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狼煙 ◆9L.gxDzakI




 ――ああ、また天音ちゃんの友達が減ってしまった。
 二度目の定期放送を聞いた相川始が、率直に浮かべた感想だ。
 読み上げられた死者は9人。
 やはりというか当然というか、彼に直接関わってくる人間の名は読み上げられていない。
 そもそも始自身に関係のある人物など、金居と呼ばれていたギラファアンデッドか、まだ見ぬもう1人のアンデッドくらいだ。
 金居の名が呼ばれた気配もない。故に彼にとっては他人事。
 故に、彼の思考は己ではなく、栗原天音の友たる2つの名へと向けられる。
 フェイト・T・ハラオウンと八神はやて。
 一度目の放送で呼ばれた高町なのはと同じく、自分にとって大切な少女の友人の名だ。
 大人のアリサの存在や、メールの文面の違和感から、まだ本人であるという確証はない。
 だが仮に本人だとするならば、きっと彼女は悲しむだろう。
 たとえ自分が無事に帰っても、3人もの友達が命を落としたとあれば、素直に喜べないだろう。
 できることなら、守ってやれればよかったかもしれない。
 1人で帰ってくるよりも、4人で帰ってきた方が、天音もきっと喜ぶはずだ。
 今更ながら、そんなことを考えた。
 栗原母子の元へ帰るため、優勝すると誓った彼が、今になって見捨てたことを後悔した。
 何を今更、と自分でも思う。
 自分は殺人者だ。少なくとも、殺意を持った存在だ。
 まだ誰にもとどめを刺していない、などとというのは言い訳にならない。
 既に何人もの人間を殺しにかかった自分が、今になって他人の死を悼むというのか。
 脆い決意だ。鬼に戻ると決めながら、いざ何かが起ころうものなら、すぐに人間の顔が出てきてしまう。
(ギンガ・ナカジマ……)
 それもこれも、あの少女のせいだと言っても過言ではなかった。
 ギンガ・ナカジマ。
 先ほどの放送でも名前を呼ばれた、魔法使いの少女の名を思い出す。
 初めて会ったときは敵だった。そもそも敵対うんぬん以前に、狩りの対象でしかなかった。
 次に顔を合わせた時には、長い髪は短くなっていた。
 知らぬとはいえ、自分達を襲った相手を、皮肉にも自分自身の手で救ってしまったのだ。
 それでも彼女に後悔はなかった。
 むしろ自分の甘さを見透かし、本気で更生させようとさえしていた。
 仮面ライダー。
 不思議とその名が浮かんでくる。
 あの青紫の髪の少女と、不死者の鎧で武装した戦士の姿が重なる。
 それも自分のような紛い物ではない、本物の仮面ライダー達だ。
 人々を守るため鎧を纏い、アンデッドを封印する正義の戦士。
 その姿が、何故かあの少女と重なる。
 見た目はまるで違うというのに。共通点などないというのに。
 いいや、共通点があるとするなら、彼女の強き心と優しさか。
 大切なものを守るべく、敢然と困難に立ち向かう闘志。
 殺戮を呼ぶ化物である自分さえも、決して見捨てることをしなかった優しさ。
 もちろん、まだまだ未熟な部分も多い。肉体の強さも、本物のライダーには遠く及ばない。
 それでも彼女の魂は、間違いなく正義の味方のそれだった。
 胸に芽生えつつある人の心は、確かに彼女のあの姿に、あるべきヒーローの片鱗を感じていた。
(どうかしている)
 ぶん、と首を振る。
 頭の中に溜まった思考を、無理やりに弾き出そうとする。
 ギンガが正義の味方だろうと、そんなことは所詮自分には関係ない。
 名乗る名前は偽りのヒーロー。
 仮面ライダーカリスは英雄の贋作。
 この身はアンデッド・ジョーカーのもの。
 アンデッドを殺し人をも殺す、最強最悪の殺人鬼の器。
 仮に望んだとしても、所詮は相容れない存在。ましてや望んだことなどないし、これから望むつもりもない。
 正義の味方になんてなる気はない。
 正義の味方は、眩しすぎる。
 内心で自分へ言い聞かせながら、ふっと頭上の空を仰いだ。
 現在地はあのHELLSING本部のある、D-5エリア南の大通りだ。
 ダメージと疲労からようやく立ち直った始は、禁止エリアの記録を早々に終えると、図書館を脱し行動を再開した。
 死者の名前も移動中に聞いたものだ。特典の提案に関しては、興味を抱くことすらなかった。
 そうしてあてどなく大通り沿いに歩き、今に至る。
 未だ積極的に戦うつもりはなかった。こうもやもやとした感情のままでは、満足に戦うこともままなるまい。
 アンデッドの反応があった場所とは、真逆の方向へ向かっているのもそのためだ。
 それでもじっとしているのも落ち着かず、結局ふらふらとさ迷う現状に至った。
 あるいは潜在するジョーカーの意識から、無意識的に逃れようとしていたのかもしれない。
 かつ、かつ、かつ、と。
 僅かに上方を見上げながら、靴裏でアスファルトの道路を叩く。
 もうほんの気持ち歩を進めれば、F-6に踏み込もうかという位置だ。
「……?」
 それを頭上に確認したのは、ちょうどそんな頃のことだった。
 ふと、視界に留まるものがある。
 忌々しいほどに澄み渡る青空に、何やら陰りのようなものが。
 一瞬雲かとも思った。だがそれにしては様子がおかしい。
 改めてよく見てみると、それが煙であることが分かった。
 煙だ。
 物を燃やした時に発生する、あの黒煙だ。
 炎が上がっているということは、戦闘が起きたということか。一瞬その可能性へと至る。
 しかし、否定。
 違う。あれはそうではない、と。
 あれを戦闘の余波と断定するのを、いくつかの違和感が妨げる。
 音と、数だ。
 前者の音は戦いの音。
 煙が上がっている地点はそう遠くない。
 地図上の区分で表現するなら、南東に斜め1マス分ほど。急げば1時間以内に到達可能だ。
 おまけにこの静けさである。
 周囲に一切音のないこの場所で、仮に戦闘が起ころうものなら、僅かにでもその音が聞こえてきてもおかしくないはずだ。
 後者の数の問題もある。戦闘によって発生した煙にしては、たった1つというのは少ない。
 故に始はこの煙を、戦闘によって偶発的に発生したものではなく、わざと点けたものとして判断する。
 となると次の問題は、誰が何のために火を焚いたか、だ。
 通常このような行動を取ることは、敵に自分の居場所をみすみす伝えることに等しい。
 逆に考えるならば、人を集めるのには最適な手段というわけだ。
 狼煙――それが始の推定する、この火災を引き起こした理由の可能性。
 殺し合いに乗っていない人間が、仲間を集めようとしているのかもしれない。
 殺し合いに乗っている人間が、餌を撒いて獲物をおびき寄せようとしているのかもしれない。
 どちらの理由であったとしても、あそこには人が集まるはずだ。
 こんなことをしでかす奴は、よほどの自信家か大馬鹿か。
 いずれにせよ、見過ごすわけにはいかない。
 この絶好の狩りの機会、決して無駄にしてはいけない。
 まだ心は不安定だ。迷いがないと言えば嘘になる。
 それでもせめてこの狼煙を上げた、酔狂な人間の顔くらい、拝んでおいても罰は当たらないだろう。
 かつん、と。
 コンクリを蹴る。
 徒歩の時よりも鋭い音で。
 煙の立ちのぼる方角目掛けて、始が勢いよく駆け出した。


 ぱちぱち、ぱちぱちと。
 火花の爆ぜる音がする。
 めらめらと赤い光を放つのは、ごうごうと巻き上がる高熱のプラズマ。
 ひとたび人間が飛び込めば、あっという間に炭化するだろう。
 光と音を伴い渦巻くのは、あらゆる生命を脅かす必殺の熱量だ。
 それは炎。
 湧き上がる真紅の炎熱が、1つの家屋を飲み込んでいる。
 建築物1つ分に当たる炎は、煙を立てるには十分すぎるほどだ。
 火災の現場を眺めるのは、ぎらぎらとした目つきを持つ1人の男。
 結局浅倉威は、さんざん悩み抜いた末に、レストランへと放火することにした。
 放送を聞きながら、店中に火が回るよう仕込みを行い、最後にこうして火をつけたのだ。
 面倒が実った。期待通りの煙が上がる。
 もくもくと立ち込める黒煙は、さぞや人を集める狼煙となってくれるだろう。
 凶暴な期待を内に秘め、浅倉は1人ほくそ笑んだ。
 そうして灼熱の業火を見上げながら、ふと先ほどの放送を思い出す。
「殺したら手に入るボーナス、か」
 プレシア・テスタロッサはそう言っていた。
 どうやら現状に不満を抱いているのは、あの主催者もまた同感らしい。
 殺し合いを止めようとする者を駆り立て、殺し合いに乗る者には更なるやる気を与えるために、
 彼女は更なるご褒美の存在をほのめかせた。
 この次の3回目の放送を迎えれば、殺した人数に応じて、何らかの特典を与えるつもりだという。
 願ったり叶ったりだ。
 闘争を楽しむ材料が増えるのは嬉しいし、戦う相手がやる気になってくれるのもありがたい。
「なら、こういうのはどうだ?」
 故に、浅倉は提言する。
 よりよい闘争を楽しむために、最も望む条件を提案する。
 支給品の追加ではない。そんなものは他の参加者から奪えばいい。
 パワーアップでもない。自分自身の力で殺し合えないのはつまらない。
 もっと根本的な問題だ。
「俺が何人か殺したら、知りたい奴の居場所を教えてくれる、ってのはよ」
 たとえ手数が増えようと、たとえ不可思議な力で能力を上げようと。
 そんなことをしようとも、相手がいなければ意味がないのだ。
 重要なのは力を蓄えることだけでなく、戦う相手を見つけることだった。
 こんな狼煙を上げたところで、やはり参加した全員がやって来るというわけでもない。
 当然取りこぼしが出てくるだろうし、それを捜すためにも、敵の場所を知ることのできる用意が欲しい。
 プレシアはこうも言った。提案したところで確実に採用されるわけでもない、と。
 しかし、自分で言うのもなんだが、この意見はかなりいい線を行っているはずだ。
 そういう願いくらい、聞き届けられてもいいだろう。
 さて、そうなれば誰の居場所を聞こうか。
 そうだ、天道総司にしよう。
 仮面ライダーカブトにしよう。
 自分も仮面ライダーだ。やはり最初に戦うのはライダーがいい。
 そのためにも残りの5時間弱で、王蛇のデッキかそれに匹敵する武器を探さなければ。
 と――その時。
「!」
 かつん、かつん、と。
 音が聞こえる。
 火花の爆ぜる音ではない、新たな音が近づいてくる。
 早速仕掛けにかかった奴がいたか。駆け足の音が鳴る方へ、ゆっくりと向き直る。
 程なくして、それは現れた。
 この盛大な狼煙の元へ、一番最初にやって来たのは――
「………」
 茶色の髪をセミロングにし、ベージュ色のコートを羽織った、線の細い印象の男だった。


 爬虫類のような奴だ。
 燃え盛る灼熱に照らされた浅倉へと、始が抱いた第一印象だった。
 もちろんその理由の一端には、身に纏った蛇柄のコートの存在もある。
 だがそれだけではない。
 獣のようにぎらついた、そして独特な粘性を持った凶暴な眼光は、紛れもなく蛇やトカゲの放つそれだ。
 この蛇男以外の人間は周囲に見えない。
 ということは自分が一番乗りということだろうし、こいつが放火犯だということなのだろう。
「お前は殺し合いに乗ってるのか?」
 故に、それを問いかける。
 この狼煙に込められた意図は何なのか。
 仲間を集めたいという願いか、はたまた獲物を集めたいという殺意か。
「ああ。たまには俺自身が祭りを催してもいいだろう」
 後者だったようだ。
 そもそもこの男の気配を見れば、分かる話でもあった気がする。
 鋭く引き絞られた双眸に宿るのは、垂れ流しにされた闘争本能だ。
 祭りというのは、これから起こりうる乱戦を示した、彼なりの比喩表現であろうか。
 どうやらこの男、戦いや殺し合いに快楽を求めるタイプらしい。
 淡々と敵を討つタイプの始には、到底理解できぬ感情だ。
「お前はどうなんだ」
 今度は逆に、浅倉の方から問いかけてくる。
「乗っている……だが、今は気が乗らない」
 真実だ。
 今は戦うつもりはない。晴れぬ心に闘志が宿らない。
 こんな状況で戦っても、ろくな結果は得られないだろう。
 天道やギンガの時のように逃げられるか、エネルの時のように返り討ちに遭うのがおちだ。
 この男がどれほどの実力の持ち主か、今のところはうかがい知れない。
 だが、仮面ライダーホッパーなる存在のように、自分達ライダーに匹敵しうる存在へと変身する可能性も大いにある。
 油断できない状況だ。故に、手出しをすることは控えたかった。
「なんだ、つまらねぇ奴だ」
 失意。
 いかにもつまらなさそうな目をした浅倉から、目に見えて闘志が霧散していく。
 戦うつもりのない人間など、狩っても面白くないということか。
「……だが、俺もこの状況を利用したい。他の連中が来るまで、俺も一緒に待たせてもらう」
「いいだろう。その代わり、その気になった時は俺とも戦え」
 幼稚な殺意だ。
 底が見えた気がした。
 つまるところこいつにとって、闘争とは全てが万事娯楽なのだ。
 自分のように背負う者がいるわけでもなく、ライダー達のように掲げる大義があるわけでもない。
 個人的な欲求を満たしているだけだ。だから遊びで戦えるのだ。
 さながら子犬か何かのように、手当たりしだいに吠えかかるのだ。
 盲目的に戦闘行為を求める男に、最後にはそんな感想を抱いた。
 かつり、かつりと足音を立てる。
 手頃な建築物へと歩み寄り、その硬質な壁へともたれかかる。
 浅倉との距離は先ほどより離れた。
 元より他の参加者と馴れ合う気はないが、こいつとは特に馴れ合いたくなかった。
 十人十色、という諺の意味を再認識する。
 人間にも色々あるものだ。
 ギンガのような優しい奴もいれば、こんなに気に食わない奴もいるのか。
「1つ聞きたいことがある」
 と、そこで。
 ギンガの姿を思い浮かべたところで。
 そういえば、頼まれていたことがあったのを思い出した。
「アーカードという奴を知っているか?」
「知らねぇな。誰だ、そいつは?」
「俺を助けたギンガという女から、そいつに伝言を頼まれた」
 デイパックの中に収めておいた、例の録音機の件だ。
 先の戦闘の中で命を落とした、ギンガから託されたものの存在を思い出す。
 彼女は事切れる直前に、アーカードなる存在への伝言が記録されているそれを受け取った。
 何故引き受けたのかなど知らない。
 言ってしまえば、それもまた始の闘志を削いでいる原因の1つだ。
 どうかしていると改めて思う。
 だがそれでも、何となく、届けてやりたいとは思った。
 それが“情け”と呼ばれる感情であることには、未だ彼も気付いてはいなかった。
「……そのギンガって奴は、このゲームに乗ってないんだな?」
 浅倉の問いかけに、我に返る。
 正解だ。
 ギンガは殺し合いに乗っていない――容易に推測できることではあった。
 ゲームに乗った殺戮者ならば、わざわざ獲物を助ける理由などないからだ。
 だがそれでも、それが推測できるのはあくまで人間。
 この野獣じみた戦闘狂に、そこまでの知能があるとは、正直思っていなかった。
 たとえ狂っていたとしても、やはりこいつも人間か。どうやら人並みに頭はあるらしい。
「ああ。最後まで殺し合いを止めようとして、命を落とした」
 故に、正直に答える。
「馬鹿な奴だ」
 返事は、嘲笑。
「ヒーロー気取りが悪人助けて、挙句に死んじまったなんてな。とんだお笑い話じゃねえか」
 くつくつ、と。
 唇の端を吊り上げて。
 下衆な笑いを浮かべながら、浅倉の言葉がギンガを嘲る。
 ああ、確かに馬鹿げた話だ。
 エネルに敗れた自分を放っておけば、少なくとも殺人者が1人減ることになっただろうに。
 それでも彼女は自分を助け、立ち去る自分を追いかけて、ギラファアンデッドにさえ立ち向かった。
 人殺しを野放しにする事態を招いただけでなく、そのまま命まで落としてしまった。
 自業自得だ。お人よしが馬鹿を見た。
 それこそ馬鹿にされてもおかしくはない。
 ああ、しかし。
 何故だろう。
「……もう一度言ってみろ」
 無性に腹が立っているのは。
 ぐ、と右の拳を握る。
 何故こんなにも怒りを覚えるのだろう。
 何故許せないと思うのだろう。
 彼女の生き様を否定することに、何故こうも腹を立てている。
 今まさにこの胸を震わせるのは、他人のために抱く怒りだ。
 己の正義に殉じたギンガの、その尊厳を守るための怒りだ。
 殺人者らしからぬ思考だとは思う。
 殺し合いに乗った自分が、彼女を擁護する理由など全く見当たらない。
 だが、そんなことは知ったことか。
 許せないものは許せないのだ。
 こんな最低な男などに、彼女の生き様を否定させてなるものか。
「その時は――」
 絶叫した。
 怒号を上げた。
 始が言い放った言葉は――


 僅かに衰え始めた火の手を見つめながら、浅倉はじっと獲物がかかるのを待っていた。
 かれこれ数十分前につけた炎だ。そろそろ燃やすものを失い、燃え尽き始めてもいい頃だろう。
 同時にこれだけの時間が経ったということは、そろそろ誰かが来てもいい頃だということ。
 間もなくだ。そう予感していた。
 根拠などない。だが分かる。
 もうすぐこの狼煙を見上げた何者かが、自分と戦いにやって来る。
 それこそ先ほどのような日和見ではない、正真正銘の戦士が来る。
 これまで暴力の中に身を置いてきた、浅倉であるが故の直感だ。
 ちら、と。
 その視線を、傍らの建物へと向ける。先ほどまで始が寄りかかっていた場所だ。
 元々機嫌の悪かった彼は、更に機嫌を悪くしたらしく、建物の中へと引っ込んでしまった。
 どうやらこの浅倉という男を、始はとことん嫌ったらしい。
 顔を合わせていることさえも、不愉快でたまらないと思うほどに。
「……何が気が乗らない、だ」
 ふ、と。
 浅倉の顔に浮かぶは笑み。
 それも先ほどの嘲笑ではなく、好戦的な獣の笑みだ。
 最初はあの始という男は、戦意の欠片もない腑抜けでしかなかった。
 故に戦おうとも思えず、むしろ己のイライラを増幅させたに過ぎなかった。
 拍子抜けだ。故に、失望した。
 しかし、最後に見せた怒りを向けられた時、彼の中での始の印象は一変した。
 気が乗らないとはよく言ったものだ。
 己に怒鳴りかけたあの瞬間、感じたのは紛れもない本物の殺意。
 曇りに曇りきったナイフが、一瞬にして澄みわたったのを感じた。
 ナイフどころのものではない。あれは剣呑な日本刀。
 面白い。
 それでこそ戦うに値する。
 彼をその気にさせることができれば、どれほど素敵な闘争が楽しめるだろう。
 故に、彼は待つ。
 来訪者と、始の本気。その双方を待ち続ける。
(もう一度言ってみろ。その時は――)
 あの時男の発した怒号を、内心で好奇と共に反芻しながら。
 始の言葉は。
 極大の怒りと殺意と共に、相川始の放った言葉は――






 ――俺は貴様をぶっ殺す!!






【1日目 日中】

【F-6 レストラン付近の建物内部】
【相川始@魔法少女リリカルなのは マスカレード】
【状況】健康、背中がギンガの血で濡れている、言葉に出来ない感情、浅倉に対する憤り
【装備】ラウズカード(ハートのA~10)@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【道具】支給品一式×2、パーフェクトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、
    ゼクトバックル(ホッパー)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、録音機@なのは×終わクロ
【思考】
 基本:栗原親子の元へ戻るために優勝を目指す?
 1.レストランの火災につられた参加者を待つ
 2.その後アンデッドの反応があった場所、もしくは他の施設に向かう。
 3.アンデッド、エネル、赤いコートの男を優先的に殺す。
 4.見つけた参加者は全員殺す?
 5.アーカードに録音機を渡す?
 6.あるのならハートのJ、Q、Kが欲しい。
 7.ギンガの言っていた人物(なのは、フェイト、はやて、スバル、キャロ)が少し気になる、彼女達に出会ったら……?
 8.浅倉のことは気に食わないが、今は戦うつもりはない。気持ちを整理する時間が欲しい。
【備考】
※自身にかけられた制限にある程度気づきました。また、ジョーカー化の欲求が強まっている事を自覚しました。
※首輪を外す事は不可能だと考えています。
※「他のアンデットが封印されると、自分はバトルファイト勝者となるのではないか」という推論を立てました。
※相川始本人の特殊能力により、アンデットが怪人体で戦闘した場合、その位置をおおよそ察知できます。
※エネルという異質な参加者の存在から、このバトルファイトに少しだけ疑念を抱き始めました。
※ギンガを殺したのは赤いコートの男(=アーカード)だと思っています。
※カリスの方が先に変身制限は解除されます。
※主要施設のメールアドレスを把握しました(図書館以外のアドレスがどの場所のものかは不明)。

【F-6 レストラン前】
【浅倉威@仮面ライダーリリカル龍騎】
【状態】右手に火傷、満腹
【装備】ライダーベルト(カブト)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、マシンガンブレード@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式、ヴィンデルシャフト@魔法少女リリカルなのはStrikerS、肉×10kg、魚×10kg、包丁×3、
    フライパン×2、食事用ナイフ×12、フォーク×12
【思考】
 基本:戦いを楽しむ。戦える奴は全員獲物。
 1.レストランの火災につられた参加者と戦う。
 2.今はまだ始とは戦わない。本気になった始に期待。
 3.王蛇のカードデッキ、及びカブトのベルトに填める物(カブトゼクター)を探す。
 4.回復した天道と戦う時にはベルトを返した上で戦う。
 5.なのは(sts)と遭遇した時にはヴィヴィオの名前を出してでも戦ってもらう。
 6.キング、鎌を持った奴(キャロ)、なのは、フェイト、はやて、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、ユーノと戦う。
 7.首輪にイライラ、外したい。
 8.プレシアには「規定の人数を殺害した参加者には、望む人間の居場所を教える」という特典を採用してほしい。
【備考】
 ※プレシアは殺し合いを監視しており、参加者の動向を暗に放送で伝えていると考えています。
 ※ヴィンデルシャフトのカートリッジシステムに気付きました。
 ※カブトに変身できる資格があるかどうかは分かりません。
 ※なのは、フェイト、はやては自分の知る9歳の彼女達(A's)とヴィヴィオの言っていた大人の彼女達(StS)の2人がいると考えています。


【備考】
F-6にあったレストランにて火災が発生しました。
また、その影響で煙が立ち上りました。どこまでの範囲から確認できるかは、後続の書き手さんにお任せします。



Back:第二回放送 時系列順で読む Next:らっきーえむぶれむ星戦の系譜
Back:第二回放送 投下順で読む Next:らっきーえむぶれむ星戦の系譜
Back:The people with no name 相川始 Next:[5RIDERS]
Back:王蛇のブランチ 浅倉威 Next:[5RIDERS]






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