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混濁の純血 この身は汚れても ◆7pf62HiyTE




林の中を3人の男女が歩いていた。
1人の男性が先頭を進み、少し後方に2人の少女……片方は17歳位のもう片方は6歳位の少女である。
先頭を行く男性は浅倉威、17歳位の少女はシャーリー・フェネット、6歳位の少女はヴィヴィオである。
3人は先程までいた海鳴温泉から逃げた男性……3人は名前を知らないが天道総司を追いかける為に南へ進んでいた。
天道は重傷を負っていた為すぐさま追いつけると思っていたがそうはいかなかった。
追いかけようとした時バイクが走り去る音が聞こえたのだ。そう、天道は温泉駐車場に備えてあったバイク……カブトエクステンダーで走り去っていったのだ。
3人も駐車場に向かい何台か車を見つけたものの鍵が無い以上動かすことは出来ない為、徒歩で天道を追っているのである。

天道を追う……その目的は3人とも違うものである。
浅倉は天道と戦う為、
ヴィヴィオは天道を助ける為、
シャーリーは天道……父親の仇「ゼロ」を追いかける為である。

さて、浅倉の後ろを進むシャーリーとヴィヴィオであるがここまで来る間にシャーリーとヴィヴィオは互いの自己紹介をしていた。
シャーリーが自己紹介をした時ヴィヴィオは

「お姉さんもシャーリーって言うの?」

と言い、シャーリーを驚かせた。ヴィヴィオの話では彼女の知り合いにも『シャーリー』と呼ばれる人がいるそうなのだ。
もっとも、その『シャーリー』の本名は『シャリオ・フィニーノ』なのだが、シャーリーがそれを知る事は無かった。

さて、自己紹介の後は互いの知り合いの事について話した。
なお、その際にヴィヴィオのデイパックの支給品の内地図や名簿、食料といったシャーリーも所持しているもの以外の支給品はシャーリーが預かった。
何故か……その中には殺し合いの道具やヴィヴィオには使えない道具があったのだ。
小さいヴィヴィオに殺し合いをさせない為、シャーリーはその支給品を預かったのだ。

(こんな小さいヴィヴィオちゃんにまで殺し合いをさせるなんて……)

さて、2人は互いの知り合いについて話した……シャーリーからはルルーシュ、カレン、スバルの事を話し、ヴィヴィオはママであるなのはやフェイト、そして六課のみんなの事を話した。
何故、ママが2人いるのかという疑問も感じたがそれについては深く考えない事にしたが、ヴィヴィオが話した中のある事が再びシャーリーを驚かせた。

(スバルもなのはって人やフェイトって人と同じ六課……どういうことなのかしら?)

そう、スバルも六課の仲間だという事を聞かされたのだ。だが、シャーリーの知るスバルはブリタニア本国からの留学生だった。六課という組織に属している話など聞いたことが無い。

(スバルそんなこと一言も言ってなかったのに……)

自分の知っているスバルと違う……その事がシャーリーに疑問を抱かせた。シャーリーはこれがどういう事なのかを考える。

(もしかして軍の特殊部隊なのかな……?)

シャーリーは六課をブリタニア軍の特殊部隊なのかと考えた。特殊な故に一般人にはその存在を秘密にされている……だからこそ、スバルはその事を話さなかったのだろうと、そう考えたのだ。

(じゃあ、あの時スバルが抜け出したのは……)

それはシャーリーやスバル達も巻き込まれた河口湖でのテロ事件の時の話だった。あの時スバルはトイレと言ってパーティールームから出て行った。
随分戻ってくるまで時間がかかったのが気にかかったがこっそり事件に対処していたというのであればそれも頷ける話だとシャーリーは思った。
その軍になのはという日本人がいるということが気になったものの……。

(でもそのなのはって人イレブンよね……あ、スザク君もそうだから別に問題ないか)

シャーリーはそう結論づけた。と、シャーリーは何かに気が付き名簿を見る。

(ちょっと待って……この殺し合いに呼ばれている人達……その六課の人達が多いじゃない……)

そう、ヴィヴィオが言っていた六課の仲間やその関係者は参加者60人の中でも5分の1を超えている。
明らかに多すぎるのだ、その中に巨大犬であるザフィーラが入っている事が不思議に思えたがその事については深くは考えない事にした。

(それに……)

名簿を見ている内にシャーリーはもう1つの事実に気が付く。

(イレブンが多いのはどういう事……?)

そう、参加者の中にイレブン……日本人と思われる名前が明らかに多かったのだ。
ヴィヴィオのママであるなのはもそうだろうし、今前を進んでいる浅倉も、他にも遊城十代、相川始、泉こなた、武蔵坊弁慶等といった日本人らしき人達が参加者の4分の1を超えていた。
それでなくてもスバルもクォーター・ハーフであったので同じ名字であるギンガもその可能性が高いだろう。
更に他にもハーフやクォータ・ハーフがいる可能性は高い……シャーリーはそう考えた。

(どうしてこんなにイレブンや六課の人が多いんだろう……)

この2つの事実からシャーリーは考える……そして、ある一つの仮説を導き出す。

(もしかして……あのプレシアって人……ブリタニアの偉い人なのかな……?)

シャーリーはプレシアがブリタニアの偉い人でこの殺し合いを開いたのは六課やイレブンを抹殺する為に行っているのかと考えた。
元々シャーリーのいた世界ではブリタニア人による差別が当たり前だった。ブリタニアの植民エリアに済む人達……イレブンこと日本人もその対象である。
その為、日本人を良く思わないブリタニア人は非常に多い。
一応、名誉ブリタニア人という制度もあるにはあるがスザクが学園に転入してきた頃受け入れられるまでに時間がかかったことからもそれはあまり意味を成さないことは明らかだ。
ちなみにシャーリー自身は別にイレブンを差別するような人間ではない。

さて、六課がブリタニア軍においてどんな組織なのか……具体的には不明だがなのはやはやてという日本人がいることから人種を問わない特殊な部隊だとシャーリーは考える。
だが、現実問題としてブリタニアの偉い人が人種を問わない部隊を容認出来るだろうか?
まずNoだろう……恐らく軍内部では相当に形見の狭い思いをしていたのは想像に難くない。

プレシアは恐らくそんな六課や日本人を抹殺する為にこの殺し合いを開いた……シャーリーはそう考えた。
故に日本人の象徴とも言うべき「ゼロ」もこの殺し合いに参加させたのだろう。
だが、この仮説には幾つか疑問点がある。

1つはシャーリーが最初に遭遇した半裸の男性……エネルの存在である。
どう見てもエネルは日本人ではない。かといってブリタニア人かと言われればそれも違う……全くの異質な存在だったのだ。
エネルは雷を操っていた……ああいう人物などシャーリーは見たことがない。
何故、エネルがこの殺し合いに参加して自分達を襲っているのか……それがわからなかったのだ。

疑問はもう1つある。それは何故自分やルルーシュ、それにカレンまでこの殺し合いに参加させられているのかだ。
自分達は日本人でもなければ六課でもない……この殺し合いに参加させられる理由が思い当たらないのだ。
だが、こちらの方はある程度の予想が出来る。
それは六課の人間らしいスバルの関係者だからだろう。それならば筋が通る話だ。

そうなると、ここでまた新たな仮説が生まれる……それは殺し合いに参加させられているのは六課や日本人、そして彼らに関わりのある人間ばかりを集めたという説を……
仮にそう考えるとするならば先程までで該当しない人物が参加させられている事にも説明が付く。
そして先程の疑問であるエネルについても日本人参加者の誰かの関係者なのかもしれないという推測が出来る。

(だけどどうなんだろう……わかんないなぁ……)

だが、以上の事は何の証拠もない話だ。シャーリーではそれを断定する事は出来ない。

(ルルだったらわかるのかな……)

とりあえず、この話はルルーシュと合流した時にでも話せばいいなとシャーリーは結論づけた。ひとまず今はルルーシュ達やヴィヴィオのママであるなのは達の合流しようと考えた。

(それにしても……誰がゼロなんだろう……?)

シャーリーは名簿を見ながら誰がゼロなのかと考えていた。
名簿にゼロという名前は出ていない……つまり、ゼロは本名で参加しているのだ。
さて、シャーリーは天道がゼロだと判断しているが、シャーリー自身は天道の名前を知らない。つまり……誰がゼロなのかはわかっていないのだ。
少なくても日本人である事はわかる……だが、それだけしかわかっていない。日本人の名前など名簿には幾つもある……そのどれがゼロなのかなどシャーリーにわかるはずがない。

(あの時ちゃんと名前を聞けば良かったかなぁ……)

今更ながらに名前を聞かなかった事を後悔していた。

さて、ここまでシャーリーはヴィヴィオとは情報交換していたものの浅倉とは殆ど会話していない。
何故か……それは、シャーリーの目から見ても浅倉は危険人物だったからだ。
幾らゼロを追いかける為とは言え下手なことをすれば自分が危険な目に遭うことなど明白、だからこそ殆ど会話をしていなかったのだ。
だが、何故かヴィヴィオは浅倉に懐いている……その事がシャーリーには不思議に思えたのだ。

(本当は良い人なのかな……?)

そんな風に考えていた。



と、足を進めていた3人だったが……

『さて、皆が待ち望んだ最初の放送の時間が来たわ。』

響き渡る声……そう、プレシアによる放送が始まったのだ。

「いけない、確か禁止エリアの発表があるんだった」

シャーリーは慌ててデイパックから名簿や地図を出す。浅倉もデイパックから地図等を出していく。そして、放送が流れた……



「カレン……」

放送終わって暫くシャーリーは泣いていた……放送で呼ばれた名前にカレンがいたのだ。

「病弱で優しいカレンがどうして殺されなきゃならないの……」

シャーリーの知るカレンは病弱で気弱で優しい少女だった……そんな彼女が殺されたことにシャーリーはこの殺し合いの非常さを改めて感じていた。

「ルル……スバル……無事でいて……」

幸い放送ではルルーシュとスバルは呼ばれなかった……つまり、現時点で2人は生きているということだ。
幸か不幸かルルーシュとスバルは無事とは言い難いものの合流してはいる……が、その事実をシャーリーは知らない。

「あ……」

と、シャーリーはヴィヴィオの方に視線を向ける……ヴィヴィオもまたその場から動けず泣いていたのだ。
当然だ、放送で呼ばれた名前にはエリオ、シグナム、ティアナといった六課の仲間がいたのだ。いや、それだけではない。
一番呼ばれて欲しくない名前が呼ばれたのだ。

(ヴィヴィオちゃんのママ……殺されちゃったんだもんね……)
「なのはママぁ……」

シャーリーにはヴィヴィオの悲しみが出来る……シャーリー自身父を亡くしたばかりなのだ。
だが、どうやって元気付ければいいかなんてわかるわけが……いや、亡くしたばかりだからこそわからないのだ。
自分自身がそうなのに、ヴィヴォオを元気付ける事などできるわけがない。
慰めの言葉?言葉だけで元気になれるなんてシャーリーには思えなかった。

(せめて……もう1人のママのフェイトって人には会わせたいな……)

かける言葉が浮かばない……だからこそ、行動で助けてあげたいとシャーリーは思った。
もう1人のママであるフェイトに会わせると……シャーリーはそう思って名簿を見つめていた。

さて、悲しみに暮れる2人とは対照的に浅倉は別段変わった様子は無かった。
当然だ、浅倉には別に守りたい人物や助けたい人物など誰もいないのだ……浅倉にとって放送は禁止エリアの確認と、強者が生きているかどうかの確認でしかない。
だが、たった1人だけ気になった人物がいた。

「神崎優衣か……」

その人物は神崎優衣……そう、浅倉に王蛇のカードデッキを渡し仮面ライダーにした神崎士郎の妹である。
そもそも神崎士郎が浅倉達13人の仮面ライダー同士を戦わせようとしている理由には優衣が大きく関わっている。
だが、浅倉にとってはその理由などどうでもよく、知った所でする事に何も変わりはなかっただろう。そもそも浅倉自身優衣と士郎の関係など知らないのだ。せいぜい同じ名字だと思った程度だ。
だからこそ、浅倉はその事について深く考えることはなく、視線を地図に向ける。

「禁止エリアはB-1、D-3、H-4……」

浅倉は禁止エリアを確かめる。今現在3人がいる位置は海鳴温泉より少し南のC-7……そこからはどこも距離がある。つまり、現状3人に影響を及ぼすわけではない。
だが、浅倉はこの禁止エリアについて少し思案する。

「施設を避けているな……なんのつもりだ……プレシア……」

まず気が付いたのが3つの禁止エリアは何れも施設の無いエリアであること。81あるエリアのうち施設を有するエリアは35……4割以上だ。
適当に選んだとしても1つ位は施設のあるエリアが選ばれる可能性は非常に高い。だが、今回の放送では施設のあるエリアは選ばれていない。
浅倉はこの事からプレシアが意図的に禁止エリアを選んでいるのだろうと考えた。

「施設に追い込むつもりか?」

浅倉は施設を避けている事から参加者を施設に向かわせようとしていると考えた。そしてそれはもう1つの事実を浮き彫りにする。

「他の連中は……禁止エリアの近くにいるな……」

禁止エリア周辺に他の参加者がいると考えたのだ。禁止エリアというのは参加者の出入りを封じる為のもの……それが意味を成させる為には参加者の通りが必要だ。
つまり、参加者の出入りがまず起こりえない森林エリアであるA-9、I-9、海エリアであるG-1、H-1、I-3、I-4を禁止エリアにしても全く意味を成さない。
となれば、禁止エリアは参加者が通る可能性があるエリアを選ばなければならないはずなのだ。
ところで、浅倉達のいる場所の近くにも海鳴温泉、スカリエッティのアジト、工場、駅と人が通りそうな施設は幾つかあるが、不思議な事にこの周辺は禁止エリアに選ばれていない。
この事実は浅倉達の近くを禁止エリアにしても意味がない事を意味する。
つまり……今現在、これら施設の近くにはあまり参加者がいないと……浅倉はそう判断した。

「ならば……市街地へ行けば誰かと戦えるということだな……プレシア……」

浅倉は禁止エリアの話からプレシアがこの殺し合いの様子を見ていて、暗に参加者の動向を伝えているのだと判断した。
そして浅倉は天道に追いついた後、市街地にある施設へ向かおうと考えていた。考えを纏めた浅倉は地図と名簿をデイパックにしまった。



さて、放送ではプレシアが最後の1人になった者には願いを叶えると言っていた。
御丁寧に最初に頭を飛ばされたアリサを復活させる様子まで見せて死者を蘇生させることも出来ると話した上で。
かといって、この場にいる3人の方針が変わる事はない。

シャーリーにしてもヴィヴィオにしても生き返らせたい人物がいた所で、友人や家族…ルルーシュやフェイトを殺してまで願いを叶えるつもりなんてない。
浅倉にしても元々戦いを楽しめればそれで良いので関係のない話……願いがあるとしても『戦いを続ける』というものでしかない。

そんな中、シャーリーは名簿に印を付けていた……誰が死んだかを把握する為だ。
と、ゆっくりと名簿を見ている内に妙な事に気が付く。

(あれ……? どうしてなのはさんの名前が2つあるんだろう……)

そう、今までは全く気にも留めていなかったが名簿に印を付けていくうちに、印がついているなのはと印のついていないなのはがいることに気が付いたのだ。

(ちょっと待って……このフェイトさんもはやてって人も2つ名前がある……)

そして、フェイトやはやても2つ名前がある事に気が付いた。

(どういうことなの……ミスプリントか何か……?)

と考えるものの、この3人は共に六課の関係者でなのはとフェイトは共にヴィヴィオのママ……そんな3人がそろってプリントミスされるとは考えられない。

(……待って……もしかして……)

シャーリーはある考えに至った。その考えはあまりにも都合が良すぎる考えで、可能性はあまりにも低い説である。

(同姓同名の別人が参加させられている……?)

シャーリーはなのは、フェイト、はやては六課の3人以外に同姓同名の別人の3人が参加させられていると考えた。
同じ名前や同じ名字の人がいるわけだから同姓同名の人物がいる可能性は有り得ない話ではない。

(だったらもしかして……ヴィヴィオちゃんのママの方のなのはさんは……)

そして、先程放送で呼ばれたなのはがヴィヴィオのママであるなのはではなく、同姓同名の別人であるなのはの可能性があると考えたのだ。
そう、ヴィヴィオのママであるなのははまだ生きていると……
だが、その考えをヴィヴィオに話すという事はしない。
この考えはミスプリント以上に可能性の低い話なのだ。妄想の域にまで達していると言っても良い。
さらに仮にそうだとしても都合良く別人の方が死んでいるなんて話になるとは限らない。
そう、何から何まであまりにも都合の良すぎる話なのだ。
そんな事をむやみに話した所で違っていればかえってヴィヴィオを絶望させてしまう事など想像に難くない。

それでも……シャーリーはその可能性を信じることにした。
そうでなければあまりにもヴィヴィオが可哀想過ぎる……同じ様に父を失ったシャーリーはそう思った。
だからこそシャーリーは何とかしてもう1人のなのはを見つけたいと思ったのだ……僅かな希望を信じて……

と、シャーリーが名簿をしまおうとする……が、地面に何かが落ちているのを見つける。

「何かしら……?」

それはウサギのぬいぐるみであった。そして近くにはネックレスの様な物も落ちている。シャーリーはその2つを拾い手に取る。

「どうしてこんな所に……あら?」

と、ヴィヴィオがぬいぐるみの方をじっと見つめている。

「もしかしてこれヴィヴィオちゃんの?」
「うん……なのはママからもらったの」
「あっ、そうなんだ。じゃあヴィヴィオちゃんに返さないとね」

と、そのぬいぐるみをヴィヴィオに渡した。ヴィヴィオはぬいぐるみを大事そうに抱きしめる。

(あんなに大事そうに……きっとなのはさんとの大事な思い出が詰まっているのね……)

さて、シャーリーは視線をネックレスに向ける。そのネックレスには4つの金の輪が付いている。

「こっちは何かしら……?」
「クラールヴィントだよ……」
「クラールヴィント?」

と、シャーリーの疑問にヴィヴィオが答えた。ヴィヴィオによると六課のシャマルという人が使っていたデバイスで、シャマルはそれを指輪や振り子に変形して使っているという話なのだ。
流石に変形するという話の方は半信半疑であった。

「変形ってまさか……」

と、言いつつ試しにクラールヴィントを首にかけて起動してみる。すると、

「あっ!」

クラールヴィントが指輪に変わりシャーリーの両手にはめられた。

「本当だったんだ……」

どういう理屈かはわからなかったが、そういうものなんだろうと深くは考えないことにした。と、シャーリーはあることに気が付く。

(もしかしてこれと同じ様なものがあるのかしら……そういえば確か……)

シャーリーはデイパックからリングに通した2枚のプレートを出す。それはシャーリーのデイパックに入っていた支給品であった。
最初に見た時はそれが何なのか全くわからなかったが、仮にこれもデバイスであれば……

そう考えてプレートを握り同じ様にやってみた。すると、

「えっ!? 何!?」

と、プレートが変形しシャーリーの両手にトンファー型の剣が握られた。
シャーリーは知らないがこれはヴィンデルシャフトというシャッハ・ヌエラが使うアームドデバイスである。

「武器になっちゃった……」
「おい……」

シャーリーの驚きを余所に浅倉が話しかけてくる。

「な、何ですか?」
「そいつ……どうやって出した?」

浅倉はシャーリーがヴィンデルシャフトを起動する瞬間を見ていたのだ。そして突然武器が出てきたことに驚きどういう事か聞いたのである。

「えっ……それは……」

シャーリーはどう答えようか戸惑う……下手に答えれば自分が襲われるかもしれないからだ。
と、シャーリーにある考えが浮かぶ。シャーリーはヴィンデルシャフトを待機状態に戻し浅倉に渡す。

「武器に変形する物です」
「ほう……」

浅倉は試しに起動してみた。すると、シャーリーの言葉通りヴィンデルシャフトは起動し浅倉の両手に握られた。

「コイツは良い……」

浅倉はヴィンデルシャフトを振り回す。武器のない浅倉にとってヴィンデルシャフトは丁度良い武器だったのだ。そして、

「それから……」

シャーリーがデイパックからローラーブレードをだす。それは元々ヴィヴィオのデイパックに入っていた支給品で戦闘機人ナンバー9ノーヴェの固有武装ジェットエッジである。
浅倉はそれを受け取る。

「コイツも戦いに使えそうだな……」

浅倉はジェットエッジを履き少し動いてみる……慣れるまで少しかかりそうだが使いこなせれば十分戦いに使える、浅倉はそう思った。
そして、浅倉はジェットエッジとヴィンデルシャフトの使用練習をする……幾ら戦いに使えるとは言えいきなり使いこなせる程浅倉は万能ではない。
ある程度慣れた方が良いだろう、浅倉はそう考えたのだ……この後に控えている戦いに備えて……。

その一方、シャーリーは考える。何故、あの場所にぬいぐるみとクラールヴィントが落ちていたのかを。

(やっぱりこの人が出したのかしら……でもどうして……)

シャーリーは浅倉が出したものだと考えた。だがその理由がわからない……と、大事そうにぬいぐるみを抱えているヴィヴィオを見て、

(ヴィヴィオちゃんの事を心配して……?もしかしてこの人本当は優しい人なのかしら……?)

と、考えていた。その浅倉は2人に目を向けることなくヴィンデルシャフトとジェットエッジの練習をしている。
結論から言えば、シャーリーの推測は半分は正解、半分は不正解である。
確かにぬいぐるみもクラールヴィントも浅倉の支給品である。だが、出した理由はヴィヴィオの事を考えてのものでは決してない。
浅倉は放送時、地図と名簿を探した。だが、すぐに出せずにいて目に入ったのがぬいぐるみである。
それを見た浅倉はイライラしてぬいぐるみを投げ捨てたのだ。クラールヴィントはその時に一緒に投げられただけに過ぎないのだ。
勿論、その様子をシャーリーとヴィヴィオは見てはいない。故にこの真相は誰にもわからないことであろう。

さて、シャーリーが浅倉にヴィンデルシャフトとジェットエッジを渡したのには幾つか理由がある。
1つは自分が使うには扱いづらそうだったからだ。
ヴィンデルシャフトはトンファー型ではあるが一応は剣……優しい心の持つシャーリーがそれを扱えないのは天道に爆砕牙を返したことからも明らかだ。
ジェットエッジにしても幾ら運動神経の良いシャーリーであってもいきなりローラーブレードを渡されて使いこなせるわけもなく、戦いに使うなんてもってのほかだ。
当然、これらの武器をヴィヴィオに渡すという選択肢などあるわけがない。
もう1つは浅倉に戦う力を与える為である。
恐らくこの後、自分達は天道と遭遇することになる。幾ら負傷しているとは言え相手はゼロ、更に言えば爆砕牙という刀も所持しているのだ。
見たところ今の浅倉は武器を持っていない。更にぬいぐるみとクラールヴィントを投げた以上、支給品に武器が無い可能性は高かった。
戦いを求める浅倉といえども、武器を持った相手に対してはあまりにも分が悪すぎる。
更に、エネルといった殺し合いに乗った参加者と遭遇する恐れもある……だからこそ、浅倉に武器として使えそうな2つの支給品を渡したのだ。
予想外に浅倉が使いこなせるように練習し始めた事は幸運であった。
何故なら、なのはの死によるショックでまだヴィヴィオは動けない……落ち着くまでの時間が必要だったが、その時間を奇しくも得ることが出来たのだ。
ちなみにヴィンデルシャフトにはカートリッジシステムが搭載されているが、シャーリーも浅倉もその事には全く気が付いていない。

さて、シャーリーはこれまでの浅倉の行動から本当は優しい人なのだろうかと考えたものの、完全に信用しているわけではない。
更に言えば、実際に戦いとなれば何が起こるかわからない……だから、シャーリーは全ての支給品を浅倉に渡したりはしない。いざとなった時に自分が支給品を使うからだ。
もっとも、その内の1つを使う可能性は低いだろう。その1つに封筒があった……元々はヴィヴィオの支給品である。
封筒の中には鍵と紙が入っていた。紙には『デュエルアカデミア売店の鍵』とだけ書かれていた事から鍵がデュエルアカデミア売店の鍵だという事はわかる。

(デュエルアカデミアって……決闘の学校……何かしら……?)

気にはなったものの現在位置よりデュエルアカデミアへは距離がある為、現状そこに向かう事は無いだろうとシャーリーは考えた。
何より、決闘の学校という物騒な所に出来れば近づきたくはないとシャーリーは思っていた。
しかし、シャーリーの仲間であるスバルとルルーシュが今現在そのデュエルアガデミアにいる事など彼女には知る由もなかった。
さて、シャーリーはデイパックから銃を出す……それはシャーリーの支給品であった銃だ。

(もしもの事があったら私がヴィヴィオちゃんを……)

シャーリーはその銃をヴィヴィオを守る為に使おうと考えていた。更に、

(それに……もしゼロに会ったら……)

ゼロ……天道に会ったらその銃を使い……そう考えていたのだ。確かにシャーリーは優しい人間で殺し合いをするような性格ではない。
だが、幾ら野蛮な人間と言えども浅倉に自分の復讐を押し付けるような形になっている事に多少なりとも自己嫌悪していたのだ。
だからこそ、シャーリーは銃を手に取る……。

(ルル……こんな私見たら嫌っちゃうかな……)

シャーリーの脳裏に浮かぶのは好意を寄せる1人の少年……ルルーシュである。シャーリーはほんの少しルルーシュへ想いを馳せていた……。



だが……

そもそもシャーリーは勘違いをしている。天道がゼロであるという事自体そもそもの間違いなのだ。
シャーリーが天道をゼロだと判断したのは天道がゼロの仮面を持っていたからに過ぎない。
しかし、少し冷静に考えてみればその判断が早計であったことは明白だ。
それは、浅倉がヴィヴィオのぬいぐるみやシャマルのクラールヴィントを持っていた事からもわかる。
この場において、武器やデバイスといった道具は元々の持ち主にそのまま支給される事は幾つかの例外はあるものの殆ど無いと言って良い。
つまり、落ち着いて考えれば天道がゼロの仮面を持っているからといって天道がゼロと断定出来るわけなどないのだ。
だが、シャーリーはそれについて改めて考えようとはせず今もその間違いを抱えたままである。

そして、シャーリーは気付かない。ゼロの正体が彼女が想いを寄せるルルーシュであることに……。

さらに現実は残酷である。

シャーリーが天道に爆砕牙を返した理由にゼロ……天道が持っていた武器だったからというものがあった。
だが、今シャーリーが手にしている銃はゼロ……ルルーシュが使っていた銃である。
更に言えばその銃はシャーリーにとってはこれから起こるはずだった未来において、ルルーシュがユーフェミアを殺す時に使われた銃なのだ。
いや、ユーフェミアだけではない。この場にいるルルーシュにとってもこれから起こるはずだった未来において友達であったスザクを殺す時にも使われた銃だ。
そう、シャーリーはゼロが人殺しに使った銃を手にしていたのだ。
無論、この事実などシャーリーが知るわけがない。

ルルーシュのいた時間軸……シャーリーにとっては未来の話だがシャーリーは一度ゼロに銃を向けている……
その時シャーリーはゼロの正体がルルーシュだと知る。そして、シャーリーは銃爪を引いた……
しかし、それは父の仇であるゼロ……ルルーシュを殺す為ではなかった。ゼロ……ルルーシュの正体を知った者からルルーシュを守る為だった。
その後彼女はその罪悪感に押し潰されそうになった……そして、ルルーシュのギアスによってルルーシュの記憶を消されたのだ。

その未来ではシャーリーはゼロへの復讐心を持ちながらもゼロ……ルルーシュを守る為に銃爪を引きその重圧に押し潰された……
だが、ここにいるシャーリーの銃口が何の為に、誰の為に向けられるのか……そして撃った後彼女がその重圧に耐えられるのか……

それはまだ、誰にもわからない……。

【1日目 朝】
【現在地 C-7】

【シャーリー・フェネット@コードギアス 反目のスバル】
【状態】健康、悲しみ
【装備】浴衣、クラールヴィント@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ゼロの銃(10/10)@コードギアス 反目のスバル
【道具】支給品一式、デュエルアカデミア売店の鍵@リリカル遊戯王GX、ランダム支給品0~2(元シャーリー:0~1(一見して治療に使えそうなものはありません)、元ヴィヴィオ0~1)
【思考】
 基本:ルルーシュ達と一緒に帰りたい。
 1.お父さんの仇を討つ為に、ゼロを追いかける
 2.ヴィヴィオの為にフェイトを探す
 3.もう1人いるなのはを探し、ヴィヴィオのママかどうかを確かめる
 4.浅倉と行動を共にしヴィヴィオを守る
 5.ルルやスバルや六課の人を捜す
 6.この人(浅倉)って……実は良い人?
 7.デュエルアカデミアって……決闘の学校?
【備考】
 ※天道のことをゼロだと思っていますが、天道の名前は知りません
 ※ゼロを追いかける為に、一時的に二人の仲間になることにしました
 ※六課がブリタニア軍の特殊部隊で、スバルはその一員だと考えています
 ※ザフィーラを大型犬だと思っています
 ※プレシアはブリタニアの偉い人で、この殺し合いを開いたのは六課や日本人及びその関係者を抹殺する為だと考えています
 ※ヴィヴィオの境遇を自分と重ねています
 ※2つあるなのは、フェイト、はやての名前から同姓同名の別人がいると思っており、放送で呼ばれたなのはが別人の可能性があると考えています
 ※デュエルアカデミアを物騒な所だと思っています
 ※ゼロに追いついた後、持っている銃で撃つつもりでいますが、若干の迷いがあります

【浅倉威@仮面ライダーリリカル龍騎】
【状態】右手に火傷
【装備】ヴィンデルシャフト@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ジェットエッジ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式
【思考】
 基本 戦いを楽しむ。戦える奴は全員獲物
 1.ヴィンデルシャフトとジェットエッジに慣れる
 2.天道を追いかけて戦う
 3.天道に追いついた後は市街地にある施設に向かってみる
 4.更なる戦いの為、ヴィヴィオとシャーリーを利用する
 5.この二人がウザい。鬱陶しい。
【備考】
 ※自分から二人に危害を加えるつもりはありません
 ※二人の事は使えないと判断した時点でいつでも切り捨てるつもりです
 ※プレシアは殺し合いを監視しており、参加者の動向を暗に放送で伝えていると考えています
 ※ヴィンデルシャフトのカートリッジシステムには気付いていません

【ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】健康、深い悲しみ
【装備】ヴィヴィオのぬいぐるみ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式
【思考】
 基本 フェイトママや、六課の皆と一緒に脱出する
 1.なのはママ……
 2.フェイトママを探す
 3.浅倉とシャーリーに着いて行く
 4.あの人(天道)のことも助けなきゃ……
【備考】
 ※浅倉の事は、襲い掛かって来た矢車から自分を救ってくれたヒーローだと思っています
 ※浅倉を信頼しており、矢車とエネルを危険視しています
 ※天道の事は怪我人として放っておけないと思っています
 ※この場にもう1人なのはがいる事に気付いていません

【ヴィヴィオのぬいぐるみ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
 なのはが聖王病院売店にてヴィヴィオに買ってあげたウサギのぬいぐるみ。ナンバーズによる地上本部&六課襲撃の際にボロボロになった。本ロワでは襲撃前から持ってこられている

【デュエルアカデミア売店の鍵@リリカル遊戯王GX】
デュエルアカデミア売店のシャッターを開ける為の鍵

【ゼロの銃@コードギアス 反目のスバル】
 ゼロが所持している銃。STAGE9にてユーフェミアを射殺する際に使われ、STAGE10においてもスザクを射殺する際に使われた


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