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白き覚醒 ◆HlLdWe.oBM




一般的に温泉とは憩いの空間である。
本来は地中から湧き出た湯、及びそれを利用した入浴施設を指す言葉だ。
さらに最近では様々なレジャー施設との融合によって多様な姿を見せている。
だがその本質はいつの世も変わらない。
さまざまな効能を秘めた湯に浸かり、日々の疲れを身体の奥から癒し、明日への英気を養う。

だがそれはこの殺伐としたデスゲームという名の殺し合いの場においては例外らしい。

会場の北東に位置する温泉――正式名称『海鳴温泉』。
本来なら憩いの場となるはずの温泉で今まで起きた出来事は決して平穏なものではない。
エネルに襲われたシャーリー・フェネットが逃れてきた。
瀕死の重傷を負った天道総司が辿り着いた。
シャーリーが天道を父の仇を思いこみ殺そうとした。
浅倉威とヴィヴィオが訪れ、交錯して、最終的に誰もいなくなった。
再び天道が負傷してキングに担がれて戻ってきた。
天道とキングはエネルの脅威を食い止めるべく立ち去って行った。

そしてデスゲームの惨状に怯えた天上院明日香が流れ着いた。


     ▼     ▼     ▼


(もうすぐ放送の時間か)

天上院明日香は海鳴温泉の一室でその時を待っていた。
結局ここに辿り着いてからの時間を明日香は無為に過ごす事になった。
少し前まで洗濯中だった制服も今では乾燥も完了している。
一応元あった場所に畳んで置いたのでいつでも着られる状態になっている。
だが肝心の持ち主が帰ってくる事はなかった。
元々明日香が放送まで温泉に留まろうと決めた理由は制服の少女が戻ってくる可能性を考慮したからだ。
だからこの結果は明日香にとっては肩透かしも同然であった。
もちろんその間何もしていなかったわけではない。
何か見落としがないか温泉施設の再調査やこれまでの事を考え直してみたりもしたが、何一つとして収穫はなかった。

明日香は何も見つけられなかったが、実はこの温泉施設にはカブトエクステンダーという特殊なバイクが駐車されていた。
だが既にそれは天道総司が乗って行ったので明日香が見つけられなかったのは当然だ。
ところでここで一つ気になる点がある。
当初天道に支給されていたのはカブトエクステンダーの鍵だけでバイク本体は何処にあるか分からない状態だった。
当然ながらバイクを手に入れる事は移動の手段として大きなアドバンテージになる。
黒の騎士団専用トレーラーと違って小回りも利くのでこの広さの会場なら打ってつけの乗り物と言える。
だがさすがにプレシアもそこまで甘くない。
だからこそ参加者に支給されたのはバイクの鍵のみで本体は自力で探さなければいけないというデメリットを付加したのだろう。
つまりカブトエクステンダーこそ温泉に設けられた仕掛けとも言える。
ただサービスのつもりなのか極稀にバイクごと支給された例もある。

だが真相は杳として知れない上に明日香がこのような事情を知る事もない。

「まずユーノが呼ばれる事は確定だから死者は1人以上、つまり最低あと18時間は首輪の強制爆破はないはず……。
 み、みんなは、無事かしら……?」

幸い最初の6時間で明日香と親しい者は誰も死んでいなかったが、今回もそうだという保証は一切ない。
実のところ明日香は一回目の放送後まではいささか楽天的だったと言える。
奇跡的に直接命に関わるような危険な目に一度も遭っていなかったので仕方なかったのかもしれない。
そのためこの場が凄惨な殺し合いの場だという実感がどこか希薄であった。
だが今回は違う。
自分の力ではどうする事も出来ない程の圧倒的な力を目の当たりにした。
その力を防ぐ術を持った人間に変身するフェレットがいた。
そのフェレットをあっさりと殺して当たり前のようにその刃を明日香に向ける少女がいた。
それらは明日香にこの場が凄惨な殺し合いの場だと実感させるのには十分すぎる出来事であった。

もしかしたら最初の6時間はただ運が良かっただけではないか。
今度の放送では仲間の名前が呼ばれるのではないか。
いやもう自分以外の仲間は全員死んでしまったのではないか。

そう考え出すと明日香は身体の奥底から湧き上がる不安を抑えつける事ができなくなった。
刻一刻と放送の時間が近づく中、明日香は背に嫌な汗が伝うのを感じていた。
危険だからという理由で温泉に入らなかったにもかかわらず明日香の身体は汗で湿っていた。
さらに身体が徐々に小刻みに震え始めた。
それが汗で身体が冷えたせいか恐怖に怯えたせいかは分からない。
ただ明日香はじっと放送の時間を待つしかできなかった。

(お願い、せめて十代だけでも無事でいて)

明日香がもっとも信頼できる仲間の安否を気遣う中――。

『6時間ぶりね。みんな、ちゃんと聞いているかしら』

――運命の刻は訪れた。

「…………ッ」

まずは前口上と禁止エリア。
これは一回目の同様に忘れないように地図にメモしておいた。
そして問題である死者の発表。

『アレクサンド・アンデルセン……インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング……』

この二人は明日香とは関わりない人物なので不謹慎だが特に何も思わない。

『ギンガ・ナカジマ……ザフィーラ……フェイト・T・ハラオウン……』

スバルの姉、機動六課の一員、そして少しの間行動を共にした時空管理局員。
だがこれも関わりは薄いため少し心がざわめいただけ。

『ブレンヒルト・シルト……武蔵坊弁慶……』

この二人も明日香との関わりはないから特に思う事もない。

『八神はやて……』

もうすでに名簿の後半に差し掛かっている。
このままあとはユーノが呼ばれて忌まわしき放送は終わるはず。
幸いにも今回も仲間は全員無事のようだ。
その瞬間、明日香は少し胸を撫で下ろしかけた。

だが運命は残酷だ。

『遊城十代』
「え」

それは明日香にとって最も呼ばれてはいけない名前だった。
そして同時に明日香が最も呼ばれる可能性が高いと密かに予想していた名前だった。

「う、そ……うそ、でしょ……」

その瞬間、明日香の頭は真っ白になった。
何も見えない、何も聞こえない、何も考えられない。
それはまるで吹雪が吹き荒れる白き夜に遭遇したかの如く。
明日香の心に白の帳が下りていた。


     ▼     ▼     ▼


海鳴温泉から少し離れた場所を流れる川の畔。
そこに明日香と同じように放送で仲間の死を知った者がいた。
フェレットではなく人間の姿をしたユーノ・スクライアだ。

「フェイト、はやて、それにザフィーラも……」

PT事件で知り合ったフェイト・T・ハラオウン。
闇の書事件で知り合った八神はやて。
はやての守護獣であるザフィーラ。
3人ともユーノと関わりは深く、誰もがこんなところで死んでいいはずのない者たちばかり。
心優しき司書長はその死を悼まずにはいられなかった。

そしてもう一人。

「……ブレンヒルト、ありがとう。君に助けてもらった命は無駄にはしない」

ブレンヒルト・シルト。
一緒に行動を共にした時間は4時間程度と短いが、ユーノにとってブレンヒルトは命の恩人と云う特別な存在だ。
今こうして無事に生きて放送を聞けたのも全てはブレンヒルトの働きのおかげだ。
ルーテシアに刺された瀕死のユーノを助けて、キース・レッドとの際どい交渉を乗り越えて、治療に専念できる場所を見つけて。

そしてユーノを逃がすために囮となって散っていった。

あの時そんな気配が感じられなかったかと云うとそうではない。
なんとなく嫌な気配のような第六感程度に何か予感めいたものは感じていた。
だが負傷して満足に戦えない自分が決死の覚悟を決めたブレンヒルトに反論する権利などなかった。

「だからせめて約束だけは守ろうと思う。いつかきっと君の世界に行くよ」

だからユーノはブレンヒルトの死を無駄にしないと誓った。
このデスゲームを打ち破って皆と共に帰還する、そしてブレンヒルトとの約束を果たそうと。

『…………』
「……バルディッシュ」
『行きましょう、ユーノ』
「バルディッシュ、君もフェイトが死んで――」
『大丈夫、心配無用です』
「……ありがとう」

いつもは寡黙な待機状態のデバイスも主人の死の影響か常より発言が多かった。
もしかしたら同行していたブレンヒルトの影響もあるのだろうか。
仮の主人の覚悟はこんなところにも置き土産をしていたのか。
そんな事を頭の隅で考えつつユーノは彼方に見える白き湯気が立ち上る場所に足を向けた。
既にブレンヒルトとバルディッシュとの話し合いで知り合いが平行世界の人物である可能性は把握した。
だからこそユーノは足を速めた。
そのような差異が元で要らぬ争いが生まれる事を阻止するために。

「とりあえず近くに温泉があるみたいだから、まずはそこで――」

だが道半ばの所でユーノは突然茂みから出てきた少女に言葉を遮らずにはいられなかった。
肩までかかる金髪に少し険の入った金の瞳。
首周りと胸元にだけ鮮やかな青の線が入った白のノースリーブの制服。
自身が所属する色を示すかのように強調される青いミニスカート。
そして少女ながら魅力を感じさせる肢体。
ユーノは目の前の少女に見覚えがあった。
それは数時間前に不慮の事故で離ればなれになっていた少女。

「ユ、ユーノなの……?」
「明日香、無事だったんだね」

天上院明日香。

そしてそれが悲劇の始まりだった。


     ▼     ▼     ▼


『遊城十代』

天上院明日香という人物が遊城十代に対してどういう感情を抱いていたのかは当の本人も分からない。
同じデュエリストの仲間? 良きライバル? 気になる男子?
だが悪い感情を抱いていなかった事は事実だ。
それがただの友情か、それともそれ以上の感情か。
それは十代が死んだ今となっては詮索するだけ無駄と云うものだ。

確かな事はもう遊城十代はもうこの世にはいないという事。
既になのはやフェイトのような強力な魔導師も容赦なく死んでいる。
あの圧倒的な光を防いだユーノも気を抜いた瞬間、あっさりルーテシアに殺されてしまった。
戦うだけの力を持っていても隙を見せる事は即ち死を意味する。
それならば何の力も持たない十代のような者なら尚更だろう。
もうこの地に明日香にとって信頼できる者は誰もいない。
厳密に言えばまだ何人か知り合いはいるが、あまり再会したいとは思わない。

万丈目準……意外な信憑性を持つチンクの証言に因るとデスゲーム開始直後から既に殺し合いを積極的に行っている様子。
早乙女レイ……今回の放送で十代が死んだ事で何を仕出かすか分からない状態。
ルーテシア……論外。再会した瞬間に殺されてしまう。
チンク……何か裏がある雰囲気。しかもルーテシアの仲間だから余計に怪しい。
なのは・フェイト・はやて……名簿に不備がなければ明日香の知らないなのは達がいる。当然信頼できる訳がない。
スバル・キャロ……行動を共にした時間は短い。それゆえにいざという時不安。
ヴィータ・シャマル……伝聞情報。それゆえに信頼性に欠ける。

このように元からの知り合いでこの会場で信頼のおける者は皆無なのだ。
辛うじて信頼できそうな者がいる事はいるが、それも望みは薄い。
わざわざメールで情報を教える親切さを持ち合わせた『月村すずかの友人』。
迂闊にも制服という自らの痕跡を残した制服の持ち主。
どちらも付け入る隙としては十分すぎる。
まだ生きている可能性は低いだろう。

「そ、そうだ! 早く、い、移動しないと!」

今回死んだのは全部で10人。
一回目よりは少ないが、全体の人数も減っているので殺し合いのペースという点では見劣りはしない。
積極的に殺し合いに乗っている者はかなりの数いる事は簡単に予想が付く。
この温泉は地図に場所が明記されている上に遠目からでも湯気で目立つ。
つまりここは安全とは言えない。
そしてもっと安全な所に避難しなければ殺されるという強迫観念が明日香を襲った。

「……ひぃ……っ……は……」

一気に身を危険を感じた明日香はすぐに温泉から移動を開始した。
ここは力のない者や隙を見せた者から死んでいく殺し合いの場。
そんな中で頼れる者は誰もいない明日香が生き残れるのだろうか。
次の瞬間には誰とも知れない参加者に殺されるのではないか。
まるで泉の如く不安は次々と湧き上がってくる。
必死に走っているがどこに向かうかなど考えている余裕はなかった。
今はただ少しでも危険な場所から離れたかった。
そこで急いで茂みを突っ切った先にいたのは――。

「ユ、ユーノなの……?」
「明日香、無事だったんだね」

――ユーノ・スクライア。
ルーテシアに殺されたはずのフェレットが人間の姿で立っていた。

「う、嘘!? ユ、ユーノは、し、死んだはずじゃ――ッ!?」

明日香は混乱するしかなかった。
明日香にしてみればユーノは既に死んだ身。
もっとも信頼していた十代の死、そして死んだはずのユーノの出現。
既に明日香は冷静に物事を判断できる状態ではなかった。

「こ、来ないでえええ!!!」

ついに恐怖を抱いた明日香は思わずその場から逃げだした。
頼れる存在の喪失。
孤独による不安。
死者との対面。
それらは明日香に恐怖を抱かせるには十分であった。
もう形振り構わずただこの場から離れる事だけしか考えられなかった。

だが明日香がその場から逃げる事は出来なかった。

「え、なに、これ!?」

いきなり後ろから光の鎖が飛んできて明日香を拘束したのだ。
両手、両足、胴体の計5本。
しかも鎖を辿った先にいたのはユーノだった。

(なんでユーノがこんな事を? 私が逃げたから? でもそれにしてもこんな乱暴な手で――まさか!?)

死んだはずのユーノ。
以前とは違って有無を言わさぬ態度。
そしてフェレットではなく仮初である人間の姿で迫った事。

(あいつは偽者なんだわ!? でもなぜそんな事を? 簡単じゃない、相手を油断させて殺すつもりに違いないわ!)
「さあ、おとなしくして……」

ユーノの言葉は冷静な判断力を欠いた明日香に届くはずがない。
今明日香の頭にあるのはどうやってこの場から逃げ切るかという一点だけ。
他の事など構っていられる余裕は皆無だった。

「近づかないでッ!!」

なんとかして左手の鎖はガオーブレスごと外して投げつけたが、他は全く外れる様子はない。
苦し紛れにデイパックを叩きつけても何の効果もなかった。
ただ中の道具が叩きつけるごとに周囲に散乱するだけ。

だがその時明日香の目にある物が映った。

「……ジュエルシード」
「まさか――止めるんだ、明日香!!」

ユーノも明日香の意図に気付いたが既に手遅れ。

(そうよ、あれさえあればもうこんな目に遭わなくて済む!
 今まで何もできなかったのは突き詰めれば何かを為すための力がなかったから。
 だけど、本当はそうじゃなかった! 何かを為すための力はこんなすぐ傍にあった……)

躊躇いは一瞬だけだった。

「お願い! 私に力を!!」


     ▼     ▼     ▼


確かにユーノはチェーンバインドで明日香を捕獲した。
だがそれにはユーノなりの理由があった。
もし北に走ってループすればキース・レッドに出会う可能性があった。
そのような事になればせっかく再会した明日香をみすみす見殺しにするようなものだ。
ブレンヒルトから一応ことのあらましは聞いていたので明日香とはぜひ再会したいと思っていた。
しかし明日香の様子から口で言っても素直に聞いてくれないのでやむを得ず強引な手段に出てしまった。

だがそんなユーノの真意が明日香に伝わる事はなかった。
結局ユーノは明日香の背中を押す最後の一手になってしまった。


     ▼     ▼     ▼


「そんな、あれは闇の書の時の……」

ユーノは目を疑った。
目の前にいるのは間違いなく天上院明日香だ。
だが今の明日香の様子は一変している。
まずは外見。
ノースリーブだったアカデミアの制服は、金のクロスの線が入った若干袖がある白の衣装に変化していた。
さらに右腕と両足には臙脂色のベルトが絡み、背には白い翼が広がり、腰のスカートは後ろに大きく翻っている。
それはまるでリインフォースの黒の衣装が白に反転したかのようだった。
次に魔力。
今明日香の周囲では圧倒的な魔力が奔流となって周囲に吹き荒れている。
そのせいでバインドは全て弾かれて消滅してしまった。
こうして離れた場所に立っているのにプレッシャーからユーノの手にはじんわりと汗が滲んでいた。
まるで闇の書の時のリインフォースが再臨したかのように見えた。

「……いや、あれは違う」

最初ユーノは明日香が夜天の書の融合事故に巻き込まれたと考えていた。
だが服装と魔力値が変化したが、金髪と金の瞳やグラマラスな肢体に変化はない。
つまりあれは融合事故ではなく、ただバリアジャケットを展開しただけだ。
それも当然だ。
今の夜天の書は融合騎であるリインフォースⅡと引き離されてストレージデバイスのみとなっている。
だから融合事故など起きるはずがない。
しかしそれではあの変貌の様子に説明が付かない。
今の明日香の雰囲気は以前とはまるで別人。
あの氷のように冷たい眼で射竦める様子はあたかも氷の女王。

(そうなるとやっぱり原因はジュエルシード! しかも夜天の書にまで影響が及んでいるのか!)

本来なら夜天の書を起動させても以前のような暴走は起きるはずはない。
それは暴走の原因であった防衛プログラムが切り離されて消滅したからだ。
しかもこの夜天の書ははやてがリインフォースの残した欠片を元に時空管理局と協力して作り上げたものだ。
だから以前のような暴走が起きる余地はないはずだった。

だがここに別のロストロギア・ジュエルシードが加わってしまった。
明日香が願ったのは力の渇望。
それをジュエルシードは叶えたにすぎない。
バリアジャケットの意匠が本来明日香の知らない闇の書のものである理由もジュエルシードに因るものだ。
しかもユーノは知らないがジュエルシードの影響を受けた物は夜天の書だけではない。
魔晄(ライフストリーム)が凝縮され生み出された結晶である『バリアのマテリア』。
ほんの僅かではあるが吸血鬼の力の一端を宿す『トバルカインのトランプ』。
デイパックから零れ落ちていたこれら二つの特殊な力を秘めた道具もジュエルシードによって力を引き出された。
夜天の書に関して幸いなのは今の状態が融合事故ではなく、また防衛プログラムの復活もないという点。
だがそれは気休めでしかないだろう。
もうこうなれば明日香を止める事は生半可な事では無理だ。
夜天の書とジュエルシードと魔晄(ライフストリーム)と吸血鬼の力。
本来なら合わさる事がない異世界の力同士がこうして奇跡の融合を果たしたのだ。
もうこれは誰にも止められない。

「今の私こそが真の私。目覚め生まれ変わった私の本当の力を思い知るがいい」

そして天高く振り上げられた明日香の白の手によって全ては白に包まれた。


     ▼     ▼     ▼


目の前に広がっていた森は見る影もなくなっていた。
木々は根こそぎ薙ぎ倒され、赤茶色の山肌が視界に広がっている。
それを見ても明日香の気持ちは変わらない。
もう何も怯える必要はない。
この場にいる者は全て敵だ。
ルーテシアのように積極的に殺し合いに乗る者。
偽ユーノのように相手を騙そうと近づいてくる者。
誰も彼も気を許す事など出来ない。
だがそんな事は関係ない。
既に明日香にとって自分以外の参加者は倒すべき敵だ。
目的は唯一つ――最後まで生き残る事。
そのためには他の参加者全員を殺して回る必要がある。
まだ魔法の行使には慣れないが、追々慣れてくるはず。
とりあえず一応無事だったデイパックを一つ拾って次の目的地を考える。

「おそらく会場の端に行っても人は少ない、それなら――」

――目指すべきは中央の市街地。


【1日目 日中】
【現在地 C-7】
【天上院明日香@リリカル遊戯王GX】
【状態】健康、チンクへの疑念、参加者全員に対する不信感、バリアジャケット展開中、白夜モード
【装備】夜天の書@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ジュエルシード@魔法少女リリカルなのは、バリアのマテリア@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、トバルカインのトランプ@NANOSING
【道具】支給品一式、ゾナハカプセル@なのは×錬金、救急箱
【思考】
 基本:参加者全員殺して最後の一人になる。
 1.人が集まりそうな市街地に向かう。
【備考】
※転移魔法が制限されている可能性に気付きました。
※万丈目にバクラが取り憑いている事を知りません。
※完全に信頼出来る参加者は『月村すずかの友人』(=はやて(StS))、制服の持ち主(=シャーリー)だけだと考えています(でも既に殺されていると思っています)。
※ユーノの本当の姿はフェレットであり、ルーテシアに殺されたと思っています。
※I-7からA-7にループした事に気付いていません。
※第二回放送は『遊城十代』の名前が呼ばれたところまでしか聞いていません。
※バリアジャケットのデザインは闇の書の意思の騎士甲冑(黒の部分は白に反転している)です。
※ユーノの偽者(実は本物)を殺したと思っています。


     ▼     ▼     ▼


海鳴温泉。
憩いの場とは程遠いこの場所に新たな訪問者の姿があった。

『大丈夫ですか』
「ああ、なんとか。とっさにスフィアプロテクションを発動させられなかったら危なかったけどね」

そこにいたのは土塗れになったユーノ・スクライアだった。
あの時の明日香の一撃は細工も何もない単純な魔力放出であった。
そうは言っても夜天の書とジュエルシードの力が合わさった一撃は並大抵のものではなかった。
だが今回明日香は初めて使用した魔法のためにユーノの防御魔法でも防げるレベルだった。
ただそれでも爆発の勢いで吹き飛ばされる事は避けられなかった。
五体満足の代わりに着ていた服が所々破れてしまったが、安いものだ。
しかし今回無事だったのは明日香が魔法に慣れていない事が大きな要因だ。
おそらく次に会えば完全に防ぎきる保証はない。

「……明日香」

それでも心優しき司書長は自分を襲った少女の安否を心配せずにはいられなかった。


【1日目 日中】
【現在地 B-7 海鳴温泉の一室】
【ユーノ・スクライア@L change the world after story】
【状態】魔力消費(中)、全身に擦り傷、全身土塗れ、腹に刺し傷(ほぼ完治)、明日香が心配
【装備】バルディッシュ・アサルト(待機状態/カートリッジ4/6)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ガオーブレス(ウィルナイフ無し)@フェレットゾンダー出現!
【道具】支給品一式、双眼鏡@仮面ライダーリリカル龍騎、ブレンヒルトの絵@なのは×終わクロ、首輪(矢車)
【思考】
 基本:なのはの支えになる。ジュエルシードを回収する。フィールドを覆う結界の破壊。
 1.しばらくここで身体を休める。
 2.ルーテシアを探し出して話をする。
 3.ジュエルシード、シャマルの捜索。Lや仲間との合流。
 4.首輪の解除。
 5.ここから脱出したらブレンヒルトの手伝いをする。
【備考】
※JS事件に関連した事は何も知りません。
※プレシアの存在に少し疑問を持っています。
※ルーテシアはマフィアや極道の娘であり、自分が刺された原因は破廉恥な行いをしたからだと思っています。
※結界を壊す一つの手段としてジュエルシードの力の解放を考えていますが、実際にやるかどうかはまだ分かりません。
※平行世界について知りました(ただしなのは×終わクロの世界の事はほとんど知りません)。
※会場のループについて知りました。

【全体備考】
※シャーリーの制服と下着の洗濯・乾燥は終了しました。現在温泉内に放置されています。
※ユーノとルーテシアのデイパックは中身諸共消し飛びました。
※B-7中央部が壊滅状態となりました。



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