「武人と魔女」(2009/01/07 (水) 11:49:56) の最新版変更点
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*武人と魔女 ◆yZGDumU3WM
愚かだ。
なんと愚かなのだ。
それはあまりにも愚かで、醜悪な行為。
復讐。
報復せんと情念に心を焦がし。
相手の息の根を止めるまで果てることを知らぬ妄執。
狂気に等しい行為に身をやつし、何が得られるというのか———。
理解などできない。したくもない。
救済———不可能。
できるのは、哀れな妄執に取り付かれた者に、万民の為に止めを刺すことだけ。
それが、『復讐鬼』高町なのは、『あの』プレシア・テスタロッサであろうと———。
(殺そう。あの二人を)
それが、己に出来る唯一の解決方法。
何処とも知れぬ土地の、林の生い茂る場所に立てられた神社の境内で、ゼストは座り込み、思考を整えた。
やることは、決まった。
まずは、高町なのはを見つけ出し、殺す。奴は災厄を撒き散らし、無関係な人間を殺害する悪鬼。
こんな馬鹿げた大会に取り込まれる形になるのは癪だが、後々のことを考えれば安いものだ。
あの女は危険すぎる——殺。
次にプレシア・テスタロッサ———「PT事件」の首謀者。
死んだと聞いていたが——まさかこんなことを企んでいたとは。時空管理局に知れたならば、極刑では済むまい——この身は既に死人。
何を躊躇おうか。
これも、殺。
当面の行動方針を決め終えたゼストは、デイバックの中身を確認した———まず、見覚えのあるナイフ。
これは———。
「戦闘機人、か」
気づけば、そうぽつりともらしていた。己の隊を壊滅させ、一度死んだ自分の面倒を見た、銀髪の小柄な少女。
その右目は———奪ったのだ、この手で。
こみ上げて来る苦いものを感じながら、合計十本の投げナイフ<スティンガー>を握りしめる。
武器としては上々である。
槍が無いのは寂しいが、奇襲や自身の身体能力——ストライカー魔導師として鍛え上げた——と合わせれば、下手な接近戦用の武器よりも強力だ。
ナイフの鞘を腰に巻き、固定。何時でも抜けるようにしておく。
戦闘準備完了。
次に、参加者リストに目をもう一度通す。
高町なのは——二名分。意味不明。
数字の名前——戦闘機人たち。警戒の必要あり。
驚愕———ルーテシア・アルピーノの名前。高町なのはが保護していたのではなかったのか——疑問符。
部下の忘れ形見——胸に走る鈍痛。
逝った友——レジアスの忠告を聞いていれば、という思い。
決断——できれば保護する——厄介だが高町より先に確保しなければならない。
面倒ごとを背負い込んだ気分。
だが、贖罪———今こそ罪と向き合うとき。
そのとき、背後から音がした。
扉の開く音。振り返り、腰のナイフを引き抜き、構えた。投擲と刺突の両方に対応できるよう、両手に。
神社の建物——賽銭箱がおいてあるところの前が、中から開け放たれていた。
目を凝らす———誰もいない。
いや。
漆黒の闇の中を、鮮やかな緑の長髪が揺れた。爛々と輝く瞳——金色に輝くそれが、『あの男』と戦闘機人たちを連想させる。
警戒のレヴェルを引き上げる——狂人と言ってよい科学者、スカリエッティの手先かもしれない。今この場では、巻き込まれたくない相手だ。
年齢———まだ十代半ば程の少女。
人形の様に整った顔は無表情で、月光の下、神々しくすらあった。
———魔性を感じる程に———。
奇妙な白い拘束衣を着た少女は、無感動に真ん丸の月を眺めると、ゼストに視線を移した。
金色の瞳が細められ———。
「なんだ、お前は?」
無遠慮な声が放たれた——よく通る声だ。
つう、と冷や汗が頬を伝うのを感じながら、ゼストは問い返した。
「そういう君こそなんだ? 一般人には見えんが、な」
少女が、唇の端をつりあげて笑った。小馬鹿にしたような笑みだ。
「それはお互い様だろう。深夜の寺社仏閣で刃物を構えた中年男——くだらない、ワイドショーの種か、都市伝説くらいにしかならないだろうな」
「それもそうだな———」
ふっ、と笑い、相手が武器を持っていないことを確認し、ナイフを鞘にしまう。
両手を頭の上に上げて何も持っていないことをアピールしながら、話しかける。
「名前は? 俺は、ゼスト・グランガイツだ——」
管理局員では無さそうだと悟り、とりあえず名を言う。
少女の返答——皮肉の聞いた台詞。
「さあな? 名など忘れたし、答える気もない」
「………いい性格をしているな」
微笑み——魅力的な笑み。
「よく言われる———ところで、ピザはないか?」
「は?」
ゼストの、間抜けな声が、辺りに木霊した。
【1日目 深夜】
【現在地A−4 神社境内】
【ゼスト・グランガイツ@魔法少女リリカルなのは 闇の王女】
【状況】健康 、困惑
【装備】スティンガー@魔法少女リリカルなのはStrikerS×10
【道具】支給品一式、ランダム支給品0〜2個
【思考】
1=高町なのはを捜索、抹殺する。
2=プレシアの抹殺。
3=ルーテシアの保護。
【備考】
なのはとルーテシアが『健全な』歴史(Sts)から来たのを知りません。
【C.C.@コードギアス 反目のスバル】
【状況】健康、空腹
【装備】無し
【道具】支給品一式、ランダム支給品1〜3個
【思考】
1=ルルーシュたちと合流する。
2=ゼストから上手く情報を聞き出す。
3=ピザの捜索。
【備考】
スバルが『Sts』から来たのを知りません。
|Back:[[Wolkenritter]]|時系列順で読む|Next:[[少女の泣く頃に〜神流し編〜]]|
|Back:[[Wolkenritter]]|投下順で読む|Next:[[オタクと吸血鬼とレバ剣と]]|
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*武人と魔女 ◆yZGDumU3WM
愚かだ。
なんと愚かなのだ。
それはあまりにも愚かで、醜悪な行為。
復讐。
報復せんと情念に心を焦がし。
相手の息の根を止めるまで果てることを知らぬ妄執。
狂気に等しい行為に身をやつし、何が得られるというのか———。
理解などできない。したくもない。
救済———不可能。
できるのは、哀れな妄執に取り付かれた者に、万民の為に止めを刺すことだけ。
それが、『復讐鬼』高町なのは、『あの』プレシア・テスタロッサであろうと———。
(殺そう。あの二人を)
それが、己に出来る唯一の解決方法。
何処とも知れぬ土地の、林の生い茂る場所に立てられた神社の境内で、ゼストは座り込み、思考を整えた。
やることは、決まった。
まずは、高町なのはを見つけ出し、殺す。奴は災厄を撒き散らし、無関係な人間を殺害する悪鬼。
こんな馬鹿げた大会に取り込まれる形になるのは癪だが、後々のことを考えれば安いものだ。
あの女は危険すぎる——殺。
次にプレシア・テスタロッサ———「PT事件」の首謀者。
死んだと聞いていたが——まさかこんなことを企んでいたとは。時空管理局に知れたならば、極刑では済むまい——この身は既に死人。
何を躊躇おうか。
これも、殺。
当面の行動方針を決め終えたゼストは、デイバックの中身を確認した———まず、見覚えのあるナイフ。
これは———。
「戦闘機人、か」
気づけば、そうぽつりともらしていた。己の隊を壊滅させ、一度死んだ自分の面倒を見た、銀髪の小柄な少女。
その右目は———奪ったのだ、この手で。
こみ上げて来る苦いものを感じながら、合計十本の投げナイフ<スティンガー>を握りしめる。
武器としては上々である。
槍が無いのは寂しいが、奇襲や自身の身体能力——ストライカー魔導師として鍛え上げた——と合わせれば、下手な接近戦用の武器よりも強力だ。
ナイフの鞘を腰に巻き、固定。何時でも抜けるようにしておく。
戦闘準備完了。
次に、参加者リストに目をもう一度通す。
高町なのは——二名分。意味不明。
数字の名前——戦闘機人たち。警戒の必要あり。
驚愕———ルーテシア・アルピーノの名前。高町なのはが保護していたのではなかったのか——疑問符。
部下の忘れ形見——胸に走る鈍痛。
逝った友——レジアスの忠告を聞いていれば、という思い。
決断——できれば保護する——厄介だが高町より先に確保しなければならない。
面倒ごとを背負い込んだ気分。
だが、贖罪———今こそ罪と向き合うとき。
そのとき、背後から音がした。
扉の開く音。振り返り、腰のナイフを引き抜き、構えた。投擲と刺突の両方に対応できるよう、両手に。
神社の建物——賽銭箱がおいてあるところの前が、中から開け放たれていた。
目を凝らす———誰もいない。
いや。
漆黒の闇の中を、鮮やかな緑の長髪が揺れた。爛々と輝く瞳——金色に輝くそれが、『あの男』と戦闘機人たちを連想させる。
警戒のレヴェルを引き上げる——狂人と言ってよい科学者、スカリエッティの手先かもしれない。今この場では、巻き込まれたくない相手だ。
年齢———まだ十代半ば程の少女。
人形の様に整った顔は無表情で、月光の下、神々しくすらあった。
———魔性を感じる程に———。
奇妙な白い拘束衣を着た少女は、無感動に真ん丸の月を眺めると、ゼストに視線を移した。
金色の瞳が細められ———。
「なんだ、お前は?」
無遠慮な声が放たれた——よく通る声だ。
つう、と冷や汗が頬を伝うのを感じながら、ゼストは問い返した。
「そういう君こそなんだ? 一般人には見えんが、な」
少女が、唇の端をつりあげて笑った。小馬鹿にしたような笑みだ。
「それはお互い様だろう。深夜の寺社仏閣で刃物を構えた中年男——くだらない、ワイドショーの種か、都市伝説くらいにしかならないだろうな」
「それもそうだな———」
ふっ、と笑い、相手が武器を持っていないことを確認し、ナイフを鞘にしまう。
両手を頭の上に上げて何も持っていないことをアピールしながら、話しかける。
「名前は? 俺は、ゼスト・グランガイツだ——」
管理局員では無さそうだと悟り、とりあえず名を言う。
少女の返答——皮肉の聞いた台詞。
「さあな? 名など忘れたし、答える気もない」
「………いい性格をしているな」
微笑み——魅力的な笑み。
「よく言われる———ところで、ピザはないか?」
「は?」
ゼストの、間抜けな声が、辺りに木霊した。
【1日目 深夜】
【現在地A−4 神社境内】
【ゼスト・グランガイツ@魔法少女リリカルなのは 闇の王女】
【状況】健康 、困惑
【装備】スティンガー@魔法少女リリカルなのはStrikerS×10
【道具】支給品一式、ランダム支給品0〜2個
【思考】
1=高町なのはを捜索、抹殺する。
2=プレシアの抹殺。
3=ルーテシアの保護。
【備考】
なのはとルーテシアが『健全な』歴史(Sts)から来たのを知りません。
【C.C.@コードギアス 反目のスバル】
【状況】健康、空腹
【装備】無し
【道具】支給品一式、ランダム支給品1〜3個
【思考】
1=ルルーシュたちと合流する。
2=ゼストから上手く情報を聞き出す。
3=ピザの捜索。
【備考】
スバルが『Sts』から来たのを知りません。
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