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Round ZERO ~KING SILENT ◆HlLdWe.oBM




創造の後には破壊があり、破壊の後には創造がある。
つまり創造は破壊から生まれるのだ。
だから一面瓦礫の山と化したこのE-5のエリアから新たな芽が息吹くのは当然の流れかもしれない。

そう静かで暗い芽が――。


     ▼     ▼     ▼


俺は負けたのか?
今まで『欠陥品』や『初期不良品』と歯牙にもかけてこなかった奴に。
同じ遺伝子プールから生まれた存在ではあるが、唯一アリスの意思を宿していない奴に。

俺は負けたのか?

いや、正確には『負けていた』が正しいか。

本来なら身体を刃で地面に刺し貫かれた時点で俺は死んでいる。
あの時レッドが“グリフォン”を発動させれば超振動でARMSの心臓たるコアは破壊されていたのかもしれない。
だがそうはならなかった。
おそらく制限によって“グリフォン”の威力がコアまで届かない可能性を危惧したんだろう。
だからこそ確実に止めが刺せるように左手に持ったベガルタを捨てて、己の刃を振り翳したのだ。

あるいは自らの手で直接最期となる感触を得たかったのかもしれない。

もう死んでしまった今となっては確かめる術はないが。

確かにあの時のキース・レッドの判断に誤りはなかった。
だがそれはこの特殊な場所だからであって、ここ以外なら死んでいたのは俺の方だ。
今も俺が生きているのは単に運が良かっただけ。

だがそんな考えは慰めでしかない。
俺はあいつに負けたんだ。
そして次はもうありえない。
あいつは俺が殺したのだから。
そうだ。
勝負に負けた俺が勝負に勝ったあいつを殺したんだ。
その事実はもうどんな事をしても拭い去る事はできない。


ああ、それにしてもここは静かだ……。


     ▼     ▼     ▼


瓦礫の山。
八神はやては目が覚めるとそこにいた。
不思議な事になぜ自分がここにいるのか記憶がない。
自分がどこにいるのか把握しようにも辺り一面360°全て瓦礫ばかり。
これでは自分がどこにいるのか分かるはずがない。
しかしそんな状況に置かれているのになんとなく受け入れている自分がいた。

「ん?」

ふと右手で何かをつかんでいる感触があった。
今まで気が付いていなかったのは不思議だが、はやては別に何とも思わなかった。
それはここがどこだかおぼろげながら理解しつつあるという事もあった
だがなにより右手にあったものが些細な疑問を全て吹き飛ばしたからだ。

「ああ、そうか……ついに、ついに、取り戻せたんや。みんなを……」

いつのまにかはやての周りには5つの人影があった。

「主はやて……」

剣の騎士、烈火の将シグナムが。

「はやて……」

鉄槌の騎士、紅の鉄騎ヴィータが。

「はやてちゃん……」

湖の騎士、風の癒し手シャマルが。

「主はやて……」

盾の守護獣、蒼き狼ザフィーラが。

そして――。

「主はやて……」

幸運の追い風、祝福のエール――リインフォースが。

「みんな……」

はやてが取り戻したいと強く願い続けてきた家族がそこにいた。

「はやてちゃん……」

そしてはやての隣には新しい家族リインフォースⅡの姿もあった。

「ああ、これでもうみんな一緒やね……みんな、みんな一緒や!
 シグナムも、ヴィータも、シャマルも、ザフィーラも、そして――リインフォース、もちろんちっこいリインも!」


それははやてが望んでいた光景だった。
誰一人欠ける事なくみんな一緒にここにいるという願い。
それが今この瞬間目の前で実現している。
それは本当ならこの上もないほど嬉しい出来事――のはずだった。

「でもな……」

だがはやての心には嬉しさ以上の感情が渦巻いていた。

「なんで……」

それは温かいものではなく、もっと暗いもの。

「なんでみんなそんな目で私を見るんや?」

はやては自分に向けられた視線の意味を悟って愕然としていた。
すぐにこれは嘘だと自分が置かれた状況を否定しようとした。
だがそれは決して勘違いではない。

「シグナム? ヴィータ? シャマル? ザフィーラ? なあ、そんな顔やなくて、私は笑ってほしいんや……」

シグナムも、ヴィータも、シャマルも、ザフィーラも、そして――。

「リイン! なあ、笑ってや!」

――二人のリインフォースもまたはやての笑いかける事はなかった。

「私、頑張ったのに、それなのに、なんで? なんで? そんな目で私を見るんやああああああああああ!!!!!」

はやては分からなかった。
なぜみんながそんな悲しそうな表情を浮かべているのか。
いや本当は分かっていた。
ただ認めたくなかっただけ。
その事実を認めたくないばかりにはやては泣き叫び、そして――。


『はやて! はやて! はやて!』


――静かな悪夢は終わりを迎えた。


     ▼     ▼     ▼


プレシア・テスタロッサの手によって幕を上げたバトル・ロワイアル、通称『デスゲーム』。
その会場であるアルハザードの某所に作られた特別な9km×9kmの会場の中央に位置するE-5エリア。
その位置ゆえに序盤から様々な参加者がそのエリアを訪れ、時には手を組み、時には戦い、そして今はもうすっかり廃墟と化していた。
セフィロスの『スーパーノヴァ』による隕石群。
憑神刀(マハ)の持ち主によって幾度も放たれた『妖艶なる紅旋風』による竜巻。
二つのロストロギアの力を借りて天上院明日香が行使した『星を破壊する最強の光』にも匹敵する砲撃。
それ以外にも短時間でエリアに与えられたダメージは計り知れない。
これで無事であるエリアなどあるはずがない。
その跡地の中でヴィータは必死にはやてを抱え起こして名前を呼んでいた。

「はやて! はやて! はやて!」

金居からミラーワールドについての事情を聞いている最中に発生した大規模な魔力の衝突。
それによる衝撃波は辛うじて残っていた地上本部を倒壊させるほどのものだった。
幸いヴィータがいた場所までは若干距離があったのでシールドを展開する事で難を逃れる事が出来た。
そして爆発の中心に向かったところ、瓦礫の中に倒れているはやてを見つけて今に至る。

「おい、ヴィータ。あんまり大声出すなよ。まだ近くにセフィロスやアーカードがいるかもしれなないし、それに金居も――」
「うるせえ。今はそんな事よりも――」

その声を遮るかのようにデスゲーム開始から18時間が経過した事を知らせる放送が流れた。


     ▼     ▼     ▼


アーカードは静かに放送に耳を傾けていた。
今回の死者は19人。
前回の倍以上しかも前回の放送まで生き残っていた参加者の半数が死んだ事になる。
だがアーカードはあまり関心がなかった。
今のアーカードの目的はプレシア・テスタロッサの抹殺。
最終的に主インテグラのラストオーダーを果たせるなら誰が死のうと関係なかった。
それゆえに円卓会議の一員であるペンウッドが死んでいた事に別に興味はなかった。

だが例外はある。

(……セフィロス、貴様は別だ)

アーカードを後一歩まで追い詰めた化け物。
そのセフィロスもまた死んだ。
その瞬間は予想外に呆気ないものだった。
かなりのダメージを負っていたのではっきりとは分からないが、正面から撃たれて死んだらしい。
誰が殺したのか少し興味はあるが、目星は付いている。

(おそらくあの女、はやてと呼ばれていたな)

あの時点で同じエリア内で戦闘を目撃していた人物は3人。
金居とヴィータとはやて。
そのうちヴィータとは背格好が合わない上に銃殺という手段を取るとは思えない。
そうなると金居とはやての二択だが、アーカードは戦闘中の気配からはやてだと半ば確信していた。
それは殺気。
ヴィータがアーカードに対して並々ならぬ殺気に似た物を送っていたとの同様にはやてはセフィロスに対して同じものを送っていた。
むしろこっちは純粋に殺気と呼べるほどにどす黒い視線だった。
もしも予想が正しいなら生かすつもりはない。
先程の爆発で建物の崩壊に巻き込まれて傷を負ったが、問題はないだろう。

(どちらにせよ、直接会えば分かるか)

そして吸血鬼は静かに姿を現した。


     ▼     ▼     ▼


アレックスは悩んでいた。
参加者にとっては重要な放送も耳に入らないまま悩み続けていた。
これから自分は何をするべきかと。
もちろん六課の仲間と合流してデスゲームを終わらせるべきだ。
だがキース・レッドに敗北した事実はアレックスの身体をこの場に縛りつけていた。

そんな時、誰かが近付いてきた。

「おい、生きているのか?」

今のアレックスはARMSの力で再生中ではあるが、その事を知らない人から見れば死人も同然の状態だ。
だからそういう質問がされるのは半ば自然な流れだ。

「ああ……なんとかな……」

とりあえずそれだけ答えた。
正直なところ今は誰かと話す気分ではない。
それにこうして質問してくるという事は少なくとも相手は殺し合いに乗っていない。
もしも殺し合いに乗っていれば何も聞かずに殺しにくるはずだから。

「再生力が高いのか。ところで貴様は殺し合いに乗っているのか?」

ここがデスゲームの場である以上、当然とも言える質問だ。

「いや、俺は殺し合いには乗っていない」

以前なら本能のままに闘争を繰り広げていたのかもしれない。
だがアレックスは一度死んだ時にその呪縛から解き放たれている。

(そうだ、俺は決めたはずだ。運命に縛られず自らの意志で闘争を行うと! だから――)
「――それなら用はない」

真上から振り下ろされる断罪の鉄槌。
それがアレックスの目に映った最期の光景だった。


【アレックス@ARMSクロス『シルバー』  死亡確認】


     ▼     ▼     ▼


ヴィータにとって先程の放送は人数の割に衝撃は大きくなかった。
19人の死者のうちヴィータと関わりがあったのはシャマル、ゼスト、セフィロス、フェイト、ルーテシアの5人。
だがシャマルは事前にはやてからその死を聞かされていたから改めてその死を悼むに止まった。
フェイトに関しては敵対している間柄とはいえ信用できそうな人物ではあったが、そこまで深い関係でもないので上に同じ。
ゼストとルーテシアもアギトの大切な人ではあるが、直接会った事がないのでまた上に同じ。
そのアギトだが今は二人の死によるショックからかデイパックの中に籠っている。
別人の可能性があるとはいえ大切な存在を一度に失ったのだから無理もない。

だがセフィロスだけはその衝撃は大きかった。

ヴィータから見てセフィロスは別次元の強さを誇っていた。
最初ははやてを死に追いやったと思い込んで戦ったが、アギトから事情を聞くに及んで最初ほど敵視できなくなっていた。
むしろ僅かではあるが共感できるものがあった。
最後に見たのは同じく規格外の化け物であるアーカードと戦っている最中だった。
そのアーカードが生きている事から戦いに敗れて死んだのかもしれない。

(セフィロス、結局お前とは――)
「ほう、また会ったな」
「――ア、アーカード、てめえぇぇぇえええええ!!!!!」

セフィロスの最期に静かに想いを馳せていた時に聞こえてきた声。
その声をヴィータが聞き逃すはずがない。
最凶の吸血鬼アーカードの声を。

「やっぱり生きていたのかよ……」
「降りかかる火の粉は払わないといけないな」

ヴィータはすぐさま真紅のバリアジャケットを身に纏って槍を構える。
先程の戦闘の傷がまだ癒えていないのかアーカードの身体には真新しい傷がいくつも刻まれていた。
何かにうなされていたようなので治療のために核鉄をはやてに持たせているが、まだ目覚めていない。
どうせ気絶したはやてを連れて逃げ切れるとは思えないので決死の覚悟で迎え討つつもりだ。
それに今ならアーカードの傷も癒えていないので勝機の芽はあるのかもしれない。

こうして廃墟の真っ只中で静かに死闘の火蓋は切られた。


【1日目 夜】
【現在地 E-5 崩壊した市街地】

【ヴィータ@魔法少女リリカルなのはA's】
【状態】健康、奇襲に対する危機感(大)、アーカードへの恐怖
【装備】ゼストの槍@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式、デジヴァイスic@デジモン・ザ・リリカルS&F、アギト@魔法少女リリカルなのはStrikerS、セフィロスのデイパック(支給品一式)
【思考】
 基本:はやての元へ帰る。脱出するために当面ははやて(StS)と協力する。
 1.アーカードは殺す!!!
 2.はやて(StS)は様子見、当分の間は同行するが不審点があれば戦闘も辞さない。
 3.ヴィヴィオとミライを探す。
 4.アーカード、アンジール、紫髪の少女(かがみ)は殺す。
 5.グラーフアイゼンはどこにあるんだ……?
 6.そういえば金居はどこだ?
【備考】
※ヘルメスドライブの使用者として登録されています。
※今のところ信用できるのはミライ、なのは、ユーノのみ。
※はやて(StS)、甲虫の怪人(キング)、アーカード、アレックス、紫髪の少女(かがみ)、アンジールを警戒しています。
※参加者が異なる時間軸や世界から来ている事を把握しています。
【アギト@魔法少女リリカルなのはStrikerS】の簡易状態表。
【思考】
 基本:???
 1.旦那……ルールー……。
【備考】
※参加者が異なる時間軸や世界から来ている事を把握しています。
※デイパックの中から観察していたのでヴィータと遭遇する前のセフィロスをある程度知っています。
※ヴィータがはやてを『偽者』とする事に否定的です。

【アーカード@NANOSING】
【状態】疲労(中)、全身に裂傷(中)
【装備】正宗@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使
【道具】支給品一式、拡声器@現実、首輪(アグモン)、ヘルメスドライブの説明書
【思考】
 基本:インテグラの命令(オーダー)に従い、プレシアを打倒する。
 1.邪魔をするヴィータを殺した上ではやてを……。
 2.再度プレシアの下僕を誘き寄せるために、工場に向かい首輪を解除する。
 3.積極的に殺し合いに乗っている暇はないが、向かってくる敵には容赦しない
 4.首輪解除の技能者を探してみる?
 5.アンデルセンを殺した参加者を殺す。
【備考】
※スバルやヴィータが自分の知る者とは別人だと気付いています。
※第一回放送を聞き逃しました。
※デスゲーム運行にはプレシア以外の協力者ないし部下がいると考えています。
※首輪解除時の主催の対応は「刺客による排除」だと考えています。


     ▼     ▼     ▼


(さて、どうしよっか? さすがに手負いとはいえヴィータだけでアーカードを倒せるとは思えん。
 私が加勢できたらいいんやけど、まだ回復までには時間がかかりそうやな)

はやては今の状況を努めて冷静に見ようとした。
実は少し前から意識はあったが、すぐにアーカードが来たので様子を見る事にしたのだ。
本来ならアーカードとは戦わずに逃げたい。
だが今のアーカードは万全とは言えない状態だ。
もしかしたらヴィータと組めば倒せるかもしれない。

(でもまずはヴィータに時間を稼いでもらうしかないか……)

不幸中の幸いか、明日香が魔力の源にしていたジュエルシードはその内包する力を使い切ったせいか何の反応も示さないようだ。
ジュエルシードの力も加わっていたと知った時は使うのは危険だと思ったが、これなら夜天の書も問題なく使える。
だが備えあれば憂いなし。
もし可能ならば明日香の近くに落ちている道具で使えそうなものがあれば活用したい。

はやては静かに自分が動く時を持ち続けるのだった。


【1日目 夜】
【現在地:E-5 崩壊した市街地】
【八神はやて(StS)@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS】
【状態】疲労(大)、魔力消費(大)、胸に裂傷(比較的浅め、既に止血済)、肋骨数本骨折、内臓にダメージ(中)、スマートブレイン社への興味
【装備】コルト・ガバメント(5/7)@魔法少女リリカルなのは 闇の王女、憑神刀(マハ)@.hack//Lightning、夜天の書@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ジュエルシード@魔法少女リリカルなのは、ヘルメスドライブ(破損自己修復中で使用不可/核鉄状態)@なのは×錬金
【道具】支給品一式×2、トライアクセラー@仮面ライダークウガA’s ~おかえり~、S&W M500(5/5)@ゲッターロボ昴、首輪(セフィロス)
【思考】
 基本:プレシアの持っている技術を手に入れる。
 1.様子見。
 2.手に入れた駒(ヴィータ等)は切り捨てるまでは二度と手放さない。
 3.キング、クアットロの危険性を伝え彼等を排除する。自分が再会したならば確実に殺す。
 4.金居のことは警戒。
 5.以上の道のりを邪魔する者は排除する。
 6.メールの返信をそろそろ確かめたいが……
 7.自分の世界のリインがいるなら彼女を探したい……が、正直この場にいない方が良い。
【備考】
※プレシアの持つ技術が時間と平行世界に干渉できるものだと考えています。
※ヴィータ達守護騎士に心の底から優しくするのは自分の本当の家族に対する裏切りだと思っています。
※キングはプレシアから殺し合いを促進させる役割を与えられていると考えています(同時に携帯にも何かあると思っています)。
※自分の知り合いの殆どは違う世界から呼び出されていると考えています。
※放送でのアリサ復活は嘘だと判断しました(現状プレシアに蘇生させる力はないと考えています)。
※エネルは海楼石を恐れていると思っています。
※放送の御褒美に釣られて殺し合いに乗った参加者を説得するつもりは全くありません。
※この殺し合いにはタイムリミットが存在し恐らく48時間程度だと考えています(もっと短い可能性も考えている)。
※「皆の知る別の世界の八神はやてなら」を行動基準にするつもりです。その為なら外見だけでも守護騎士に優しくするつもりです。


     ▼     ▼     ▼


金居がアレックスを殺した理由は至極単純で簡単なものだった。
つまりこのまま生かしておけば邪魔になるからだ。
高い回復能力を持つ主催者に反抗する参加者。
しかもその戦闘能力が高いのはミラーワールド見ていたので既に知っていた。
そのような参加者を放っておけば障害になる事は確実だった。
だから満足に動けないこの千載一遇の機会を逃す手はなかった。
殺害の手口は首から胸にかけての部分にイカリクラッシャーを叩きつけて潰すというもの。
生半可な方法では再生されてしまうと考えた結果、絶対的な致死を司る首輪周辺を破壊することにした。
そして予想通りもう再生する事はなかった。

金居がアレックスを発見したのはヴィータが爆心地へ向かっている最中。
それまではミラーワールドのことを大まかに話している最中だった。
因みに話した内容はあの時点で以下の二つ。

  • ミラーワールドに参加者を引きずり込んだのは浅倉威。
  • 確認できただけで引きずり込まれた参加者は9人(金居、キング、相川始、天道総司、柊かがみ、柊つかさ、キース・レッド、キース・レッドに似ている男、黒服の少年)

そこまで話したところであの衝撃波が襲ってきた。
まだアンデッドの姿には戻れなかったが、逆にヴィータにその姿を見せずに済んで結果オーライだった。
そのヴィータは移動中に遠目ではやての姿を確認したのか、はやてと名を呼びながら一目散に走って行った。
この時金居は無理に急いで行くつもりはなかった。
まだ近くにアーカードがいた場合、離れていた方が何かと都合がいいと考えたからだ。
それから放送があり死者の多さに驚いたが、それだけだった。
ただアーカードが死んでいないと分かって少し警戒心が増したぐらい。
アレックスを見つけたのはそんな時だった。
そして一応殺し合いに乗っているか聞いた上で邪魔になると判断して殺した。

(少し気になったのはボーナスの基準か。前の放送であんな発破をかけたぐらいだから、もしや基準はそこか?)

ボーナスとして与えられる道具が何になるか。
第二回放送から第三回放送までに殺した人数。
第三回放送までに殺した人数。
殺した参加者の力量。
果たして選ばれる基準が何に基づいているのか、それはまだ誰にも分からない。

「さて、こいつのデイパックも回収して、あとは……ん?」

それを見つけたのは偶然だった。
地面に走った亀裂。
その周囲には倒壊した地上本部のなれの果て。
つまりは地上本部の地下部分が倒壊の影響で僅かに剥き出しの状態であった。
そしてその亀裂から金居は何かを感じた。
それを確かめるべく近づくと、そこにはある模様が描かれていた。
ちなみに近くに落ちていた看板には次のような説明が書かれていた。

『魔力を込めれば対象者の望んだ場所にワープできます』


【1日目 夜】
【現在地:E-5 地上本部跡地】
【金居@魔法少女リリカルなのは マスカレード】
【状況】健康、ゼロ(キング)への警戒
【装備】なし
【道具】支給品一式、トランプ@なの魂、砂糖1kg×8、USBメモリ@オリジナル、イカリクラッシャー@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER
【思考】
 基本:プレシアの殺害。
 1.なんだ、これは?
 2.基本的に集団内に潜んで参加者を利用or攪乱する。強力な参加者には集団をぶつけて消耗を図る(状況次第では自らも戦う)。
 3.利用できるものは利用して、邪魔者は排除する。
 4.上手く状況を動かして隙を見てアーカードを殺害する。
 5.同行者の隙を見てUSBメモリの内容を確認する。
 6.工場に向かい、首輪を解除する手がかりを探す振りをする。
【備考】
※この戦いにおいてアンデットの死亡=封印だと考えています。
※殺し合いが難航すればプレシアの介入があり、また首輪が解除できてもその後にプレシアとの戦いがあると考えています。
※参加者が異なる世界・時間から来ている可能性に気付いています。
※ジョーカーがインテグラと組んでいた場合、アーカードを止められる可能性があると考えています。
※変身から最低50分は再変身できない程度に把握しています。
※プレシアが思考を制限する能力を持っているかもしれないと考えています。


     ▼     ▼     ▼


「あれは転移魔法陣!? なんで地下に移動を!?」

会場の様子を監視していたリニスがそれに驚いたのも無理はない。
確かに魔法陣は屋上にしかなく、その魔法陣も屋上ごと崩れたはず。
それが今は地下に移動している。
まるで元からそこにあったかのように。

元々リニスは今回から採用されたボーナスシステムを使ってどうにか参加者の助けとなる道具を送りたいと思っていた。
だが誰にも気づかれる事なく道具を仕込むのは簡単な事ではない。
案の定ボーナス用の道具が置かれた場所にも何らかの監視システムが設置されていた。
まずはそれをどうにか掻い潜る方法を考えている時に最初のボーナス適用者である金居が現れたのだ。
その際のボーナスの転送から何かヒントが得られないか注意して監視していた時、金居と同様に魔法陣の存在に気付いた。

(いったい何が……)

そしてその様子をさらに監視している人物がいる事にリニスは気付く事はなかった。


     ▼     ▼     ▼


(あの子は思いもしていないでしょうね。まさか私がこんなに早く休息を終えているなんて)

リニスを監視していたのは休息すると言って一度奥に引っ込んだはずのプレシア。
既にその顔には疲労の色はない。
それも当然だろう。
参加者の何人かには一瞬で体力や魔力を回復してくれる道具が配られている。
その配った張本人がそのような便利道具を全て参加者に渡して手元に残していない訳がない。

(でも地上本部が崩れるなんて……少し甘く見すぎていたようね。これからは一層の注意が必要ね)

さすがにキース・レッドによる内部破壊、E-5エリア全土に放たれたいくつもの砲撃。
まさか短時間で地上本部にここまで攻撃が集中するとは思わなかった。
キース・レッドが手を出すまで本格的な破壊活動がなかっただけに油断がなかったというのは嘘になる。

(それにしても、まさか万が一に備えて付与しておいた機能が役に立つなんて……そのおかげで『要』は無事……。
 ただ、調整のために禁止エリアにせざるを得なかったけど、果たして誰か気づく参加者がいるのかしら。
 ふっ、気づいたところで何もできないでしょうけどね。それよりも今は山猫と――)

そしてプレシアは別画面に映る二人を見て静かに微笑みを浮かべるのだった。

(――馬鹿ね。ここに辿りつけないとも知らずに……)

そこに映っていたのは亡き主の仇を討つために乗りこんできた『風』と『犬』の姿だった。


【全体備考】
※E-5のアレックスの死体に近くに以下の物が放置されています。
 アレックスのデイパック(支給品一式、Lとザフィーラのデイパック(道具①と②)【道具①】支給品一式、首輪探知機(電源が切れたため使用不能)、ガムテープ@オリジナル、ラウズカード(ハートのJ、Q、K)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、レリック(刻印ナンバーⅥ、幻術魔法で花に偽装中)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、首輪(シグナム)、首輪の考察に関するメモ【道具②】支給品一式、ランダム支給品(ザフィーラ:1~3))



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