思うがこれだけではよくわからないな」

ルルーシュ、スバルもレッド・デーモンズ・ドラゴンのカードを見る。
龍は雄々しく描かれ見る者を圧倒するオーラを放っている様であった。デュエルモンスターズを知らないルルーシュやスバルにもそれが強いということは直感的に理解出来る。
だが、デュエルモンスターズを知らない2人に詳しい事はわからない。

「あの、私にも見せてもらえます?」
「そうだな」

と、ルルーシュはそのカードをレイに渡す。

「攻撃力3000……こんな強いカードが……」
「それってそんなに強いの?」
「ええ、デュエルモンスターズの世界では最強の部類です」

レイの話は事実である。
デュエルモンスターズの黎明期より登場したカードの中で最強モンスターといえるのが青眼の白龍、あまりの強大さにたったの4枚しか製造されなかったそのカードの攻撃力は3000
勿論、後にそれに匹敵するもしくは凌駕するモンスターは登場していたが、その数は多いものではなく、青眼の白龍の攻撃力でもある3000が高いものだというのは揺るぎ様の無い真実であろう。
その青眼の白龍と同じ攻撃力を持つレッド・デーモンズ・ドラゴン……それがどれだけの強さなのかは言うまでもない。

「このカード、私が持っていても良いですか?」
「いいんじゃないのかな、レイの世界の物なんだしさ」
「そうだね」
「ああ、そのカードはレイが持ってろ」

レッド・デーモンズ・ドラゴンをレイが持つ事については他の3人も同意した。そして再び4人は売店の探索を始めた。

さて、4人には知る由もないがレッド・デーモンズ・ドラゴンは只のモンスターカードではない。
そもそもデュエルモンスターズのカードの中には古の神や精霊等が宿っているカードが幾つか存在している。
先程の青眼の白龍もまた三千年前の古代エジプトにおける白い肌と青い瞳の女性キサラが身に宿す精霊であったし、
デュエルアカデミアのクラス名にもなっているオベリスクの巨神兵、ラーの翼神竜、オシリスの天空竜も古代エジプトのファラオの墓の石版より再現された神のカードであった。
そう、レッド・デーモンズ・ドラゴンもまたその類のカードであるのだ。
五千年前、星の民は赤き竜の下、その僕たる5体の龍の力を借りて邪神をナスカの地に封印し冥界の扉を閉じたといわれている。
その5体の龍の内の1体こそがレッド・デーモンズ・ドラゴンなのだ。

そしてそのレッド・デーモンズ・ドラゴンは十代達がいた時代よりも数十年後の未来の世界のデュエリストジャック・アトラスが持つカードだ。
その世界においてデュエルは進歩しておりDホイールと呼ばれるバイクに乗ってデュエルを行うライディングデュエルが行われている。
ジャックは自らのDホイールであるホイール・オブ・フォーチュンを駆りデュエルキングとして君臨していた。そう……

『王者の鼓動、今ここに列を成す! 天地鳴動の力を見るがいい!』

その言葉と共にデュエルキングジャック・アトラスは自らを象徴する龍レッド・デーモンズ・ドラゴンを召喚し数多の敵を打ち破って来たのである。

さて、ジャック・アトラスという人物が参加者の中に存在しない。では、何故カードだけが存在していたのであろうか?
ここデュエルアカデミアのシャッターは施錠されていた。本来なら開ける為に鍵が必要なのは言うまでもない。
では、その鍵は誰に支給されていたのだろう?その人物はヴィヴィオだ、鍵はヴィヴィオに支給されていた。
つまり、売店の中にあったレッド・デーモンズ・ドラゴンは本来ならヴィヴィオに渡るべきカードであった可能性が高い。

何故、今よりも未来で活躍するはずのレッド・デーモンズ・ドラゴンがこの時代に存在するのか、
何故、ヴィヴィオにレッド・デーモンズ・ドラゴンが支給されようとしたのか、
何故、ジャック・アトラスに関係するレッド・デーモンズ・ドラゴンがこの場所にあるのか、

それは恐らく主催者以外には知り得ない話である。



Chapter.02 恋する乙女

各々が売店を調べる中、レイはレッド・デーモンズ・ドラゴンの事について考えていた。
攻撃力3000という最強クラスのカードが見つかった時、レイ自身は内心で喜びが隠せなかった。同時にそのカードを手に入れる事が出来た事にも安堵していた。
ルルーシュから警戒されている以上、下手な言動を見せれば大きな力となるカードを手に入れる事が出来ない可能性があったからだ。

だが、実の所あの時は困惑していたというのも事実であった。だが、下手に困惑の表情を見せればルルーシュから疑われる可能性がある為、何とかそれを見せない様にしたのだ。
何故動揺していたのか?それは、レッド・デーモンズ・ドラゴンには知らない言葉が幾つか書かれていたからなのだ。
勿論、デュエルモンスターズのカードの種類は今や数千種類以上と数多く存在しており、レイ自身も全て把握しているわけではない。
それでも基本的にテキストに出てくるデュエルモンスターズの用語の殆どは把握している。しかし、レッド・デーモンズ・ドラゴンのテキストにはこうあった。

『シンクロ・効果モンスター』
『チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上』

そう、レイは『シンクロ』と『チューナー』という単語について全く知らなかったのだ。
それもそのはず、前述の通りレッド・デーモンズ・ドラゴンは本来であれば十代達の時代より数十年後に存在するカードだ。
デュエルモンスターズは日々進歩している、根本的な部分は変わらないとしても数十年も経てば色々と変化する要素はある。
用語も変化しており、生け贄召喚をアドバンス召喚と呼んだり、生け贄をリリースと呼ぶ様になっていたりしている。もっとも、呼称が変わっただけで内容が変わっているわけではない。
更に新たなカテゴリーとしてチューナーやシンクロモンスターという物が登場しており、シンクロ召喚という新たな召喚も登場している。そして、レッド・デーモンズ・ドラゴンはそのシンクロモンスターである。

ここでシンクロ召喚についてのルールを簡単に説明しよう。
シンクロモンスターに指定された素材を墓地に送る事で召喚可能というもので、その時素材のレベルの合計とシンクロモンスターのレベルが一致しなければならないものだ。
ここで本来の持ち主であるジャックがビック・ピース・ゴーレムとダーク・リゾネイターを使ってレッド・デーモンズ・ドラゴンをシンクロ召喚した時を例に出そう。

レッド・デーモンズ・ドラゴンはレベル8で召喚にはチューナーとチューナー以外のモンスターが1体以上必要だ。
ダーク・リゾネイターはレベル3のチューナー、ビック・ピース・ゴーレムはレベル5のチューナー以外のモンスター、レベルの合計は8となりレッド・デーモンズ・ドラゴンのシンクロ召喚を行う事が出来る。
勿論、これは一例でレベル合計が8になるならばレベル1のチューナーにレベル3とレベル4のチューナー以外のモンスター2体でもレッド・デーモンズ・ドラゴンのシンクロ召喚を行う事は可能である。
つまり、従来の召喚以上にレベルの数値が鍵を握る召喚と言えるのだ。

さて、先程書いた通りレイの知らない用語があったもののレイは少し考え、

(ひょっとして……ルールでも変わったのかな……)

ルールが変わったのではという仮説に行き着く。同時にそこから思案し1つの仮説が浮かぶ

(もしかしてこのカード……私達の時代より未来のカードなんじゃ……)

それは、レッド・デーモンズ・ドラゴンがレイ達の未来から持ってこられたという仮説である。
確かに未来ならばルールも改定されこれまでにないカードやモンスターが出てきてもおかしくはないし、これまでにない召喚方法が出てきても全く不思議はない。
その仮説ならば、現在のレイがレッド・デーモンズ・ドラゴンに書かれている用語を知らなくても無理はない。

一見この仮説は現実離れしすぎている。だが、レイはその可能性を信じるだけの経験をしている。そう、レイがこの場において最初に出会った人物フェイトの存在がそれを裏付けているのだ。
元々、レイ達が元いた異世界に来たフェイトは約20歳だったはずだ。だが、この場に来てから出会ったフェイトは約10歳であった。
レイはこの場で出会った方のフェイトを過去の時代のフェイトだと判断していた。つまり、そのフェイトは過去の時代から連れて来られてきたのだ。
そう、それと逆の事が起こっているという事なのだ。つまり、レッド・デーモンズ・ドラゴンは未来の時代から持ってこられたという事である。

そう結論付けたレイは続いてこれからの事を考える。
周囲を簡単に見回した限り売店の中には他にカードやデュエルディスクは見当たらない。つまり、レイの求める物はなかったという事である。
とはいえ先程ルルーシュ達と話した通りその可能性は考えられた事だし、レイ自身も外れに終わる可能性は予想していたので問題は全くない。
もっとも、売店には確かにレッド・デーモンズ・ドラゴンという強力なカードがあったので全くの無駄足ではなかったが。

さて、考えるべきはこの後の事である。レイはルルーシュの動向をずっと気にしていたが、レイの目から見てもルルーシュは相当に頭の切れる人物だというのは見て取れたし、
何より売店のシャッターを何の迷いもなく爆破するという行動を見ても相当な行動力とある種危険な思考を持っている事はわかった。
どういう人物かの見極めはもう少し必要だろうがどちらに転んだとしても今後の鍵を握っているという事に変わりはない。
そう、利用出来ればこの上ない味方ではあるが、敵に回せば何処までも厄介な相手といえるだろう。

先程も触れた通り、ルルーシュという人物がどういう人物かまでは未だわからない事が多いが、わかっている事が2点ある。
1つはルルーシュは十代や万丈目達と同じ年ぐらいのはずだが、その割には明らかに彼等よりも多くの苦難を切り抜けているらしいのが見て取れた。
レイ個人は詳しくは知らないものの十代達もセブンスターズや光の結社との戦いといった多くの苦難を切り抜けていたらしい事は聞いている。だが、十代達の場合は基本的にその素振りを見せた事はない。
しかし、ルルーシュの場合は少し見ただけでもわかるのだ、明らかに相当な修羅場を潜って……いや、常にその修羅場に身を置いている可能性もあると……。
だが、それにしてはルルーシュの態度にはある違和感を覚える。
まず、自分を警戒する事自体は全く問題はない、この場に置いて他の参加者を警戒する事はむしろ自然だからだ。
青い髪の少女をある程度信頼しているのも不思議は無いだろう、その少女は一般人だろうし、自分とスバルが話している間に2人で話をしていた可能性は高いのだから信頼していても不思議はない。
だが、スバルに対する態度はどうだろうか?まず、ルルーシュのいた世界ではルルーシュがスバルと知り合いであったらしいのはわかる。
もっとも、この場にいるスバルはそのスバルとは別人らしいがルルーシュにしてみればそれは全く問題ではないだろう。
そもそもルルーシュはいきなりスバルを抱きしめていたのだ、きっとルルーシュの中ではこのスバルも同じスバルと見ているのだろう。

(間違いない……ルルーシュって人……スバルさんの事が……)

それこそがもう1つのわかった点である。それはルルーシュはスバルに強い恋愛感情を持っている事だ。
もし、ルルーシュとスバルが単純な知り合いであるならばルルーシュはスバルの力を有効利用するはずである。スバルの力や性格を考えるならそれ程彼女を気遣う必要も無いだろう。
しかし、ルルーシュは明らかにスバルを気遣っていた。それはつまり、ルルーシュにとってスバルは単純な知り合いではなく、何よりも大切な存在なのだろう。
それが演技という可能性は?それは絶対に無いとレイは確信していた。理由?それは恋する乙女の勘、それで十分である。
そう、ルルーシュのスバルに対する態度はレイの十代に対する態度と似ているのだ。
十代を守る為ならば人殺しも厭わないレイ、スバルを守る為ならば人殺しも厭わないルルーシュ、
それが恋する乙女であるレイにはよく理解出来たのだ。

単純な冷徹な性格ならば利用するには難しい存在だった。だが、ルルーシュがスバルの為に戦うのであれば、そこを突けばきっと利用出来るだろう。
しかし、それは容易な事ではない。ルルーシュは自分に対する警戒を全く解いていない。敵ではないと思わせる事は出来ただろうが所詮はその程度。
恐らくこの後、詳しく話を聞かれるだろう。ここに来るまでに誰と出会い何をしていたかを……そこが勝負所になるはずだ。
そう、自分の知り合いや、デュエルゾンビの話、10歳ぐらいのフェイトに出会った話……その情報をどう話すか……
そして、何故自分がデイパックを2つ持っているのか?そう、フェイトからデイパックを奪ってしまった事だ。
それをそのまま語ればルルーシュだけではなくスバルからも殺し合いに乗っていると判断される可能性は非常に高い、そうなれば身動きが取れなくなる。
その点は上手く誤魔化さなければならない……ルルーシュに対してそれが出来るかどうかは難しいだろう。
だが、なんとしてもやり遂げなければならない、十代を守る為にも……。

(十代様……待ってて……)

そして再びレッド・デーモンズ・ドラゴンのカードを見る。レイとしては非常に強力な武器が手に入ったことになるがここで幾つか問題がある。

1つはレッド・デーモンズ・ドラゴンがあまりにも強力すぎる事だろう。

レイはその時重傷を負っていた為その場には居合わせてなかったが青眼の白龍となのは達は1度戦った事がある。
青眼の白龍の力は凄まじくスバルでも全く歯が立たず、なのはやフェイトがエクシードモードやソニックフォーム使う事でようやく戦える程の強さなのだ。
それと同じだけの攻撃力……そう、なのは達が全力を出さなければならない程の力をレッド・デーモンズ・ドラゴンは持っているのだ。
先程も述べた通り、それがどれ位の強さなのかはレイ自身は見ていないので良くは知らない。
だが、レイはフェイトに風化戦士を召喚した事があったのでどのぐらいの強さかはある程度予想出来る。
あの時、フェイトはレイの支給品だったオーバーフラッグを使う事で攻撃を何とか防ぐ事が出来たが、攻撃によりアパートの壁には穴が空いた。無論、オーバーフラッグが無ければフェイトが死んでいた可能性は高い。
さて、風化戦士の攻撃力は2000である。当然、レッド・デーモンズ・ドラゴンや青眼の白龍の攻撃力である3000には遠く及ばない。
そう、レッド・デーモンズ・ドラゴンを召喚した場合周囲への被害がどれぐらいになるのか全く予想出来ないのだ。

レイの目的はあくまでも十代を守る為、殺し合いに乗った参加者だけを殺す事である。殺し合いを止めるつもりのスバルや、一般人のこなたまで殺すつもりは全くない。
だが、下手にレッド・デーモンズ・ドラゴンを使ってしまえばその巻き添えでスバル達を死なせてしまう可能性は大いにあり得るのだ。

しかし、なのはが死ぬ程の殺し合いだ。リスクはあってもなのは以上の参加者と戦うのにレッド・デーモンズ・ドラゴンは非常に大きな力となる事に変わりはない。
だが、ここで2つめの問題が出てくる。これは恐らくデュエルモンスターズをよく知る物だからこそ感じる問題である。

(問題は召喚出来るかどうかだけど……)

そう、デュエルモンスターズの召喚には幾つかルールが存在する。例えば、レベル5やレベル6のモンスターを召喚する為には生け贄が1体必要で、レベル7以上のモンスターを召喚する為には生け贄は2体必要だ。
これを無視して召喚する事が出来るのかがレイにはわからなかったのだ。更に、

(テキストに書かれている通りだったらチューナーというのが必要だけど……そもそもチューナーって何?)

レイはシンクロ召喚に関するルールを全く知らない。チューナーという言葉すら知らないし、シンクロ召喚にはレベルが関係している事すら知らないのだ。
厳密なルールに従うならチューナーが無ければ召喚は不可能だし、仮にあってもチューナーと他の素材モンスターのレベル合計が丁度8にならなければ召喚は不可能となる。

仮に運良くチューナーを手に入れた所でレベルの合計が8にならなければ無駄撃ちに終わる可能性がある。
とはいえ、シンクロ召喚を知らないレイでもチューナーと他にモンスターが必要とわかっているだけでも簡単に召喚出来ない事がわかる為、現状はルール的に使えないと判断出来る事に変わりは無い。

だが、本当に使えないだろうか?この場に置いても本当にそのルールに則らなければならないのだろうか?

レイが使った風化戦士のレベルは4……生け贄を必要としないモンスターだったのでルール通りで何の問題も無い。

さて、今より数時間後ある場所で青眼の白龍が召喚された。青眼の白龍のレベルは8、本来なら2体の生け贄が必要である。しかし、その場では生け贄を使わず、召喚を可能とする特殊なカードを使うことなく召喚を行う事が出来た。
となれば、この場に置いてはその辺のルールがある程度改変されている可能性はあるかもしれない。だが、カード自体にある召喚条件が改変されているかまではわからない。
この場でレッド・デーモンズ・ドラゴンが召喚出来るかどうかは誰にもわからないのだ。

もちろん、これがデュエルモンスターズを知らない参加者ならもしかしたらと考え使う可能性はある。だがレイはデュエリスト、そのルールを破って使うという発想には至らない。
故にレイは現状レッド・デーモンズ・ドラゴンは使えない可能性が高いと判断したのだ。少なくともチューナーともう1体のカードが手に入るまでは……。

(銃は取られちゃったし……他に使える道具があれば良かったのに……)

レイが持っているのは共通の道具を除くとフェイトに支給されていた光の護封剣とフリーズベントといった2枚のカード、自身に支給されている最後の支給品だけである。
光の護封剣とフリーズベントは使えるがこれだけでは心許ないのも確かだ。そしてレイは最後の支給品をこの場では全く使えない道具だと判断していた。

なお、スバルが一度レイの持ち物を検査しているものの、レイ自身が銃とカード以外に使える道具は無かったと説明していたし、スバルも簡単にしかやっていなかった為レイを信じ詳しくは調べていなかった。

そう、レイもスバルも気付いていないのだ。その最後の支給品は現状のこの場で非常に助けとなる事に……。



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