作品別用語集 - 天海提督の決断



■天海提督の決断


 1941年11月、突如辞任した山本五十六大将に代わり、天海春香大将が聯合艦隊司令長官に就任する。
 アメリカ合衆国との開戦を目前に、彼女が下す決断とは――

 全17話完結。続編「続・天海提督の決断」


登場キャラ・アイマスキャラ編


天海春香

 日本帝国海軍大将で、聯合艦隊司令長官。初代伊東祐亨中将から数えて28代目である。
 前任山本五十六大将の突然の辞任によって、『当たり障りのない人物を』という思惑から司令長官になった。
 しかし米国日本大使館の不手際を予測し真珠湾攻撃を中止するなど、彼女によって歴史は思わぬ方向へと動き出すことになる。
  乗艦は第一話では戦艦「長門」だったが、第二話では戦艦「扶桑」に旗艦を移した。
 工業力にまさるアメリカに対し、一年で戦争を終わらせ講和に持ち込むべく蘭印防衛、豪州本土攻撃などに類まれな戦術センスをみせる。

如月千早

 日本帝国海軍中将であり、第一機動艦隊司令長官。根っからの航空主兵主義者である。
 第一航空戦隊の航空参謀から提督となったキャリアを持ち、小澤治三郎中将とはその頃知り合った。
 ちなみに小澤治三郎が第一航空戦隊司令だったのは昭和14年11月15日から翌年10月31日の間であり、彼女もその頃から日本海軍高級士官の中に名を連ねていたことになる。
 乗艦は軽空母「瑞鳳」、瑞鳳喪失後は「大和」「蒼鳥」に旗艦を移している。優れた起動艦隊の指揮で序盤、中盤に数多くの勝利をもたらした。
 いかなる運命のいたずらか、第一機動艦隊旗艦たる瑞鳳は艦橋構造物のない フルフラット艦だった。

萩原雪歩

 日本帝国軍軍人で、トラック諸島基地海軍司令。当初、階級は不明だったが第十二話で少将と判明した。
 現在ではミクロネシア連邦領チェーク諸島と呼ばれるトラック諸島は、当時日本海軍の一大根拠地となっており、多数の日本人と艦船が集まる重要拠点であった。そこを任せられるというのはかなりの要職である。
 防空壕や塹壕を陣頭指揮をとって掘っている姿が浮かんだのは、当記事筆者だけではあるまい。

星井美希

 日本帝国海軍少将で、第五水雷艦隊司令長官。
 開戦時には軽巡洋艦1隻に駆逐艦4~6隻が付き従う典型的水雷戦隊が4個集まった艦隊を指揮している。
 劇中の第一次トラック沖海戦で敵空母の動きをあらかじめ予測し、撃沈させたほか、軽巡「名取」「鬼怒」を喪ったが、アメリカ軍駆逐艦の猛攻で苦戦を避けられないことを即断して、被害を最小限にとどめ、五藤少将から「逸材」と評された。第四艦隊の重巡「高雄」「愛宕」を編入。旗艦を「高雄」に変更している。

菊地真

 日本帝国海軍少将で、第九水雷艦隊司令長官。
 重巡洋艦4隻と軽巡洋艦4隻、駆逐艦12隻を擁するかなり強力な艦隊を指揮している。
 ゲームシステム上明示はされないが、米海軍の不可思議な行動に違和感を覚えつつも「まあいいや」の一言で切り捨て追撃を即断するなど、架空戦記では定番の「脳筋」の気が今作でも漂っている。
 ちなみに「青葉」「衣笠」「加古」「古鷹」は史実では第一次ソロモン海戦にも参加した殊勲艦。

三浦あずさ

 日本帝国海軍中将で、第二機動艦隊司令長官。
 戦艦「長門」「陸奥」「伊勢」「日向」の四隻と、空母「赤城」「加賀」「鳳翔」を擁する大艦隊を率いる。
 決して無能ではないが、やはりというかさすがというか、「取り舵」と「面舵」を言い間違えたり、航法が致命的に苦手なようで、優秀な各艦航海長や参謀陣をもってしても艦隊の迷走はせいぜい「八方角レベルならあっている」くらいにしか抑えられていない。
 そのためマニラ攻略にもバイゼルマシン攻略にも定刻通りに姿を現すことがなかった。そんな状態でも提督を続けられるのはやはり胸囲的人徳のなせる技だろうか。 なお、緊急事態になると自ら梶をとったりするため、砲手の弾道修正の腕が異様にきたえられている。

水瀬伊織

 日本帝国海軍少将で、第七水雷艦隊司令長官。
 実質的に二個水雷戦隊が集まっただけの比較的小さな艦隊を率いる。

秋月律子

 日本帝国海軍技術中将。
 第一話において海軍技術研究所、艦政本部、海軍航空技術廠と交渉の末、蒼鳥型航空母艦及び十勝型重巡洋艦の建造着手、制式戦闘機を夜間戦闘機に統一する事に成功するが、開戦当時より懸念されていた各種航空機の不足が現実のものとなり、頭を痛める毎日を送っている。
 また、本編上での役割とは別に、作品用語解説役としても登場している。

高槻やよい

 日本帝国海軍中佐で、海軍航空隊隊長。(所属部隊及び基地は不明。)
 第7話において陸軍との共同作戦である重慶攻略において、上空からの空爆を敢行する。

双海真美

 日本帝国海軍軍人で、新型重巡洋艦「十勝」艦長。
 第十三話で初登場を果たした「十勝」と共に、今後の活躍が期待される。
 士官学校時代に、訓練航海でハワイへ行った際、亜美に代返を頼まれたきり別れ別れになっていたが、戦場で相まみえる形で再会を果たす。

双海亜美

 アメリカ海軍のエージェント。11人のアイドル中、ただ一人敵側に所属。
 スパイとして暗躍していたが、日本海軍の快進撃を止めることは出来なかった。
 第十三話で「南の島」への「休暇」を与えられ、第一艦隊に便乗しトラックへ向かったが、
 ハワイ沖で「十勝」艦隊に遭遇。第一艦隊は降伏を余儀なくさせられる。
 「十勝」艦長になっていた真美と再会するが、その間に如何なるやりとりがあったのかは不明。
 そしてなぜか十勝に乗り込み、真美と共に「relations」の替え歌(しかも不吉な)を熱唱。美希に怒られる羽目に。


登場キャラ・実在人物編


日本

宇垣纏
 日本帝国海軍少将で、太平洋戦争開始当時の聯合艦隊参謀長。
 太平洋戦争開戦直前に突如辞任した山本前長官の後をうけて就任した天海春香聯合艦隊司令長官のサポート役となる…が、天海長官が就任早々決定した真珠湾攻撃の中止など、終始その行動に振り回されており、胃薬を手放せない毎日を送っている。

五藤存知
 日本帝国海軍少将。第五水雷艦隊の戦隊司令に任じられているが、艦隊司令である星井美希に呼びつけられ、任艦から離れて司令補佐(という名の雑用係)に甘んじる日々を過ごしている。本人もこの待遇が不満のようだが、本音と建前はきっちりわける大人である。
 史実ではサボ島沖海戦においてアメリカ海軍所属艦を日本軍艦と誤認し先制攻撃を受け、両脚を吹き飛ばされて大量失血死するという非業の死を遂げた。彼は死の瞬間まで、誤射されたと信じていたそうである。
 ちなみに史実において1941年12月の段階では彼は第六戦隊司令となり重巡洋艦「青葉」に搭乗している。しかし彼が指揮するはずであった第六戦隊は丸々菊地真少将率いる第九水雷艦隊に吸収されてしまっている。かといって前任である第二水雷戦隊長なのかと言うと、その旗艦である神通もまた第九水雷艦隊にいるため、そうではない。
 さらに言えば彼が現在指揮しているはずの第五水雷艦隊内の各戦隊は明らかに第二水雷戦隊よりも所属艦数が少なく、当記事筆者としてはどうも彼がこれ以上ないくらいの貧乏くじを引かされたような気がしてならない。

木村昌福
 日本帝国海軍少将。第五水雷艦隊・第四戦隊司令で旗艦は軽巡「長良」
 トレードマークはこれでもかと言わんばかりの顔面からはみ出したカイゼル髭。史実でのミンドロ島突入作戦・キスカ島撤退作戦などの成功を受けて、戦況の見極めの的確さに定評がある。
 現場からの叩き上げ組らしく、苦労性の同僚五藤少将と比べると既存の発想に捉われない美希の作戦行動を「面白い」と感じる大らかな面があり美希の聯合艦隊司令長官就任が見たいと部下に語っている。

アメリカ

アーネスト・キング
 史実での最終階級はアメリカ海軍元帥。かなり非道い人物に描かれているが、史実の彼はそんなことは無い。
  本物はもっと非道い。
 ちなみに某スペースオペラに登場する「ドライアイスの剣」という渾名の元ネタは彼である。

チェスター・ニミッツ
 第一艦隊司令長官。史実においては太平洋艦隊司令長官・海軍作戦本部長を歴任した。上司・部下ともに信頼されるバランス感覚に優れた知将で、緒戦で圧倒的だった聯合艦隊を相手に「負けない戦い」を推進した。同作品でもキング本部長や上層部の思惑を理解しながらも限られた戦力での戦いとして潜水艦による通商破壊と漸減戦法を試みるが、トラック島近海に出撃した際、新鋭艦「十勝」を中核とする水雷隊による攻撃で降伏を余儀なくされる。


艦艇


大和

 おそらく日本で最も有名な軍艦。世界最大の戦艦として名高い。「大和」型戦艦一番艦。同型艦に「武蔵」、空母に改修された「信濃」がある。
 日本を表す「大和」という艦名をつけられたことからもわかるとおり、海軍からは非常に大きな期待をかけられていた。
 就役時点で米海軍には大和に太刀打ちできる艦は存在せず、WW1のジュットランド海戦のような艦隊戦が生起すれば大和は文字通り最強の戦艦だったはずである。
 しかし、建造開始時点はともかく就役した時点で既に主力兵器は航空機へと移行していた。大和は遂にその性能を十二分に発揮する機会のないまま、一億総特攻の先駆けとして沖縄への艦隊特攻に向かい、米軍の航空機の猛攻により転覆沈没後、大爆発を起こした。
 その能力を生かすことなく沈んだ悲劇の艦であり、大艦巨砲主義の象徴として扱われることも多い。確かにその通りではあるのだが、1937年という起工時は間違いなく大艦巨砲主義が世界のトレンドであり、「大和は時流を読めない日本軍が作った役立たずだ」などという批判はあたらない。というより、むしろノースカロライナ級とかサウスダコタ級とかアイオワ級とかアラスカ級とか作り続けた米海軍こそ大艦巨砲主義に取り付かれていたのではないかという気さえするのだが、ひとまず置いておこう。

 劇中では第一機動艦隊第一部隊に所属しているが、司令長官である千早に足の遅さを酷評されてしまっている。
 しかし同部隊に所属している軽空母「龍驤」と「瑞鳳」もそれぞれ最大速力は28ノット程度であり、実は大和の27ノットと大した違いはない。
 もっともその1の差が千早にとっては重要な差なのかもしれない。例えば真と千早のバストの差は1cmであるがその外見は……
 おや、こんな時間に誰か来たようだ。誰だろう…

長門

 太平洋戦争開戦時の聨合艦隊旗艦。「長門」型戦艦1番艦。劇中では第二機動艦隊に配備されている。
 戦艦8隻と巡洋戦艦8隻の態勢を整える八八艦隊計画の一番艦として建造された。しかしワシントン海軍軍縮条約締結によって計画破棄を余儀なくされ、「天城」型巡洋戦艦1番艦「天城」は関東大震災で損傷、2番艦「赤城」と「加賀」型戦艦1番艦「加賀」は空母に改造されたため、結局戦艦として完成したのは「長門」と2番艦「陸奥」だけであった。
 世界で初めて41cm砲を搭載しただけでなく、同時期の他国の戦艦と比べて最高速度が速く、アメリカの戦艦と比べると5ノット以上優速であり当時高速戦艦として名を馳せていたイギリスの戦艦「クイーンエリザベス」級と比較してもなお速い優秀な戦艦であった。
 また排水量も竣工時点で世界最大であり、その後戦艦の建艦競争がストップしたという事情があるとは言え、1940年にドイツの「ビスマルク」級が登場するまで世界最大の戦艦であり続けた。
 戦艦「大和」「武蔵」が完成した後も、両艦の存在が秘匿されていたため日本国民にとっての海軍の象徴は終戦まで「長門」であり続け、そして太平洋戦争を生き延びた唯一の日本戦艦でもある。
 史実では終戦後アメリカ海軍に接収され、1946年にビキニ岩礁の原爆実験の標的艦となり2度の核爆発を受けて浸水が発生、傾斜し3日後に転覆沈没した。
 沈没状態ではあるが、現状唯一原形を留めていて、ダイビングスポットとして観光地になっている。
 ちなみに劇中では常に艦尾が冠水し、公式には波が高いだけだと発表されているが、どう見ても沈没寸前であることに定評がある。

陸奥

 日本帝国海軍の戦艦。「長門」型戦艦二番艦。劇中ではネームシップ「長門」と共に二機艦所属。
 長門とともに世界トップクラスの優秀な戦艦であり、国民からの人気は長門を凌ぐほどであったが、史実では1943年6月8日に広島県柱島沖で謎の大爆発を起こし、船体は二つに引き裂け沈没した。事故原因は「爆発直前に砲塔から白煙が上がっているのを見た」という目撃証言をもとに三式弾暴発が疑われ調査されたが、三式弾にはなんら問題が認められなかった。同時に人為的な要因の線でも調査がなされたが、こちらも調査は進まず結局原因不明と判断された。ほかにも工作員の仕業、乗員の自殺などの説があるが、どれも決定的な証拠はなく今もって事故の原因は分かっていない。
 全く活躍の場がないままに謎の事故で沈んでしまった経緯からか、多くの架空戦記で被害担当艦として扱われ、「そろそろ戦艦沈めなきゃな」と作家が考えたらとりあえず沈められる不幸な役回りを負っている。

 余談だが、「陸奥」の名を受け継いだ日本原子力研究所の原子力動力船「むつ」は初試験時に放射能漏れを起こし、母港むつ市から入港を拒否され長期の漂泊を余儀なくされた。現在「むつ」はディーゼル機関に換装され、日本海洋研究開発機構所属「みらい」となって今でも運用が続けられている。
 爆沈した戦艦「陸奥」と放射能漏れを起こした実験船「むつ」と同名艦で続けて重大な事故が起こったことから、一部では「陸奥」の名は縁起が悪いとされることもある。

 ちなみに「陸奥」は現在もっとも容易に見ることができる旧日本軍の戦艦で、1970年に引き上げられた。お台場の船の科学館や靖国神社をはじめとする各地で陸奥の装備が展示されており、その偉容を偲ぶことができる。
※近年では広島県呉市にある「大和ミュージアム」(正式名称:呉市海事歴史科学館)が特に有名。41cm主砲やプロペラ、主舵など「陸奥」の主要装備を間近で見ることが可能。「陸奥」以外にも「金剛」の改装前の機関「ヤーロー式ボイラー」、ロングランスこと「九三式酸素魚雷」等当作品に馴染みのある資料が豊富に展示されている。

瑞鳳



蒼鳥 (架空艦)

 (多分)昭和16年度予算で承認され建造が開始された日本海軍の誇る新型正規空母。1942年9月7日竣工。
 最大速力36ノットという水雷戦隊にも余裕で追随できる超快速艦であると同時に、高角砲72門、対空機銃172門を搭載する類を見ない重防空空母でもある。外見はおそらく舷側に砲身がズラリとならぶハリネズミになっていることだろう。
 それでありながら搭載機数72機を確保しているというのだから、実際に建造されたならば空前の巨大空母になっていたはずである。
 一番艦は「蒼鳥」、二番艦は「弥生鳥」。
 日本海軍の航空母艦の命名基準は瑞祥生物、すなわち縁起のいい生物の名前となっているため、幸運をもたらすとされる「蒼い鳥」はまさしくふさわしい名前であると言えよう。また二番艦弥生鳥に関しても、弥生の頃に鳴く鳥と言えば日本三鳴鳥の一つウグイスであり、かの鳥は春告鳥として古来から吉兆とされている。姉妹ともども見事に命名基準に
 合致した名であり、如月千早提督の持ち歌と名が被ったのは偶々である(たぶん)。
+ 以下ネタバレ注意

十勝 (架空艦)

 「蒼鳥」型正規空母と時を同じくして建造が開始される事になった日本海軍の最新鋭重巡洋艦。艦長は双海真美。
 最上型重巡洋艦「鈴谷」(設計変更の為、最上型と類別し「鈴谷型」という資料もあり)を原型に設計された。
 最新技術を惜しげもなく投入し、38ノットという当時の駆逐艦以上の足の速さを誇りながら、20.3㎝連装砲5基、高角砲12門、機銃60門、魚雷三連装発射管4基を装備し、さらにはそれまでの日本の巡洋艦には装備された事のない対潜装備をも装備した重武装艦でもある。
 その装備の汎用性、性能の高さから「蒼鳥」同様、量産の暁には日本海軍の中核を成す艦になっている(はずである。)
 一番艦は「十勝」、二番艦は「石狩」。二艦とも建造開始時期が同じため、1942年7月に就役した。
 なお、日本海軍の艦艇命名基準によれば、重巡洋艦は「山の名前」から取るのが通例となっており、双海姉妹の渾名と艦の名前が被ってしまったのはおそらく偶然である(たぶん。)
 亜美曰くゲテモノ艦。十四話で初陣を飾り、米第一艦隊に対し、猛威を振るった。

夕張

 後の八八艦隊計画の前身である、八四艦隊計画に基づき建造された軽巡洋艦。
 その計画において、5500t級巡洋艦9隻を建造するうちの1隻を3000tクラスの船体で建造したものである。
 小型ながらも5500t級巡洋艦と同等の武装を持ち、その後の日本海軍の艦艇建造思想に大きな影響を与えたが、あまりにもコンパクトに設計を纏めてしまったため、その後の運用や改装の際にえらく難渋したそうである。
 また、小型な船体にどれだけの兵装を詰め込めるか? という実験艦の性格が強いため同型艦は存在しない。
 作中では第一次トラック沖海戦後の第五水雷艦隊の再編成の際に第三戦隊の旗艦へと配置されているが、宇垣P自身が夕張の模型を持っていないという理由のため、結局最後まで登場しなかった。 

雪風

 真率いる第九水雷艦隊第三部隊に所属する駆逐艦。陽炎型駆逐艦8番艦。
 史実では開戦から終戦まで数々の主要な海戦に参加しておきながら、目だった損傷もなく戦争を生き延びた。
 戦艦大和特攻作戦に従事した際にロケット弾一発が命中したがこれも不発であり、その戦歴から「幸運艦」と呼ばれる。
 だが一方それだけの損傷を味方が肩代わりしたと捉え、僚艦にとっては「不幸艦」と言われることもある。
 終戦後は台湾海軍に「丹陽」として引き渡され艦隊旗艦となった。その後1970年に解体されるまで無事任務を全うした。
 作中ではブリズベン沖の海戦でオーストラリア海軍の待ち伏せを受け、真の常識外れの艦隊行動によって多大な被害を受ける。
 雪風はその中で唯一撃沈されてしまった艦である。

明石

 日本海軍の工作艦。「明石」型工作艦一番艦、ただし二番艦は計画のみに終わった。
 工作艦とは、艦内で艦艇の部品などを生産し、それを使って他艦を修理することができる移動工場のような船のことである。完全な補助艦艇であり艦隊に同行するような艦種ではないので戦略シミュレーションなどに登場することは極めて稀であるが、実際の戦略上はとても重要な艦である。
 明石は日本海軍最新の工作艦として、3基の重クレーンとドイツ製工作機械(当時のドイツ製工作機械は日本製の10倍の精度で部品を作れたとも言われる)144台を搭載していた。太平洋戦争緒戦において南方に破竹の勢いで進出した日本軍であるが、トラック諸島を始めとする南洋の基地には軍艦にも対応した本格的なドックが存在せず、本来なら大きな損傷を負えばその修理のためにははるばる本土まで帰るしかなかった。
 しかし、明石が南洋を駆け巡り損傷艦艇を修理してまわったことによって日本海軍は効率よく戦い続けることができたのである。
 トラック諸島の損傷艦修理能力も明石に依存するところが大きく、日本海軍南方作戦の陰の立役者とも言える。
 劇中でも本編にこそ出てきていないが、度々大破して帰ってくる第五艦隊を始めとした損傷艦修理に追われている姿が想像され一部のコメントで人気が出ている。


プリンス・オブ・ウェールズ

 HMS Prince of Wales.
 イギリス海軍所属の新鋭戦艦。「キングジョージ5世」級戦艦2番艦。POWと呼ばれることも。
 太平洋戦争開戦時イギリス東洋艦隊旗艦であり、史実ではマレー沖海戦において魚雷4本と爆弾1発を被弾、沈没した。
 沈没する際にフィリップス提督が、脱出を促す部下に対し「No thank you」と一言だけ言って断ったという逸話は有名である。
 なお、彼女は作戦行動中に航空機に撃沈された戦艦としては2番目である(1番は40分強前に沈んだレパルス)。
 この艦を失った衝撃は相当なものだったようで、POW沈没の報告を聞いた英首相チャーチルは思わず「あの艦が!」と叫んだと伝えられている。
 初陣は1941年5月のドイツ戦艦ビスマルク追撃戦で、まだ艤装中だったのにも関わらず工員を乗せたまま戦闘に参加するという破天荒な運用をされる。この時、ビスマルクの主砲弾を受けて中破。修理が終わった後、大西洋でルーズベルト・チャーチル・スターリンが大西洋憲章を締結する会場となった。


航空機


一式陸上攻撃機

 マカッサル航空隊に配備されていた日本海軍の陸上攻撃機。
 従来の同規模航空機では考えられないほどの航続距離が特長で、史実では偵察・爆撃・雷撃と活躍したが、それは主翼がほぼそのまま燃料タンクになっている「インテグラルタンク」と呼ばれる手法を採用したためであり、それゆえに防弾装備が不十分で甚大な被害を出すことになった。
 その燃えやすさから銃弾一発で火を吹く、という意味で「ワンショットライター」と呼ばれることもあったが、実際のところそこまで燃えやすくはなかったらしい。防御も皆無というわけではなく防弾ゴムが装備されている。
 ただし結局不十分であったことは疑いようのない事実である。
 戦争終盤に製造された三四型以降は防御装備も充実したが、もはや防弾装備の有無でどうにかなるような戦局ではなかった。
 劇中では高槻やよい中佐指揮の下「もやし祭り」を繰り広げる。

その他兵器


ロングランス

 日本海軍ご自慢の九三式酸素魚雷のこと。魚雷搭載の燃料を酸素を使って燃焼させる機構を採用していた。
 当時のアメリカ軍の魚雷と比べて4~5倍の射程、炸薬重量500kgの高威力、最大48ktの高速力という、当時としては飛びぬけた性能を誇っており、連合軍から恐れられていた。
 酸素魚雷が実用化されれば魚雷の燃焼効率が大幅に改善され、射程距離が飛躍的に向上することなどのほか、なにより航跡が残らないので被発見性が著しく低下することが期待されイギリスを始めとした列強国がこぞって開発していた。
 が、酸素を使う構造上どこも安全性を確保できずに開発は難航していた。
 その中で日本のみが、魚雷のエンジン始動時には空気、その後徐々に酸素濃度を増していく手法を開発し1933年に九三式魚雷として制式採用した。
 他、潜水艦用の九五式魚雷も同様の酸素魚雷であり、空母ワスプを狙った魚雷のうち外れた分が10kmも先を航行中だった戦艦ノースカロライナと駆逐艦オブライエンにも命中、大損害を与えた事実は有名である。
 当時の日本の兵器としては他国と比べて著しいアドバンテージがあったためか、太平洋戦争を舞台とした架空戦記では「大和」の46cm砲と並んで決戦兵器として扱われることが多い。

部隊


第一航空戦隊

 以前千早が航空参謀を勤めていた戦隊。
 時期によって編成は変わるが、史実の開戦時には空母「赤城」「加賀」、駆逐艦「潮」「漣」を擁していた。
 史実ではミッドウェーにて両空母を失い解散されてしまったが、この世界ではいかに……

第一機動艦隊

 空母6隻・戦艦5隻を擁する名実共に日本海軍の主力艦隊。司令長官は如月千早中将。他にも小澤治三郎・伊藤整一と、史実では末期日本海軍を支えることになる提督が名を連ねている。旗艦は「瑞鳳」。
 大和よりも明らかに旗艦能力に欠ける瑞鳳が旗艦に選ばれているのは、おそらくは如月中将の個人的嗜好である。

 所属艦一覧(開戦時)
 第一部隊(如月千早中将)
 空母「瑞鳳」「龍驤」
 戦艦「大和」
 重巡「熊野」「鈴谷」「最上」「三隈」
 駆逐艦「如月」

 第二部隊(小澤治三郎中将)
 空母「瑞鶴」「翔鶴」
 戦艦「霧島」「榛名」
 重巡「那智」「足柄」
 駆逐艦「朝霧」「夕霧」

 第三部隊(伊藤整一中将)
 空母「飛龍」「蒼龍」
 戦艦「比叡」「金剛」
 重巡「妙高」「羽黒」
 駆逐艦「狭霧」「天霧」

第二機動艦隊

 空母3隻と戦艦4隻が配備された、日本海軍第二の主力艦隊。司令長官は三浦あずさ中将。旗艦は「長門」。
 陣容自体は非常に立派なのだが、提督が提督なためか航法精度が致命的で未だかつて一度も(5話発表時点)定刻通りに作戦に参加することができていない。

 所属艦一覧(開戦時)
 第一部隊(三浦あずさ中将)
 戦艦「長門」「陸奥」
 空母「赤城」
 重巡「利根」「筑摩」
 駆逐艦「陽炎」「不知火」

 第二部隊(角田覚治少将)
 戦艦「伊勢」「日向」
 空母「加賀」「鳳翔」
 重巡「摩耶」「鳥海」
 駆逐艦「霞」「霰」

 第三部隊(古村啓蔵少将)
 軽巡「阿武隈」
 駆逐艦「浦風」「磯風」「濱風」「谷風」

第四任務艦隊

 新鋭重巡洋艦2隻に2個水雷戦隊がついたミニ第九水雷艦隊といった具合の艦隊であったが、後に第五水雷艦隊とで再編成が行われ、軽巡2隻と駆逐艦のみの実質的には戦力とは言えない訓練艦隊となってしまった。
 司令長官は井上成美中将。航空主兵主義者であり戦下手を自認していた彼にとって、この人事が適材適所なのかどうかは微妙なところである。

 所属艦一覧(開戦時)
 第一部隊(井上成美中将)
 重巡「高雄」「愛宕」
 軽巡「大井」「北上」
 駆逐艦「睦月」「弥生」「卯月」「皐月」

 第二部隊(有馬正文少将)
 軽巡「天竜」「龍田」
 駆逐艦「水無月」「文月」「長月」「菊月」「三日月」「望月」

第五水雷艦隊

 4個水雷戦隊で構成された艦隊。司令長官は星井美希少将。開戦時旗艦は「五十鈴」。
 平時には隙のないゆとりっぷりを発揮する司令長官を、苦労人五藤少将が補佐してまわっている。
 後に第四任務艦隊との間で再編成が行われ、重巡洋艦2隻と軽巡2隻、駆逐艦数隻が増派された。
 その結果旗艦は「高雄」に移り、「五十鈴」は第二部隊旗艦になり五藤少将も雑務から解放されることとなった。

 所属艦一覧(開戦時)
 第一部隊(星井美希少将)
 軽巡「五十鈴」
 駆逐艦「初春」「子ノ日」「若葉」「初霜」「有明」「夕暮」

 第二部隊(五藤存知少将)
 軽巡「名取」
 駆逐艦「白露」「時雨」「海風」「山風」「江風」「涼風」

 第三部隊(栗田健男少将)
 軽巡「鬼怒」
 駆逐艦「村雨」「夕立」「春雨」「五月雨」

 第四部隊(木村昌福少将)
 軽巡「長良」
 駆逐艦「朝雲」「山雲」「夏雲」「峰雲」

 本記事筆者のどうでもよい所感であるが、是非「時雨」は一機艦に配属変えしてほしい(P的な意味で)。

第七水雷艦隊

 2個水雷戦隊で構成された小規模艦隊。司令長官は水瀬伊織少将。旗艦は「球磨」。
 表舞台に出てこないため全く目立たないが、蘭印攻略戦などで活躍しているらしい。
 第二部隊に中将がいるのに何故か伊織が司令長官という不思議な艦隊である。
 個人的には怪力線の実用化に期待したい。

 第一部隊(水瀬伊織少将)
 軽巡「球磨」「多摩」
 駆逐艦「汐風」「夕風」「野分」「嵐」「萩風」「舞風」

 第二部隊(三河軍一中将)
 軽巡「由良」
 駆逐艦「朝風」「疾風」「追風」「朝凪」「夕凪」

第九水雷艦隊

 重巡洋艦4隻を中核に、複数の水雷戦隊がついた艦隊。司令長官は菊地真少将。旗艦は「青葉」。

 所属艦一覧(開戦時)
 第一部隊(菊地真少将)
 重巡「青葉」「衣笠」
 軽巡「木曾」
 駆逐艦「黒潮」「親潮「早潮」「夏潮」

 第二部隊(田中頼三少将)
 重巡「古鷹」「加古」
 駆逐艦「朝潮」「大潮」「満潮」「荒潮」

 第三部隊(大森仙太郎少将)
 軽巡「神通」「川内」「那珂」
 駆逐艦「初風」「雪風」「時津風」「天津風」



主な海戦

マレー沖海戦

トラック沖海戦

ニューギニア近海海戦

シンガポール沖海戦

ハワイ攻略戦

サンディエゴ沖海戦


格言


モナコで博打

 山本五十六は大変博打好きな人だったらしく、「海軍を辞めたらモナコで博打打ちになる」というのが口癖だったらしい。
史実ではそのモナコにおいてカジノ協会から出入り禁止令を受けている。何があったのだろうか…?
 山本大将が「真珠湾攻撃が認められなければ、俺は司令長官を辞める」と発言していたことは有名だが、この世界の山本大将は認められたのに結局やめてしまった。
どうやら史実より少しお茶目さんらしい・・・と思ったら続編ではラスベガスにまで進出していた。


コメント・その他


三浦艦隊は何処にありや。全世界は知らんと欲す。

 あずささんが艦隊を率いていると分かった時につけられたコメント。
 元ネタは「第34任務部隊は何処にありや。全世界は知らんと欲す」。
 レイテ沖海戦において日本海軍の陽動に引っかかって所定の位置をはなれたハルゼー提督に対し、ニミッツ提督が打った電報である。
 あずささんの迷走ぶりを端的に表現した格言。

HI☆DE☆KI

 「軍国魔法主義少女HI☆DE☆KI」を指す。詳細は「春閣下が世界征服をするそうです。」の用語集を参照のこと。
 やよいが初登場からいきなりやってのけた物資調達手腕を「春閣下が世界征服をするそうです。」劇中の東条英機の
 対中国外交手腕と重ねてつけられたコメント。
 契約書はすみずみまで読んで確認した上で判を押すようにこころがけましょう。 

戦藻録

 読みは「せんそうろく」。
 日本海軍軍人宇垣纏が太平洋戦争開戦数ヶ月前から終戦の日まで4年にわたり記した日記。
 今日でも当時の作戦内幕や人々の様子を知るための貴重な一級資料と位置づけられている。
 劇中の宇垣纏も記し続けているが、早速実在の戦藻録と大きく違う歴史を刻み始めている。
 「戦藻録」であり「戦争録」ではない。

ホシイ少将とゴトウ君

 第五水雷艦隊司令長官の美希と、その第二戦隊司令の五藤少将との関係を端的に表した言葉。
 元ネタは言わずと知れた某無責任艦長シリーズから。

ジパング

 劇中六話「ゆきぽ要塞1942 トラック攻防編」より美希の指揮する第五水雷艦隊と雪歩指揮下のトラック基地航空隊の戦闘中に流れたBGMから。原典はかわぐちかいじ氏原作のアニメ版『ジパング』のBGMである。作曲は佐橋俊彦。宇垣Pも戦闘シーンで使うことに憧れていたらしい。
 前者は「戦闘『みらい』」、後者は「『みらい』テーマ」である。題名通り原典劇中でもイージス艦「みらい」の戦闘シーンに使われており「高雄」以下五水艦の雄姿と実に親和性が高く美希や五藤・木村両少将等水雷組のテーマソングともいえなくもない……と思うのは当記事編者ばかりではないだろう。
 続編である「続・天海提督の決断」第四章『巨砲スエズに咆ゆ』においても美希指揮の第一機動艦隊の追撃シーンで使われる。

サマール沖

 第九話宇垣Pコメより。レイテ沖海戦を構成する一連の海戦の一つ「サマール沖海戦」のこと。
 この海戦において、アメリカ海軍軽空母部隊が栗田中将率いる日本艦隊主力と遭遇、砲戦距離内に空母が突っ込むという、空母としては悪夢のような状況での海戦となった。
 空母を含む艦隊が砲戦を実行する場合、本来なら足手まといでしかない空母は艦隊から分離、砲戦距離から逃すべきなのだが、提督の決断3ではシステム上それができないため常にサマール沖が展開されることになる。
 それも逃走が目的だったサマール沖と違い、ゲーム内では戦艦同士の殴り合いの最中をずっと航行していなくてはならないため、ある意味サマール沖以上の地獄かもしれない。

零号作戦

 第十六話で春香がある作戦を提案した際に一部から寄せられたコメント。
 史実で行われた作戦ではなく架空戦記作家の橋本純氏の著書『連合艦隊零号作戦』内で日本海軍が実行した作戦のこと。
 春香が提案した作戦と内容や目的が非常に酷似しているが、『連合艦隊零号作戦』の方はほぼ史実通りに展開した太平洋戦争の末期が舞台であり、本作より遥かに悲惨な状況設定となっている。
 ちなみにこの作中で零号作戦を発案し、中心となって実行に移したのは本作で春香の参謀長を務めている宇垣纏であり、当記事筆者としては何か因縁めいたものを感じざるを得ない。

日本武尊

 劇中での第二機動艦隊旗艦「長門」が喫水線(艦船の下の赤い部分)を越えて砲塔まで浸かるほどの波の被り方から付いたコメント。
 架空戦記の一大ブームを起こした作品、荒巻義雄氏著『旭日の艦隊』の主役とも云える「旭日艦隊」の旗艦を指す。読みは「やまとたける」
 史実と違う流れになった「後世世界」と呼ばれる世界の日本海軍に存在しなかった「大和」級戦艦の位置付け。
 設計時より戦艦の火力・重装甲を持ち、戦艦の弱点である対空戦を克服できる(水中に入れば爆弾は効果を失うor重装甲で防御出来る)『潜水戦艦』という奇想兵器の王道ともいえるコンセプトであったが、建艦時の技術力では不可能だったため、艦体の一部を下げ、魚雷や砲弾を喫水線上に当ててダメージを減らす『どたぷーん』・・・もとい『半潜艦』として完成された。
 主砲口径が51cm三連装という「大和」以上の大口径砲を持ち、某イージス艦も真っ青な18セルの対艦ミサイルというトンデモ火力を組み併せたスーパー戦艦。
 続編の『新・旭日の艦隊』では完全潜行可能、核融合炉装備で水中速度70ノット、対空レーザー砲、最大射程200㌔オーバーで成層圏まで到達するR砲(レールガン)、統合演算電脳(イージスシステム)に加え、果てはくノ一部隊に未来転生者まで居る……というもはや超兵器のオンパレードと化している。


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