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「Don't lose yourself(後編)」(2009/06/02 (火) 11:59:56) の最新版変更点
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*Don't lose yourself(後編)◆gFOqjEuBs6
◆
それから一時間ほどの時間を置いて、始は再び意識を取り戻していた。
ギンガが用意したパンをがつがつと食べる始の体調は、最早完全回復と言っても良いほどだった。
当初は人間の食べ物は食べないのでは、などと懸念してはいたものの、特にそんな様子も見せない。
恐らく始は人間に極めて近い存在なのだろう。
いや、もしかするとただ血が緑色で、回復力が強いだけの人間なのかもしれない。
実際にインテグラはそんな人間と会ったことがある。13課――イスカリオテの戦士。
このゲームにも参加させられている、アレクサンド・アンデルセン神父だ。
もしかしたらこの男は、彼のような改造人間ともいうべき存在なのかも知れない。
起きてからがつがつとパンを貪るばかりで、何も言おうとはしない始に痺れを切らしたインテグラが、その口を開いた。
「もう治ったのか? しぶとい奴だな」
「人間の薬が効いた」
「人間の薬……か。まるでお前は人間ではないとでも言っているような言葉だな」
「そう言ったんだ」
「ほう……」
インテグラの視線が、始を突き刺すように睨む。
要は、この男もやはり吸血鬼や妖怪と同じ、化け物(フリークス)だという事だ。
始とインテグラの視線が交差するなか、この状況を余り宜しくないと判断したのか、ギンガが言葉を続ける。
「そういえば……貴方の名前は?」
「相川始」
「始さん……ですね。教えてくれますか? 貴方の身体の事を」
「見ての通りだ。俺は人間じゃない。」
「ならば相川始……お前の種族は?」
「アンデッドだ」
「何?」
すらすらと答える始の言葉に、インテグラは怪訝な表情を浮かべた。
こいつがアンデッドだと? あの、吸血鬼やグールといった不死の化け物の、アンデッドだと言いたいのか?
馬鹿馬鹿しい。緑の血のアンデッドなど聞いたこともない。
「お前の何処がアンデッドだというんだ」
「言葉の通りだ。俺は死なない。だから不死生物(アンデッド)なんだ」
「死なない……? どんなに身体をボロボロにされても、ですか?」
「そうだ。アンデッドを倒すには封印するしか方法はない」
◆
始は、自分の世界での出来事を、ギンガ達に話し始めた。
自分たちは一万年前からこの地球上で戦い続けているアンデッドだと。
その戦いの勝者の種族がこの地球上で繁栄を謳歌し、敗者はただカードに封印されると。
しかし、ギンガ達に驚いている時間など与えられず。
それだけ話すと、始は既にデイバッグ片手に立ち上がり、ベージュのコートを羽織っていた。
「あの……何処へ行くんですか!?」
「わからない。俺は俺の戦いを続ける」
「もし良ければ、私達と一緒に―――」
「それは無理だよ」
始の言葉に、ギンガはえ?と呟き、始を見つめた。
「俺には全ての参加者を殺して、帰るべき場所がある。
さっき君達が逃げられたのだって、たまたまだ」
「さっき……?」
さっき、とは一体いつの話をしているのだ。自分は今初めて始さんと話しているのに。
それはつまりここで話す前に、何処かで出会ったということだろうか?
しかし、逃げられたとはどういうことだ。
まるで一度自分達と戦っているとでも言いたげな台詞に聞こえる。
ギンガは再び思考する。
自分は今まで誰に襲われた? エネルと、あの黒い鎧の戦士。その二人だけ。
ふと、ギンガの表情から、色が無くなっていった。
「まさか……黒い鎧の……」
「でも……君のお陰で助かった」
「え……」
「ありがとう」
始は最後に一度だけ振り向くと、ギンガに向かって頭を下げた。
つまり、今始さんが自分達に情報を教えてくれたのは、治療をしてくれたせめてもの恩返しだとでも言いたいのか?
冗談じゃない。いくら情報を教えてくれたって、その一方で人を殺されては話にならない。
自分は何としても、彼の行動を止めなければならない。
踵を返して、一歩一歩と入口へと歩いて行く始に、ギンガは再び呼びかけた。
「待って……待って下さい!」
「まだ何かあるのか?」
「貴方はこの戦いで、誰かを殺したんですか!?
キャロは……ピンクの髪の女の子は!」
「これから全員殺す」
「なら、何故今私たちを襲わないんですか!」
「……次会った時は、君たちも殺す」
「なんで……! どうしてそんな、人間らしさを持ってる貴方が、平気で人を殺せるんですか!?
貴方はまだ引き返せる! 人殺しなんて絶対にさせない!」
「俺は人間じゃない」
ギンガがどれだけ呼びかけても、始は一言で切り返す。
その瞳には一切の迷いは感じられない。どうあっても修羅の道を進むつもりなのだろう。
しかし、それをさせてはギンガの思いは早くも折れてしまったということになる。
させるものか、そんなこと。絶対に、人殺しなんてさせるものか。
気付いた時には、始は走り出していた。
ギンガやインテグラを振り切る為に、この医務室を飛び出して、外の世界へと飛び出していた。
ギンガもすぐに追いかけようとするが、その前にインテグラの様子を確認しない事には動きだせない。
それ故にデイバッグを掴んだギンガは、力強くインテグラの名を呼んだ。
「インテグラル卿……!」
「私はもう大丈夫だ。ギンガ、奴を追いかけるのか?」
そうだ。急いで追いかけて、始さんを引き戻さないと、より多くの人が死んでしまう。
偶然とは言え、ここまで彼は誰も殺さなかったのだ。そんな彼を、みすみす人殺しになどしてなるものか。
殺生丸に誓ったこの思い、こんなところで諦めてなるものか。
「はい! 絶対に、あの人は私達で止めないと……また人が死んでしまいます!」
「良い返事だ。ならば迷っている暇は――」
「迷ってる間に人が死んでいくなら、私はもう迷いません。
戦うことが罪なら、私はそれ背負って戦います!」
「――上等だ。益々気に入った! 行くぞ、ギンガ!」
インテグラが言い終えるのを待つ間もなく、ギンガはその思いをぶつけた。
その為に始との戦いが避けては通れない道だというなら、自分は始と戦ってでも彼を止める覚悟がある。
きっと殺生丸がもし自分と同じ志を抱いていてくれたならば、自分と同じ道を選んだ筈だ。
だから自分は、まずは始を追いかけて、何としてでも殺人をやめさせる。
放っておけば殺し合いを続けるのならば、彼もまたアーカードと同じだ。
自分たちが止める必要がある。そして、残った皆でこのゲームから脱出する。
それがギンガと、インテグラの選んだ道。
幸い、始はまだ遠くには行っていない。今追いかければ追いつける筈だ。
ギンガとインテグラもまた、すぐに医務室を飛び出して、走りだしていた。
◆
「俺は人間じゃない……人間らしさなんて、あり得ない……」
始は一人、疾走しながら先刻ギンガに言われた言葉を否定していた。
ギンガは言った。自分は人間らしさを持っていると。まだ引き返せると。
しかし、それでは意味がない。引き返したところで、あの家族の元に帰れるとは限らないのだから。
故に始は疾走する。全ての参加者を殺すために。あの家族を守り続けるために。
始は気付かない。あの家族を守りたいというこの感情こそが、既に人間らしさに繋がっているという事に。
始は気付かない。チャンスは十分あったのに、さっきの二人を殺さなかったのは、始の中の人間の心の所為だという事に。
始は気付かない。ギンガに対して何気なく言った、感謝の言葉。「ありがとう」と。
そんなたった5文字の言葉の中に、人間としての温もりが込められていたことに。
故に始は自分に言い聞かせる。「俺は人間じゃない」と。心の中の自分に、何度も何度も。
どこかで、人間としての心に戸惑う自分が居る事にも気付かずに。
既に自分の中での戦いは始まっている事にも気付かずに。
何もかもに気付かないまま、始はただひたすら、本能の赴くままに東へと疾走する。
その先に何があるのかはわからない。
ただ、何かに呼ばれているような気がするのだ。
何に呼ばれているのか。何故呼ばれているのか。
そもそも、本当に呼ばれているのか。ただの気のせいだという可能性もある。
しかし、始の足は止まらない。
ただただ、運命に導かれるように。
始は走り続けていた。
◆
全ての計画は、自分の思い通りに進んでいる。
気味が悪くなるほどに、自分の周囲の人間は自分に踊らされてくれている。
高町なのはと、シェルビー・M・ペンウッドは既に商店街に向かって歩き出した。
今自分の隣にいるのは、頭の悪そうな僧が一人。
自分はこいつと一緒に工場に向かって、首輪解除の手がかりを探す振りをすればいい。
後は、プレシアとかいう女と接触するチャンスさえ巡ってくれば――
「全てが俺の計画通りだ」
ククク、と。眼鏡をかけた青年――金居が、小さく笑う。
それに気づいた弁慶は、怪訝そうな表情を浮かべながら、金居に声をかけた。
「おい、何か言ったか?」
「ふふ……いや、何も言っちゃいないさ」
「気持ち悪い笑い浮かべやがって……不気味な奴だなぁ」
軽口を叩く弁慶に、苦笑いを浮かべながら、金居は対応する。
この程度で自分の計画が破綻するとは到底思えないが、念には念を入れておくのが金居という男。
漆黒の修行僧衣に身を包み、一振りの日本刀を携えた男もまた、このゲームの破綻を目的に集まった仲間。
といっても、その方法は金居とは大きく違っているのだが。
金居が目論むのは、プレシアの殺害による、ある意味ゲームの乗っ取りとも言える方法。
一方で弁慶が望むのは、純粋にプレシアを打倒し、皆でこのゲームから脱出しようというもの。
恐らくこのゲームに参加した対主催戦力の大半はこの弁慶と同じ選択したことだろう。
現にこれまで金居が出会った人物は、あの学生――柊かがみを除いて全員が純粋な対主催だ。
それ故に、金居は簡単に他者を自分のペースに乗せることが出来るのだ。
思い通りに事が進み過ぎている。それ故に、金居からは小さな微笑みは消えることは無い。
「それじゃあ、そろそろ工場目指して、出発しようか」
「なぁ、金居……あそこに誰かいるぞ」
「何……?」
弁慶に言われた金居は、そっと頭を上げ、その眼鏡を押し上げた。
色々と考え事をしていた為に弁慶よりも反応が遅れてしまったが―――これは間違いなく自分のミスだ。
次からは同じような事がないように注意しようと自分に誓いながら、金居はその視線を弁慶の見る方向へと向けた。
刹那、金居の表情が固まった。
あらゆる色が抜け落ちて、口元に浮かんでいた笑みは消えうせる。
そうだ。そこに立っていたのは。
「お前は……ジョーカー……!」
「カテゴリーキング!」
出会ってしまった。この会場で、ついに出くわしてしまった。
それは運命の悪戯か。目の前にいるのは、最も忌むべき存在。
奴こそは、この戦いの中で最も自分の計画の障害になるであろう男。
別に特別な因縁があるわけでも、どうしても戦いたかった相手という訳でもない。
いっそのこと勝手にのたれ死んでくれたって構わない。寧ろそっちの方が好都合だ。
ただ、最終的な目的であるバトルファイトにおいて、目の前の相手は邪魔な存在だということ。
恐らくはこの戦いの中でも、それは同じ事だろう。
きっと奴は邪魔になる。きっと奴とは相容れない。
だから戦うしかない。
この運命を呪うか、神に感謝するか。それは今後の奴の行動次第。
ここで何とか懐柔してしまうという道も、あるにはある。が、恐らくは不可能だろう。
何故ならば、奴がいずれ確実に自分の種族を脅かす敵になることだけは、明白な事実だから。
だから、この戦いの中で、確実に仕留めてしまいたいと思っていた事もまた事実。
この運命からは、どうしたって逃れることは出来ない。
それが、バトルファイトという戦いのルールなのだから。
「お、おい……ジョーカーってまさか……あいつが!?」
「ああ、そのまさかだ! 紛れもない、奴が死神ジョーカーだ!」
驚いた様子でジョーカーと自分を交互に見る弁慶に、金居は告げた。
間違いない。見間違える筈もない。
奴こそが、死神ジョーカー。相川始という名の人間の皮を被った、本物の悪魔だ。
出会ってしまった天敵に、金居がどう動くのか、それは誰にもわからない。
ただ一つだけ、二人にもわかっていることがある。
それは、奴の腹部が、赤い輝きを放っていたこと。
相川始の腹部で、赤い輝きはハートを模したベルトの姿を形成していたこと。
赤い輝きを灯したベルトの光は、確かに金居と弁慶の目にも届いていた。
【一日目 午前】
【現在地 D-4 学校前】
【金居@魔法少女リリカルなのはマスカレード】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、カードデッキの複製(タイガ)@リリカル龍騎、トランプ@なの魂、USBメモリ@オリジナル、砂糖1kg×9、ランダム支給品(未確認0~2)
【思考】
基本:プレシアの殺害。
1.目の前のジョーカーをどうするか……。
2.プレシアとの接触を試みる(その際に交渉して協力を申し出る。そして隙を作る)。
3.基本的に集団内に潜んで参加者を利用or攪乱する。強力な参加者には集団をぶつけて消耗を図る。
4.利用できるものは全て利用する。邪魔をする者には容赦しない。
5.工場に向かい、首輪を解除する手がかりを探す振りをする。
6.もしもラウズカード(スペードの10)か、時間停止に対抗出来る何らかの手段を手に入れた場合は容赦なくキングを殺す。
7.USBメモリの中身を確認したい(パソコンのある施設を探す)
【備考】
※このデスゲームにおいてアンデッドの死亡=カードへの封印だと思っています。
※最終的な目的はアンデッド同士の戦いでの優勝なので、ジョーカーもキングも封印したいと思っています。
※カードデッキ(龍騎)の説明書をだいたい暗記しました。
【武蔵坊弁慶@ゲッターロボ昴】
【状態】健康、トカゲ達(=アグモンとギルモン)を殺した者に対する怒り
【装備】閻魔刀@魔法少女リリカルなのはStirkers May Cry、修行僧衣@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは
【道具】支給品一式、S&W M500(5/5)@ゲッターロボ昴、パイロットスーツ@ゲッターロボ昴
【思考】
基本:殺し合いを止め、プレシアを打倒する(どうやって戦うかは考えていない)
1.あいつがジョーカー!?
2.工場に向かい、首輪を解除する手がかりを探す。
3.スバルと合流する。
4.軍事基地か地上本部に行き、ネオゲッターロボの所在を確かめる。
【備考】
※自分とスバル、ティアナ、隼人の4人は、ネオゲッターロボごとここに送り込まれたのだと思い込んでいます。
※隼人はプレシアによって殺された可能性が高いと思っています。
※金居から『恐竜達を殺したのは銀色の奴の可能性がある』『ペンウッドは銀色の奴と手を組んでいる可能性がある』という話を聞きました。
【相川始@魔法少女リリカルなのは マスカレード】
【状況】健康
【装備】ラウズカード(ハートのA~10)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、カリスラウザー
【道具】支給品一式、パーフェクトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【思考】
基本:栗原親子の元へ戻るために優勝を目指す。
1.目の前のカテゴリーキングを封印する
2.見つけた参加者は全員殺す(アンデットもしくはそれと思しき者は優先的に殺す)
3.ギンガとインテグラの二人には、出来る事ならもう会いたくはない。
4.あるのならハートのJ、Q、Kが欲しい。
5.俺は人間じゃない!
【備考】
※参戦時期はACT.5以前。なのは達の事は名前のみ天音より聞いた事がある(かもしれない)程度です。
※自身にかけられた制限にある程度気づきました。
※首輪を外す事は不可能だと考えています。
※「他のアンデットが封印されると、自分はバトルファイト勝者となるのではないか」という推論を立てました。
※相川始本人の特殊能力により、アンデットが怪人体で戦闘した場合、その位置をおおよそ察知できます。
※エネルという異質な参加者の存在から、このバトルファイトに少しだけ疑念を抱き始めました。
※ギンガとインテグラに対しては、どこか複雑な気持ちを抱いています。
始と金居が邂逅した、調度同じ頃。
ギンガとインテグラの二人は、ようやくD-4へと侵入していた。
これも全て始を止めるために。始を追いかけて、東へと走り続けた結果だ。
「ギンガ、この先には何がある?」
「確か……地図によれば、学校があったと思いますけど」
走りながら、ギンガの返事を聞いたインテグラは一言、そうかと呟いた。
その表情にはほんの少しの焦りが感じられた。
インテグラが言おうとしていた事は、ギンガにだってわかる。
もしも自分たちが追いつく前に、始が学校に到達したら。
もしも学校に戦いを避けるために逃げて来た人々が居たら。
きっとインテグラはそう言いたいのだろう。
だけど、ギンガはまだ知らない。
始が現在対峙している相手こそ、運命によって戦いを義務付けられた明確な敵であることに。
その相手こそ、自分達に―――そしてプレシアまでもをその毒牙に掛けようとする、悪しき存在であることに。
ギンガは何も知らないままに、ただ始の後を追って、学校へ向かっていた。
(始さん……貴方は絶対に、私が止めてみせる!)
始は自分に、「ありがとう」と、頭を下げた。
始は自分達を、いつでも殺せるチャンスがあったのに、それをしようとはしなかった。
間違いない、と。確信を持って言える。始の中には、確かに人間の心が宿っている。
きっと彼も、自分の中で何かと戦っているのだろう。
彼の中で、少しでも人間としての“強さ”が輝くのなら、ギンガは語りかける事を止めはしない。
自分を諦めるなと。自分の中の“弱さ”と、戦って戦って戦いぬけと、何度でも呼びかける。
その為に、ギンガは曲がらない信念を胸に、真っ直ぐに走り続ける。
運命とは、神の采配とも言える。また、運命は時に人々を試そうとする。
彼女達もまた、運命に試されるように走っているのかも知れない。
しかし、待ちうけているのがどんな運命であっても、彼女たちは迷いはしない。
もう迷わないと決めたから。もう逃げないと決めたから。
この広い会場の中、逃げも隠れもせず、運命に立ち向かう少女が、ここに一人。
魑魅魍魎が跋扈する、この地獄変―――
ギンガ・ナカジマは、ここに居る。
【一日目 午前】
【現在地 D-4 西側】
【ギンガ・ナカジマ@魔法妖怪リリカル殺生丸】
【状態】断髪、顔面に打撲(小)
【装備】コルト・ガバメント(7/7)@魔法少女リリカルなのは 闇の王女
【道具】支給品一式、童子切丸@ゲッターロボ昴、ゼクトバックル(ホッパー)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、
ランダム支給品0~2(確認済)
【思考】
基本:この殺し合いを止め、プレシアを逮捕する。
1.何としても始さんを食い止める!
2.殺生丸さんが繋いでくれたこの命……絶対に無駄にはしない!
3.インテグラを護衛し、アーカードを捜索する。
4.できる事なら誰も殺したくはない。
5.可能ならば、六課の仲間達(特にスバル)とも合流したい。
【備考】
※なのは(A's)、フェイト(A's)、はやて(A's)、クロノの4人が、過去から来た事、
また一部の参加者はパラレルワールドから来た人間である事に気付きました。
※「このバトルロワイアルにおいて有り得ない事は何一つない」という持論を持ちました。
※制限に気がつきました。
※インテグラがいなくなった後のアーカードに恐怖を抱き始めました。
※アーカードを暴走させないためにも何としてもインテグラを守るつもりです。
※童子切丸@ゲッターロボ昴は既にぼろぼろで、戦闘には使えません。
※始がカリスであることを知りました。
※プレシアが「吸血鬼の技術を応用して死者を復活させたように見せた」という可能性に気付きました。
※プレシアのバックには何らかの組織が関わっていると考えています。
※始は人間として生きられると考えています。
【インテグラル・ファルブルケ・ヴィンゲーツ・ヘルシング@NANOSING】
【状態】全身に軽い火傷(応急処置済)
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:この殺し合いを止め、プレシアを叩きのめす。
1.まずは目下の問題である始を食い止める。
2.始をなんとかした後は、アーカードの捜索を再開。発見し、指揮下に置く。
3.できる事なら犠牲は最小限に留めたいが、向かってくる敵は殺す。
【備考】
※同行しているギンガが自分の知るミッドチルダに住む人間ではない事、
一部の参加者はパラレルワールドから来た人間である事を把握しました。
※アーカードは参加者に施されているであろう制限の外にあると思っています。
※プレシアが「吸血鬼の技術を応用して死者を復活させたように見せた」という可能性に気付きました。
※プレシアのバックには何らかの組織が関わっていると考えています。
※このゲームにはアーカード並の不死性を持つ参加者が他にも居ると考えています。
|Back:[[Don't lose yourself(前編)]]|時系列順で読む|Next:[[XANADO]]|
|~|投下順で読む|Next:[[そんな運命]]|
|~|インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲート・ヘルシング|Next:|
|~|ギンガ・ナカジマ|Next:|
|~|相川始|Next:|
|~|金居|Next:|
|~|武蔵坊弁慶|Next:|
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*Don't lose yourself(後編)◆gFOqjEuBs6
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それから一時間ほどの時間を置いて、始は再び意識を取り戻していた。
ギンガが用意したパンをがつがつと食べる始の体調は、最早完全回復と言っても良いほどだった。
当初は人間の食べ物は食べないのでは、などと懸念してはいたものの、特にそんな様子も見せない。
恐らく始は人間に極めて近い存在なのだろう。
いや、もしかするとただ血が緑色で、回復力が強いだけの人間なのかもしれない。
実際にインテグラはそんな人間と会ったことがある。13課――イスカリオテの戦士。
このゲームにも参加させられている、アレクサンド・アンデルセン神父だ。
もしかしたらこの男は、彼のような改造人間ともいうべき存在なのかも知れない。
起きてからがつがつとパンを貪るばかりで、何も言おうとはしない始に痺れを切らしたインテグラが、その口を開いた。
「もう治ったのか? しぶとい奴だな」
「人間の薬が効いた」
「人間の薬……か。まるでお前は人間ではないとでも言っているような言葉だな」
「そう言ったんだ」
「ほう……」
インテグラの視線が、始を突き刺すように睨む。
要は、この男もやはり吸血鬼や妖怪と同じ、化け物(フリークス)だという事だ。
始とインテグラの視線が交差するなか、この状況を余り宜しくないと判断したのか、ギンガが言葉を続ける。
「そういえば……貴方の名前は?」
「相川始」
「始さん……ですね。教えてくれますか? 貴方の身体の事を」
「見ての通りだ。俺は人間じゃない。」
「ならば相川始……お前の種族は?」
「アンデッドだ」
「何?」
すらすらと答える始の言葉に、インテグラは怪訝な表情を浮かべた。
こいつがアンデッドだと? あの、吸血鬼やグールといった不死の化け物の、アンデッドだと言いたいのか?
馬鹿馬鹿しい。緑の血のアンデッドなど聞いたこともない。
「お前の何処がアンデッドだというんだ」
「言葉の通りだ。俺は死なない。だから不死生物(アンデッド)なんだ」
「死なない……? どんなに身体をボロボロにされても、ですか?」
「そうだ。アンデッドを倒すには封印するしか方法はない」
◆
始は、自分の世界での出来事を、ギンガ達に話し始めた。
自分たちは一万年前からこの地球上で戦い続けているアンデッドだと。
その戦いの勝者の種族がこの地球上で繁栄を謳歌し、敗者はただカードに封印されると。
しかし、ギンガ達に驚いている時間など与えられず。
それだけ話すと、始は既にデイバッグ片手に立ち上がり、ベージュのコートを羽織っていた。
「あの……何処へ行くんですか!?」
「わからない。俺は俺の戦いを続ける」
「もし良ければ、私達と一緒に―――」
「それは無理だよ」
始の言葉に、ギンガはえ?と呟き、始を見つめた。
「俺には全ての参加者を殺して、帰るべき場所がある。
さっき君達が逃げられたのだって、たまたまだ」
「さっき……?」
さっき、とは一体いつの話をしているのだ。自分は今初めて始さんと話しているのに。
それはつまりここで話す前に、何処かで出会ったということだろうか?
しかし、逃げられたとはどういうことだ。
まるで一度自分達と戦っているとでも言いたげな台詞に聞こえる。
ギンガは再び思考する。
自分は今まで誰に襲われた? エネルと、あの黒い鎧の戦士。その二人だけ。
ふと、ギンガの表情から、色が無くなっていった。
「まさか……黒い鎧の……」
「でも……君のお陰で助かった」
「え……」
「ありがとう」
始は最後に一度だけ振り向くと、ギンガに向かって頭を下げた。
つまり、今始さんが自分達に情報を教えてくれたのは、治療をしてくれたせめてもの恩返しだとでも言いたいのか?
冗談じゃない。いくら情報を教えてくれたって、その一方で人を殺されては話にならない。
自分は何としても、彼の行動を止めなければならない。
踵を返して、一歩一歩と入口へと歩いて行く始に、ギンガは再び呼びかけた。
「待って……待って下さい!」
「まだ何かあるのか?」
「貴方はこの戦いで、誰かを殺したんですか!?
キャロは……ピンクの髪の女の子は!」
「これから全員殺す」
「なら、何故今私たちを襲わないんですか!」
「……次会った時は、君たちも殺す」
「なんで……! どうしてそんな、人間らしさを持ってる貴方が、平気で人を殺せるんですか!?
貴方はまだ引き返せる! 人殺しなんて絶対にさせない!」
「俺は人間じゃない」
ギンガがどれだけ呼びかけても、始は一言で切り返す。
その瞳には一切の迷いは感じられない。どうあっても修羅の道を進むつもりなのだろう。
しかし、それをさせてはギンガの思いは早くも折れてしまったということになる。
させるものか、そんなこと。絶対に、人殺しなんてさせるものか。
気付いた時には、始は走り出していた。
ギンガやインテグラを振り切る為に、この医務室を飛び出して、外の世界へと飛び出していた。
ギンガもすぐに追いかけようとするが、その前にインテグラの様子を確認しない事には動きだせない。
それ故にデイバッグを掴んだギンガは、力強くインテグラの名を呼んだ。
「インテグラル卿……!」
「私はもう大丈夫だ。ギンガ、奴を追いかけるのか?」
そうだ。急いで追いかけて、始さんを引き戻さないと、より多くの人が死んでしまう。
偶然とは言え、ここまで彼は誰も殺さなかったのだ。そんな彼を、みすみす人殺しになどしてなるものか。
殺生丸に誓ったこの思い、こんなところで諦めてなるものか。
「はい! 絶対に、あの人は私達で止めないと……また人が死んでしまいます!」
「良い返事だ。ならば迷っている暇は――」
「迷ってる間に人が死んでいくなら、私はもう迷いません。
戦うことが罪なら、私はそれ背負って戦います!」
「――上等だ。益々気に入った! 行くぞ、ギンガ!」
インテグラが言い終えるのを待つ間もなく、ギンガはその思いをぶつけた。
その為に始との戦いが避けては通れない道だというなら、自分は始と戦ってでも彼を止める覚悟がある。
きっと殺生丸がもし自分と同じ志を抱いていてくれたならば、自分と同じ道を選んだ筈だ。
だから自分は、まずは始を追いかけて、何としてでも殺人をやめさせる。
放っておけば殺し合いを続けるのならば、彼もまたアーカードと同じだ。
自分たちが止める必要がある。そして、残った皆でこのゲームから脱出する。
それがギンガと、インテグラの選んだ道。
幸い、始はまだ遠くには行っていない。今追いかければ追いつける筈だ。
ギンガとインテグラもまた、すぐに医務室を飛び出して、走りだしていた。
◆
「俺は人間じゃない……人間らしさなんて、あり得ない……」
始は一人、疾走しながら先刻ギンガに言われた言葉を否定していた。
ギンガは言った。自分は人間らしさを持っていると。まだ引き返せると。
しかし、それでは意味がない。引き返したところで、あの家族の元に帰れるとは限らないのだから。
故に始は疾走する。全ての参加者を殺すために。あの家族を守り続けるために。
始は気付かない。あの家族を守りたいというこの感情こそが、既に人間らしさに繋がっているという事に。
始は気付かない。チャンスは十分あったのに、さっきの二人を殺さなかったのは、始の中の人間の心の所為だという事に。
始は気付かない。ギンガに対して何気なく言った、感謝の言葉。「ありがとう」と。
そんなたった5文字の言葉の中に、人間としての温もりが込められていたことに。
故に始は自分に言い聞かせる。「俺は人間じゃない」と。心の中の自分に、何度も何度も。
どこかで、人間としての心に戸惑う自分が居る事にも気付かずに。
既に自分の中での戦いは始まっている事にも気付かずに。
何もかもに気付かないまま、始はただひたすら、本能の赴くままに東へと疾走する。
その先に何があるのかはわからない。
ただ、何かに呼ばれているような気がするのだ。
何に呼ばれているのか。何故呼ばれているのか。
そもそも、本当に呼ばれているのか。ただの気のせいだという可能性もある。
しかし、始の足は止まらない。
ただただ、運命に導かれるように。
始は走り続けていた。
◆
全ての計画は、自分の思い通りに進んでいる。
気味が悪くなるほどに、自分の周囲の人間は自分に踊らされてくれている。
高町なのはと、シェルビー・M・ペンウッドは既に商店街に向かって歩き出した。
今自分の隣にいるのは、頭の悪そうな僧が一人。
自分はこいつと一緒に工場に向かって、首輪解除の手がかりを探す振りをすればいい。
後は、プレシアとかいう女と接触するチャンスさえ巡ってくれば――
「全てが俺の計画通りだ」
ククク、と。眼鏡をかけた青年――金居が、小さく笑う。
それに気づいた弁慶は、怪訝そうな表情を浮かべながら、金居に声をかけた。
「おい、何か言ったか?」
「ふふ……いや、何も言っちゃいないさ」
「気持ち悪い笑い浮かべやがって……不気味な奴だなぁ」
軽口を叩く弁慶に、苦笑いを浮かべながら、金居は対応する。
この程度で自分の計画が破綻するとは到底思えないが、念には念を入れておくのが金居という男。
漆黒の修行僧衣に身を包み、一振りの日本刀を携えた男もまた、このゲームの破綻を目的に集まった仲間。
といっても、その方法は金居とは大きく違っているのだが。
金居が目論むのは、プレシアの殺害による、ある意味ゲームの乗っ取りとも言える方法。
一方で弁慶が望むのは、純粋にプレシアを打倒し、皆でこのゲームから脱出しようというもの。
恐らくこのゲームに参加した対主催戦力の大半はこの弁慶と同じ選択したことだろう。
現にこれまで金居が出会った人物は、あの学生――柊かがみを除いて全員が純粋な対主催だ。
それ故に、金居は簡単に他者を自分のペースに乗せることが出来るのだ。
思い通りに事が進み過ぎている。それ故に、金居からは小さな微笑みは消えることは無い。
「それじゃあ、そろそろ工場目指して、出発しようか」
「なぁ、金居……あそこに誰かいるぞ」
「何……?」
弁慶に言われた金居は、そっと頭を上げ、その眼鏡を押し上げた。
色々と考え事をしていた為に弁慶よりも反応が遅れてしまったが―――これは間違いなく自分のミスだ。
次からは同じような事がないように注意しようと自分に誓いながら、金居はその視線を弁慶の見る方向へと向けた。
刹那、金居の表情が固まった。
あらゆる色が抜け落ちて、口元に浮かんでいた笑みは消えうせる。
そうだ。そこに立っていたのは。
「お前は……ジョーカー……!」
「カテゴリーキング!」
出会ってしまった。この会場で、ついに出くわしてしまった。
それは運命の悪戯か。目の前にいるのは、最も忌むべき存在。
奴こそは、この戦いの中で最も自分の計画の障害になるであろう男。
別に特別な因縁があるわけでも、どうしても戦いたかった相手という訳でもない。
いっそのこと勝手にのたれ死んでくれたって構わない。寧ろそっちの方が好都合だ。
ただ、最終的な目的であるバトルファイトにおいて、目の前の相手は邪魔な存在だということ。
恐らくはこの戦いの中でも、それは同じ事だろう。
きっと奴は邪魔になる。きっと奴とは相容れない。
だから戦うしかない。
この運命を呪うか、神に感謝するか。それは今後の奴の行動次第。
ここで何とか懐柔してしまうという道も、あるにはある。が、恐らくは不可能だろう。
何故ならば、奴がいずれ確実に自分の種族を脅かす敵になることだけは、明白な事実だから。
だから、この戦いの中で、確実に仕留めてしまいたいと思っていた事もまた事実。
この運命からは、どうしたって逃れることは出来ない。
それが、バトルファイトという戦いのルールなのだから。
「お、おい……ジョーカーってまさか……あいつが!?」
「ああ、そのまさかだ! 紛れもない、奴が死神ジョーカーだ!」
驚いた様子でジョーカーと自分を交互に見る弁慶に、金居は告げた。
間違いない。見間違える筈もない。
奴こそが、死神ジョーカー。相川始という名の人間の皮を被った、本物の悪魔だ。
出会ってしまった天敵に、金居がどう動くのか、それは誰にもわからない。
ただ一つだけ、二人にもわかっていることがある。
それは、奴の腹部が、赤い輝きを放っていたこと。
相川始の腹部で、赤い輝きはハートを模したベルトの姿を形成していたこと。
赤い輝きを灯したベルトの光は、確かに金居と弁慶の目にも届いていた。
【一日目 午前】
【現在地 D-4 学校前】
【金居@魔法少女リリカルなのはマスカレード】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、カードデッキの複製(タイガ)@リリカル龍騎、トランプ@なの魂、USBメモリ@オリジナル、砂糖1kg×9、ランダム支給品(未確認0~2)
【思考】
基本:プレシアの殺害。
1.目の前のジョーカーをどうするか……。
2.プレシアとの接触を試みる(その際に交渉して協力を申し出る。そして隙を作る)。
3.基本的に集団内に潜んで参加者を利用or攪乱する。強力な参加者には集団をぶつけて消耗を図る。
4.利用できるものは全て利用する。邪魔をする者には容赦しない。
5.工場に向かい、首輪を解除する手がかりを探す振りをする。
6.もしもラウズカード(スペードの10)か、時間停止に対抗出来る何らかの手段を手に入れた場合は容赦なくキングを殺す。
7.USBメモリの中身を確認したい(パソコンのある施設を探す)
【備考】
※このデスゲームにおいてアンデッドの死亡=カードへの封印だと思っています。
※最終的な目的はアンデッド同士の戦いでの優勝なので、ジョーカーもキングも封印したいと思っています。
※カードデッキ(龍騎)の説明書をだいたい暗記しました。
【武蔵坊弁慶@ゲッターロボ昴】
【状態】健康、トカゲ達(=アグモンとギルモン)を殺した者に対する怒り
【装備】閻魔刀@魔法少女リリカルなのはStirkers May Cry、修行僧衣@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは
【道具】支給品一式、S&W M500(5/5)@ゲッターロボ昴、パイロットスーツ@ゲッターロボ昴
【思考】
基本:殺し合いを止め、プレシアを打倒する(どうやって戦うかは考えていない)
1.あいつがジョーカー!?
2.工場に向かい、首輪を解除する手がかりを探す。
3.スバルと合流する。
4.軍事基地か地上本部に行き、ネオゲッターロボの所在を確かめる。
【備考】
※自分とスバル、ティアナ、隼人の4人は、ネオゲッターロボごとここに送り込まれたのだと思い込んでいます。
※隼人はプレシアによって殺された可能性が高いと思っています。
※金居から『恐竜達を殺したのは銀色の奴の可能性がある』『ペンウッドは銀色の奴と手を組んでいる可能性がある』という話を聞きました。
【相川始@魔法少女リリカルなのは マスカレード】
【状況】健康
【装備】ラウズカード(ハートのA~10)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、カリスラウザー
【道具】支給品一式、パーフェクトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【思考】
基本:栗原親子の元へ戻るために優勝を目指す。
1.目の前のカテゴリーキングを封印する
2.見つけた参加者は全員殺す(アンデットもしくはそれと思しき者は優先的に殺す)
3.ギンガとインテグラの二人には、出来る事ならもう会いたくはない。
4.あるのならハートのJ、Q、Kが欲しい。
5.俺は人間じゃない!
【備考】
※参戦時期はACT.5以前。なのは達の事は名前のみ天音より聞いた事がある(かもしれない)程度です。
※自身にかけられた制限にある程度気づきました。
※首輪を外す事は不可能だと考えています。
※「他のアンデットが封印されると、自分はバトルファイト勝者となるのではないか」という推論を立てました。
※相川始本人の特殊能力により、アンデットが怪人体で戦闘した場合、その位置をおおよそ察知できます。
※エネルという異質な参加者の存在から、このバトルファイトに少しだけ疑念を抱き始めました。
※ギンガとインテグラに対しては、どこか複雑な気持ちを抱いています。
始と金居が邂逅した、調度同じ頃。
ギンガとインテグラの二人は、ようやくD-4へと侵入していた。
これも全て始を止めるために。始を追いかけて、東へと走り続けた結果だ。
「ギンガ、この先には何がある?」
「確か……地図によれば、学校があったと思いますけど」
走りながら、ギンガの返事を聞いたインテグラは一言、そうかと呟いた。
その表情にはほんの少しの焦りが感じられた。
インテグラが言おうとしていた事は、ギンガにだってわかる。
もしも自分たちが追いつく前に、始が学校に到達したら。
もしも学校に戦いを避けるために逃げて来た人々が居たら。
きっとインテグラはそう言いたいのだろう。
だけど、ギンガはまだ知らない。
始が現在対峙している相手こそ、運命によって戦いを義務付けられた明確な敵であることに。
その相手こそ、自分達に―――そしてプレシアまでもをその毒牙に掛けようとする、悪しき存在であることに。
ギンガは何も知らないままに、ただ始の後を追って、学校へ向かっていた。
(始さん……貴方は絶対に、私が止めてみせる!)
始は自分に、「ありがとう」と、頭を下げた。
始は自分達を、いつでも殺せるチャンスがあったのに、それをしようとはしなかった。
間違いない、と。確信を持って言える。始の中には、確かに人間の心が宿っている。
きっと彼も、自分の中で何かと戦っているのだろう。
彼の中で、少しでも人間としての“強さ”が輝くのなら、ギンガは語りかける事を止めはしない。
自分を諦めるなと。自分の中の“弱さ”と、戦って戦って戦いぬけと、何度でも呼びかける。
その為に、ギンガは曲がらない信念を胸に、真っ直ぐに走り続ける。
運命とは、神の采配とも言える。また、運命は時に人々を試そうとする。
彼女達もまた、運命に試されるように走っているのかも知れない。
しかし、待ちうけているのがどんな運命であっても、彼女たちは迷いはしない。
もう迷わないと決めたから。もう逃げないと決めたから。
この広い会場の中、逃げも隠れもせず、運命に立ち向かう少女が、ここに一人。
魑魅魍魎が跋扈する、この地獄変―――
ギンガ・ナカジマは、ここに居る。
【一日目 午前】
【現在地 D-4 西側】
【ギンガ・ナカジマ@魔法妖怪リリカル殺生丸】
【状態】断髪、顔面に打撲(小)
【装備】コルト・ガバメント(7/7)@魔法少女リリカルなのは 闇の王女
【道具】支給品一式、童子切丸@ゲッターロボ昴、ゼクトバックル(ホッパー)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、
ランダム支給品0~2(確認済)
【思考】
基本:この殺し合いを止め、プレシアを逮捕する。
1.何としても始さんを食い止める!
2.殺生丸さんが繋いでくれたこの命……絶対に無駄にはしない!
3.インテグラを護衛し、アーカードを捜索する。
4.できる事なら誰も殺したくはない。
5.可能ならば、六課の仲間達(特にスバル)とも合流したい。
【備考】
※なのは(A's)、フェイト(A's)、はやて(A's)、クロノの4人が、過去から来た事、
また一部の参加者はパラレルワールドから来た人間である事に気付きました。
※「このバトルロワイアルにおいて有り得ない事は何一つない」という持論を持ちました。
※制限に気がつきました。
※インテグラがいなくなった後のアーカードに恐怖を抱き始めました。
※アーカードを暴走させないためにも何としてもインテグラを守るつもりです。
※童子切丸@ゲッターロボ昴は既にぼろぼろで、戦闘には使えません。
※始がカリスであることを知りました。
※プレシアが「吸血鬼の技術を応用して死者を復活させたように見せた」という可能性に気付きました。
※プレシアのバックには何らかの組織が関わっていると考えています。
※始は人間として生きられると考えています。
【インテグラル・ファルブルケ・ヴィンゲーツ・ヘルシング@NANOSING】
【状態】全身に軽い火傷(応急処置済)
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:この殺し合いを止め、プレシアを叩きのめす。
1.まずは目下の問題である始を食い止める。
2.始をなんとかした後は、アーカードの捜索を再開。発見し、指揮下に置く。
3.できる事なら犠牲は最小限に留めたいが、向かってくる敵は殺す。
【備考】
※同行しているギンガが自分の知るミッドチルダに住む人間ではない事、
一部の参加者はパラレルワールドから来た人間である事を把握しました。
※アーカードは参加者に施されているであろう制限の外にあると思っています。
※プレシアが「吸血鬼の技術を応用して死者を復活させたように見せた」という可能性に気付きました。
※プレシアのバックには何らかの組織が関わっていると考えています。
※このゲームにはアーカード並の不死性を持つ参加者が他にも居ると考えています。
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