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それが定めでも



 戦後の混乱期、物資の運搬は鉄道輸送が主役だった。大陸の都市と都市を結ぶ鉄道、対戦中に登場した航空機は今だ数少なく、食糧や燃料のほとんどを鉄道に頼っていた。それはほとんどの都市で同じで、今回のレジスタンスのターゲットも都市間を結ぶ輸送車両だった。
 あれからシンはことある事に作戦に協力し、今回で5回目。手にした報酬でシンのねぐらも少しずつ生活必需品が増えた。タイヤベッドも布の下にマットレスを引くことができたのが大きい。そのねぐらから指定の時間に間に合うように、ずるずると眠い体を引きずって這い出る。


 夜10時。
 待ち合わせは隣町の駅舎裏に午前2時だから、ちょっと急がないと間に合わない時間だ。案の定、到着は最後だった。
「遅いぞ、シン」
 今日の襲撃のリーダーであるレイに早速注意される。ルナマリアは口数が多いが、レイは少ないかわりに鋭くてシンが口を出す隙間がない。端的で正確。
「もう何やってんだよ、時間ギリギリだぜ」
 レジスタンス仲間のヨウランとヴィーノがジープに乗って待っていた。今日のチーム編成はジープ3台。それぞれに4人ずつ乗って、一人が運転、二人が貨物に突入して物資搬出、残りが援護射撃となっている。シンの担当は援護射撃。
「頼むぞ」
「ああ」
 駅舎を出発して隣の町に入る前に襲撃して食糧を奪う予定で、ここで物資の積み込みを確認した後すぐに、所定の襲撃ポイントに移動する。
 嗜好品やぜいたく品ばかり積み込まれるのを見て、シンは腕を鳴らす。
 どうみても、一般市民に行き渡る品じゃない。だとすれば遠慮は要らないわけで、襲撃が始まってからこの方シンは絶好調だった。
 郊外は大抵が農地になっていて、そのあぜ道を爆走するジープ。
 マシンガンが火を噴いて、バタバタと線路上に落ちていく警備隊。運び出しに手間取っていると判断するや否や、飛び移って、横の扉の錠前をライトセイバーで焼き切って物資の搬出を手伝う。
「こっちだ、ヨウラン」
「サンキュー、シン!」
同じコーディネータでも能力の違いは様々にあるわけで、ヨウランは機械にすごく明るいがこういった暴力的なことは苦手だ。反対にシンはその逆で。専門的に学んでいないというのもあるのだが、面白そうに思えない。
 自分で作らなくてもいいじゃないか。
 前の作戦でヴィーノやヨウランが自作の探知機や爆薬を見せびらかすのを見てつくづく思ったものだ。誰か作ってくれる奴がいるのなら自分でする必要はない。
 ある意味、シンは合理主義者だった。


「いやー、ヨウランの切削機が動かなかった時はどうしようかと思ったよ。シンが居てくれてよかったよかった」
レジスタンスのアジトでほっと一息つくヴィーノとその隣でたじたじになるヨウラン。
「自信あったんだけどさ」
「ちゃんと使う前にテストしろよな」
今回は大事に到らなかったとは言え、レイからきつく注意されたヨウランは落ち込んで机の上に突っ伏している。
「工作部のメンバーが無理するなよ。実行部隊は俺達で十分だろ」
無理を言って作戦に参加させてもらったヨウランとヴィーノはこれが元で、当分実行作戦に参加することはなくなるだろう。
「ようやく仲間になってくれる気になったか」
「いやだね」
ヴィーノの突っ込みに、シンが即答するものだからヴィーノまで机に突っ伏す。
「いつまでもシンに頼ってちゃいけないのにさ、当分外出られないよなあ」
レジスタンスといっても、所詮は所帯の小さな過激派グループに過ぎない。実行部隊として働ける能力を持ったコーディネータはシンを除くとルナマリアとレイだけ。
「もう帰るのか?」
「だって、残っていたらまた街に配達だろ?」
 ただ働きはゴメンだ。席を立つシンと入れ替わりに入ってきたルナマリアがシンを追う。
「はい、これ次の作戦ね」
「人使いの荒い連中!」
 地上に向かうエレベータの中で渡された計画書を流し読みして、その場で燃やす。今回手にいれた報酬で1週間は食べていけるだろう。奪った食糧も少しくすねてきたことだし。
「契約なんだから、文句言わないでよね」
 地下駐車場で分かれた時、遠くで時の声が聞こえた。


 一方、襲撃にあった貨物列車が辿り着いた隣町の駅では、昨夜の事件を検証する官警が車両を点検していた。
「これで5件目か。ここにも高熱で解けた跡が。こりゃ俺達じゃ手におえない相手かも知れんな」
 調書に書き込まれた情報が中央コンピュータに蓄積されるまで1日。その報告と共に出動要請が平和秩序監視機構本部にもたらされた。
 スクランブルがかかる航空機は監視官達の移動手段。
 戦中、英雄を産み出した航空母艦。平和秩序の象徴。

行き当たりばったりに書いていると当初考えていたことを忘れてしまう。この話しどうする予定だったのだっけ。なんか勢いでライトセイバーとか出しちゃったしなあ・・・。