「突っ走る女」(2011/02/17 (木) 10:38:44) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
*突っ走る女 ◆HlLdWe.oBM
赤い血に染まったかのような夕日が沈む事でデスゲームの会場も再び夜となった。
夕日に代わって満月が煌々と輝く天に対して、血で血を争う地には暗い影が広がっている。
そんな闇の時間へと移行した会場の東方に位置するホテル・アグスタから少し離れた林の中。
月の光さえ満足に通らない林の中で一際暗く影を漂わせている場所があった。
そこには薄汚れたベージュ色のコートを着た一人の男が木に腕を付いて荒く息を吐いていた。
(……俺は何がしたいんだ?)
その男――闇の狩人ジョーカーである相川始は悩んでいた。
きっかけは先程おこなわれた3回目の定時放送。
なぜか放送の主はプレシアではなかったが、今の始にはどうでもよかった。
それ以上に始は放送を聞いた自分の心境に戸惑っていたからだ。
参加者をミラーワールドに引きずり込み、二人の生贄を無残に殺して新たな殺し合いを目論んだ狂人、浅倉威。
彼の死に僅かな安堵を。
ギンガが気にかけていて、川岸に追い詰めたものの突然の禍々しさのせいで殺せなかった少女、キャロ・ル・ルシエ。
まだ一度も会った事はなかったが、天音の友人だったかもしれない少女、フェイト・T・ハラオウン。
彼女達の死にはいささかの哀悼を。
ふと放送を聞き終えた時、それぞれ異なった感情をいつのまにか抱いている自分に気付いたのだ。
そして、その感情は気のせいか前回の放送よりも強い感情のように思えた。
(……俺はジョーカーだぞ!?)
最初はここにいる全員を殺して栗原親子の元へ帰る事が唯一の目的だった。
だからこそ出会った参加者を次々と襲い続けていた。
だがあの神を自称するエネルという参加者の存在を知った時、始の中でこのバトルファイトに対して拭いきれない疑念が生じた。
いや、それがそもそも間違いだったのか。
これはバトルファイトの延長ではなく、ただプレシアが引き起こしたイレギュラーな事態。
それなら別にここで優勝しようがどうしようが、本来のバトルファイトに影響はないのではないか。
本当はそれを口実に目を背けようとしていただけではないのか。
(それがどうした! もう俺は……)
だが今の始は傍目からそれとなく分かるほどとても危うい状態だ。
ミラーワールドでのジョーカー化はこちらに戻った事で一応解決した。
もしもあのまま戦い続けていれば今の始は既にいなくなっていただろう。
それほどまでに今ではジョーカー化の欲求を抑えるのが苦しくなっているのだ。
今も放送を聞いただけで胸の奥で先程の感情とは別にどす黒い感情が蠢いている。
だが本来なら1日も経たないうちにここまでジョーカー化の欲求が強まるのは異常だった。
どうやらここに来てから感情の揺れ幅が大きくなりやすい気もする。
それはもしかして殺し合いを促進するためにプレシアが仕掛けた細工か、あるいは――。
(とにかく今は誰にも会わない方がいい)
だが今の始にとって真相は二の次。
こうして人気を避けているのも全ては今この状態で誰かに会えば自分を抑えきれるか自信がなかったからだ。
だから一度ホテルから離れて心を静めているのだ。
だが、そんな状態だからこそ始はすぐに気付けなかった。
「――――ッ!?」
自らに迫り来る鋼鉄の脅威に――。
【1日目 夜】
【現在地 F-9 ホテル・アグスタから伸びる道路上】
【相川始@魔法少女リリカルなのは マスカレード】
【状態】疲労(小)、背中がギンガの血で濡れている、言葉に出来ない感情、苦悩、ジョーカー化への欲求徐々に増大
【装備】ラウズカード(ハートのA~10)@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【道具】支給品一式×2、パーフェクトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、録音機@なのは×終わクロ
【思考】
基本:皆殺し?
0.――――。
1.生きる為に戦う?
2.アンデッドの反応があった場所は避けて東に向かう。
3.エネル、赤いコートの男(=アーカード)を優先的に殺す。アンデッドは……。
4.アーカードに録音機を渡す?
5.どこかにあるのならハートのJ、Q、Kが欲しい。
6.ギンガの言っていたスバルや他の2人(なのは、はやて)が少し気になる(ギンガの死をこのまま無駄に終わらせたくはない)。彼女達に会ったら……?
【備考】
※ジョーカー化の欲求に抗っています。しかし再びジョーカーになれば自分を抑える自信はありません。
※首輪の解除は不可能と考えています。
※赤いコートの男(=アーカード)がギンガを殺したと思っています。
※主要施設のメールアドレスを把握しました(図書館以外のアドレスがどの場所のものかは不明)。
▼ ▼ ▼
ホテル・アグスタ1階ロビー。
そこは一廉のホテルに相応しくソファーが備え付けられ、荘厳な意匠が凝らされた柱が視界を妨げない程度に立てられた空間。
本来なら来客を穏やかに迎え入れるはずの玄関だが、残念ながら今ロビーにいる二人の様子は穏やかとは程遠かった。
「もうすぐ放送か……今度もまた……」
死者と禁止エリアを告げる定期放送まであと数分。
緊張した空気が漂う薄暗いロビーに1組の赤い服を身に付けた男女、金髪トンガリ頭に真紅のコートのヴァッシュ・ザ・スタンピードと紫髪サイドポニーに真紅のセーターの柊かがみはいた。
だが放送を待っているはずの二人の様子は同じようで少し違っていた。
ロビーに漂う空気と同じように暗くなり気味のヴァッシュに対してかがみの心中は穏やかではなかった。
(浅倉の奴、絶対私が殺してやるんだから!!!)
自らの片割れとも言うべき双子の妹である柊つかさを目の前で殺された今のかがみの心中にあるのは『復讐』の二文字のみ。
今も目を閉じればあの時の惨劇を鮮明に思い出してしまう。
メタルゲラスに両足をつかまれて傷つきながらも必死に助けを求めていたつかさ。
その目の前で何もできずにただつさかが真っ二つに引き裂かれて殺される様を見ているしかできなかった自分。
それが罪とばかりにつかさだったものから降り注ぐつかさの体液。
あの凄惨という言葉が生ぬるいほどの光景は生涯忘れる事はないだろう。
残念ながら今はまともに戦う術がないので大人しくしているが、そうでなければ今頃憎き仇を探し回っていたに違いない。
(それにしてもさっきまでのこいつ誰かに似ていたような……ああ、騒がしいところがゆいさんに似ているのね)
かがみはソファーに座って顔を落としているヴァッシュの様子を見ながら一人で納得していた。
成実ゆい。
かがみの親友である泉こなたの従姉であり、後輩の小早川ゆたかの実姉に当たる。
苗字が違うのは既婚者だからである。
いつも騒がしくテンションが高い人だが、そういうところがどこかヴァッシュと似ているのだ。
(どこにでもいるのね、こういう人って。そういえばこなたは今どこで何しているのかしら……)
▼ ▼ ▼
整然と立ち並ぶ林の中で綺麗にホテルまで続いている不自然な一本道。
その道が不自然に思えるのはそこだけ何か得体のしれない力で消されたかのようになっているからだろう。
道と林の境界付近の木々は揃いも揃って普通ではありえないほど綺麗な切断面を見せつけていて不自然さに拍車をかけていた。
そんな不自然な道に最大限の注意を払って進む二人の青髪の少女、背が高く短髪なスバル・ナカジマと背が低く長髪な泉こなたがいた。
「スバル、やっぱりあの天使さんも参加者なのかな?」
「…………」
「ん? スバル?」
「あ、ああ、たぶんそうじゃないかな……」
スバルはホテル・アグスタの屋上に降り立った天使の姿から一人の人物を連想していた。
少し遠目ではあったが、あの時見えた天使は金髪で赤いコートを纏っていた気がする。
それによって連想する人物はヴァッシュ・ザ・スタンピード。
チンク曰く、危険人物。
もし本当ならこれからスバル達の向かう先は安全ではなく、危険な場所である可能性が極めて高い。
そのホテルにこなたを連れて向かう事にスバルは若干危惧を抱いていた。
戦場になるかもしれない場所にこなたを連れて行って、こなたまで危険な目に遭わせるのではないかと。
幸いな事に天使を発見した時の位置関係からこなたはスバルの影に隠れていた形になっていた。
だからこなたを待たせて一人で行けば共倒れの危険性はなくなる。
しかも道すがらクロスミラージュの状態を念入りに調べていたリインからは芳しくない診断結果を聞いていた。
――残念ですけど基礎構造部分に致命的な破損がありますね。
――専門の場所で修理すれば修復できるかもしれないが、今のままだと正直なところ自動修復もままならない状態です。
――もし万が一この状態で使用すれば、おそらくそれがクロスミラージュの最期になるでしょう。
つまり今のスバルの力は相変わらず満足に発揮できない状態なのだ。
スバルとこなたが調べた範囲でデュエルアカデミアに気になる物はなかった事はすでにお互い確認済みだったが、あそこにはまだ幾つか荷物が放置したままだ。
危険地帯かもしれないホテルは後回しにして、一度をデュエルアカデミア跡地に戻るという選択肢もありだ。
だがそんなスバルの弱気な心の内を察したのか隣を歩くこなたは声をかけるのだった。
「大丈夫だよ」
「え?」
「自分の身は自分で守るからさ。スバルは自分がするべき事をすればいいと思うよ」
こなたの言葉は弱気になりかけていたスバルを落ち着かせるものだった。
これではどちらがしっかりしているの分かったものではない。
死んでしまった者達の為にも生きている自分達は前に進むと決めたスバルが返す答えなど決まっている。
「……うん!」
迷いは晴れた。
▼ ▼ ▼
そして運命の悪戯と共に出会いはいつも突然に。
「かがみさん!?」
「ス、スバルッ……ヴァッシュ、あ、あいつが私を! いや、た、助けて!!!」
「――ッ、こんな時に!」
そして銃声と共に別れもまた唐突に。
▼ ▼ ▼
一瞬にして先程よりさらに緊迫した空気が漂い始めたロビー。
その緊張した空間のソファーや柱を挟んでスバルとヴァッシュは膠着状態にあった。
(一応念のためと言って先に様子を見に来て正解だったか。まさかかがみさんがいて、その上危険人物のヴァッシュと手を組んでいたなんて……)
いつかは再び対峙しなければいけないと思っていたが、さすがにこの状況下では厳しすぎた。
危険人物二人が手を組んで、話し合う暇もないまま銃撃されるこの状況ではいくらスバルでもこなたを守りきる自信はない。
今まで別行動で良い経験がなかったが、今回に限っては安全確認のために一人で先に入って正解と言えよう。
(でもいつまでもこのままの状態が続くのは好ましくない。どこかで隙を見て一度戻った方がいいかな)
ヴァッシュが放った銃弾はギリギリ避けられたが、あの早撃ちを見る限り相当銃の扱いに長けているようだ。
今のように距離が開いた状態で銃を持った相手に対して接近戦が得意なスバルは圧倒的に不利だ。
決着を焦ればまず間違いなくスバルに勝機はなく、ゆえにここは一度戦線離脱した方がいいとスバルは考え始めたのだ。
スバルが離脱の隙を窺っていた時を同じくして、ヴァッシュもまた転機を窺っていた。
(かがみさんには避難してもらったから、あとはスバルを抑えるだけか)
既に保護対象であるかがみには念のため装甲車の鍵を渡して地下の駐車場に避難してもらっておいた。
あそこに駐車してあった装甲車の中なら万が一の事態でも安全だと考えたからだ。
(威嚇のつもりだったけど、あの初撃を避けた動作は大したものだな。でも怪我していたみたいだからなんとかなるかな)
あとはタイミングを見計らって相手を制圧するだけ。
だが突然の邂逅に対処するあまりスバルもヴァッシュも大事な事を忘れていた。
そしてそれを思いださせるかのように時計の針は12と6を指す。
『こんばんは。これより18時をお伝えすると同時に、第3回目の定期放送を行いたいと思います』
二人の膠着状態を破るかの如く無慈悲な放送は始まった。
▼ ▼ ▼
新庄・運切の訃報――それはヴァッシュにとってまさしく青天の霹靂だった。
新庄・運切という少年はヴァッシュにとって少し特別な存在だった。
出会いは大した事ない普通なものだった。
傷心の内に沈んでいた自分の前に現われてまず初めにこの身体を心配してくれた。
そう、始まりは本当に何でもない事だった。
ただその気遣いがとても嬉しかった。
それからしばらく黙って隣に座っていてくれた。
もしかしたら死なせてしまうかもしれないと言ったのに、それでも放っておけないと言って一緒にいてくれた。
それが少し心地よかった。
そんな新庄君だからこそ自分を死なせないために無謀とも言える提案をやってのけたのだ。
このままではいつか自分が思いつめて死んでしまうと気付いたから。
多大な危険と隣り合わせだったが、それなりの算段はあった。
新庄君からの提案だったとはいえエネルは自分の力に恐怖を覚えていたはずだ。
実際新庄君が止めなければエネルの死は確実だったので、一見無謀にも見えた策だが効果は絶大に思えた。
だから新庄君の身は自分が生きている間は大丈夫だと思い込んでいた。
だがそんなある意味楽観的な考えはあっけなく砕かれてしまった。
「……ぁ……ぅあ」
誰のせいだ?
誰のせいでもない。
全ては自分のせいだ。
自分の甘い考えが新庄運切という一つの命が散る原因となった。
少なくともヴァッシュ自身はこの時そう思っていた。
そして、無意識の内に心に広がる罪の意識はヴァッシュをさらに苛み始めていた。
「……っ……え?」
不意に失意に沈みこむヴァッシュの上に影が差した。
誰かがヴァッシュの前に立ったせいで人影が光を遮ったのだ。
当然誰が立っているのか確認するために顔を上げないといけないのだが、なぜかそれは躊躇われた。
不思議とスバルではない確信があったので急がなくてもいいが、そういう問題ではない気がする。
ここで顔を上げたら取り返しの付かない事になってしまうような、そんな気がしたのだ。
だがいつまでもこうしているわけにもいかない。
意を決して気力を奮い立たせたヴァッシュが顔を上げると、一人の男と目が合った。
「――ナ、ナイブズッ!?」
ヴァッシュの目の前に立っていたのは死んだはずの兄――ミリオンズ・ナイブズであった。
だが次の瞬間、ヴァッシュはさらに驚く事になる。
いつのまにか自分の周りには人だかりができているのだ。
そしてよく見るとその人々には見覚えがあった。
ミリオンズ・ナイブズ、新庄・運切、フェイト・T・ハラオウン、アンジール・ヒューレー、エネル、それに今まで出会った人々――
――そして、あの忌まわしき事件で消え去ったジェライの人々もそこにいた。
そしてその全員が黙ってヴァッシュを見ていた。
ただ静かに見つめていた。
まるで何かを訴えるかのように。
皆の瞳にはただヴァッシュの姿が映るのみ。
「……っ……止めてくれよ」
そして、その瞳の重さにヴァッシュは――。
▼ ▼ ▼
「浅倉の奴、なに勝手に死んでいるのよ! あいつは、私の手で殺さないといけないのよ! つかさを殺しておいて、あいつ……!!」
何台もの車が駐車されている照明も疎らな地下駐車場。
その中にかがみの乗っている装甲車はあった。
ヴァッシュに言われた通り安全のためにここに来たが、黙って待つ気はなかった。
その理由は先程から上の方から響いてくる不気味な振動。
どうやら激しい戦闘が始まっているらしく、さらに徐々に駐車場の天井にヒビが走り始めていた。
どちらが勝つにせよこのままここにいれば生き埋めになるのは必定。
なんとしても一刻も早くここから脱出する必要があった。
キャロが死んだせいかバクラが静かだったので、とりあえず一人でなんとかするしかなかった。
「でも万丈目はいい気味ね。きっと私を殺そうとした報いよ」
憎き相手の死を知って悦になりながらかがみは必死に最低限の運転技術を覚えていた。
実際歩いた方が早いかもしれないが、この装甲車の頑丈さを考えればここで最低限の運転をできるようになっておくほうが後々便利だ。
それにこの装甲車にも他の車と同様に取扱書が付いていたし、実際の運転なら親やゆいなどと見る機会も何回かあった。
さらにAT車で発進の方法は意外と簡単だったので、発進の仕方はギリギリ理解できた。
「えっと、まずはエンジンを掛けて、ギアは……確かここで……それでアクセルをおおおおお!!!」
そしてついに小気味いいエンジン音と共に無骨な装甲車は走り始めた。
ただしかがみがアクセルペダルを一気に踏み込んだためいきなりトップスピードで発進するはめになったが。
「!?」
だが車線上に出口があったのですぐに外に出る事が出来て結果的に良かったとも言える。
さらに幸運だったのは装甲車がAT車であった事だ。
もしAT車ではなくMT車だったらその場でエンストを起こして立ち往生する羽目に陥っていた。
ただそんな事情を他所に当のかがみは初めて運転する車のスピードに少しばかり面食らっていた。
「うそ、ちょっと、早すぎ――って!?」
ふと前を見ると、車線上に誰かが飛び出してきた。
それは数時間前に仮面ライダーと怪物に変身して浅倉と戦っていた奴だった。
ひどく苦しそうにしていてこちらに気付いていないようだったが、それを見てもかがみは車を止める気はなかった。
むしろ――。
「轢いちゃえ」
――そのまま速度を緩めず、クラックションも鳴らさず、その勢いのまま突き進んだ。
先程の放送でこれからは参加者を殺せばボーナスの支給品が手に入ると明かされたのだ。
いまさらかがみが人殺しを躊躇う理由はどこにもなかった。
ドン!!!!!
【1日目 夜】
【現在地 F-9 ホテル・アグスタから伸びる道路上】
【柊かがみ@なの☆すた】
【状態】バリアジャケット、つかさの死への悲しみ、サイドポニー、自分以外の生物に対する激しい憎悪、やさぐれ、装甲車に乗車中
【装備】ゼクトバックル(ホッパー)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、ホッパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、千年リング@キャロが千年リングを見つけたそうです、ホテルの従業員の制服、ストラーダ(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、装甲車@アンリミテッド・エンドライン
【道具】支給品一式、レヴァンティン(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ライディングボード@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
基本:みんな死ねばいいのに……。
1.まず目の前でふらついている奴を轢き殺す。
2.他の参加者を皆殺しにして最後に自殺する。
【備考】
※一部の参加者やそれに関する知識が消されています(たびかさなる心身に対するショックで思い出す可能性があります)。
※デルタギアを装着した事により電気を放つ能力を得ました。
※「自分は間違っていない」という強い自己暗示のよって怪我の痛みや身体の疲労をある程度感じていません。
※周りのせいで自分が辛い目に遭っていると思っています。
※変身時間の制限にある程度気付きました(1時間~1時間30分程時間を空ける必要がある事まで把握)。
※エリアの端と端が繋がっている事に気が付きました。
※千年リングを装備した事でバクラの人格が目覚めました。以下【バクラ@キャロが千年リングを見つけたそうです】の簡易状態表。
【思考】
基本:このデスゲームを思いっきり楽しんだ上で相棒の世界へ帰還する。
1.…………。
2.当面はかがみをサポート及び誘導して優勝に導くつもりだが、場合によっては新しい宿主を捜す事も視野に入れる。
3.万丈目に対して……?(恨んではいない)
4.こなたに興味。
5.メビウス(ヒビノ・ミライ)は万丈目と同じくこのデスゲームにおいては邪魔な存在。
6.パラサイトマインドは使用できるのか? もしも出来るのならば……。
【備考】
※千年リングの制限について大まかに気付きましたが、再憑依に必要な正確な時間は分かっていません(少なくとも2時間以上必要である事は把握)。
※キャロが自分の知るキャロと別人である可能性に気が付きました(もしも自分の知らないキャロなら殺す事に躊躇いはありません)。
※かがみのいる世界が参加者に関係するものが大量に存在する世界だと考えています。
※かがみの悪い事を全て周りのせいにする考え方を気に入っていません(別に訂正する気はないようです)。
▼ ▼ ▼
スバルはヴァッシュからの突然の攻撃に驚いていた。
放送の途中で繰り出された白刃による斬撃は驚くべきものだったが、スバルが驚いた原因は別にあった。
一瞬前まで居た場所に刻まれた斬撃の痕。
普通ではありえないほど綺麗に刻まれた傷痕にスバルは見覚えがあった。
ここに来るまでの林で同じような切り口で切られた木が数本――。
――そしてルルーシュの右腕にも同じような傷痕が残されていた。
「ヴァッシュさん、あなたがルルーシュの右腕を……」
あの傷さえなければルルーシュが絶望する事もなかった。
あの傷さえなければルルーシュが死ぬ事もなかった。
そんな想いが沸々とスバルの内に湧き上がってくる。
確かルルーシュを襲った人物は金髪で右腕が腐った男だったはず。
一見すると右腕が腐っていない目の前の人物ではない気がするが、その前提は確実ではない。
実際最初に出会った赤コートの化け物のように再生能力を持っているかもしれない。
それに何よりその刃での特徴的な傷痕を残しているのが疑いようもない証拠だ。
「あなたのせいで!!!!!」
スバルは知らない。
実際にルルーシュを襲ったのはヴァッシュと融合したナイブズである事を。
そのヴァッシュが幻を見る程に精神が不安定になったせいで突発的な暴走状態にある事を。
先程の刃が幻覚からくる本能的な自己防衛行動である事を。
今までヴァッシュの暴走状態が止まっているのは左腕つまりナイブズと向き合ったからだ。
だが同じプラント同士とはいえその左腕は元からヴァッシュの物ではない。
だから最初のうちは暴走していたのだ。
そして今ヴァッシュが精神的に不安定になった事で左腕が再び暴走しかけようとしている。
もちろんある程度精神が安定して落ち着く事ができれば今の暴走も止まるだろう。
だが果たしてそれまでホテルが無事であるか確証は持てない。
【1日目 夜】
【現在地 F-9 ホテル・アグスタ1階ロビー】
【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】全身ダメージ小、左腕骨折(処置済み)、ワイシャツ姿、質量兵器に対する不安、若干の不安と決意
【装備】添え木に使えそうな棒(左腕に包帯で固定)、ジェットエッジ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式(一食分消費)、スバルの指環@コードギアス 反目のスバル、救急道具、炭化したチンクの左腕、ハイパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、チンクの名簿(内容は[[せめて哀しみとともに]]参照)、クロスミラージュ(破損)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、首輪×2(ルルーシュ、シャーリー)
【思考】
基本:殺し合いを止める。できる限り相手を殺さない。
1.あなたのせいでルルーシュは!!!
2.スカリエッティのアジトへ向かう。
3.六課のメンバーとの合流とつかさの保護。しかし自分やこなたの知る彼女達かどうかについては若干の疑問。
4.準備が整ったらゆりかごに向かいヴィヴィオを救出する。
5.こなたを守る(こなたには絶対に戦闘をさせない)。
6.かがみを止める。
7.状況次第だが、駅の車庫の中身の確保の事も考えておく。
8.もしも仲間が殺し合いに乗っていたとしたら……。
【備考】
※仲間(特にキャロやフェイト)がご褒美に乗って殺し合いに乗るかもしれないと思っています。
※アーカード(名前は知らない)を警戒しています。
※万丈目とヴァッシュが殺し合いに乗っていると思っています。
※アンジールが味方かどうか判断しかねています。
※千年リングの中に、バクラの人格が存在している事に気付きました。また、かがみが殺し合いに乗ったのはバクラに唆されたためだと思っています。但し、殺し合いの過酷な環境及び並行世界の話も要因としてあると考えています。
※15人以下になれば開ける事の出来る駅の車庫の存在を把握しました。
※こなたの記憶が操作されている事を知りました。下手に思い出せばこなたの首輪が爆破される可能性があると考えています。
【ヴァッシュ・ザ・スタンピード@リリカルTRIGUNA's】
【状態】疲労(大)、融合、黒髪化九割、、精神不安定(大)、一時的な暴走状態?
【装備】ダンテの赤コート@魔法少女リリカルなのはStylish、アイボリー(5/10)@Devil never strikers
【道具】なし
【思考】
基本:殺し合いを止める。誰も殺さないし殺させない。
0.新庄君が……死んだ……。
1.かがみを守りつつ殺し合いを止めつつ、仲間を探す。
2.首輪の解除方法を探す。
3.アーカード、ティアナを警戒。
4.アンジールと再び出会ったら……。
【備考】
※制限に気付いていません。
※なのは達が別世界から連れて来られている事を知りません。
※ティアナの事を吸血鬼だと思っています。
※ナイブズの記憶を把握しました。またジュライの記憶も取り戻しました。
※エリアの端と端が繋がっている事に気が付いていません。
▼ ▼ ▼
柊つかさの死。
それは泉こなたにとって大きな衝撃となった。
だがこなたもここが殺し合いの場であり、親友が殺し合いに乗る事まで覚悟した身だ。
当然自分の知らない間に死んでしまう可能性も考えて、覚悟はしていた。
だがこなたは幸運であり、不幸であった。
大した力も知識もない女子高校生が並み居る猛者が死んでいく中で生き残っていた。
だから心の底で淡い希望を抱いてしまった。
『もしかしてこのまま生きて再会できるんじゃないか』
かがみは殺し合いに乗ってしまったが、裏を返せばそれだけの力が手に入ったという事は逆に自分の身を守れる事でもある。
つかさにしても保護者がいなくなっても6時間生き延びたのだから大丈夫なのではないかと思った。
だがそんな幻想は呆気なく砕かれてしまった。
そしてこなたはまだデスゲームが始まってから目の前で誰かの死を、さらに誰かの死体さえ見ていなかった。
最初に出会ったアーカードはすぐに復活した。
ルルーシュ、シャーリー、レイ、なのは、フェイト、ティアナの何れも目の前でその死を見たわけではない。
駅の時でさえスバルの配慮によってスバルがクロスミラージュを持って出てくるまで外で待っていた。
確かに心の中では覚悟はしていた。
だが思うだけでは実際に物事に直面した時には足りなかったのかもしれない。
だからこそこなたは前に進むと決めた足を止めてしまった。
「う、そ、つ、つかさ……」
そして、再び歩み出すその足の先にある答えとは――。
【1日目 夜】
【現在地 F-9 ホテル・アグスタ付近】
【泉こなた@なの☆すた】
【状態】健康、つかさの死に対する強いショック
【装備】涼宮ハル○の制服(カチューシャ+腕章付き)、リインフォースⅡ(疲労小)@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS
【道具】支給品一式、投げナイフ(9/10)@リリカル・パニック、バスターブレイダー@リリカル遊戯王GX、レッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D's ―LYRICAL KING―、救急箱
【思考】
基本:かがみん達と『明日』を迎える為、自分の出来る事をする。
0.つかさがしんじゃった――。
1.スバルやリイン達の足を引っ張らない。
2.かがみんが心配、これ以上間違いを起こさないで欲しい。
3.おばさん(プレシア)……アリシアちゃんを生き返らせたいんじゃなくてアリシアちゃんがいた頃に戻りたいんじゃないの?
【備考】
※参加者に関するこなたのオタク知識が消されています。ただし何らかのきっかけで思い出すかもしれません。
※いくつかオタク知識が消されているという事実に気が付きました。また、下手に思い出せば首輪を爆破される可能性があると考えています。
※かがみ達が自分を知らない可能性に気が付きましたが、彼女達も変わらない友達だと考える事にしました。
※ルルーシュの世界に関する情報を知りました。
※この場所には様々なアニメやマンガ等に出てくる様な世界の人物や物が集まっていると考えています。
※PT事件の概要をリインから聞きました。
※アーカードとエネル(共に名前は知らない)、キングを警戒しています(特にアーカードには二度と会いたくないと思っています)。
※ヴィヴィオ及びクラールヴィントからヴィヴィオとの合流までの経緯を聞きました。矢車(名前は知らない)と天道についての評価は保留にしています。
【リインフォースⅡ:思考】
基本:スバル達と協力し、この殺し合いから脱出する。
1.周辺を警戒しいざとなったらすぐに対応する。
2.はやて(StS)や他の世界の守護騎士達と合流したい。殺し合いに乗っているならそれを止める。
【備考】
※自分の力が制限されている事に気付きました。
※ヴィヴィオ及びクラールヴィントからヴィヴィオとの合流までの経緯を聞きました。
【チーム:黒の騎士団】
【共通思考】
基本:このゲームから脱出する。
1.首輪解除の手段とハイパーゼクターを使用するためのベルトを探す。
2.首輪を機動六課、地上本部、スカリエッティのアジト等で解析する。
3.それぞれの仲間と合流する。
4.ゆりかごの起動を阻止しヴィヴィオを救出する。
【備考】
※それぞれが違う世界の出身であると気付きました。また異なる時間軸から連れて来られている可能性に気付いています。
※デュエルモンスターズのカードが武器として扱える事に気付きました。
※デュエルアカデミアにて情報交換を行いました。内容は[[守りたいもの]]本文参照。
※「月村すずかの友人」からのメールを読みました。送り主はフェイトかはやてのどちらかだと思っています。
※チーム内で、以下の共通見解が生まれました。
要救助者:万丈目、明日香、つかさ、ヴィヴィオ/(万丈目は注意の必要あり)
合流すべき戦力:なのは、フェイト、はやて、キャロ、ヴィータ、シャマル、ユーノ、クアットロ、アンジール、ルーテシア、C.C./(フェイト、はやて、キャロ、ヴィータ、シャマル、クアットロ、アンジール、ルーテシアには注意の必要あり)
危険人物:赤いコートとサングラスの男(=アーカード)、金髪で右腕が腐った男(=ナイブズ)、炎の巨人を操る参加者(=ルーテシアorキャロ?)、ヴァッシュ、かがみ、半裸の男(=エネル)、浅倉
判断保留:キング、天道、スーツの男(=矢車)
以上の見解がそれぞれの名簿(スバル、こなた)に各々が分かるような形で書き込まれています。
※アニメイトを襲いヴィヴィオを浚った人物がゆりかごを起動させようとしていると考えています。
▼ ▼ ▼
ところでいくら新庄がヴァッシュにとって特別な存在になっていたとしても果たしてここまでの衝撃を受けるものだろうか。
だが実際こうしてヴァッシュは新庄の死に少なくない衝撃を受けている。
この会場内で起きた様々な事例を加味すれば、それも無理からぬ事かもしれない。
もしくは始を苦しめるジョーカー化への欲求の増大や普通なら凶行に及ぶはずもない参加者が手を血に染めてしまう事と何か関係があるのだろうか。
または金居の予想が正しいのか。
やはりプレシアの仕掛けた細工か、あるいは――。
|Back:[[Aの残光/夢と誇りをとりもどせ]]|時系列順で読む|Next:[[きみのたたかいのうた(前編)]]|
|Back:[[Aの残光/夢と誇りをとりもどせ]]|投下順で読む|Next:[[きみのたたかいのうた(前編)]]|
|Back:[[余波]]|相川始|Next:[[きみのたたかいのうた(前編)]]|
|Back:[[波紋 - a divine messenger of the two.]]|柊かがみ|Next:[[きみのたたかいのうた(前編)]]|
|Back:[[波紋 - a divine messenger of the two.]]|ヴァッシュ・ザ・スタンピード|Next:[[きみのたたかいのうた(前編)]]|
|Back:[[一人分の陽だまりに 僕らは居る]]|スバル・ナカジマ|Next:[[きみのたたかいのうた(前編)]]|
|Back:[[一人分の陽だまりに 僕らは居る]]|泉こなた|Next:[[Iの奇妙な冒険/祝福の風]]|
----
*突っ走る女 ◆HlLdWe.oBM
赤い血に染まったかのような夕日が沈む事でデスゲームの会場も再び夜となった。
夕日に代わって満月が煌々と輝く天に対して、血で血を争う地には暗い影が広がっている。
そんな闇の時間へと移行した会場の東方に位置するホテル・アグスタから少し離れた林の中。
月の光さえ満足に通らない林の中で一際暗く影を漂わせている場所があった。
そこには薄汚れたベージュ色のコートを着た一人の男が木に腕を付いて荒く息を吐いていた。
(……俺は何がしたいんだ?)
その男――闇の狩人ジョーカーである相川始は悩んでいた。
きっかけは先程おこなわれた3回目の定時放送。
なぜか放送の主はプレシアではなかったが、今の始にはどうでもよかった。
それ以上に始は放送を聞いた自分の心境に戸惑っていたからだ。
参加者をミラーワールドに引きずり込み、二人の生贄を無残に殺して新たな殺し合いを目論んだ狂人、浅倉威。
彼の死に僅かな安堵を。
ギンガが気にかけていて、川岸に追い詰めたものの突然の禍々しさのせいで殺せなかった少女、キャロ・ル・ルシエ。
まだ一度も会った事はなかったが、天音の友人だったかもしれない少女、フェイト・T・ハラオウン。
彼女達の死にはいささかの哀悼を。
ふと放送を聞き終えた時、それぞれ異なった感情をいつのまにか抱いている自分に気付いたのだ。
そして、その感情は気のせいか前回の放送よりも強い感情のように思えた。
(……俺はジョーカーだぞ!?)
最初はここにいる全員を殺して栗原親子の元へ帰る事が唯一の目的だった。
だからこそ出会った参加者を次々と襲い続けていた。
だがあの神を自称するエネルという参加者の存在を知った時、始の中でこのバトルファイトに対して拭いきれない疑念が生じた。
いや、それがそもそも間違いだったのか。
これはバトルファイトの延長ではなく、ただプレシアが引き起こしたイレギュラーな事態。
それなら別にここで優勝しようがどうしようが、本来のバトルファイトに影響はないのではないか。
本当はそれを口実に目を背けようとしていただけではないのか。
(それがどうした! もう俺は……)
だが今の始は傍目からそれとなく分かるほどとても危うい状態だ。
ミラーワールドでのジョーカー化はこちらに戻った事で一応解決した。
もしもあのまま戦い続けていれば今の始は既にいなくなっていただろう。
それほどまでに今ではジョーカー化の欲求を抑えるのが苦しくなっているのだ。
今も放送を聞いただけで胸の奥で先程の感情とは別にどす黒い感情が蠢いている。
だが本来なら1日も経たないうちにここまでジョーカー化の欲求が強まるのは異常だった。
どうやらここに来てから感情の揺れ幅が大きくなりやすい気もする。
それはもしかして殺し合いを促進するためにプレシアが仕掛けた細工か、あるいは――。
(とにかく今は誰にも会わない方がいい)
だが今の始にとって真相は二の次。
こうして人気を避けているのも全ては今この状態で誰かに会えば自分を抑えきれるか自信がなかったからだ。
だから一度ホテルから離れて心を静めているのだ。
だが、そんな状態だからこそ始はすぐに気付けなかった。
「――――ッ!?」
自らに迫り来る鋼鉄の脅威に――。
【1日目 夜】
【現在地 F-9 ホテル・アグスタから伸びる道路上】
【相川始@魔法少女リリカルなのは マスカレード】
【状態】疲労(小)、背中がギンガの血で濡れている、言葉に出来ない感情、苦悩、ジョーカー化への欲求徐々に増大
【装備】ラウズカード(ハートのA~10)@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【道具】支給品一式×2、パーフェクトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、録音機@なのは×終わクロ
【思考】
基本:皆殺し?
0.――――。
1.生きる為に戦う?
2.アンデッドの反応があった場所は避けて東に向かう。
3.エネル、赤いコートの男(=アーカード)を優先的に殺す。アンデッドは……。
4.アーカードに録音機を渡す?
5.どこかにあるのならハートのJ、Q、Kが欲しい。
6.ギンガの言っていたスバルや他の2人(なのは、はやて)が少し気になる(ギンガの死をこのまま無駄に終わらせたくはない)。彼女達に会ったら……?
【備考】
※ジョーカー化の欲求に抗っています。しかし再びジョーカーになれば自分を抑える自信はありません。
※首輪の解除は不可能と考えています。
※赤いコートの男(=アーカード)がギンガを殺したと思っています。
※主要施設のメールアドレスを把握しました(図書館以外のアドレスがどの場所のものかは不明)。
▼ ▼ ▼
ホテル・アグスタ1階ロビー。
そこは一廉のホテルに相応しくソファーが備え付けられ、荘厳な意匠が凝らされた柱が視界を妨げない程度に立てられた空間。
本来なら来客を穏やかに迎え入れるはずの玄関だが、残念ながら今ロビーにいる二人の様子は穏やかとは程遠かった。
「もうすぐ放送か……今度もまた……」
死者と禁止エリアを告げる定期放送まであと数分。
緊張した空気が漂う薄暗いロビーに1組の赤い服を身に付けた男女、金髪トンガリ頭に真紅のコートのヴァッシュ・ザ・スタンピードと紫髪サイドポニーに真紅のセーターの柊かがみはいた。
だが放送を待っているはずの二人の様子は同じようで少し違っていた。
ロビーに漂う空気と同じように暗くなり気味のヴァッシュに対してかがみの心中は穏やかではなかった。
(浅倉の奴、絶対私が殺してやるんだから!!!)
自らの片割れとも言うべき双子の妹である柊つかさを目の前で殺された今のかがみの心中にあるのは『復讐』の二文字のみ。
今も目を閉じればあの時の惨劇を鮮明に思い出してしまう。
メタルゲラスに両足をつかまれて傷つきながらも必死に助けを求めていたつかさ。
その目の前で何もできずにただつさかが真っ二つに引き裂かれて殺される様を見ているしかできなかった自分。
それが罪とばかりにつかさだったものから降り注ぐつかさの体液。
あの凄惨という言葉が生ぬるいほどの光景は生涯忘れる事はないだろう。
残念ながら今はまともに戦う術がないので大人しくしているが、そうでなければ今頃憎き仇を探し回っていたに違いない。
(それにしてもさっきまでのこいつ誰かに似ていたような……ああ、騒がしいところがゆいさんに似ているのね)
かがみはソファーに座って顔を落としているヴァッシュの様子を見ながら一人で納得していた。
成実ゆい。
かがみの親友である泉こなたの従姉であり、後輩の小早川ゆたかの実姉に当たる。
苗字が違うのは既婚者だからである。
いつも騒がしくテンションが高い人だが、そういうところがどこかヴァッシュと似ているのだ。
(どこにでもいるのね、こういう人って。そういえばこなたは今どこで何しているのかしら……)
▼ ▼ ▼
整然と立ち並ぶ林の中で綺麗にホテルまで続いている不自然な一本道。
その道が不自然に思えるのはそこだけ何か得体のしれない力で消されたかのようになっているからだろう。
道と林の境界付近の木々は揃いも揃って普通ではありえないほど綺麗な切断面を見せつけていて不自然さに拍車をかけていた。
そんな不自然な道に最大限の注意を払って進む二人の青髪の少女、背が高く短髪なスバル・ナカジマと背が低く長髪な泉こなたがいた。
「スバル、やっぱりあの天使さんも参加者なのかな?」
「…………」
「ん? スバル?」
「あ、ああ、たぶんそうじゃないかな……」
スバルはホテル・アグスタの屋上に降り立った天使の姿から一人の人物を連想していた。
少し遠目ではあったが、あの時見えた天使は金髪で赤いコートを纏っていた気がする。
それによって連想する人物はヴァッシュ・ザ・スタンピード。
チンク曰く、危険人物。
もし本当ならこれからスバル達の向かう先は安全ではなく、危険な場所である可能性が極めて高い。
そのホテルにこなたを連れて向かう事にスバルは若干危惧を抱いていた。
戦場になるかもしれない場所にこなたを連れて行って、こなたまで危険な目に遭わせるのではないかと。
幸いな事に天使を発見した時の位置関係からこなたはスバルの影に隠れていた形になっていた。
だからこなたを待たせて一人で行けば共倒れの危険性はなくなる。
しかも道すがらクロスミラージュの状態を念入りに調べていたリインからは芳しくない診断結果を聞いていた。
――残念ですけど基礎構造部分に致命的な破損がありますね。
――専門の場所で修理すれば修復できるかもしれないが、今のままだと正直なところ自動修復もままならない状態です。
――もし万が一この状態で使用すれば、おそらくそれがクロスミラージュの最期になるでしょう。
つまり今のスバルの力は相変わらず満足に発揮できない状態なのだ。
スバルとこなたが調べた範囲でデュエルアカデミアに気になる物はなかった事はすでにお互い確認済みだったが、あそこにはまだ幾つか荷物が放置したままだ。
危険地帯かもしれないホテルは後回しにして、一度をデュエルアカデミア跡地に戻るという選択肢もありだ。
だがそんなスバルの弱気な心の内を察したのか隣を歩くこなたは声をかけるのだった。
「大丈夫だよ」
「え?」
「自分の身は自分で守るからさ。スバルは自分がするべき事をすればいいと思うよ」
こなたの言葉は弱気になりかけていたスバルを落ち着かせるものだった。
これではどちらがしっかりしているの分かったものではない。
死んでしまった者達の為にも生きている自分達は前に進むと決めたスバルが返す答えなど決まっている。
「……うん!」
迷いは晴れた。
▼ ▼ ▼
そして運命の悪戯と共に出会いはいつも突然に。
「かがみさん!?」
「ス、スバルッ……ヴァッシュ、あ、あいつが私を! いや、た、助けて!!!」
「――ッ、こんな時に!」
そして銃声と共に別れもまた唐突に。
▼ ▼ ▼
一瞬にして先程よりさらに緊迫した空気が漂い始めたロビー。
その緊張した空間のソファーや柱を挟んでスバルとヴァッシュは膠着状態にあった。
(一応念のためと言って先に様子を見に来て正解だったか。まさかかがみさんがいて、その上危険人物のヴァッシュと手を組んでいたなんて……)
いつかは再び対峙しなければいけないと思っていたが、さすがにこの状況下では厳しすぎた。
危険人物二人が手を組んで、話し合う暇もないまま銃撃されるこの状況ではいくらスバルでもこなたを守りきる自信はない。
今まで別行動で良い経験がなかったが、今回に限っては安全確認のために一人で先に入って正解と言えよう。
(でもいつまでもこのままの状態が続くのは好ましくない。どこかで隙を見て一度戻った方がいいかな)
ヴァッシュが放った銃弾はギリギリ避けられたが、あの早撃ちを見る限り相当銃の扱いに長けているようだ。
今のように距離が開いた状態で銃を持った相手に対して接近戦が得意なスバルは圧倒的に不利だ。
決着を焦ればまず間違いなくスバルに勝機はなく、ゆえにここは一度戦線離脱した方がいいとスバルは考え始めたのだ。
スバルが離脱の隙を窺っていた時を同じくして、ヴァッシュもまた転機を窺っていた。
(かがみさんには避難してもらったから、あとはスバルを抑えるだけか)
既に保護対象であるかがみには念のため装甲車の鍵を渡して地下の駐車場に避難してもらっておいた。
あそこに駐車してあった装甲車の中なら万が一の事態でも安全だと考えたからだ。
(威嚇のつもりだったけど、あの初撃を避けた動作は大したものだな。でも怪我していたみたいだからなんとかなるかな)
あとはタイミングを見計らって相手を制圧するだけ。
だが突然の邂逅に対処するあまりスバルもヴァッシュも大事な事を忘れていた。
そしてそれを思いださせるかのように時計の針は12と6を指す。
『こんばんは。これより18時をお伝えすると同時に、第3回目の定期放送を行いたいと思います』
二人の膠着状態を破るかの如く無慈悲な放送は始まった。
▼ ▼ ▼
新庄・運切の訃報――それはヴァッシュにとってまさしく青天の霹靂だった。
新庄・運切という少年はヴァッシュにとって少し特別な存在だった。
出会いは大した事ない普通なものだった。
傷心の内に沈んでいた自分の前に現われてまず初めにこの身体を心配してくれた。
そう、始まりは本当に何でもない事だった。
ただその気遣いがとても嬉しかった。
それからしばらく黙って隣に座っていてくれた。
もしかしたら死なせてしまうかもしれないと言ったのに、それでも放っておけないと言って一緒にいてくれた。
それが少し心地よかった。
そんな新庄君だからこそ自分を死なせないために無謀とも言える提案をやってのけたのだ。
このままではいつか自分が思いつめて死んでしまうと気付いたから。
多大な危険と隣り合わせだったが、それなりの算段はあった。
新庄君からの提案だったとはいえエネルは自分の力に恐怖を覚えていたはずだ。
実際新庄君が止めなければエネルの死は確実だったので、一見無謀にも見えた策だが効果は絶大に思えた。
だから新庄君の身は自分が生きている間は大丈夫だと思い込んでいた。
だがそんなある意味楽観的な考えはあっけなく砕かれてしまった。
「……ぁ……ぅあ」
誰のせいだ?
誰のせいでもない。
全ては自分のせいだ。
自分の甘い考えが新庄・運切という一つの命が散る原因となった。
少なくともヴァッシュ自身はこの時そう思っていた。
そして、無意識の内に心に広がる罪の意識はヴァッシュをさらに苛み始めていた。
「……っ……え?」
不意に失意に沈みこむヴァッシュの上に影が差した。
誰かがヴァッシュの前に立ったせいで人影が光を遮ったのだ。
当然誰が立っているのか確認するために顔を上げないといけないのだが、なぜかそれは躊躇われた。
不思議とスバルではない確信があったので急がなくてもいいが、そういう問題ではない気がする。
ここで顔を上げたら取り返しの付かない事になってしまうような、そんな気がしたのだ。
だがいつまでもこうしているわけにもいかない。
意を決して気力を奮い立たせたヴァッシュが顔を上げると、一人の男と目が合った。
「――ナ、ナイブズッ!?」
ヴァッシュの目の前に立っていたのは死んだはずの兄――ミリオンズ・ナイブズであった。
だが次の瞬間、ヴァッシュはさらに驚く事になる。
いつのまにか自分の周りには人だかりができているのだ。
そしてよく見るとその人々には見覚えがあった。
ミリオンズ・ナイブズ、新庄・運切、フェイト・T・ハラオウン、アンジール・ヒューレー、エネル、それに今まで出会った人々――
――そして、あの忌まわしき事件で消え去ったジェライの人々もそこにいた。
そしてその全員が黙ってヴァッシュを見ていた。
ただ静かに見つめていた。
まるで何かを訴えるかのように。
皆の瞳にはただヴァッシュの姿が映るのみ。
「……っ……止めてくれよ」
そして、その瞳の重さにヴァッシュは――。
▼ ▼ ▼
「浅倉の奴、なに勝手に死んでいるのよ! あいつは、私の手で殺さないといけないのよ! つかさを殺しておいて、あいつ……!!」
何台もの車が駐車されている照明も疎らな地下駐車場。
その中にかがみの乗っている装甲車はあった。
ヴァッシュに言われた通り安全のためにここに来たが、黙って待つ気はなかった。
その理由は先程から上の方から響いてくる不気味な振動。
どうやら激しい戦闘が始まっているらしく、さらに徐々に駐車場の天井にヒビが走り始めていた。
どちらが勝つにせよこのままここにいれば生き埋めになるのは必定。
なんとしても一刻も早くここから脱出する必要があった。
キャロが死んだせいかバクラが静かだったので、とりあえず一人でなんとかするしかなかった。
「でも万丈目はいい気味ね。きっと私を殺そうとした報いよ」
憎き相手の死を知って悦になりながらかがみは必死に最低限の運転技術を覚えていた。
実際歩いた方が早いかもしれないが、この装甲車の頑丈さを考えればここで最低限の運転をできるようになっておくほうが後々便利だ。
それにこの装甲車にも他の車と同様に取扱書が付いていたし、実際の運転なら親やゆいなどと見る機会も何回かあった。
さらにAT車で発進の方法は意外と簡単だったので、発進の仕方はギリギリ理解できた。
「えっと、まずはエンジンを掛けて、ギアは……確かここで……それでアクセルをおおおおお!!!」
そしてついに小気味いいエンジン音と共に無骨な装甲車は走り始めた。
ただしかがみがアクセルペダルを一気に踏み込んだためいきなりトップスピードで発進するはめになったが。
「!?」
だが車線上に出口があったのですぐに外に出る事が出来て結果的に良かったとも言える。
さらに幸運だったのは装甲車がAT車であった事だ。
もしAT車ではなくMT車だったらその場でエンストを起こして立ち往生する羽目に陥っていた。
ただそんな事情を他所に当のかがみは初めて運転する車のスピードに少しばかり面食らっていた。
「うそ、ちょっと、早すぎ――って!?」
ふと前を見ると、車線上に誰かが飛び出してきた。
それは数時間前に仮面ライダーと怪物に変身して浅倉と戦っていた奴だった。
ひどく苦しそうにしていてこちらに気付いていないようだったが、それを見てもかがみは車を止める気はなかった。
むしろ――。
「轢いちゃえ」
――そのまま速度を緩めず、クラックションも鳴らさず、その勢いのまま突き進んだ。
先程の放送でこれからは参加者を殺せばボーナスの支給品が手に入ると明かされたのだ。
いまさらかがみが人殺しを躊躇う理由はどこにもなかった。
ドン!!!!!
【1日目 夜】
【現在地 F-9 ホテル・アグスタから伸びる道路上】
【柊かがみ@なの☆すた】
【状態】バリアジャケット、つかさの死への悲しみ、サイドポニー、自分以外の生物に対する激しい憎悪、やさぐれ、装甲車に乗車中
【装備】ゼクトバックル(ホッパー)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、ホッパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、千年リング@キャロが千年リングを見つけたそうです、ホテルの従業員の制服、ストラーダ(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、装甲車@アンリミテッド・エンドライン
【道具】支給品一式、レヴァンティン(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ライディングボード@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
基本:みんな死ねばいいのに……。
1.まず目の前でふらついている奴を轢き殺す。
2.他の参加者を皆殺しにして最後に自殺する。
【備考】
※一部の参加者やそれに関する知識が消されています(たびかさなる心身に対するショックで思い出す可能性があります)。
※デルタギアを装着した事により電気を放つ能力を得ました。
※「自分は間違っていない」という強い自己暗示のよって怪我の痛みや身体の疲労をある程度感じていません。
※周りのせいで自分が辛い目に遭っていると思っています。
※変身時間の制限にある程度気付きました(1時間~1時間30分程時間を空ける必要がある事まで把握)。
※エリアの端と端が繋がっている事に気が付きました。
※千年リングを装備した事でバクラの人格が目覚めました。以下【バクラ@キャロが千年リングを見つけたそうです】の簡易状態表。
【思考】
基本:このデスゲームを思いっきり楽しんだ上で相棒の世界へ帰還する。
1.…………。
2.当面はかがみをサポート及び誘導して優勝に導くつもりだが、場合によっては新しい宿主を捜す事も視野に入れる。
3.万丈目に対して……?(恨んではいない)
4.こなたに興味。
5.メビウス(ヒビノ・ミライ)は万丈目と同じくこのデスゲームにおいては邪魔な存在。
6.パラサイトマインドは使用できるのか? もしも出来るのならば……。
【備考】
※千年リングの制限について大まかに気付きましたが、再憑依に必要な正確な時間は分かっていません(少なくとも2時間以上必要である事は把握)。
※キャロが自分の知るキャロと別人である可能性に気が付きました(もしも自分の知らないキャロなら殺す事に躊躇いはありません)。
※かがみのいる世界が参加者に関係するものが大量に存在する世界だと考えています。
※かがみの悪い事を全て周りのせいにする考え方を気に入っていません(別に訂正する気はないようです)。
▼ ▼ ▼
スバルはヴァッシュからの突然の攻撃に驚いていた。
放送の途中で繰り出された白刃による斬撃は驚くべきものだったが、スバルが驚いた原因は別にあった。
一瞬前まで居た場所に刻まれた斬撃の痕。
普通ではありえないほど綺麗に刻まれた傷痕にスバルは見覚えがあった。
ここに来るまでの林で同じような切り口で切られた木が数本――。
――そしてルルーシュの右腕にも同じような傷痕が残されていた。
「ヴァッシュさん、あなたがルルーシュの右腕を……」
あの傷さえなければルルーシュが絶望する事もなかった。
あの傷さえなければルルーシュが死ぬ事もなかった。
そんな想いが沸々とスバルの内に湧き上がってくる。
確かルルーシュを襲った人物は金髪で右腕が腐った男だったはず。
一見すると右腕が腐っていない目の前の人物ではない気がするが、その前提は確実ではない。
実際最初に出会った赤コートの化け物のように再生能力を持っているかもしれない。
それに何よりその刃での特徴的な傷痕を残しているのが疑いようもない証拠だ。
「あなたのせいで!!!!!」
スバルは知らない。
実際にルルーシュを襲ったのはヴァッシュと融合したナイブズである事を。
そのヴァッシュが幻を見る程に精神が不安定になったせいで突発的な暴走状態にある事を。
先程の刃が幻覚からくる本能的な自己防衛行動である事を。
今までヴァッシュの暴走状態が止まっているのは左腕つまりナイブズと向き合ったからだ。
だが同じプラント同士とはいえその左腕は元からヴァッシュの物ではない。
だから最初のうちは暴走していたのだ。
そして今ヴァッシュが精神的に不安定になった事で左腕が再び暴走しかけようとしている。
もちろんある程度精神が安定して落ち着く事ができれば今の暴走も止まるだろう。
だが果たしてそれまでホテルが無事であるか確証は持てない。
【1日目 夜】
【現在地 F-9 ホテル・アグスタ1階ロビー】
【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】全身ダメージ小、左腕骨折(処置済み)、ワイシャツ姿、質量兵器に対する不安、若干の不安と決意
【装備】添え木に使えそうな棒(左腕に包帯で固定)、ジェットエッジ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式(一食分消費)、スバルの指環@コードギアス 反目のスバル、救急道具、炭化したチンクの左腕、ハイパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、チンクの名簿(内容は[[せめて哀しみとともに]]参照)、クロスミラージュ(破損)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、首輪×2(ルルーシュ、シャーリー)
【思考】
基本:殺し合いを止める。できる限り相手を殺さない。
1.あなたのせいでルルーシュは!!!
2.スカリエッティのアジトへ向かう。
3.六課のメンバーとの合流とつかさの保護。しかし自分やこなたの知る彼女達かどうかについては若干の疑問。
4.準備が整ったらゆりかごに向かいヴィヴィオを救出する。
5.こなたを守る(こなたには絶対に戦闘をさせない)。
6.かがみを止める。
7.状況次第だが、駅の車庫の中身の確保の事も考えておく。
8.もしも仲間が殺し合いに乗っていたとしたら……。
【備考】
※仲間(特にキャロやフェイト)がご褒美に乗って殺し合いに乗るかもしれないと思っています。
※アーカード(名前は知らない)を警戒しています。
※万丈目とヴァッシュが殺し合いに乗っていると思っています。
※アンジールが味方かどうか判断しかねています。
※千年リングの中に、バクラの人格が存在している事に気付きました。また、かがみが殺し合いに乗ったのはバクラに唆されたためだと思っています。但し、殺し合いの過酷な環境及び並行世界の話も要因としてあると考えています。
※15人以下になれば開ける事の出来る駅の車庫の存在を把握しました。
※こなたの記憶が操作されている事を知りました。下手に思い出せばこなたの首輪が爆破される可能性があると考えています。
【ヴァッシュ・ザ・スタンピード@リリカルTRIGUNA's】
【状態】疲労(大)、融合、黒髪化九割、、精神不安定(大)、一時的な暴走状態?
【装備】ダンテの赤コート@魔法少女リリカルなのはStylish、アイボリー(5/10)@Devil never strikers
【道具】なし
【思考】
基本:殺し合いを止める。誰も殺さないし殺させない。
0.新庄君が……死んだ……。
1.かがみを守りつつ殺し合いを止めつつ、仲間を探す。
2.首輪の解除方法を探す。
3.アーカード、ティアナを警戒。
4.アンジールと再び出会ったら……。
【備考】
※制限に気付いていません。
※なのは達が別世界から連れて来られている事を知りません。
※ティアナの事を吸血鬼だと思っています。
※ナイブズの記憶を把握しました。またジュライの記憶も取り戻しました。
※エリアの端と端が繋がっている事に気が付いていません。
▼ ▼ ▼
柊つかさの死。
それは泉こなたにとって大きな衝撃となった。
だがこなたもここが殺し合いの場であり、親友が殺し合いに乗る事まで覚悟した身だ。
当然自分の知らない間に死んでしまう可能性も考えて、覚悟はしていた。
だがこなたは幸運であり、不幸であった。
大した力も知識もない女子高校生が並み居る猛者が死んでいく中で生き残っていた。
だから心の底で淡い希望を抱いてしまった。
『もしかしてこのまま生きて再会できるんじゃないか』
かがみは殺し合いに乗ってしまったが、裏を返せばそれだけの力が手に入ったという事は逆に自分の身を守れる事でもある。
つかさにしても保護者がいなくなっても6時間生き延びたのだから大丈夫なのではないかと思った。
だがそんな幻想は呆気なく砕かれてしまった。
そしてこなたはまだデスゲームが始まってから目の前で誰かの死を、さらに誰かの死体さえ見ていなかった。
最初に出会ったアーカードはすぐに復活した。
ルルーシュ、シャーリー、レイ、なのは、フェイト、ティアナの何れも目の前でその死を見たわけではない。
駅の時でさえスバルの配慮によってスバルがクロスミラージュを持って出てくるまで外で待っていた。
確かに心の中では覚悟はしていた。
だが思うだけでは実際に物事に直面した時には足りなかったのかもしれない。
だからこそこなたは前に進むと決めた足を止めてしまった。
「う、そ、つ、つかさ……」
そして、再び歩み出すその足の先にある答えとは――。
【1日目 夜】
【現在地 F-9 ホテル・アグスタ付近】
【泉こなた@なの☆すた】
【状態】健康、つかさの死に対する強いショック
【装備】涼宮ハル○の制服(カチューシャ+腕章付き)、リインフォースⅡ(疲労小)@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS
【道具】支給品一式、投げナイフ(9/10)@リリカル・パニック、バスターブレイダー@リリカル遊戯王GX、レッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D's ―LYRICAL KING―、救急箱
【思考】
基本:かがみん達と『明日』を迎える為、自分の出来る事をする。
0.つかさがしんじゃった――。
1.スバルやリイン達の足を引っ張らない。
2.かがみんが心配、これ以上間違いを起こさないで欲しい。
3.おばさん(プレシア)……アリシアちゃんを生き返らせたいんじゃなくてアリシアちゃんがいた頃に戻りたいんじゃないの?
【備考】
※参加者に関するこなたのオタク知識が消されています。ただし何らかのきっかけで思い出すかもしれません。
※いくつかオタク知識が消されているという事実に気が付きました。また、下手に思い出せば首輪を爆破される可能性があると考えています。
※かがみ達が自分を知らない可能性に気が付きましたが、彼女達も変わらない友達だと考える事にしました。
※ルルーシュの世界に関する情報を知りました。
※この場所には様々なアニメやマンガ等に出てくる様な世界の人物や物が集まっていると考えています。
※PT事件の概要をリインから聞きました。
※アーカードとエネル(共に名前は知らない)、キングを警戒しています(特にアーカードには二度と会いたくないと思っています)。
※ヴィヴィオ及びクラールヴィントからヴィヴィオとの合流までの経緯を聞きました。矢車(名前は知らない)と天道についての評価は保留にしています。
【リインフォースⅡ:思考】
基本:スバル達と協力し、この殺し合いから脱出する。
1.周辺を警戒しいざとなったらすぐに対応する。
2.はやて(StS)や他の世界の守護騎士達と合流したい。殺し合いに乗っているならそれを止める。
【備考】
※自分の力が制限されている事に気付きました。
※ヴィヴィオ及びクラールヴィントからヴィヴィオとの合流までの経緯を聞きました。
【チーム:黒の騎士団】
【共通思考】
基本:このゲームから脱出する。
1.首輪解除の手段とハイパーゼクターを使用するためのベルトを探す。
2.首輪を機動六課、地上本部、スカリエッティのアジト等で解析する。
3.それぞれの仲間と合流する。
4.ゆりかごの起動を阻止しヴィヴィオを救出する。
【備考】
※それぞれが違う世界の出身であると気付きました。また異なる時間軸から連れて来られている可能性に気付いています。
※デュエルモンスターズのカードが武器として扱える事に気付きました。
※デュエルアカデミアにて情報交換を行いました。内容は[[守りたいもの]]本文参照。
※「月村すずかの友人」からのメールを読みました。送り主はフェイトかはやてのどちらかだと思っています。
※チーム内で、以下の共通見解が生まれました。
要救助者:万丈目、明日香、つかさ、ヴィヴィオ/(万丈目は注意の必要あり)
合流すべき戦力:なのは、フェイト、はやて、キャロ、ヴィータ、シャマル、ユーノ、クアットロ、アンジール、ルーテシア、C.C./(フェイト、はやて、キャロ、ヴィータ、シャマル、クアットロ、アンジール、ルーテシアには注意の必要あり)
危険人物:赤いコートとサングラスの男(=アーカード)、金髪で右腕が腐った男(=ナイブズ)、炎の巨人を操る参加者(=ルーテシアorキャロ?)、ヴァッシュ、かがみ、半裸の男(=エネル)、浅倉
判断保留:キング、天道、スーツの男(=矢車)
以上の見解がそれぞれの名簿(スバル、こなた)に各々が分かるような形で書き込まれています。
※アニメイトを襲いヴィヴィオを浚った人物がゆりかごを起動させようとしていると考えています。
▼ ▼ ▼
ところでいくら新庄がヴァッシュにとって特別な存在になっていたとしても果たしてここまでの衝撃を受けるものだろうか。
だが実際こうしてヴァッシュは新庄の死に少なくない衝撃を受けている。
この会場内で起きた様々な事例を加味すれば、それも無理からぬ事かもしれない。
もしくは始を苦しめるジョーカー化への欲求の増大や普通なら凶行に及ぶはずもない参加者が手を血に染めてしまう事と何か関係があるのだろうか。
または金居の予想が正しいのか。
やはりプレシアの仕掛けた細工か、あるいは――。
|Back:[[Aの残光/夢と誇りをとりもどせ]]|時系列順で読む|Next:[[きみのたたかいのうた(前編)]]|
|Back:[[Aの残光/夢と誇りをとりもどせ]]|投下順で読む|Next:[[きみのたたかいのうた(前編)]]|
|Back:[[余波]]|相川始|Next:[[きみのたたかいのうた(前編)]]|
|Back:[[波紋 - a divine messenger of the two.]]|柊かがみ|Next:[[きみのたたかいのうた(前編)]]|
|Back:[[波紋 - a divine messenger of the two.]]|ヴァッシュ・ザ・スタンピード|Next:[[きみのたたかいのうた(前編)]]|
|Back:[[一人分の陽だまりに 僕らは居る]]|スバル・ナカジマ|Next:[[きみのたたかいのうた(前編)]]|
|Back:[[一人分の陽だまりに 僕らは居る]]|泉こなた|Next:[[Iの奇妙な冒険/祝福の風]]|
----
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: