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で、ここからが本番です。


 もうその頃には要塞が分解する盛大な音が響き始めていた。その中で、ドアが空くモーター音にタリアがおもむろに顔を上げる。彼女の腕の中には身動きしない議長と、泣き疲れて息を殺すように身体を預けているレイがいた。

「グラディス艦長!」
「アスラン・・・何をしに来たの!」

 驚いてタリアが咄嗟に叫ぶが、アスランは既に中央指令所の崩れた天井や柱を乗り越えていた。彼女が目を見開くうちに3人がいる一段高い場所に上がる。

「一緒に脱出するんですっ!」
「あなたは、早く逃げなさいと言ったはずよっ」
タリアが手を振る仕草は、まるでアスランを追い払うような手つきだったが、彼はそれを上手く避けてレイの肩に手を置いていた。

「レイ。立てるか?」

 アスランの手の下のレイはまるで置物のように反応がなかった。全てをあきらめた抜け殻のような状態。理由は違えど、一度は自分も死を覚悟した。

「シンも、ルナも無事だ」

 返事は無いけれど、レイの肩がピクリと震える。
 守りたいものが無くなったから、生きている理由が見つからないから、責任を取らなくてはならないから。死を選ぶ理由は様々にある。

「しっかりしろ、レイ! 君はちゃんと状況を確認したのか、議長はまだ死んじゃいない。撃たれたショックで気を失っているだけだっ」

 レイがタリアから頭を浮かして、目を閉じたままの議長を見る。

「・・・ギ・・・ル」
「そんな、でも、彼は」

 アスランがデュランダル議長の上着を開いて、撃たれたと思わしき箇所を探る。応急処置を始める彼が、視線は手元の議長に落としたまま、口を開く。

「お子さんがいらっしゃるのなら、こんな所で死ぬべきじゃありません。親を亡くした子供程、弱くてさびしい存在はいません」

 アスランがパイロットスーツの救急キットからテーピングを取り出して止血していくが、すぐに血の赤い色が浮かび上がる。
 レイと顔を合わせず、彼の後ろに回る。本当に時間がないのだ。

「レイも・・・シンやルナに言うことがあるだろう」

 呆然とするレイの背中の救急キットも漁って、さらに議長の胸に巻きつける。一通り手当てを終えた彼が、この時になって二人を見る。

「二人とも立ってっ! レイ、二人で議長を支えるんだ。艦長、レイを頼みます」

 レイが生死を確認しようとデュランダル議長に手を伸ばすが、要塞が崩壊する音がすぐそこまで迫っていた。

「早くっ!!」

 力の抜けた大の男にアスランとレイが肩を貸す形で立ち上がらせ、体格的に負担のかかるレイをグラディス艦長が支える。中央指令所は既に半分が瓦礫で埋まり、そこかしこで火花が上がる。通路に出てもそれは同じで、意識のない重症人を連れてまっすぐ歩くことすらおぼつかない。

 レイの表情は読めないが、それでもなんとかデュランダル議長を支えていた。タリアが眉をしかめて通路の先を見るアスランを盗み見る。彼はなぜ危険を承知で戻って来たのか、ただ自分達を助けるためにしては物足りない気がする。その疑問を察したのか、アスランが口を開いた。

「約束です、議長との」
「約束?」
「はい。『道を間違えた時は正してくれ』と」

ドン。と、爆発が起こって通路が大きく揺れる。

「それに・・・俺はずっと、何と戦わなければならないのか、考えてきました」



テレビ版最終回を見ていましたが、議長全然出血していなかったんですよね。口から糸引いているだけで。すぐ爆発しちゃったから分からないのだけど、銃弾は抜けたのか、まだ体内にあるのか、どっちなんだろう。




カテゴリ: [ネタの種] - &trackback- 2006年01月19日 21:23:17

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