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空腹の技法 ◆Qpd0JbP8YI




朝日は昇り、夜は終わりを告げている。
陽光が眩しく照らされる中を、一人の男性と一人の女性は黙々と歩き続けていた。
ゼストとCCの二人がこの殺し合いのという場に呼び出されてから、既に半日は経過。
しかし、その紡ぎ出された時間の結果、二人が得たものはほとんどなかった。

「もしかしてこの場には私たちしかいないのかもな」

やがて、そんな時間の流れに飽いたのか
退屈しのぎに妖艶な笑みを浮かべてCCはゼストに語らいかけた。

「こんな所にか弱い女の子がいたら、たちまち恥知らずな中年男に襲われてしまいそうだ」

おー、怖い怖いと肩を竦ませながら、目の前を歩く人間を見る。
お前が自分を襲うのではないか、と揶揄するつもりで。
だけど、肝心のゼストはCC企みに気がついてか、彼女に背中を向けて無言で前を行く始末であった。

「……チェッ、つまらん奴め」

道に転がっている小石を蹴飛ばしながら、CCは愚痴を零す。
どこぞの童貞坊やだったらもっとマシな反応したかもなと思いつつも
件の人間を思い浮かべたら、その人も同じような反応しかしないなと
彼女は溜息を漏らした。

「それでお前はどうするんだ?」

相手に反応がないので、話をこのデスゲームに移す。

「何がだ?」
「先程の放送でお前の御執心の高町なのはが呼ばれたぞ」
「その事か。下らん」
「下らんとはまた随分と突き放した言い方をするものだな。あれだけ想いを私に吐露しておきながら」
「……名簿は見ていないのか?」
「名簿~?」
「そうだ。そこにはあの悪鬼の名が二つ記されていた。一つは紛れもなくあの復讐の鬼。そしてもう一つはどうせプレシアなりスカリエッティなりが暇つぶしに作ったクローンであろう」
「つまり、死んだのはクローンであると?」
「そうだ。あの悪鬼はそう簡単には堕ちん! それほどの執念を持った鬼だ!」
「ふぅん、そうか。しかし、変わった趣味の男だな。そんな女の尻を追いかけるとはな」

表情をほとんど変えない目の前の男に向かって、彼女はまた笑いかける。
この堅物の人間の顔を変えてこの場を少しでも楽しもう、と。
だけど、ゼストは相も変わらずその無骨な背中をCCに見せるだけであった。

「……お前ほどからかい甲斐のない奴は初めてだよ」

幾分か呆れを込めて、CCはゼストに告げる。
そして途端に辺りに立ち込める沈黙。
別にそれ自体に居た堪れなさを感じるほど彼女は繊細な出来ではないが、
このままだんまりを続けるというのも面白くはない。
彼女は再び話をゲームの事に戻すことにした。

「……それで、あの下らないショーのことについてはどう思う? 死んだ人間を生き返らせると言っていたが」
「それは……恐らく可能だろうな」
「本当か?」
「ああ。事実、この身は既に一度死したもの。今は仮初の命を預かり、現世しているに過ぎん」

ゼストの発言にCCは目を丸くする……わけもなく、ただ目を細めて、嘲るような口調で言った。

「これは驚きだな。こんな所で奇跡を目の当たりにできるなどとは。どこぞの神様もビックリだ」
「……冗談ではない」

ゼストは馬鹿にした口ぶりを諌めるべく、眼光鋭くCCを射すくめた。

「フンッ……では、あのプレシア……だったか? あの女にそんな大それた能力があるとでもいうのか?」
「恐らくは」
「これもまた驚きだな。余程、神というものは間抜けと見える。自身の絶対権限であるはずの命の再生を他人に譲り渡すなどとはな」
「それには同意する。しかし、生き返るというのは誰にでも可能なことではない」
「どういうことだ?」
「死体を蘇らすにはレリック……という物を用いるのだが、それが身体に無事に適用されるかはある程度基準がある。それをクリアしなければ、生き返るというのは、また夢の話だろうな」
「その基準というのは分からんが、あの死んだ女に当てはまるものがあったか?」
「それはなかった」
「随分とはっきり言うな」
「ああ。あの女には魔力が感じられなかった。それでは高エネルギー体であるレリックが収まるはずもない」
「なるほど。だとしたら、あの女は……」
「クローンだろうな。態々見せしめのためにクローンを作り、命を弄ぶなど……プレシアめ!」
「何だ、随分とつまらない答えだな。夢も希望もない。拍子抜けだ」
「この殺し合いで面白いことを期待する方がどうかしている。それが主催者に関することなら尚更だ」
「……つまり、あの女の言っていることには期待するな……全ては嘘……ということか?」
「全てとは言わん。だが自分に益することがない以上、他人に手を貸すことなどはないだろうな。あのような腐った人間は」

そうか、とCCは冷淡な言葉を告げ、会話を終わりにした。
放送を聞いて魔女と呼ばれるCCが気になったことは
死者を告げる声でも、禁止エリアに関することでもない。
それは願いを叶えるということ。そしてその為の「力」がプレシアに実際にあるかどうか。
もしプレシアという女に神にも似た能力があるのなら、
不死であるはずの人間が死ぬということは、この場では恐らくは可能なことなのだろう。
死とは飽きるほど長い生の果てに望んだ願い。
ならばCCにとって、その対面は些かの恐れもない。
だけど、このような訳の分からない他人の遊戯場で朽ち果てるのは、魔女としての誇りが許さない。
自分を殺すのは契約者であるルルーシュの役目。そしてそのためのギアス。
自分の命も、契約者の命も、決してどこぞの女の為に贄となり、祭壇に捧げられるものではない。
確かにギアスとは常に契約者の人生を壊すもの。
CC然り、マオ然り、そしてルルーシュも……。
このような茶番に巻き込まれてしまったのも、彼女にとっても幾分か予想外ではあるものの、
ギアスの円環に組み込まれたものなのであろう。
だがあの日、CCとルルーシュは確かに覚悟を持ってギアスを契約した。
それならば、ギアスにより何が起きようと、その結果を受け入れなければならない。

(すまないな、ルルーシュ)

心の中で詫びを入れつつも、彼女の想いは変わらない。

(この下らないゲームを生き延びて、私を殺してくれ。それでこそ共犯者だ。共にお互いの生を犯す者としてのな)

それこそが彼女の目指す終着点。
だから、そこへの道が決して外れないように彼女は歩かなければならない。
契約者であるルルーシュと共に。
もしその道を踏み外してしまう者がいたのなら…………。

(先の放送でカレンは死んだみたいだが……。ルルーシュ、忘れるなよ。お前は私の共犯者だ。今更泣き言は許されない。
この先、スバルやシャーリーが死のうともだ。あまり私を失望させてくれるなよ)

そして彼女は自身の道を彼と共に歩くためには何をすべきかということを考える。
だけど、それはここに来る前のことを思い返せば、考えるに及ばない。
何故なら、彼はそこでも反逆者だったのだから。
ならば、すべきことは簡単。
前の世界と同じようルルーシュに力を与えればいいのだ。
彼の能力がいかんなく発揮される黒の騎士団のような力を――駒の集まりを。
そうすれば、反逆の狼煙は上がり、自然と目的地への道程も見えてくる。
そして上手いことに良い駒になりそうな人間が彼女の目の前にいる。
一つの執念に駆られた人間など、ギアスなど使わずともルルーシュなら簡単に操れるだろう。
そんな思惑と共に魔女はほくそ笑む。

(しかし、それはともかくとして……)





「おい、腹が減ったぞ」

CCのその言葉にゼストはギョッとした表情で振り返る。

「……さっきも食べただろう?」
「一体、何時間前のことだ? それにあんな冷めてヘナヘナになったピザでは腹はおろか、心も満たされん」
「贅沢を言うな」
「贅沢ではない。人として当たり前の嗜みだ。それにもう朝食の時間だ。お前も腹が減っては何とやらだろう?」
「……まあ、それは確かにそうだな」

そう言い、ゼストはバッグからピザを取り出そうとするが、それはCCの言葉により制止される。

「だから、冷めたピザはいらんと言っているだろう」
「……どうしろと言うのだ?」
「温めろ」
「温めろ? どうやってだ?」
「お前は一々人に聞かなくては分からんのか?」
「……別に俺だけがピザを食べても構わんのだが?」

憮然とした表情で呟くゼストを見て、CCは僅かに頬を緩ませる。

「フフッ、そう怒るな。ちょっとした冗談だ。確か近くに商店街があっただろう? そこに電子レンジの一つくらいも置いてあるさ」
「……あまり時間をロスしたくはないのだがな」
「そう焦るな。お前の想い人は皆無事だったのだろう? それに態々この殺し合いという遊技場に立てられた施設だ。何かしらの意味があるかもしれんぞ」
「一体誰のせいで焦っていると思っているんだ」

二言目には……と多少の謙虚も見せずに、一言目から腹が減った、疲れたとのたまうCCのせいでゼストの足は一向に進まなかった。
そのおかげか、二人の踏破した距離は未だ些細なものであった。
しかしCCの言葉に思うところがあったのか、しばらくしてゼストはその首を縦に振った。

「行くぞ」
「どこへだ?」
「商店街にだ」
「そうか。それは頼もしい台詞だ。では礼として、一つの情報をくれてやろう」
「……何だ?」
「商店街の先に黒の騎士団専用車両とあっただろう?」
「それがどうかしたか?」
「そこには殺し合いに役に立つものがある」
「……何故そんなことが言える?」
「簡単なことだ。帝国に逆らう一人の反逆者が掲げた看板がそこにあるからさ」

疑問の表情を浮かべるゼストにCCは微笑で応え、足を進める。

(そこにルルーシュがいるかもしれないしな)

心の中でそんな一言を付け足し、彼女はまた笑う。

(ゼストだったか? 意外に楽しめるじゃないか)

自分の言葉に振り回され、巧みに変化するゼストの表情を思い出し、彼女は笑いながら彼への次の言葉を考えていた。
彼女の後ろを歩くゼストはそんなCCを見て、何ともいえない顔を人知れず浮かべていた。


【1日目 朝】

【現在地C-3 】
【ゼスト・グランガイツ@魔法少女リリカルなのは 闇の王女】
【状況】健康
【装備】ブリッツキャリバー(待機状態)@魔法妖怪リリカル殺生丸
【道具】オリーブ抜きのピザ(10/12サイズ)@魔法少女リリカルなのはStylish、支給品一式
【思考】
 基本:高町なのはの捜索、抹殺、プレシアの抹殺、ルーテシアの保護
 1.商店街へ行き朝食を取る
 2.商店街で役に立ちそうなものを探す
 3.黒の騎士団専用車両へ行く 
 4. 行動を共にする仲間を増やす。
 5. なのはと戦うことになれば、ギア・エクセリオンの発動も辞さない??己の命を削ってでも。
【備考】
 ・なのはとルーテシアが『健全な』歴史(StS)から来たのを知りません。
 ・市街地は危険だという認識を持ちました。
 ・CCとの協力関係は、ギブアンドテイクという暗黙の了解の上に成り立っています。
 ・ブリッツキャリバーは、十話での殺生丸戦後からの出典です。
  原作とは異なり、ファイナルリミッターが解除され、ギア・エクセリオンが使用可能となっています。
 ・ギア・エクセリオンがゼストにかける負担の程度は、未だ明らかになっていません。
  ゼスト自身は、自分のデバイスのフルドライブ同様、自身の命を削る可能性もあると推測しています。
 ・プレシアにはスカリエッティと同等かそれ以上の技術があると思っています。
 ・プレシアのことは全く信用していません。


【C.C.@コードギアス 反目のスバル】
【状況】健康
【装備】スティンガー×10@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式、ランダム支給品0?2個(確認済み)
【思考】
 基本:役に立ちそうな物や人材をルルーシュに届ける。
 1. 商店街でホカホカのピザを食べる
 2.商店街で役に立ちそうな物を探す
 3.黒の騎士団専用車両へ行く。 
 4. 向かってくる者は基本的には殺す。
 5. ピザの対価を払う方法を考える。
【備考】
 ・スバルが『StS』から来たのを知りません。
 ・ゼストとの協力関係は、ギブアンドテイクという暗黙の了解の上に成り立っています。
 ・「ギアス提供」「精神干渉」「Cの世界との交信」が不可能となっていることに気付きました。
 ・再生能力も制限されている可能性があると考えました。
 ・このゲームの中では死ぬつもりはありません。
 ・プレシアのことは信用していません。
 ・ゼストにはルルーシュの駒になってもらおうと考えています。


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