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Last update 2007年11月10日

パズル 著者:ブラックジョーカー


「もう二度と逢えないかも知れないわよ」 「え?」僕は彼女が一体何の事を言っているのか思い出せなかった。
 そう、これは昔の記憶。
 いつ、誰が、どこで言った記憶なのかも分からない。
 忘れるとか憶えてるとかそういう問題じゃなくて、記憶がバラバラで繋がらない。

 あの事件以来僕はずっとこんな感じなんだ。
 そもそもあの事件以来こうなったはずなんだけど、どうにもその前からそうだったような気がしてならない。
 でも理屈から言うとやっぱあの後なんじゃかと思う。
 とにかく頭がおかしい。
 つい最近に感じる母さんの笑顔、なんで笑ったんだっけ?
 転んで起き上がった時一緒に笑ったんだっけ?
 痛かったのに何故か嬉しかった。
 そんな事はどうでも良い。
 遠くに感じる母さんが死ぬ前に行った尾瀬。
 いつだったかおぼえていないけど、死ぬ前にもっと行っておけばとか言って笑ったっけ。
 悲しかったけど、ちょっと幸せだった。
 そんな僕はちょっと親不孝?親孝行?
 でも何より笑顔で去っていった母さんが何よりも子供思い。
 そんな事はどうでも良い。
 ところで、今は何をしていたんだっけ?
 しかし、何だろう。
 変なのはいつもの事だけど、なんかもっと変。
 走馬灯?フラッシュバック?
 意識が飛んじゃったんじゃなっかったかな?
 そもそもなんの事件で僕はこうなったんだ?
 そんな事はどうでも良い、何か重大な事を忘れているような。
 それよりなんだこの頭がズキズキする感覚は。
 でもそんな事より何か大事な事があるんだった。
 思い出した。そうだ!
 僕は彼女を何かから助けようとして、飛び出したんだ。起きろ!
 頭がズキズキする。
 頭がベタベタのドロドロで濡れている。
 なんか柔らかいのがはみ出てる。(苦笑)
 あれ?今の僕は普通じゃないか、ちゃんと頭が働いている。
 何かに頭を強打されて普通に戻るなんてなんとも皮肉な事だろう。
「もう二度と逢えないかも知れないわよ」僕はその後
『え?・・・思い出せない。何の話だったっけ?もうだめだ。本当に別れよう。僕はもう無理かもしれない。』と答えた。
 結局彼女はその提案には応じなかった。
 応じてくれなかった。
 ちょっと記憶はあやふやだけど、3年間くらい彼女は僕の面倒を見てくれた。
 彼女は無理をして僕を看病してくれた。
 僕はわざと悪態をついて別れた。
 ちょっとひどい事をしてしまったけど、これも彼女の為だった。
 そうして何より自分の為。
 こんな状態彼女には見られたくなかった。
 僕の精一杯の優しさなんてのは口実。
 別れてしまってから、さらに頭はおかしくなって。
 あまりおぼえていない・・・本当に何も無かったようなものだったのかもしれない。
 そして今偶然こうして会ってしまった。
 道をはさんで向かい側に居た僕を偶然彼女が見つけて、彼女が飛び出した。
 僕はとっさの判断で彼女を助けた。
 そうだ!彼女は大丈夫か?泣き叫ぶ彼女の声が聞こえる。
 ちょっと上を見上げると、彼女が顔を真っ赤にして泣いている。
 僕は死んでしまうんだ・・・冷静にそう思えた。
 何か言いたいようだけど、泣き声にしかならず、声にはならない。
 僕も声を出そうとして出ない。
 それでも伝えたかった。
 彼女は泣きながら僕の顔を見ている。
 僕はにっこりと笑った。
 どうやら僕の伝えたい事は伝わったようだ。
 彼女は少し悲しそうににっこりと笑っている、凄く幸せだ。
 そう、僕の記憶だと・・・。
 彼女は本当にほほえみたいときでなければほほえまなかった。




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