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Last update 2008年01月13日

無題  著者:せるうぃあ


「終わりと始まりはいつも一緒にやってくる・・・か。」
彼はため息混じりにそう呟き、本を手に席を立った。

「お、もう読んだの?早いね。」
「疲れたから返す。」
「ははっ、君にはまだ早かったかな。」
「その通りのようだ、俺にはディフィカルトみたいだ。」
「君は時々、不思議な言葉遣いをするね。」
「MEはいつでもク゛ッシ゛ョフ゛だよ。」
「やっぱり君は不思議だよ。そんなことよりさ、君はここどう思う?」
「・・・んー?」
「終わりと始まりはいつも一緒にやってくるってとこ」
「あー・・・。」
「終わりと始まりはいつも一緒にやってくるんだよね?」
「そう書いてあるね。」
「じゃあ、始まった瞬間に終わっちゃうってことだよね?」
「まぁそういうことになるね。」
「なら私達ももう終わっちゃってるのかな?」
「それはどう受け取ればいい。」
「いや、なんでもないよ。」
彼はわかった、と呟いて席に戻っていった。

 ―――放課後
彼と彼女は共に、ものすごく急な坂を登っていた。
「いやぁ、さすがにこの坂だけは慣れないね。」
「もう少し、通学のことを考えて建ててほしいものだ。」
「体にはいいんだけどね。」
「まったくだ。」
「・・・昼の続きだけどさ。」
「あれがどうかしたのか。」
「どう思ってるの?」
「どの部分かね。」
「最後に私が言ったこと。」
「なんでもない、と言っていたね。」
「たまには真面目に話してくれてもいいんじゃないかな。」
「いつも真面目だと思うが。」
「まぁいいよ、もう一度言うね。私達はもう終わってるのかな?」
「終わってるとはどういうことかね。」
「前からだけど、随分態度が素っ気無いじゃない。」
「それは気のせいだよ。うむ、断じて違う。」
「ほんとかな?」
「ああ、俺の脳内はいつも君でピンク色だよ。」
「それは何を考えているのかな?」
「口で説明するのは難しいな。」
彼等は坂を登りきり、駅へと歩き始める。

「もうすぐだね。」
「駅はまだ遠いぞ。」
「駅じゃないよ、卒業のこと、私達もあまり会えなくなるね。」
「・・・そのようだな」
「やっぱり・・・寂しいね」
「そうだなぁ、右手と左手のようになれないかなぁ。」
「え?今何か言った?」
「言ったよ、右手と左手のようになれないかなぁって。」
「それはどう解釈すればいいのかな?」
「右手と左手は、ずっと一緒じゃないか。」
「それは・・・ずっと一緒にいたいってことかな?」
「・・・そうだったらどうする。」
「どうもしないよ、君の気持ちがわかったから。」
「・・・そうか。」
「うん。」
「会える日が減ったとしても、俺の気持ちは揺るがない。」
「初めて、わかりやすく言ってくれたね。」
「いつもわかりやすいと思うが?」
「いつもわかりにくいよっ、だって・・・。」
彼女は彼の頭を指差しながら、こう言った。
「不思議の国が、ずうっと、ここにあるからっ」




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